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今夜は、ラテン顔負け

2022-02-01 14:56:00 | 音楽
今夜は、ラテン顔負けの2曲です。といっても、私のラテンとは南欧から中南米全部といういい加減な括りです。まず、一曲目はこれ。アコーディオンが滑り込んでくるあたりがいかにもラテンです。

「サウダージ」というのはブラジルの言葉でポルトガル語です。日本語には翻訳不可能らしいですが、「哀愁」とか「もののあはれ」くらいに思っています。ただし、なよなよして後を引くような風情はありません。ラテンらしく、怒涛のようなパッションの後にやってくる、空白の一瞬のようです。踵(きびす)を返して歩み去る真っ赤なドレスの後ろ姿を思い浮かべます。

いうまでもなく圧倒的なボーカルです。これほどすばらしい滑舌で英語やスペイン語、フランス語の歌も歌ってほしいものです。日本語の歌詞が少し違って聞こえるほどですから、彼ら外国語人にも聴き慣れた言葉が変わるかもしれません。

サウダージ  ポルノグラフティ


グッチ裕三は、英語もスペイン語も喋れないそうで、カタカナに書き直して歌詞を覚えるそうですが、発音は完璧で日本人が苦手とされるRとLもちゃんと区別できているそうです。声だけ聞けば、メキシコ人が歌っていると思われるそうですから、たぶん、耳がよいからでしょう。

ジャズナンバーを歌ったときの美空ひばりも、ネイティブからきっと英語はできるはずと思われたそうですから、プロというのは大したものです。南米でも幅広く歌われている代表的なラテンナンバーですが、歌詞はスペインを舞台としています。

ラ・マラゲーニャ ビジーフォー


ギターは三根信広、あのディック・ミネ(三根徳一)の三男です。「あの」といっても大正生まれの父がファンだったことを覚えているくらい、私が物心ついたときはすでに「懐メロ歌手」でした。Wikiを読むと明るく華やかで「アメリカ的」な戦前の「ディック・ミネとその時代」が偲ばれます。

ディック・ミネは数々の洋楽曲を歌いましたが、朝鮮語も上手で朝鮮語でレコードも吹き込んだおかげで、長く朝鮮人と疑われ白眼視されたというエピソードがあるそうです。

やはり、音楽家の耳があれば外国語も苦にならないようです。逆にいえば、私のような音痴は耳が悪いからで、ならば英語が喋れないのも当然というわけです。しかし、そんな耳の悪い人間が音楽を愛しているからといって、この曲はすごい、あの歌は聞くべきと推奨するのは身の程知らずかもしれません。

(止め)
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