Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

香港の断面

2011年09月04日 | 香港旅行2011
私が昔読んだ澤木耕太郎の「深夜特急」や森瑤子の「浅水湾の月」や
映画「慕情」などからイメージしていた香港と
現実のそれは、まるで違うものでした。
ヴィクトリア湾には夥しい数の水上生活者もいないし、
カオルーンには巨大なお化け屋敷のような貧民窟、九龍城砦もない。
考えてみれば「深夜特急」は1986年、「慕情」に至っては55年の作品なのだから
当り前の話なのですけど。

高層ビルに囲まれたヴィクトリア湾はとても美しかったけれど
百万ドルの夜景は確かにすばらしかったけれど
でも路地を一歩入れば数え切れない屋台があり、
香菜とナンプラーと干物の匂いが立ち込めている。
そのギャップが凄い。
屋台村の中で、四肢が不自由な男性が道路に寝転がって物乞いをしていたこと、
やはり障害を持つ子供の物乞いを見たときはショックでした。
例えばインドあたりに行けばそれは当り前の光景なのでしょうけど
あの表向きは綺麗に整えられた香港で…
海外に行けば、物乞いは何処ででも見られるのですけど。
そういえば、日本はホームレスはいるけれども物乞いは殆どいない、
希有な国だと聞いたことがあります。


ネイザン通りをどんどん北上して
ジェイド・マーケット(翡翠の屋台村)、男人街(男性向きの屋台村)、女人街(女性向き)、
スニーカー街、金魚街、小鳥街、フラワー・マーケット・ロードなど、
めぼしいところは一通り歩いて来ました。
蒸し暑い中、何処に行っても排気ガスと人混みが凄い。
こんな平日の昼間に、なんでこんなにいるの?と思うくらいの人混み。
(香港は東京の半分の面積に人口700万人だそうです)
欧米人が東京に来たら、同じような感慨を持つのかなあと思ってみたり。
アメリカ人の友人は、渋谷のスクランブル交差点に初めて行った時、
足が竦んで動けなかったと言っていたなあ…

例えば金魚街というところは、夥しい数の金魚の問屋が集まっているのです。
金魚が一匹ずつビニール袋に入れられて、ずらりと並べられている。
それはもう、風流という言葉はまるで当てはまらなくて
生臭くて、むんむんとして、生活臭紛々として…
涼しげな金魚鉢に、一~二匹の金魚がちょろちょろと泳いでいるのを見るのは
好きなのですが、あれだけの数と匂いでは、私はもう駄目です。


小鳥街然り。
何百という狭い籠に入れられた小鳥が、びっしりと並んで売られている。
その金魚や小鳥に同情しているようでは
香港は楽しめない、ということなのでしょう…


コメント (4)
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