コタツ評論

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旧聞ですが

2018-04-06 16:32:00 | 政治
何なら皆さんの会社に是正勧告してもいいんだけど」

これをジョークではなく、「言論機への恫喝」とするには、かなり無理な姿勢をとらなくてはならない。片手親指で倒立するほどの。

記者が言論機関に所属するジャーナリストであるというアイデンティティーをつねにもっとも重視していなければならないからだ。

しかしなんだね、「いなければならないからだ。」はなんとかならんかね。〇を入れて13字も費やしている。「しかしなんだね、」と談志の口調を無意味に真似する8字は惜しくはないんだが。

閑話休題。そんな「全身ジャーナリスト」なんて記者がいますかねって。それより、「会社に是正勧告」に仰天して、「大変です、課長、部長、取締役、専務、社長!」とご注進に及んだ、新人記者ならコンビニ従業員と同時給になるほど拘束時間が長いブラック企業社員として、追従笑いをしながら、「言論機関への恫喝」という牽制案を「忖度」したあげくの「なんちゃって報道」のほうがわかりやすい。

でも、これを書いた記者自身の自画像としては、「労働局局長のジョーク」への苦笑や「言論機関への恫喝」を懸念する警戒感や「ブラック企業社員たちへの共感」込めた自嘲などなど清濁併せ呑んだ、ちょっとした「サラリーマン金太郎」「課長島耕作」風の3点倒立なんだろうよ。

ぜ~んぶ、フリなんだけど。じつは振り付けされている、のに気がつかぬ振りでもある、という終点なしの循環バス。もう、勝手にやってろって。これを、「勝手にしやがれ」に置き換えると、あたしの格好つけという形で締めて、あなたに媚態を示すことになってしまう。循環バスも最後は暗くて寂しい車庫に帰るわけです。

(止め)