本来はメディアがこうした「安倍叩き」をやらなくちゃいけないんだが、「国民にはわかりづらい」とクビをとれる「金」のスキャンダルを探している。
志位和夫
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首相は「法人税を減税すれば賃金が上がる」。しかし97年~12年で法人税は37・5%→34・5%→30%と減税されたが、労働者の年間平均賃金は70万円も落ち込んだ。大企業の内部留保は270兆円まで積みあがった。法人税減税しても賃金は下がり続けた。この歴然たる事実をどう説明するのか。
— 志位和夫 (@shiikazuo) October 2, 2013
パートやアルバイト、契約社員という「非正規社員」とは、つまりは備品と同じ。いったん、人間を備品視すれば、「正社員」もまたそれを免れず、「非正規社員」の最低賃金に平準化されてきた。女性労働者の平均賃金は、都市部の中国人労働者の賃金と変わらない。この十数年来の賃金引き下げの真の「犯人」は、派遣労働の自由化を始めとする労働法制の規制緩和で、正社員を非正規社員に置き換えたことにある。ところが安倍政権は解雇や派遣労働の自由化をもっと進めようとしている。口先で「賃上げ」をいうが、やっていることは「賃下げ政策」そのものではないか。
— 志位和夫 (@shiikazuo) October 2, 2013
また、「多様な働き方のニーズに応えて」「正社員」を「転勤がない」契約社員などの「非正規社員」にする動きも出ている。いわゆるブラック企業とは、いわば先進事例であり、「正社員」の内実を「非正規社員化」する過程で起きる「調整」局面といえる。
ところで、「あまちゃん」に「いかがなものか市民」が黙っているのはいかがなものか。問題場面はけっこうあったのに、NHKが抗議されたという話を聞かない。
たとえば、無頼寿司で割れたメガネのミズタク(水口琢磨/松田龍平)が、「さすが、元ヤンキー、詰め方がハンパじゃなかったす」とぼやく場面。
アイドルのアキ(能年玲奈)が禁止したはずの恋愛中と知った、母であり所属プロダクションの社長春子(小泉今日子)が、「あんたがついていながら!」とマネージャーのミズタクを責めて殴る。
傷になる顔面は避け、春子は腹部を執拗に殴る。メガネが割れたのは、腹をかばおうと前屈みになった拍子に落ちて、ミズタクが踏んでしまったからだ。
跡が残らぬよう腹を殴る不良の狡知は、中小零細のブラック企業に引き継がれているわけだが、じつはTV制作現場は知る人ぞ知る、非正規低賃金重労働暴行暴言横行のブラック業界代表。
もちろん、脚本の宮藤官九郎は、そのあたり「百も承知二百も合点」で、あえてこの場面を書いたのだろうが、何の抗議もなく問題視されず拍子抜けしたことだろう。
(敬称略)