コタツ評論

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白人ジャズが好き

2014-09-17 22:44:00 | 音楽
やっぱ、ズージャだな。私の師匠であるマルスなら舌打ちするだろうが、ヨウツべで音楽検索するようになって、白人ジャズが好きなことに気がついた。昔は、みんなが神のように崇めたビル・エバンスが退屈でしかたなかったのに。それも、北欧とかの正規の音楽教育を受けた演奏家に惹かれる。なぜだか考え中だが、ひとつにはジャズという音楽スタイルをその蘊蓄抜きで楽しめるようになったのだと思う。ウイントン・マルサリスが米音楽誌のインタビューに答えて、「日本の客はジャズをわかっちゃいない」と嘆いたそうだ。アメリカ黒人の伝統音楽であることを忘れるなかれという主張はわからないでもないが、「そんなことは知っちゃいない」という「ジャズファン」が出てきているのも、ひとつの成熟ではないかと思う。教養主義的に音楽や本に接することはとっくに廃れて、そのスタイルだけが残っているに過ぎないのに、ないものねだりに思えてしまうのはひねくれすぎだろうか。音楽は作曲家や作詞家、演奏家といった一家を成した者の所有ではなく、いつでもどこまでも、「ファン」のものだとは当たり前のことだ。歌や演奏が聴衆を集めるのではなく、聴衆の中から歌や演奏がはじまったのが、初源だろう。というのも典型的な歴史主義的な口振りなので、我ながら苦笑するしかない。つまらんお喋りはこれくらいにして、「どないだ、これ」です。最後だけ、毛色が違っているが、おなじみのメロディのところだけでも聴いてほしい。違うから。

Joonas Haavisto Quartet - ´Round Midnight


Seamus Blake - Body and Soul


Dear Old Stockholm ~Salute to Charly Cristian / 西条孝之介 沢田駿吾 etc,


Kaoru Abe - Lover Come Back To Me [1971]


(敬称略)