コタツ評論

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アメリカの半沢直樹

2013-10-04 00:00:00 | ノンジャンル
友人には親切に忠告し、失敗すれば尻ぬぐいもしながら、取引先には適切な提案と完璧な業務遂行で応え、仕事先で出会う人にはあくまでも「優しく」接する。そんなアメリカの半沢直樹が「ジャッキー・コーガン」です。「倍返しだ!」が半沢直樹の決め言葉でしたが、ジャッキー・コーガンはこうでした。

取引先とジャッキー・コーガン(ブラット・ピット)が、寂れたバーのカウンターに座っています。業務が完了したので、料金の受け渡しのために二人は会っているのです。封筒に入った金を受け取ったジャッキー・コーガンはトイレに立ちます。

取引先(リチャード・ジェンキンス)はジャッキーの吸っていたタバコが燻っているのに気づき、苛立たしげに捻り消します。ジャッキーより地位も金もある取引先は、当然のように嫌煙家なのです。

しかし、彼もボスではなく、ただの使いに過ぎません。ほどなく戻ってきたジャッキーは、「3万しかない」と取引先を見つめます。「1人1万、ディロンはそうだった」という取引先。

ディロン(サム・シェパード)はジャッキーのボスですが、病気で死にかかっているので、代理で仕事を引き受けたのでした。ジャッキー・コーガンは1人1万5千ドルで引き受けたつもりでした。値切られるわけにはいきません。バーのTVからはオバマ大統領の就任演説が聴こえてきます。

オバマ大統領
「アメリカンドリームを取り戻そう。我々はひとつだと再確認しよう」

取引先
「ほら、あんたに云っている」

ジャッキー・コーガン
「 ”ひとつの国民”なんてジェファーソンの作った幻想だ」

取引先
ジェファーソンを批難か?」

ジャッキー・コーガン
「ジャファーソンは聖人だ。すべての人は平等だといった」

「だが息子たちに奴隷を所有させた。英国への納税を嫌ったワイン通だ。民衆を扇動し、大勢を戦争で死なせた。その間、ワインを飲み奴隷を犯した。

「何が ”ひとつの共同体 ”だ、笑わせるな。アメリカに生まれれば、頼りは自分だけだ。アメリカは国家じゃない。ビジネスだ。さあ、金を払え!」

Don't make me laugh.
  America is not country.
    Just Business.
       Fuckin pay Money!

原題は”Killing Them Softly". 
ロバータ・フラックのヒット曲は”Killing me Softly”。


(敬称略)



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