コタツ評論

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今夜は stomp

2014-01-17 20:27:00 | 音楽
ジェフとノエルのハウスパーティ」というジャム・セッションです。1804年に建てられたコネチカットの古い農家に、80人だけ観客を招き、メンバーを入れ替えながら、古いブルースやジャズナンバーを演奏します。パーティタイムは12時間だそうです。禿頭のピアノがジェフ・バーンハート(Jeff Barnhart)、でっぷり白髪メガネのクラリネットがノエル・カレッツキー( Noel Kaletsky)です。

Louisiana Fairytale


次は、ジェリー・ロール・モートンのナンバーから。「逝きし世の面影」つながりの1890年(明治23)生まれ、ほぼ100年前に活躍した人ですね。「ジェリー・ロール」には、猥褻な意味があるそうで、14歳から売春宿のピアノ演奏で稼ぎはじめたといわれてます。

Jelly Roll Morton's Winin' Boy Blues


映画邦題の名訳に、「君去りし後(Since You Went Away)」がありますが、こちらはジャズのスタンダードナンバーの「君去りし後(After You've gone)」です。なんとなく違いがわかるような気がしますが、どう使い分けるんでしょうね。

After You've gone Fall, 2012


ウディ・アレンの「ミッドナイト イン パリ」挿入歌です。”Je suis seul ce soir”は「今宵ただひとり」と訳すようです。トランペットと歌は、Bria Skonberg です。彼女の曲目紹介に、ジャンゴ・ラインハルトの名前が出るのは、同映画がヘミングウエイ、スコット・フィッツジェラルド、ロートレック、ダリ、ピカソ、コール・ポーター、ジェセフィン・ベーカーを再現したように、ジャンゴ・ラインハルトの演奏を再現したからでしょう。Stephane Wrembel によるテーマ曲の“Bistro Fada”は、完璧なジャンゴスタイルといわれます。

Midnight In Paris - Je suis seul ce soir


ストーリーヴィルはニューオリンズの代表的な赤線地帯でした。ブルースというと、貧乏くさくて悲しげな音楽のイメージがありますが、売春宿のバーやサロンで景気づけに賑やかに演奏されていたのが、当時のブルースや初期のジャズだったんですね。

Storyville Blues Fall, 2012


(敬称略)
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