野田首相は尖閣諸島について、「日中間に領土問題はない」という立場を貫き、国民からも評価を得ているようだ。が、中国側の「領土問題あり」という主張にも、根拠ありというニュースと解説が出てきた。
日清戦争以前、明治政府首脳は尖閣諸島について清国側に領土主張の声があるのを知っていた。大東亜戦争後の戦後処理では尖閣諸島の帰属について法的にはあいまいなまま。
外務省のホームページに公開されている外交文書アーカイブの文書と、元外務官僚にして元防衛大学教授の発言とあっては、中国側にとっても典拠じゅうぶんだろう。
尖閣諸島 中国のモノなのか
http://news.livedoor.com/topics/detail/7040917/
孫崎享さんに聞いた 日中領土問題で得をしたのは誰なのか?
http://news.livedoor.com/topics/detail/7036353/
「ルーピー(LOOPY)」と日米の「有識者」から嘲笑された鳩山首相が、「尖閣諸島の海洋資源は、中国と共同開発・共同利用で」と発言したとき、石原慎太郎都知事は口をきわめて罵ったものだ。ルーピー鳩山構想にも、やはり一理はあったようだ。
中国の尖閣諸島への関心は、領土問題というより、制海権という軍事目的から発しているのは、ベトナムやフィリッピンと
南沙諸島をめぐり、同様の「領土問題」を起こしていることからも明らか。
<青線が日本のシーレーン(海上交通路)、赤線は中国が構築中。この地図には載っていませんが、尖閣諸島は沖縄と台湾の間、南沙諸島は南シナ海に点在、と補ってください。日本のシーレーンを分断しているのがわかります>
ルーピー鳩山構想は、それを経済次元に引き戻し、中国の制海権という軍略の無効化を狙ったものだったはずだ。「日中友好」とは、実際にはそういう綱引きだったのだろう。
今週の誤変換 日中間に領土問題はない → 日中韓に領土問題はない(日中韓がそれぞれ自国の領土だと主張し、それぞれが領土問題はないと発表する、そんな島があったとしたら、間違いなく領土問題は笑い話になるでしょう。昔、バブル期に活躍した地上げ屋のO氏の口癖は、「土地は誰のものでもない!」でした。当時は、何を手前勝手なと鼻白んだものですが、案外、的を得ているかもしれません。そう、キリキリ絞って矢を放ち的を射るのではなく、トコトコ歩いていって的ごとを持ってきちゃうわけです。呆然とするでしょうね、弓矢をかまえていた者たちは。「固有の領土」を共同開発・共同利用とは、ようするに地上げのことなんですね)。