極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

芙蓉とNEO

2009年09月10日 | 日々草々


芙蓉咲く 垣根の下の零れ日を 拾いてきみと 語り歩まん


樹形の例

芙蓉はハスの美称でもあることから、とくに区別する際
には、木芙蓉(もくふよう)とも呼ばれる。mutabilis
「変化しやすい」(英語の:mutable)の意。原産地は中
国で、台湾、沖縄、日本の九州・四国に自生する。日本
では関東地方以南で観賞用に栽培され、7~10月始め
にかけてピンクや白で直径10~15cm程度の花をつけ
る。朝咲いて夕方にはしぼむ1日花で、長期間にわたっ
て毎日次々と開花する。同属のムクゲと同時期に良く似
た花をつけるが、直線的な枝を上方に伸ばすムクゲの樹
形に対し、本種は多く枝分かれして横にこんもりと広が
ること、葉がムクゲより大きいこと、めしべの先端が曲
がっていることで容易に区別できる。


めしべの曲がりが特徴的


蓮葉はかくこそあるもの 意吉麻呂が家なるものは うもの葉にあらし 
  
                    長意吉麻呂 /巻16・3826 


裏に庭に里芋の葉が大きく育ち、愉快な意吉麻呂の歌を
思い出していた。ところで、長く添いて苦労を共にした
二人がここまで来たことに感謝する心情を幻想的な日常
の一場として少し難解に詠む。花は他のフヨウ属と同様
な形態で、花弁は5枚で回旋し椀状に広がる。果実はさ
く果で、毛に覆われて多数の種子をつける。寒地では冬
に地上部は枯れ、春に新たな芽を生やす。大型で白い花
の「フヨウ」。花言葉は「繊細な美」。


 

自然現象による天災に対する隕石衝突は国際的な最大の
課題であることは言を待たないだろう。これを、地球近
傍天体、地球に接近する軌道を持つ天体(彗星、小惑星、
大きい流星体)の総称として呼ぶ。英語でNEO (Near Ea-
rth Object
) と呼ばれる。地球に接近することから衝突の
危険性を持つ反面、地球からの宇宙船が容易に到達しや
すく、今後の科学的調査と商業開発において重要になる
と考えられている。

 
Flyby of Asteroid 2004 FH. The other object that flashes by is an artificial satellite.
 
【種類とサイズに従った地球近傍天体の分類】

流星体:50m以下。
小惑星:50m以上→地球近傍小惑星を参照
彗星

 

2009年6月24日現在、彗星を除いて6,216個が発見されて
いる。このうちアテン型小惑星が513個、アモール型小
惑星が2,596個、そしてアポロ型小惑星が3,107個である。
このうち1,058個は「潜在的に地球と衝突する可能性を
もつ小惑星」(PHA;Potentially Hazardous Asteroid) に分類
される



 Solar System

恐竜絶滅の謎は6500万年前に恐竜が突如絶滅したこ
とに始まる。白亜紀と第三紀(新生代)の間には「K-T
境界層
」が存在する。そしてこの境界層にはレアメタル
であるイリジウムが含まれていた。地球上では火山など
が起きた場合に地上に出てくる場合もあるが、他の隕石・
小惑星がもたらす(地球に衝突する)場合が多い。しか
も、この「K-T境界層」に含まれるイリジウムは世界各
地で濃度の差はあるが、各地の地層に含まれている。


ファイル:Egg Mountain.jpg 恐竜

「隕石が地球に衝突した」という説が有力だと考えられ
研究報告は、これほどのイリジウムが世界各地に積もる
には少なくとも数回数、十数年周期で衝突しなければな
らないといわれている。また、それほどの影響を与え
るには大きさが直径10キロ以上必要であるとされてい
る。直径10キロ以上の隕石が衝突した場合には直径
100キロ以上、深さ20キロ以上のクレーターが形成
される。このクレーターは近年の研究でユカタン半島の
地下にある可能性が高いことが明らかになった。一見、
隕石衝突説は非の打ち所の無い完璧な説だと感じる。


隕石 隕石落下シミュレーション

しかし、幾つか問題も存在するのだ。まず、偶然、それ
ほど近い周期で地球に巨大な隕石が衝突する可能性が低
いということだ。現在でも毎日小型の隕石は地球に衝突
しているが、その大半は大気圏で燃え尽きてしまう。ま
た、最近の研究で明らかになったのは6500万年前に
恐竜は絶滅したものの、それ以前から個体数が減少して
いたという事実だ。

 

また、隕石衝突説の条件となっていたのは「恐竜の体表
はウロコ」という説が有力だった頃だ。しかし、先ほど
述べたとおり恐竜は、羽毛が生えていたという。「隕石
衝突により起きた一時的(十年程度)の温度低下に耐え
られたのではないとの指摘や、恐竜は個体数を減らしな
がらも歴史上数回起きた氷河期にも耐えている。さらに、
気温の低下が絶滅の直接的な原因ならば、爬虫類なども
深刻なダメージを受けているはずである。海洋について
も同様で、気温の変化に弱い珊瑚は現在も残っているこ
となども指摘され疑問が残る。


Stub icon Space Guard

【天体が地球に衝突する危険性の2つの見積もり】

(1)トリノ・スケール (Torino scale) /計算が簡単
(2)パレルモ・スケール (Palermo Technical Impact Hazard Scale)
  /計算が複雑

2004年12月25日に、小惑星 (99942) アポフィスはそれ
までで最大のトリノ・スケール4と認定された。同年12
月27日の時点で、2029年4月13日に2.7%の確率で地球に
衝突すると報じられたが、12月28日、さらなる計算の結
果、衝撃の危険はほぼゼロまで落ちた(トリノ・スケー
ルも0になった)。2005年1月現在、トリノ・スケール1
以上の小惑星は2,053個あるが、その数は観測の数が増
えるにしたがって低下すると予想されている。

 (29075) 1950 DA

現在、パレルモスケールが最大と予想される小惑星は
(29075) 1950 DAであり、2880年3月16日に地球と衝突す
ると予想されている (p≤0.3%)。この衝突が起こると、
1950 DAとの衝突で放出されたエネルギーは地球の生物
の大量絶滅を引き起こすであろう。しかし、人類には
1950 DAの軌道の見積りを改良し、必要ならばその向き
をそらすための時間が800年以上ある。

ファイル:Orbit2.gif

NASAは、the most significant NEO threatsで今後100年間で地
球に衝突する危険性がある小惑星のリストを公開してい
る(1950 DAは含まれない)が、そのうちほとんど全て
は軌道計算の確定に伴いリストから外れるとする。




とはいえ、地球上の生物のもとになった有機物が、隕石
落下の衝撃で生成された可能性が高い
ことを、物質・材
料研究機構(物材機構)などの研究グループが、隕石落
下を再現した衝撃実験で示したというが(「生命の起源
に迫る大きな一歩」としている。英科学誌「ネイチャー・
ジオサイエンス
」に発表)、このNEOの問題解決に至
る「夢想成真」は果たしていかにというところで終わる。

                     

コメント
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