コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

今夜は月の光

2014-03-31 21:40:00 | 音楽
月齢の十五日、満月が近づくにつれ、驚異の生命力と体力が満ちる狼男も、生まれたての新月には弱々しい白い子犬のようなもの。ウォンと月に吠えた頭上から、猫の声も降ってきた。

まつくろけの猫が二疋、
なやましいよるの家根のうへで、
ぴんとたてた尻尾のさきから、
糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
『おわあ、こんばんは』
『おわあ、こんばんは』
『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
『おわああ、ここの家の主人は病気です』


糸のように薄い三日月の光の下、犬と猫となる病弱の詩人の同床異夢。



というわけで、満月ではなく、今夜のような新月を思い浮かべて、ドビュッシーのクレア・ドゥ・ルーンです。もとい、ドビッシーの月の光(Clair de lune)です。

Simon Trpceski


David Oistrakh


Laurindo Almeida


Ocean's 11 Fountain Scene


おまけ。療養中のマルス君へ。ドビッシーに勝るとも劣らぬ名曲です。

Django Reinhardt - Claire De Lune - Paris 16.04.1947



(敬称略)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今夜はミロシニチェンコ | トップ | 意外な事実 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事