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今夜は「岡林」

2016-09-25 00:39:00 | 音楽
TVではまったくといってよいほど、ラジオでもめったに流されることがない「放送自粛歌」ばかりです(日本には放送禁止制度は存在せず、放送局が自らの判断で自主的に放映や放送を自粛してきました)。

荒木一郎と同様にとうに忘れられた人であり、人によっては忘れ去りたい人かもしれません。

かつてこの人は「絶大な人気があった」といえば、レコードの売り上げやコンサートの観客動員などで、この人を上回るフォーク歌手なら、ほかにいくらもいました。

この人の独特の歌世界に「一部の熱狂的なファンがいた」といえば、「絶大な人気があった」よりも的をはずしているでしょう。

当時もこの人について語る人は少なく、この人が歌う貧困や差別に違和感がともなうほど、すでに「豊かな社会」でした。

にもかかわらず、「岡林」は当時の青少年の胸奥に傷痕を残しました。コンサートでは「おかばやし~っ」と絶叫されることはあっても、たいていは、「岡林が」とひそやかに呼ばれていました。

同世代はもちろん、はるか年下の中学生からも。たとえば、一般名詞のように。たとえば、カギカッコをつけるように。

フォーク歌手やシンガーソングライターというより、「岡林」は体験でした。生(なま)で触れ合ったような体験を他人に語るのは、かなり厄介なことだし恥ずかしくもある。なので、「岡林」について語る人は少なかったのでしょう、たぶん。

チューリップのアップリケ/岡林信康


お父帰れや 岡林信康


手紙/岡林信康


今日をこえて 岡林信康


HAPPY END はっぴいえんど 岡林信康 私たちの望むものは


(敬称略)
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