ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

第7回目の教職沖縄研修

2018-02-10 17:22:04 | 日記・エッセイ・コラム
今年も学生について沖縄へやってきました。
沖縄へ来た日は、寒くて震え上がりました。

一昨日あたりから暖かくなり、
昨日、沖縄での研修が終わりました。

今年はいろいろと課題を感じた沖縄研修でした。

学生も変化しているし、社会情勢も変わる中で、この研修の位置づけが変わっていくのは仕方ないとしても、大事にしてきたことが引き継がれないとしたら残念です。

今回は、実行委員会との関係がうまく築けませんでした。
自主活動で、学生が自主的に決めるのは良いのですが、もっと良くなるのにと思うと口をはさみたくなります。

けれど、実行委員会の側にうまく受け止めてもらえませんでした。
一生懸命がんばっているのは分かるのですが、もう少し耳を貸すゆとりがあれば。
こちらのかかわり方も考えなければならないのでしょう。

しかし、私としてはもう時間がありません。
提言するだけのことはして、あとは学生や他の方たちに任せるしかありません。

個人的には、実り多い沖縄滞在でした。
京都でなかなか観ることができなかった「米軍が最も恐れた男、その名はカメジロー」を観ました。「辺野古ゲート前の人々」の映画を見て知り合いの顔を発見し、辺野古へも行ってきました。

南風原陸軍病院壕では、地元の方のボランティアの方による説明を受けることができました。
自ら学び、ボランティアでこの負の遺産を伝えておられることを尊いと思いました。
質問に対して分からないことは分からないと素直に答えてくださることにも好感を持ちました。

「私たちは教員を目指しているのですが、子どもたちに何を伝えたいですか」という学生の質問に「この日常が続くということが大切で、それが平和であること」と答えてくださいました。
また「子どもたちには意見の違いや対立があっても、話し合いで解決する力をつけてほしい」「世の中が寛容さを失っているように感じる。他人を許せる寛容な人を育ててください」とも。

実は、辺野古でプラカードを持って立っていたのですが、横にいた女性が機動隊員に向かって「お前は犬だ。あっちへ行け」などと口汚く罵っていて、心がざらつきました。
聞いていられなくて
「彼は犬ではありませんよ。人間ですよ」
というと
「いや、犬だ。こんなやつに何を言ってもいいんだ」というのです。

「毎日、力づくて排除されていては憎くなるのは分かるけれど」というと
「私らはこいつらからダニとかカスとか言われてきた」と。

「へえ、それは酷いね!」
「犬のほうがマシでしょ」
「ダニ、カスは酷い!」
などと話していると、機動隊員に向かって汚い言葉を言わなくなりました。

自分の人間性が踏みにじられた痛みを、目の前の機動隊員にぶつけざるを得なかったのでしょう。その深い悲しみを私は理解しているのだろうか。しかし目前の機動隊員を罵倒しても何も生まない。

それよりも「あなたも沖縄の人でしょ。この海が埋め立てられていいの?この埋め立てに手を貸している。それでいいの?」と語りかけていた女性に、私は共感しました。

辺野古に滞在した時間は短かったのですが、とても長く感じ、日ごろに感じない疲労感がありました。
今日も辺野古では人々が闘っています。
コメント
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