コタツ評論

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釜山港へ帰れ

2013-11-11 22:26:00 | ノンジャンル
内田樹に『私家版・ユダヤ文化論』(文春文庫)がある。数ある内田本のなかで、私はこの「内田版・日本人とユダヤ人」をいちばん評価している。日本人とユダヤ人はほとんど何の関係もないが、在日朝鮮人とユダヤ人は似通っているところがある。そこに気づかせてくれたからだ。

シャイロックが高利貸しを営み、在日実業家に金貸しやパチンコ屋が多いのは、彼らに守銭奴が多いからではなく、ともに差別を背景としたからだろう。映画「ヴェニスの商人」では、裁判に負けた後日、シャイロック(アル・パチーノ)は渾身の反差別を叫ぶ。

金融やエンタメなど、はじめ蔑視された事業を一大産業に育て上げたのは、彼ら被差別の異端者たちだった。はじめ安かろう悪かろうの「メイドイン・ジャパン」を世界に売り歩いたのも、アメリカトヨタの初期ディーラーも、ユダヤ人たちだった。ユダヤ人はいくら資金があっても、フォードやGMのディーラーにはなれなかった。

既成の業界が受け入れないからしかたがなく、彼らは新規事業を立ち上げ、すき間産業に食い込む起業家になった。新しい産業や革新的事業を彼らが発見し、支配的な地位を占めるようになったのは、その結果に過ぎない。彼らに特権的な何かがあったとすれば、どんな特権にもありつけそうにないという自覚だけだったろう。

在特会広報部が「在日特権リストはすべてデマ」と表明
http://matome.naver.jp/odai/2138389938746953101

在特会を追いつめたのは、やはり、しばき隊の手柄だな。それにしても、パワポで作ったにせよ、けっこうチラシの完成度は高い。せっせと拡散したり、何パターンも文章化したり、コピペしやすくした手間暇には組織的な背景を感じさせるな。

デマをコピペして愛国者ぶっていた人たちは騙されていたにせよ、「日本は排外主義だ」とみなされる「反日」行為に荷担していたわけだ。「在日は韓国へ帰れ!」と鬱憤ばらしや虐めがしたいだけで、愛国も反日もへったくれもない節があるが、「在日は韓国へ帰れ!」と気軽に口走る「日本人特権」は剥奪すべき。かつての「ユダヤ人は出て行け!」と同様、いちばんの「ヘイトスピーチ」だと思う。



♪あちゅいその胸に顔うじゅめて~♪と歌っていた記憶があるが、あらためて聴いてみるとそんなことはない。この歌が流行してた頃、千歳烏山に住んでいて芦花公園で仔猫を拾い、「ヨンプル」と名付けた。大きくなった「ヨンちゃん」は、家出して3軒隣の猫になった。

(敬称略)
コメント (1)
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