一日の速き流れに身を任せ ジュリーの歌と風船蔓を
■
フウセンカズラはムクロジ科の一種。学名 Cardiospermum
halicacabum。花を鑑賞するためよりむしろ、風船状の果実
を鑑賞用に栽培される。つる性の植物で一年草。葉は三出
複葉、小葉は草質で柔らかく、あらい鋸歯がある。7月~9
月頃に白い5mmくらいの花を咲かせる。花は葉腋からでる
長い柄の先に数個付き、巻きヒゲを共につける。
果実は風船状に大きく膨らみ、緑色。種子は球形で大粒、
なめらかな黒でハート形の白い部分がある。ちょうどトチ
ノキの種子を小さくした姿に見える。
■

ザ・タイガースをはじめてみたのは「難波一番」でグルー
プ・サウンドの全盛期だった。その中でも飛び抜けて人気
者だった。曜日もあやふやな中で忙しそうに?毎日を送っ
ていると「いったい何をやっているんだろう」と思うこと
があり、そういえば70年代もそうやって生き急いでいた
ねと思い返し、蕭々とした気分をジュリーの歌で吹き飛ば
すのも手だなと詠う。緑の風船「フウセンカズラ」。花言
葉は「多忙」「人気者」。
■

昨日の続きで、『太陽光発電システムの設計と施工』は開
発研究のメンバーだった関係で軽く読み飛ばす。瀬名秀明
著『ロボット学論集』も軽く読み飛ばしたいものの重装備
だからピックアップで流す。
■

2003年には鉄腕アトムが誕生しているのだからそこか
らいえば進展は遅れている。女性編集スタッフの「もやも
や感が抜けない」との率直な感想に戸惑っている様子を前
書きで瀬名は吐露しているが、それは、ちょうどスピルバ
ーグの映画『AI』を見終えて蕭々とした和解しがたい不
明瞭感と同じことではないかと納得している自分がいる。
ロボットの定義は曖昧だとし瀬名は「人間型/非人間型」
「自立型/操作型」との2つ程度に分類している。人の代
わりになんらかの作業を行う装置の場合、ある程度の工程
なり手順なりを自動的・連続的に行い、単一の動作を行う
物や、絶えず人間が操作をする必要がある物はロボットの
範疇には含まれず、許容される範疇における限定された物
ではあるが、状況を判断して自動的に連続して作業を行う
物とされる。

しかし単純に与えられた条件に対して所定の、あるいは繰
り返しの動作を行う機械装置との境界は曖昧で、明確に定
義・区分出来きず、例えば自動販売機は、人間の仕事を代
行する装置だが、これをロボットとみなすかどうかは人に
よってまちまちだ。

これに対しては、「植物型/動物型」という区分をいれた
方が良いように思えるし、単純に「人工知能を備えた機械」
と定義したら良いのではと考える。


ところで、肝心の感想でいえば、エルヴィン・シャルガフ
の『ヘラクレイトスの火』を引用している件が印象的だ。
私はシュレーディンガーとは違って、こう答えるしか
ない。「分からない、だから分かり、理解できない、
だから理解できる」ものであると。真理を所有するよ
り真理を探す方がはるかにいい。憧憬は、到達よりは
るかに私の生活の一部となっている。生きものという
書物を読むのは大きな楽しみであり、教訓に満ちた経
験をすることである。(中略)生命については、ただ
暗喩的に思念するほかない。さらに彼は、著書『ヘラ
クレイトスの火』(1978)で次のような架空の対談記
事で自らの科学観を示した。私が強い感銘を受けた言
葉である。
VV-君は科学から何を学んだ?
EC-ただ一つだけ。自然に触れる前には手を洗
わなければならない、ということ。
VV-ほとんどの科学者は科学に値しないと言い
たいのかな。
EC-そうだよ。でも彼らは、自分たちに値する
ようなものに、科学を変えてしまったのさ。
VV-治療法はあるかね。
EC-治療法はないね。

■
ヒトゲノム計画が終了したいまも、シュレーディンガ
ーの方法論は色梗せていない。ヒトゲノム計画の基本
的な概念をつくり上げたひとりである和田昭允氏は著
書『物理学は越境する』(2005)の中で、シュレーデ
ィンガーの『生命とは何か』が描いたヴィジョンにつ
いて簡潔な要約をおこなっている。すなわち、シュレ
ーディンガーは、「物理帝国」から「生物王国」へと
至る道筋の中間項として、エネルギー、エントロピー
を置いたのである。すぐさま物理の言葉で生物を語れ
るわけではないが、そこへ至る中間項を適切に置くこ
とで、生命への道筋を示したのだ。エネルギーなら物
理の言葉で語れるからである。このようにシュレーデ

ィンガーの方法論を把握した上で、和田氏は自分の研
究において、この中間項に「高分子化学」を入れた。
この考えは理化学研究所に受け継がれ、いまは「オー
ミック・スペース」という概念として発展している。
【注釈】オーミックス・スペースは、遺伝子A、B、C、Dが発現して
いる場合、表現型として現れるまでには、例えば遺伝子AによるB
の転写制御、タンパク質BとCの結合、タンパク質BとCの複合体
によるタンパク質Dのリン酸化というように、縦横に張り巡らされ
た立体的なネットワークがある。生命の理解には、ゲノムからフェ
ノームまですべてを包含したオーミック・スペースのネットワーク
解明が不可欠とされる。
■
本筋からそれたが、「手を洗わず、自分たちに良いように、
科学を変えている」ことに気付くこともなく粗忽な振る舞
いを知らされるのは、失敗して気づくんだなぁと「試験菜
園」の実践の体験から妙に感心している自分がいる ^^;。
■
さて、第5章「物語がヒトとロボットを越える」で「スラ
ッシュ」(文や語を区切るための斜めの細線)の概念を
使い情動と気分をもつ「生命と機械のあいだ」を埋める倫
理と世界観をつくるロボットはありうるかと自問し以下の
ように結ぶ。
それが「もやもや」であり「物語」であるのだ。スラ
ッシュは限りなく薄く、細い線分ではあるが、実世界
で描かれる限りそこにはどんなに薄くとも厚みがあり、
両側を隔てる壁となる。ロボットを考えることは世界
を考えることだ。20年後、ロボットは病気の私たちを
助け、子どもを育て、一生を共に暮らすパートナーと
なっているかもしれない。しかしそのときであっても
ロボットはやはり「世界観」の象徴であるだろう。20
年後でも私たちはロボットに対して居心地の悪さを覚
え、それでももっとわかり合いたいと願い、未来を夢
見ているだろう。進歩がないのなら、難しいことを考
えなくたっていいじゃないか、なるがままに任せれば
いいし、ロボットなんて面倒だ、という人もいるかも
しれない。だが人類のすべてがそうなることはないは
ずだ。なぜならロボットはいつだっておもしろいから
だ。私たちの興味を掻き立てる。そのように私たちは
ロボットをつくったのだ。私たちがロボットに対して
興味を失ったとき、それは私たちがヒトではなくなっ
たときだろう。ヒトである私たちは、これからもたく
さん楽しみ、たくさんもやもやしながら、ロボットに
ついて考え続ければいい。それがこの世界で生きると
いうことなのである。
瀬名秀明著『ロボット学論集』
■
![]() |
今日は忙し一日だった。老化のせいか、アレルギーかジム
の水泳のせいか、耳をいじりすぎ、慢性の外耳炎のように
なりひと思いに治療と中央病院(民間)へ。主治医は内視
鏡を見ながら「耳をさわらないように」と一喝。治療方法
が随分変わっていることに感心し、行きつけの多美理髪店
で散髪、図書館に行き『耐震・免震・制震のはなし』『目
で見る木造住宅の耐震性』を借り出す。
■
![]() |

感想は?耐震基準に基づき、耐震・制震・免震の3つの技
術を最適化させ災害を防ぐということに尽き、建築環境工
学に当然ふくまれるべきものと考える。今日はここまで。
■