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本年度第一弾映画。
アガサ・クリスティの名作を、イギリスの名優ケネス・ブラナーが監督・主演。
子供の頃、クリスティのフアンだった私ですが、詳細は綺麗に忘れて
あまりにも有名なこの作品を、ブラナーがどう作り上げたのかを楽しみに鑑賞。
ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ウィレム・デフォーなど
絢爛豪華なオールキャスト。
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オリエント急行の列車内でアメリカ人の富豪が殺される。
雪に閉ざされた山中で、外部からの犯人の侵入は不可能。
犯人は乗客の中の一人と思われるが、全員が他の誰かの証言によってアリバイが成立している。
そこに居合わせたエルキュール・ポワロは、この難題をどう解決するのか?
冒頭、エルサレムの嘆きの壁が登場。
トランプ大統領の発言があった今、あまりにもタイムリーな場所に驚きましたが、
あれは観客へのサービスだったのかな。
その後出て来たイスタンブールの街並みといい、その中央駅からオリエント急行が発車するシーンといい、高級列車の室内の贅沢なしつらえといい、1930年代の華やかなファッションといい、
眼福というか、お正月映画にこれを選んでよかった!という感じ。
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ただ…
容疑者の乗客は12人いるので、それぞれのキャラクターを描きこむのは無理だとは思いますが
それにしても表面的な描き方で、皆が没個性になっている。
しかもあの暴力やアクションは原作にはなかったと思うのだけど、必要なのか?
検死を務める医師は、黒人である必要があったのか?
灰色の頭脳を持つポアロは、暴力やアクションとはおよそ無縁な、
理屈っぽく知的な探偵だと思っていたのですが。
本来の頭脳ゲーム的な推理劇を、アクションや妙な平等主義で今のアメリカ風に味付けしたとしか思えない。
ちょっと残念。
家庭教師役のメアリ、何処かで見た顔だと思いながら、どうしても思い出せない。
スター・ウォーズのレイ役のデイジー・リドリーだったのですね。
(下の写真の左端の女性)
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ベネチアであったか、オリエント急行列車を見たことがあります。
須賀敦子の短編「オリエント急行」も好きでした。
死ぬまでにいつかは乗ってみたいものです。
オリエント急行殺人事件 (Murder on the Orient Express)
http://www.foxmovies-jp.com/orient-movie/