気象庁の「時に関する用語」によると、「0時の前後それぞれ30分間くらい」だそうだ。真夜中とは思ってきたが、一時間と限定されているとは知らなかった。
ところで、皆さんは、夜半をどう読んでいますか? 私はずっと、「やはん」と読んできました。ところが、言葉の綾掲示板に書き込んでくれるkaraさんこと、karanotomo 野友 空さんの「夜半の嵐」ブログのURLをふと眺めたら、「よわのあらし」とあるではないですか。http://yowanoarashi.blogspot.com/
うん、これは間違いだな、きっと。いや、ブログタイトルを誤記するとは思えないから、URLにだけあえて違えて読んでみた遊びだな、うん。そう思いながら検索してみると、夜半はやはん・よわのいずれの読み方もできるんですね。
でもねえ、やっぱり、夜半はやはんだよ。たしか気象庁は、やはんといっていたはずだし。長年、そう黙読してきた違和感は拭えず、ネットはいいかげんな情報も多いから念のためと、手元の『三省堂 用字用語辞典第三版』(1987 第6刷)を引いてみる。
これがなんと、「やはん」がない。やはり<矢張り>やばん<野蛮>やひ<野卑>と跳んでしまう。よわ<夜半>「-に吹くあらし」はある。正直、この反対を期待したのだが、「夜半の嵐」は、「やはんのあらし」ではなく「よわのあらし」と読むようだ。そういえば、ブログの第一回に、親鸞上人の歌からだと書いてある。
明日ありとおもう心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは
私はこれも、「やはんにあらしのふかぬものかわ」と読んでいたんですね。歌が台無しですね(えっ、あなたは、よはん、と読んでいた?)。
karaさんに、「グッとくるブログタイトルですね」と声をかけた覚えがあるが、そのとき、karaさんは「よわのあらし」と読み、私は「やはんのあらし」と読んでいたことになる。
理解と誤解は、恋人のように手を携えてやってくるわけだが、「夜半の嵐」の最新エントリ「元素の小事典」では、事物の理解の手ほどきについて語ってくれている。「放射線・放射性物質を正しく怖がるのは本当に難しい」の続きでは、誤解を解く手ほどきが読めそうだ。