コタツ評論

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夜半とは、何時頃か?

2011-07-02 01:18:00 | 3・11大震災


気象庁の「時に関する用語」によると、「0時の前後それぞれ30分間くらい」だそうだ。真夜中とは思ってきたが、一時間と限定されているとは知らなかった。

ところで、皆さんは、夜半をどう読んでいますか? 私はずっと、「やはん」と読んできました。ところが、言葉の綾掲示板に書き込んでくれるkaraさんこと、karanotomo 野友 空さんの「夜半の嵐」ブログのURLをふと眺めたら、「よわのあらし」とあるではないですか。http://yowanoarashi.blogspot.com/ 

うん、これは間違いだな、きっと。いや、ブログタイトルを誤記するとは思えないから、URLにだけあえて違えて読んでみた遊びだな、うん。そう思いながら検索してみると、夜半はやはん・よわのいずれの読み方もできるんですね。

でもねえ、やっぱり、夜半はやはんだよ。たしか気象庁は、やはんといっていたはずだし。長年、そう黙読してきた違和感は拭えず、ネットはいいかげんな情報も多いから念のためと、手元の『三省堂 用字用語辞典第三版』(1987 第6刷)を引いてみる。

これがなんと、「やはん」がない。やはり<矢張り>やばん<野蛮>やひ<野卑>と跳んでしまう。よわ<夜半>「-に吹くあらし」はある。正直、この反対を期待したのだが、「夜半の嵐」は、「やはんのあらし」ではなく「よわのあらし」と読むようだ。そういえば、ブログの第一回に、親鸞上人の歌からだと書いてある。

明日ありとおもう心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

私はこれも、「やはんにあらしのふかぬものかわ」と読んでいたんですね。歌が台無しですね(えっ、あなたは、よはん、と読んでいた?)。

karaさんに、「グッとくるブログタイトルですね」と声をかけた覚えがあるが、そのとき、karaさんは「よわのあらし」と読み、私は「やはんのあらし」と読んでいたことになる。

理解と誤解は、恋人のように手を携えてやってくるわけだが、「夜半の嵐」の最新エントリ「元素の小事典」では、事物の理解の手ほどきについて語ってくれている。「放射線・放射性物質を正しく怖がるのは本当に難しい」の続きでは、誤解を解く手ほどきが読めそうだ。


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2 コメント

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Unknown (karanotomo)
2011-07-02 21:16:20
つたない文章をいつも読んで下さってありがとうございます。そうですか、用字用語事典に「やはん」の方がないというのは、僕も意外でした。

「夜半頃」は「やはんごろ」、「夜半過ぎ」は「やはんすぎ」と僕も読みます。

「夜半の寝覚」は「よわのねざめ」としか読めません。

「夜半の月」は迷いますね、歌とか俳句の中なら「よわのつき」、現代語の散文の中なら「やはんのつき」と読むかも。

まあ、ようするに古語としての「よわ」、現代語としての「やはん」だとおもうんですがね。
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Unknown (コタツ)
2011-07-03 00:04:49
いや、お恥ずかしい。よわと読むのはkaraさんのおかげで、はじめて知った次第。やはんのあらし、だと瞬間最大風速だのヘクトパスカルには親和的なんですがね。よわとやはんを探すために、「類語辞典」を探しているんですが、見つからない。それはさておき、好エントリでした。同じ様な解説はたくさんあるけれど、ちゃんと語りになっている。そこが違う。
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