カフタンとはアラブ人の民族衣装で、結婚式や宗教行事などフォーマルな席に欠かせないものであるらしい。
飾り糸で華やかに刺繍されたオーダーメイドの高級品であり、ハリムは手仕事でそれを造る実直な職人。
小さな仕立て屋を一緒に支える彼の妻ミナは、末期の乳癌を患っていた。
そこに若く眉目秀麗な見習い職人、ユーセフが加わる。
ハリムはミナを愛しながらも、ユーセフに惹かれる気持ちを抑えられなくなっていく。
マリヤム・トゥザニ監督は、前作「モロッコ、彼女たちの朝」で、シングルマザーの苦悩を描いていました。
モロッコでは未婚の妊娠は違法となり、婚外子の母も子も、社会から徹底的につまはじきされるのです。
そして、同性愛も違法であったのですね。
ハリムは伝統を守る仕事につきながら、戒律を破る自身の性癖に苦しんでいる。
飾り糸で華やかに刺繍されたオーダーメイドの高級品であり、ハリムは手仕事でそれを造る実直な職人。
小さな仕立て屋を一緒に支える彼の妻ミナは、末期の乳癌を患っていた。
そこに若く眉目秀麗な見習い職人、ユーセフが加わる。
ハリムはミナを愛しながらも、ユーセフに惹かれる気持ちを抑えられなくなっていく。
マリヤム・トゥザニ監督は、前作「モロッコ、彼女たちの朝」で、シングルマザーの苦悩を描いていました。
モロッコでは未婚の妊娠は違法となり、婚外子の母も子も、社会から徹底的につまはじきされるのです。
そして、同性愛も違法であったのですね。
ハリムは伝統を守る仕事につきながら、戒律を破る自身の性癖に苦しんでいる。
ところが何処にでも抜け道はあるもので、ハリムは公衆浴場ハマムで同類と行きずりの情事を繰り返していた。
その時点で私は、ハリムという男に感情移入ができませんでした。
しかし、ラスト、遺体には白装束と決められている戒律を破って、ミナの遺体に美しい青いカフタンを着せるハリム。
映画の前半に出て来た他の人のお葬式では、大勢の男たちがコーランを唱えながら白装束の遺体を運んでいた。
ハリムはミナに青いカフタンを着せ、ユーセフと二人だけで黙々と石畳の道を運んで行くのです。
あれはあの社会の、戒律や常識や伝統への、強烈なアンチテーゼであったと思います。
最初はユーセフへの嫉妬に苦しんでいたミナが、最後に自分の気持ちにどう折り合いをつけたのか。
どうやってハリムを赦し、愛することを恐れるなとまで言えたのか。
その辺りを、女性監督らしく細やかに描き上げていました。
ムスリムのお葬式ってこんな風にやるのかとか、ハマムでの情事の誘い方とかが分かって、映画はこれだから面白い。
英題は「The Blue Caftan」、フランス・モロッコ・ベルギー・デンマーク合作。
「青いカフタンの仕立て屋」公式HP
この映画は見たかったのでご紹介嬉しいです。
映画の見方は様々あり「ムスリムのお葬式ってこんな風にやるのかとか、ハマムでの情事の誘い方とかが分かって、映画はこれだから面白い」→わかります!
「ハマムでの情事の誘い方とかが分かって」→ウケました🤣🤣🤣
映画を観る楽しみの一つですよね。
同性愛は違法とされる国で、一体どうやって情事の相手を見つけるのかと不思議でしたが
ハマムであったのですよ。
阿吽の呼吸というヤツでした~w