コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

じつは甘くないあまちゃん

2013-10-03 04:54:00 | 政治


本来はメディアがこうした「安倍叩き」をやらなくちゃいけないんだが、「国民にはわかりづらい」とクビをとれる「金」のスキャンダルを探している。

志位和夫
https://twitter.com/shiikazuo
パートやアルバイト、契約社員という「非正規社員」とは、つまりは備品と同じ。いったん、人間を備品視すれば、「正社員」もまたそれを免れず、「非正規社員」の最低賃金に平準化されてきた。女性労働者の平均賃金は、都市部の中国人労働者の賃金と変わらない。

また、「多様な働き方のニーズに応えて」「正社員」を「転勤がない」契約社員などの「非正規社員」にする動きも出ている。いわゆるブラック企業とは、いわば先進事例であり、「正社員」の内実を「非正規社員化」する過程で起きる「調整」局面といえる。

ところで、「あまちゃん」に「いかがなものか市民」が黙っているのはいかがなものか。問題場面はけっこうあったのに、NHKが抗議されたという話を聞かない。

たとえば、無頼寿司で割れたメガネのミズタク(水口琢磨/松田龍平)が、「さすが、元ヤンキー、詰め方がハンパじゃなかったす」とぼやく場面。



アイドルのアキ(能年玲奈)が禁止したはずの恋愛中と知った、母であり所属プロダクションの社長春子(小泉今日子)が、「あんたがついていながら!」とマネージャーのミズタクを責めて殴る。

傷になる顔面は避け、春子は腹部を執拗に殴る。メガネが割れたのは、腹をかばおうと前屈みになった拍子に落ちて、ミズタクが踏んでしまったからだ。

跡が残らぬよう腹を殴る不良の狡知は、中小零細のブラック企業に引き継がれているわけだが、じつはTV制作現場は知る人ぞ知る、非正規低賃金重労働暴行暴言横行のブラック業界代表。

もちろん、脚本の宮藤官九郎は、そのあたり「百も承知二百も合点」で、あえてこの場面を書いたのだろうが、何の抗議もなく問題視されず拍子抜けしたことだろう。

(敬称略)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする