精華高等学校『鵲の橋で二度と会わない』
2024/7/14
夜の廃屋で関係性の定まらない高校生の男女二人などが語らう話。
夜の廃屋という組み合わせが持つ雰囲気に、場所、話題、二人の声質、うまく調和していて、名前の話、恋愛の話、かつての友人の話、対立要素がほとんどない会話なのに、しっかり緊張感が続く。
強いて言えば、一時間近くにおよぶ会話の積み重ねの果てに二人の淡い関係性がどこに行きつくのかという部分だけど、少なくとも見ている間は大きい要素ではない。
抑制のきいた掛け合いは玄人好み。
袖を使った唯一のギャグはおもしろかったけど、この雰囲気でよくこのギャグだけ残したなというくらいミスマッチではある。
装置の建て込みもしっかり雰囲気を出している。
全体として、夜と廃屋の掴みどころのないソワソワワクワクする感じをしっかり抽出し、いい感じの温度感に仕上っていた。