日差し射すスイートピーの赤き花咲き 吾はモロコシの種撒く
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【植物と地球環境の関係】 Gondwana
日常を離れ、非日常的生活を送っていると、これはあくま
でも自分に即して言うのだが「吾、不識」(『景傳燈錄』
第三巻)であり「無知の知」に見舞われている。簡単にい
うと「なぁ~んも、わからん」のである。さて、『植物の
成長・進化プロセス』をきょうも手繰り寄せてみよう。 Σωκράτης Sōkratēs
ボーディダルマ
「相観解析」という方法により、化石の葉から当時の
環境を推定することができる。葉には周りにぎざぎざ
した鋸歯があるものとなめらかな緑のものがあり、核
子植物の樹木の場合、なめからな葉は暖かいところの
もの、寒冷なところへいくほど鋸歯緑の葉という関係
がある。現在の植生で葉の形状の比率を比べると、生
育他の年平均気温や降水量と相関している(生理学的
な理由はわかっていない)。生物は、ある程度柔軟に
環境の変化に適応するため、相観解析では少数の植物
からのデータに頼るのではなく、地域の植生全体とし
て葉の形状の比率を含めた特徴を分析することで、気
候評価の精度を高める。
化石産地の相観分折から当時のリゴリオ・マルケス
の年平均気温を推定すると、始新世初期は16~19
度と考えられ、その変遷は地球科学による海中の酸素
同位体から得られた推定とほぽ同様の結果になる。始
新世から漸新世にかけての急激な気温変化が、植物化
石からも裏づけられたのだ。
葛西奈津子『進化し続ける植物たち』
南米南部の植生は、白亜紀後期のゴンドワナ大陸に存在し
た古植物相として、その後の地殻変動、気候変動などの影
響を受けて成立。主な要因は、ゴンドワナ大陸西部の分裂、
南極の氷床形成,周南極海流とフンボルト海流の成立、ア
ンデス造山などで、これらの変化にともなう植生変化の過
程を詳しく解明するには、植物の葉化石群の分類・地理学
的研究と、葉の形態解析(葉形態の相観解析)が有効であ
という。葉の形態が植生が成立している時代の気候と相関
関係があるという。
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【植物細胞わらしべ長者説】

単細胞から多細胞への進化の過程は動物と植物ではずいぶ
ん違う。動物細胞は、細胞壁がなく細胞自体が動けるのが
大きな特徴で、胚発生の過程を見ても、原腸陥入から始ま
る形態形成運動は細胞が動けるから起こる。それぞれの細
胞がダイナミックに動いて多細胞化する。
植物の細胞は動けないぶん、細胞骨格が重要な役割を果た
す。なかでも「微小管」はちょうど提灯の骨のようで、細
胞が伸びる向きや細胞分裂が起こる向きを、微小管の走向
が決める。微小管はチューブリンというタンパク質からな
る。
動物細胞にもあるが、細胞分裂の際に染色体を両極に分け
る紡錘体は微小管で形成されるが、動物細胞では両極の中
心体から微小管ができるのに対して、植物細胞に中心体は
なく、どこから微小管ができるというがこれが謎。
動物細胞では中心体から出た微小管は、分岐することなく
一直線に伸びる。ところが植物細胞では、微小管が枝かれ
する。もし、微小管の分岐が植物細胞だけに特徴的な性質
なら、微小菅がかかわるさまざまな細胞機能において、分
岐する微小管が植物細胞で中心体がなくなったのは、最初
の1本の微小菅があればそこから箒のように分かれて紡錘
体ができるので、中心体が不要になったのではないか。
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「チューブリン形成を明らかにすることで、植物細胞と動
物細胞の違いをけじめ、植物の多様性に至るまでさまざま
なことが明らかになるのではないか」、これを「植物細胞
わらしべ長者説」と呼んでいる。遺伝子の機能分化が進ん
でいく過程が、ゲノム解読でわかってきた。植物には自殖
性や倍数体が存在することと深くかかわり、植物独自の発
生過程が進化している。それを明らかにするための切り込
み方はいろいろあるという。「今、わらしべは何に変えた
のか」と。
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葉には表裏があって次第に裏の部分だけが広がる。一般に
葉には縁があり、縁で発現する遺伝子の存在が知られてい
る。イグサのなかまの葉では、縁のように見えるところで
もその遺伝子は発現していない。全部ひとつながりに裏で
あって境界はない。葉ははじめ棒のようにつくられ、次に
裏と表を決めて、その境目を延長することで平面をつくる
のが原則という。裏表の決め方がどうやら中途半端になっ
て、どこを広げていいのかわからず、棒状のものから適当
に広げ始めるためにラッパ型になるものある。単面葉は単
子葉植物でのみ何度も進化している。しかし、双子葉植物
には一度も起こっていない。どうも単子葉だけの特殊事情
があるようだ。最近、イネの葉を厚みの方向に太らせるは
たらきをもつDLという遺伝子が見つかり、単面葉を支え
る遺伝子として有力視されている。茎も奇妙だ。アスパラ
ガスやボルネオ島キナバル山に生えるエダハマキ(枝葉槙)
のなかまは、茎や枝なのに平たい葉のようになったものを
つくり、平面で裏表もある。どう見ても葉のような形をし
ているが、維管束の向きが葉にしては変なのもがあるとい
う。植物は柔軟で不思議だ生物だ。
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
栽培植物の多くは、過去一万年ほどの問に野生植物から栽
培化された。この過程で植物は遺伝的に変化し、祖先野生
種にはないさまざまな形質を獲得。現代の多様な作物や花
卉(かき)は、植物が新しい環境におかれたとき、急速に
適応進化を成し遂げるドラマティックな能力をもつ。人為
選択は時として劇的な形質変化をもたらす。メキシコ原産
のトウモロコシがその例であるという。
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穂(雌花序)を比較すると、祖先テオシンテでは10個程
度の種子しかつかないが、トウモロコシでは優に百を超え
る種子がつく。さらに、石のように硬い殼に覆われている
のに対しトウモロコシは殼加退化した。トウモロコシと祖
先テオシンテは分類学的に同種で互いに交雑可能。
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栽培化の過称で選択を受け、適応的に変化した形質を制御
する遺伝子は、「栽培化遺伝子」と呼ばれる。現在、分子
レベルで同定された栽培化遺伝子は、急速に数を増してい
る。栽培化遺伝子は、適応進化研究の魅力的な材料である
と同時に、栽培植物の有用形質を制御する遺伝子として、
育種的価値も高い。しかし、古代の農耕者が将来トウモロ
コシになることを知らずに栽培を始めたが、どの形質がど
のような順序でで人為選択を受けたのかが明らかになれば、
農耕者がテオシンテの栽培を始めた「動機」が見えてくる
かもしれないといわれる。
(葛西奈津子『進化し続ける植物たち』を参考)
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はっぴーえんどの松本隆作詞で「呉田軽穂」(松任谷由美)
作曲の『赤いスイートピー 』は‘ぶりっこ聖子’の中で2
番目で好きな曲。因みに、一番は『SWEET MEMORIES』。あ
んまりあれこれ書くことはないんだが(ネットでわんさか
だから)、艶歌以外の超ロングラン女性歌手は彼女しかい
ない(テレサ・テンが生きていれば彼女と双へきではあっ
ただろうに)。
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ところで、この曲がでたころは(1982年1月当時)、赤色
の花をつけるスイートピーは存在していなかった。しかし、
その後、品種改良によって赤色のスイートピーも誕生した。
多分。これは確認できていないのだが、松本隆は松田聖子
を意識しながら歌詞の流れから「赤」を選んだろうと思っ
ている。
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ンソウ属の植物。別名、カオリエンドウ(香豌豆)、ジャ
コウレンリソウ(麝香連理草)、ジャコウエンドウ(麝香
豌豆)。地中海沿岸原産。主に観賞用として栽培される。
品種によって一年草や多年草がある。
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モロコシにかけている。失敗続きの試験菜園。根肥強化の
土壌改質を行い再チャレンジ。モロコシの種を撒く。マメ
科の「スイートピー」。花言葉は「私を覚えてください」。
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【デジタル革命の銀河系:千万画素の携帯電話】
カメラ付き携帯電話の画素が千万画素を越える時代となっ
た(SoftBank 933SH:シャープ・ソフトバンクモバイル/
千万画素CCD ISO12800相当、SH-06A/SH-07A:シャープ・
ドコモ/千万画素CCD ISO12800相当) 。1999年9月京セラ
製端末のVP-210(PHS)は11万画素だった。「コップの中の
嵐」を続ける引責辞任しない政治情況とは異なり、これは
銀河系からの地上へと注がれる隕石だ。これは何を意味し
ているかは嘗てのブログ(『ラッパズイセンとデジタル革
命』)で掲載している。(1)レンズレス乃至はレンズの
ソフト化(2)パーソナルコンピュータの一層の小型・高
品質・機能融合化(3)政治社会のオープン・透明・民主
化の一層の促進であると。
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
それと、TBSドラマの『MR.BRAIN (ミスターブレイン) 』
が面白い。特に、fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)をあ
そこまでイメージ化出来るのには正直いって感心。5月23日
の第二話。海馬傍回の反応を見て、以前に殺人現場を見た
ことの判定に使用された。科学警察研究所の職員がfMRIで
スキャンした数秒後に海馬傍回の3D画像シーンは圧巻。
番組内では、日立製のfMRIが使用されたと言われている。
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