Zooey's Diary

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ピーター・バラカンの夜

2018年01月28日 | 劇、オペラ、コンサート
西麻布のスィッチ・パブリッシングで行われたピーター・バラカンの
「サタデーナイト・ミュージック」に行って来ました。
昨夜のテーマはブルース・スプリングスティーン。
バラカン氏が彼の好きな曲を選んでかけ、丁寧に解説してくれるのです。



私はブルース・スプリングスティーンの大フアンという訳ではないのですが
1985年にニューヨークに行った時、「ボーン・イン・ザ・USA」がそこら中でかかっていたのです。
街で目にしたのは、そのアルバムの巨大な広告。
星条旗をバックに、白いTシャツ、ジーンズのポケットに突っ込まれた赤い帽子。
正にアメリカ!という感じ。



労働者階級を代表していると言われるブルースは
若い頃の私にとっては、ニュージャージーの汗臭い兄貴というイメージでした。
この曲はよく愛国歌のように思われているようですが
実際にはベトナム帰還兵の絶望的な心境を歌った、悲しい歌詞のようです。

”Born down in a dead man town
 The first kick I took was when I hit the ground
 You end up like a dog that's been beat too much
 Till you spend half your life just covering up

 Born in the U. S. A, I was born in the U. S. A
 I was born in the U. S. A, born in the U. S. A”

「救いのない町に生まれ落ちて
 物心ついたときから蹴飛ばされてきた。
 殴られつけた犬みたいに、一生を終えるしかない。
 身を守ることに、ただ汲々としながら。

 俺はアメリカに生まれたんだ。 
 それがアメリカに生まれるということなんだ。」
 (村上春樹「意味がなければスイングはない」から)

春樹はこの本の中で、レイモンド・カーヴァーとスプリングスティーンの共通点について
滔々と語っているのですが、私はカーヴァーはあまり好きではないのでパス。
バラカン氏のこの歌についての解説を楽しみにしていたのですが
この歌はあまりお好きじゃないようで、しかも70年代の歌についてが中心、
そこまで行き着かないで終わってしまったのでした。
ちょっと残念。
ちなみに「It's hard to be a saint in the city」に始まって
「Stolen Car」が最後の選曲でした。
それでも物腰の柔らかい、控え目なユーモアをにじませた話し方のバラカン氏は
ラジオで受ける印象そのもの。
スプリングスティーンの曲はいっとき若い日々を甦らせてくれ、
素敵な夜となりました。
取り上げて貰えなかった歌を貼ります。

コメント (2)
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