コタツ評論

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ニュースにならないというニュース 2

2013-10-19 12:15:00 | ノンジャンル
ワタミと並び代表的な「ブラック企業」と名指されることが多いユニクロが、「2億2千万円」という高額の損害賠償を週刊文春に求めた訴訟に「全面敗訴」した。

ユニクロ側が文春に全面敗訴 「過酷労働」記事の訴訟
http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013101801001486.html

ユニクロが大手広告主のため、TV・新聞・雑誌はいまのところ後追いせず、共同通信の短い配信ニュースのみ。「全面敗訴」になるほど、記事の事実関係に誤りがなかったわけで、恫喝訴訟といわれてもしかたがない。以下が記事の全文。

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなど2社が、過酷な労働について書いた週刊文春の記事や単行本で名誉を傷つけられたとして、文芸春秋に計2億2千万円の損害賠償と本の回収などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を全て退けた。

判決理由で土田昭彦裁判長は「『月300時間以上、働いている』と本で証言した店長の話の信用性は高く、国内店に関する重要な部分は真実」と指摘。「中国工場についても現地取材などから真実と判断した理由がある」と指摘した。


有田芳生議員に聞く「嫌韓デモが増えた理由は?」
-嫌韓デモに反対、ヘイトスピーチ規制法を推進する有田芳生議員

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/18/2013101800377.html

―韓国を標的にしたヘイトスピーチが増えた理由は。

「日本の景気が長期にわたり低迷する中、韓国企業が日本企業より優位に立つ分野が増えてきた。文化的な面でも女性を中心に韓流ファンが増え、日本人の優越意識が傷ついた。(国内の)経済格差などによる不満が外部に向かっているという面もある」

―韓日関係の悪化を懸念する声が高いが。

「両国の首脳が会って対話することが重要だ。韓国でも、日本大使館前で日本の国旗を燃やすなどの過激な行動を自制してほしいと思う。このような行動が『在特会』のような団体の活動の場を広げる可能性がある」


なにか、自動音声で流れるアナウンスのような。「もう一度、お聴きになるときは、3を押して下さい」。何度、聴き直しても、指示内容がよくわからない。

それ以前に、「そんなヤツいねーよ」と思う。サムソンの躍進や韓流芸能の流行に反発したり、「優越意識を傷つけられた」という日本人にほとんど思い当たらない。また、韓国内の反日デモを知っていたり関心を持つ日本人にも。

あたかも、日本人の間に、反韓国人や反在日朝鮮人感情が新たに生産されているように読めるのは問題だろう。竹島に上陸して天皇に土下座せよと罵った大統領や、広島への原爆投下は神罰だったと書く新聞など、韓国に高まる「反日」への反発が主たるものではないか。

よく知らない韓国人や身近な在日朝鮮人たちを憎悪・排除したいと願う日本人が、この間、それほど増えただろうか。

たしかに、「ネトウヨ」に当てはめるなら妥当に思えるが、それならごく一部といえるから、「ヘイトスピーチ規制法」など、なおさら法規制は不要だろう。「オペレーターとお話になる場合は、5を」というアナウンスがないのは不備である。


モンゴル企業が応札した九段の朝鮮総連本部ビル

先日、京都地裁で、「ヘイトスピーチに賠償」を命じる判決が下されたニュースについては、当ブログでも紹介した。さぞや、「在特会」には取材が殺到しているだろうと思いきや、桜井誠会長によれば、皆無だそうだ。

日本はニュースが溢れている。おかげで、ニュース以前とニュース未満とニュース以下は覆われている。

(敬称略)
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あなたに従います

2013-10-13 04:19:00 | レンタルDVD映画

J・F・ケネディがテキサスで射殺されたときにも乗っていた、排気量8000ccフォード社の高級車「リンカーン」を事務所代わりにするヤクザな弁護士の話です。日本では、リンカーン・コンチネンタルはヤクザ御用達として有名でした。


リンカーン」を観ました。映画がはじまる前に、監督のスティーブン・スピルバーグが述べます。

私の念願の作品「リンカーン」が遂に完成しました。
史上 ”最も愛されたリーダー”の知られざる物語です。
リンカーンの人生には、今の日本と世界中の人々に
知って欲しいメッセージが詰まっています。
国を二分する激しい争いの中で、
情熱的な理想と冷静な知略を持つリーダーが行った
世界の未来を変える決断とは
それでは「リンカーン」をご覧ください。


奴隷解放宣言をして南北戦争を戦い、史上初めて暗殺された大統領の伝記映画、ではありませんでした。あるいは、偉大な大統領の意外な一面を暴いて、正義と不義の間を揺れ動く複雑な人間像を追求した人間ドラマ、でもありません。

この映画のリンカーンは「聖者」です。窓があり、カーテンが揺れ、背の高い男が少年に語りかけている。午後の陽光にシルエットになったリンカーンは、後光が射しているようにみえます。「情熱的な理想と冷静な知略を持つリーダー」とは、人間以上の「聖者」なのです。

「聖者」に導かれたアメリカの歴史教科書的な映画だとすれば、冒頭の南北戦争の戦闘場面の驚くべき残虐さは、教科書的な叙述をはるかに逸脱しています。あるいは、「聖俗」を対置した、キリスト教原理主義国家アメリカらしい歴史叙述なのかもしれません。

それにしても、良識あるインテリ顔をしながら、スピルバーグはじつに残虐描写が巧いというか、血と殺しが好きです。スプラッタやゾンビ映画を撮ったら、さぞや凄い映画ができるでしょう。

日本の山田洋次監督も温和な笑顔が印象的ですが、じつは嘗め回すように女を撮るのが好きです。とくに腰に猥褻視線が向かいます。だが、巧いといえるほど、官能シーンをつくりません。山田洋次がスピルバーグに遙かに及ばないところです。

歴史教科書的な映画というのは、事件や人物の描き方ではなく、そのテーマにあります。この映画の主人公は、リンカーンではありません。主人公をタイトルにするならば、「アメリカ合衆国憲法修正第13条」となります。テーマは、「憲法改正」なのです。

アメリカ合衆国憲法修正第13条
第1節 奴隷制もしくは自発的でない隷属は、アメリカ合衆国内およびその法が及ぶ如何なる場所でも、存在してはならない。


リンカーン大統領が「奴隷解放宣言」をしただけでは、黒人奴隷は解放されません。共和党の合衆国憲法改正案を議会で可決させねばならず、それには、憲法改正に反対する「保守的」な民主党議員を切り崩さなくてはなりません。

民主と共和のリベラルと保守が今日とは逆ですが、共和党の「冷静な知略を持つリーダー」であるリンカーンは、民主党議員に役職を約束して一本釣りをしたり、次の選挙で強力な対抗馬を立てるぞと脅したり、買収こそしませんが、「知略」を尽くして多数派工作します。

「知略」というより「謀略」に近いのは、敗色が濃い南軍政府が、講和の特使を向かわせているのを議会に隠していることです。62万人も戦死している悲惨な戦争を一日も早く終わらせることには、誰もが賛成です。しかし、そのためには、奴隷解放に反対する南部の講和条件に妥協せねばなりません。

日本でなら、とりあえず、憲法改正の議決を延期するでしょう。あるいは、自民党が憲法改正草案をつくりながら、時期尚早と安倍首相が集団的自衛権解釈に傾いているように、漸進的な修正案をまとめるでしょう。

南軍の講和特使が向かっていると議会に知れたら、民主党はもちろん、身内の共和党議員も少なからず、議決の延期に傾くはずです。タイミングを失えば、憲法改正は無期延期となりかねません。そうはさせじと強引に議決に持ち込み、可決してしまうのがリンカーンの企てでした。

合衆国憲法修正第13条を可決するまでのリンカーンと議会との攻防23日を描いたのが、映画「リンカーン」です。その舞台となった大統領執務室や議会の外では、毎日、国民が殺されています。国民の血と命がどんどん失われている傍らで、憲法改正という政治手続きが進められている。

そこでは、「悲惨な戦争を止めるのが先だ」という声は出てきません。政治目的と戦争という手段を転倒させることはありません。「聖俗」どころの話ではありません。



換言すれば、憲法を改正するために、国民の血と命が求められた、捧げられたともいえます。憲法を改正することは、それくらい重大な結果を生じさせることだということです。教科書なら、合衆国憲法が改正された結果、奴隷制が禁止されたとなりますが、それに先立つ南北戦争62万人の死が、すでにして結果なのです。

理想を実現するために、多くの犠牲が伴ったのだともいえません。合衆国憲法修正第13条の可決によって奴隷制は禁止されても、1964年の公民権法可決まで、黒人に対する人種差別制度や政策は続きました。

教科書的映画といえば、小学校や中学校の教科書を思い浮かべますが、「リンカーン」は大学の歴史教科書ではないかと思えます。日本はまだ憲法を変えたことがないので、大学教科書レベルの「憲法改正映画」を観せられても、じつはよくわからないところがあります。安倍自民党の「憲法改正」に反対しているのは、じつは野党ではなく、アメリカという事情もありますからね。

そのアメリカは、シリア空爆を止めたように、血で血を洗う現代の「南北戦争」から手を引こうとしています。そして、オバマケアという、「情熱的な理想」のために、「国を二分」した結果、政府機能を一部停止させても、「冷静な知略」を駆使して戦うリーダーがいます。


自民党も民主党も、「ねじれ国会」による立ち往生から、政権を投げ出す結果となりました。オバマ大統領は、行政機能の一部停止に及ぶ下院共和党の「ねじれ議会」を乗り越え、任期を続けそうです。

オバマがリンカーンを意識していることはよく知られています。リンカーンは南北戦争を終わらせ、オバマはシリア空爆を止めました。オバマケアをめぐる共和党との攻防も、オバマ大統領が勝利を手中にしそうですが、そうなると、リンカーンとの符号が合いすぎる気がしてきます。オバマ大統領の美しい娘が、近々赴任する新駐日米大使と同じく、「悲劇の娘」としてグラビアを飾る姿など見たくないものです。

I Will Follow Him  映画「天使にラブ・ソングを」より


修道女が歌う ”Sister Act (原題) ”ですから”him ”はキリストか神です。したがって、”I will follow him ”は、「彼(あなた)に従います」でしょうか。

I will follow him
Follow him wherever he may go
And near him I always will be
For nothing can keep me away
He is my destiny

I will follow him
Ever since he touched
my heart I knew
There isn't an ocean too deep
A mountain so high it can keep
keep me away

Away from his love

I love him
I love him
I love him
And where he goes
I'll follow
I'll follow
I'll follow

I will follow him.
Follow him where ever he may go
There isn't an ocean too deep
A mountain so high it can keep
keep me away

You did it
You did it

I will follow him
(Follow him)

Follow him where ever he may go
There isn't an ocean too deep
A mountain so high it can keep
keep us away

Away from his love

I love him
I'll follow
True love
(He'll always be my true love)
Forever
(From now until forever)

I love him
I love him
I love him

And where he goes
I'll follow
I'll follow
I'll follow

He'll always be
my true love
my true love
my true love

from now until
forever
forever
forever

There isn't an ocean too deep
A mountain so high it can keep
keep me away

Away from his love ・・・

リッキー・ネルソンも”I Will Follow you ”を歌っていますが、”Sister Act ”の元歌は、ペギー・マーチのラブソングです。こちらのほうが、歌詞としても歌としても、私は好きです。しかし、彼女はなぜ、バスの運転手がするような白手袋をはめて歌っているのでしょうか?

Little peggy march (1963 original Live) - I will follow him


おまけです。

Andre Rieu - I Will Follow Him


(敬称略)
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プロパンガスをめぐる電話会談

2013-10-11 10:48:00 | 政治
あまロス症候群継続中。完璧にカワイイ造形として、「ローマの休日」のオードリー・ヘプバーン、「初恋の来た道」のチャン・ツィイー、そして「あまちゃん」の能年玲奈が記憶されていくでしょう。

秋葉原で不良高校生にカツアゲされているオタク中学生のようなションボリ顔がすこしぬいぐるみっぽくて、カワイイといえないこともなくはないガースこと、菅官房長官が活躍中です。


tedはなかなか良品でした。アメリカではすでに大麻は合法に近い嗜好物なんだなと驚いたです。

日本の政治家、国際秩序を認めよ…駐米中国大使
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131009-OYT1T00888.htm?from=main2

【ワシントン=今井隆】中国の崔天凱・駐米大使は8日、ワシントン市内で講演し、第2次世界大戦の勝利は中国や米国を含む連合国の人々のものだとした上で、「日本の政治家はこれが第2次世界大戦後の国際秩序だと認めるべきだ。これに挑戦してはならない」と主張した。

崔氏は、「日本の一部の政治家は、米国に2発の原子力爆弾を投下されたから第2次世界大戦で負けたと思い込んでいる。だから、米国の反発さえ買わなければ何をやってもよく、他の国々の懸念を気にかける必要はないと信じている」とも語った。


中国大使発言、プロパガンダのよう…菅官房長官
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131009-OYT1T00889.htm?from=main3

菅官房長官は9日午前の記者会見で、中国の崔天凱駐米大使による発言について、「自らの国の立場だけに立ち、まさにプロパガンダ(政治宣伝)の一つではないかとさえ思えるような発言だ。論評するに値しない」と批判した。

 菅氏は、「我が国は戦後68年間、まさに自由と民主主義の国を築き上げ、世界の平和と繁栄に貢献してきた。そのことが全てを物語っている」と反論し、日本の外交姿勢は米国偏重ではないとの立場を強調した。



国務省からお電話です。
「ハーイ、ノブ、元気かい」
「はーい、ジョン、おかげさまで」
「先日、留学している君のお嬢さんと夕食を供にしたよ」
「聞いています。ご親切を感謝します」
「じつに聡明な娘さんだね、家内も気に入っていたよ」
「ありがとうございます。で、今日はまた、なにか? 」
「そうそう、大事な用件があったんだ」
「どうぞ」
「どうぞじゃねえんじゃ、われえ、このボケ、カス! おまえんとこの菅ちゅうのんはなんじゃあれえ、ちゅうとんじゃ!」
「こらまたえらい怒っとられるようですが、いったいなんのことですかいのお」
「おまえんとこは任侠の筋道をはずすつもりかあちゅうとんねん。なにがプロパンガスじゃ、本家の指導や考えになんぞ文句でもあるんか、あるなら聴こうやないけ、ちゅうこって、こないにクソ忙しいなか、電話したっちゅうわけや、ボケ、カス! 」
「なるほど、ほぃじゃが、そりゃあ誤解いうもんじゃけえ。菅はいつもの中国の政治宣伝じゃいうてつっぱねたつもりでえ、じゃがちゅうてえ、中国っちゅう名前を出したらまずかろ? いらん刺激してもまずいけえね」
「だあほ! そんなご託が通じると思うとるんか、おおっ。中国はなんちゅうた、ああ? 日本は原爆で負けたあ思うとるが、連合に負けたんじゃ、勝った連合側の統制に挑戦するのは許されん、そういうとったな、おお。そりゃ、まちがっとらん考えじゃ、うちの組が連合の先頭に立って、おまえんとこ潰して、お前のシマで泣いとったアジアの人々を解放したいうのんは、組の歴史にも書いたあるし、連合の会報誌にも折にふれて書いたある。こらあ、われえ、聴いとんのか、このボケ、カス! 」
「ちゃんと聴いてますけえ、ちいと声小さくしてもらえんですかのお」
「これが地声じゃ、ボケ、カス! まあ、本家と直参を仲違いさせようちゅう腹は別にして、中国のいうことはそのとおりじゃ。ところがじゃ、菅はなんちゅうた? なんと答えたかっちゅうとんのじゃ、おお! プロパンガスで論評に値しない、といいよったんぞ。本家の歴史とや本家が苦労して維持してきた、これまでの連合の秩序をプロパンガスじゃ、屁のようなものじゃ、風向き次第じゃ、そういうたんぞ! おお。わりゃ、日本の、そりゃ、おまえんとこの総意か? そう訊いとるんじゃ、われえ、きっちり返答せえよ、このボケ、カス!」
「ま、待ってつかあさいや、いまどき東京でプロパンガスなんて使うとりゃせんですよ。だから何度もいうとりますが、中国のことじゃ、中国のことだけについていうとるんですけえ、連合についてとやかくいうとりゃせんです。ましてや本家の統制秩序に文句言うなんてありえんです。わしんとこも直参若衆となってからは、本家の歴史が我が歴史、本家の親分が我が親分、そりゃあ、絶対変わりませんけえの。そんくらい、頭だってようくご存じのことでしょうが」
「ほうか、その言葉に間違いないんじゃな。わかった。ここはお前に免じていったん収めちゃる。わしもそれどころじゃないしのお。おまえも知っとろうが、組内でごたついておっての。あんまり面倒かけちゃるなや、おお、ボケ、カス」

「菅官房長官はもちろん、安倍首相にもお叱りの電話があったこと、きちんと申し上げることをお約束します」
「私も少し言い過ぎたかもしれない。少し表現には気をつけて伝えてくれたまえ。遺憾であるくらいにね。今度はいつ来る? また一緒にラウンドするのを楽しみにしているよ」
「こちらこそ、大統領によろしく、お伝えください」

(敬称略)
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ヘイトスピーチとTPPはグローバリズムなので反対

2013-10-09 23:39:00 | 政治
ネットで検索すると、以下のような見出しが躍っているわけだ。中身を読んでみても、京都地裁が在特会に対して、朝鮮初級学校へのヘイトスピーチを禁じて、賠償を命じたように読める。

10月7日(月) 23時7分(毎日新聞)
<ヘイトスピーチ賠償命令>「安心して学べる」保護者、安堵

10月7日(月) 12時22分(産経新聞)
朝鮮学校への街宣は「人種差別」 京都地裁が在特会側に賠償命じる

013年10月07日13時23分(朝日新聞デジタル)
「ヘイトスピーチ」は人種差別 地裁が在特会に禁止命令

いわゆるヘイトスピーチをすると、これからは訴えられて賠償金を払わなければならなくなるのかと早合点しそうだが、どうもそういう判決ではなさそうだ。

在特会が学校至近で大音量の街宣活動をして「人種差別発言」を繰り返したことで、授業をはじめとする学校運営に支障を来したことを「威力業務妨害」、その模様を動画に撮影してYoutubeなどに投稿したことで「名誉毀損」、と民法709条の不法行為に基づく判決のようだ(判決全文は未読)。

したがって、京都地裁が在特会の主張を「ヘイトスピーチ」や「人種差別発言」と認定したわけではなく、ましてや「ヘイトスピーチ」や「人種差別発言」という行為自体に、「賠償」を命じたわけではない(と新聞記事をよくよく読むとわかる)。

むしろ、以下の判決文の一部では、在特会側の「人種差別発言」でさえ、新たな立法を待たなければ、賠償を命じることはできない、とさえ読める。

例えば、一定の集団に属する者の全体に対する人種差別発言が行われた場合に、個人に具体的な損害が生じていないにもかかわらず、人種差別行為がされたというだけで、裁判所が当該行為を民法709条の不法行為に該当するものと解釈し、行為者に対し、一定の集団に属する者への賠償金の支払を命じるようなことは、不法行為に関する民法の解釈を逸脱しているといわざるを得ず、新たな立法なしに行うことはできないものと解される。条約は憲法に優位するものではないところ、上記のような裁判を行うことは、憲法が定める三権分立原則に照らしても許されないものといわざるを得ない。(判決文66頁「5」)

では、京都地裁は反人種差別立法を求めているのかといえば、そう単純なことでもなさそうだ。「条約は憲法に優位するところではない」「三権分立原則に照らしても許されない」と人種差別撤廃条約をそのまま援用することを斥けている。

「ヘイトスピーチ(憎悪表現)を司法が初めて「人種差別で違法」(毎日新聞)と人権派やリベラルは、日本の民主主義が「前進」したように喜んでいる様子だが、京都地裁判決は現行法を適用しただけであり、ヘイトスピーチ一般への具体的な規制や賠償などについては、きわめて消極的と読めるものだ。

むしろ、民法709条の不法行為を構成する被害(財産権の侵害や精神的苦痛)の「賠償」要件から逸脱すると戒めている。つまり、人種差別撤廃条約を背景とする新たな立法がされるとしても、既存の民法と抵触する虞れがあるわけだ。

というより、なんでもかんでもヘイトスピーチと訴えられては困ると釘を刺したと読むのが妥当ではないか。そして、在特会のような「ヘイトスピーチ」については、現行法でもじゅうぶんに対処できる、と私はこの判決文を読んだ。

いわゆる「ヘイトスピーチ」にはもちろん反対だが、「ヘイトスピーチ」という言葉の使用にも、私は反対する。「人種差別(発言)」でじゅうぶんではないか。まず「ヘイトスピーチ」では子どもや老人にはわかりづらいし、なじまない。私は小学校からの英語教育にも反対だ。「朝鮮人差別はいかんよ」という老人には耳を傾けたいが、「ヘイトスピーチ云々」という老人に出くわしたら、通り過ぎるのを待ちたい。

とりあえず、京都地裁判決には賛成。しかし、まさか、「ヘイトスピーチ」という言葉は使っていないだろうね、裁判長。

とまあ、コタツ評論ですが、以下は、専門家のご意見。

平成25年10月7日京都地方裁判所判決(朝鮮学園vs在特会)をどう読むか?
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2013/10/vs-95f0.html
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今夜はJulia Fischer

2013-10-06 11:42:00 | 音楽
つい、ジュリア・フィッシャーと読むが、ドイツ人なので、ユリア・フィッシャーとなる。

美人バイオリニストの優れた演奏と思うのだが、どの動画にもけっこう「低評価」が多い。いくつか拾い読みすると、意外にもルックスについて批判されている。西洋の音楽ファンからみると、”boring”(うんざりするような、退屈な)らしい。

たしかに、どんな曲でも無表情だが、これは厳格な表情というべきで、かつてのギレウスとかピアニストの大家には、厳めしい表情を崩さない人は珍しくなかった。日本でも、まるで拷問されているように苦悶の表情で歌う、三橋美智也という偉大な民謡歌手がいた。

西洋男の審美眼では、ユリアはけっして美人とはいえず、無味乾燥で冷淡なだけの表情に思えるのかもしれない。あるいは彼女の厳格顔が、抑圧的な母や祖母の記憶を思い出させて、やみくもな忌避感がつのるのかもしれない。

日本の女性バイオリニストの場合は反対に、「目線」を上に口を半開く痴的な「艶姿」や、眉間にしわ寄せ口を歪める発情顔の「情熱的」に、”boring”する場合が少なくないのだが。

有名な曲が11曲収録されています。

Julia Fischer Mix


(敬称略)
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