ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

「ウィルスの世界を荒らすな」「専門家は確率を語れ」

2020-07-11 08:43:14 | 日記・エッセイ・コラム

左はガリレオ温度計、右はテンポドロップ。テンポドロップはお天気によって結晶の状態が変わるそうだが…。


コロナウィルス肺炎。
この実態はまだ明らかにならない。
その感染力。重篤率。死亡率。
そして有効な薬はまだ開発されていない。

現時点で、どのようにウィルスに対処すべきか。

五箇公一さん(生態学者)は言う。
朝日デジタル7月11日
youtube

もともとはウィルスと寄生生物が共生していて、ウィルスはその環境に閉じこもっていた。
そのホットスポットを人間が破壊することでウィルスのバラマキがおこった。
生物多様性の破壊とグローバル化の加速によって、すごい速度で世界中にウィルスがばらまかれる社会になっている。
今回のCOVID-19は感染力・環境適応力において新興感染症の中でもピカイチ。
また感染しても無症状の場合が多く、自覚なくウィルスをばらまいてしまう。

これに対応するには「分断」ではなく「管理」。「対立」ではなく「協調」。
そして「情報共有と情報発信」。
根本的には自然界と人間社会のzooningすなわち野生生物と人間社会の線引きが必要と訴える。
そのためには地域で経済を回していく「グローバリゼーションからの脱却=地産地消」へと
パラダイムシフトが必要である。

経済の構造をこそ変えなくては、と。
なるほど。ムヒカ大統領が言っていた経済と通じる。

新規ウィルスがうようよしているところ(すなわち人が容易に踏み入れない自然)はそっとしておこうよ。「ウィズコロナ」なんてあまっちょろいこと言ってる場合じゃないよ。

早口なのに活舌さわやか。
よく聞き取れる。

彼と出会ったのは、彼がまだ京都大学の大学院にいたころだったと思う。
youtube動画の背景に彼の描いたダニのイラストが出てくるが、私も持っている。うふ。


一方で、ウィルスに対する具体的対処について、西村秀一さん(ウィルス学者)は
新型コロナへの対応の行き過ぎを問題視している。
朝日デジタル7月11日
感染リスクの高い病院とそうではない一般社会を分けて考えるべき、と。

葬儀の時に遺族に会わせなかったり、学校の机を消毒したりする必要があるのか。
専門家は「可能性がある」と恐怖をあおるのではなく、確率を示すべき。
また専門家会議は政府とは独立の権限をもち、議事録を残して公開するべき。

職場からもらった厚生労働省の資料に感染症対策として「帰省や旅行は控えめに」とあったけれど、こんなものを配布されるとただでさえ年休をとりにくいのに、年休がとれても旅行に行きにくい。

この二つを並べて考えると、私たちはこの新規感染症に対して防衛過剰になっている一方で、根本的な解決の方向をめざしていないということになりそう。
本当に変えなくてはならない「新しい生活様式」は何なのか。
考えたい。
コメント
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