「2022上演6」星稜高等学校『神様の放送室』
2024/7/14
放送法の理想を掲げて一人校内放送を続ける放送部員のもとに、有能で訳ありの生徒が入部する話。
社会問題を学校生活に置き換える手法で、本作品は放送法の話。
コンセプトがはっきりしていて見やすい。
加えて、抽象表現も取り入れ、演劇として、うまく題材を表現しようとする意思を感じる。
高校生活のフィルターをひとつ挟むだけで、政治と放送の関係を直接的に風刺している。
普遍性のあるテーマなので、時代を問わず長く上演される可能性がある戯曲。
本作は友情を着地として気持ちよく終わるんだけど、本当に現実に対して誠実に作ろうと思ったら、映画の『新聞記者』みたいな薄気味悪いラストにしかなりえないのが悲しい。
現実に負けっぱなしの大人には作れない作品とも言える。
客席から頻繁に手拍子が起きているように聞こえたけど、現地はどんな状況だったんだろう。