ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

理科の授業の面白さ

2017-01-13 10:23:36 | 授業・教育
理科の授業、実験の準備が大変だし、生物分野は予備実験でうまくいっても本番がなぜかうまくいかないこともあり、重荷に思うこともあったのですが、充実していると思えるようになってきました。

立命館大学に赴任して、2年目までは父の看取りと母との同居に向けてのゴタゴタ。
3年目から4年目の前半までは、小康状態で仕事に取り組めた時期。
そのあとは、母の変化のあとを追いかけながら、日々をこなす毎日。

その母も亡くなり、自由にできるはずなのになぜか虚脱状態。一周忌を経て、今年度の1年は、徐々に前向きになってきた1年だったように思います。

気持ちが内側にしか向かないときに、外に引っ張り出してくださった即興型教育研究会とすぅさん、「できそうにもないことをやってみる会」のゆりさん、ひこさん、獲得研と渡部淳先生、そして今共同研究を進めている吉田真理子先生。恵まれているとつくづく思います。

『演劇と教育』に「授業を振り返る視点としてのアクティブ・ラーニング」という記事を書かせていただいたのも、外から声をかけていただけるありがたいきっかけでした。

今年度から、理科教育研究という中学理科免許状取得には必修の科目を担当しています。
中学校の授業をしたことない私が担当するのですから、自身が学びながらの授業です。

この授業は教育実習に向けての大事な授業なので、まず授業プランが立てられてそれを学習指導案に表せるということが目標です。

加えて大事にしたいと思ったのは、各自の授業観の問い直しです。学生は自分の受けてきた授業のイメージしかなく、そういうものだと思っています。
このままだと、受験のために授業を聞いてひたすらノートに向かうという受け身な授業が繰り返される。
そういう授業から、主体的に学ぶ力をつけていく少数の人も居ます。教師になりたい人には、そういう人が多いかもしれない。でも、多くの生徒はそうではありません。

いろいろな授業方法を体験してもらうようにしました。
特に、現職の中学校の先生のICTを使った生徒主体の授業は、学生にとって目から鱗だったと思います。

海外の理科教育を調べて発表する授業もしました。これを受けてのディスカッションは、自分たちの受けてきた授業を相対化するのにずいぶん役立ったと思います。

最後の授業。中学の理科とは、いったいどういう科目なのか。何を教えなくてはいけないのか。
前の時間に物理、化学、生物、地学の4つに分かれて、グループで考えました。
それを発表したのち、ディスカッション。「理科を学んで、何が楽しかったか」という話になりました。
「実は理科は嫌い」と言っていた学生が、授業記録に次のように書いてくれました。

「理科の面白さについてのディスカッションがとても印象に残っています。これにもっと早く気付いていればいろいろ状況がかわってきたのかなと思いました。今まで私に教えてくださった先生方はそれを教えようとしてくれてたのでしょうが、私の心には響かなかったようです」と。彼女が教師になるのが楽しみです。

「学生たちと一緒に授業をつくってきた」と実感の持てる授業でした。

まずは1時間の授業プランから始め、中学理科、さらに理科全体へと広げていくという方向で授業をしてきましたが、このディスカッション、もっと早い時期のほうが良かったのかな?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする