極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

彼岸花と稲作

2009年09月17日 | 農工サ融合


ベトナムの平和を祈り 歌った花はどこにいったと 曼珠沙華



背白米・基白米


温暖化と白未熟粒

温暖化で出穂後10~20日の日照温度が26℃を超すと、
イネの高温障害の1つで、米粒の片側が白く濁る「背白」、
下半分が白くなる「基白(もとじろ)」などがある。もみ
に澱粉が十分蓄積されないためで、粒を細らせて収量低下
につながる白未熟粒という高温障害が発生する。

「農林水産研究情報総合センター」

受精したモミはまず細胞分裂し、その後、細胞ごとにデン
プンがつまっていく。この時期に高温や日照不足などの強
い影響を受けると、デンプンが詰まりきらないうちに登熟
が終了してしまう。デンプンの詰まらなかった細胞には空
気の隙間ができ、これが光を乱反射して白く見える。この
白く見える粒を乳白米と呼ぶ。厳密には基白、背白粒など
とともに「白未熟粒」の一種。「シラタ」と総称されるこ
ともある。




直接の原因は気象条件だが、活力の落ちた稲ほど発生しや
すく、農家の中には疎植、米糠による土づくり、出穂45
日前の追肥、出穂期尿素追肥などで光合成能力の高い稲を
つくり、10俵以上全量一等米をとり続けている名人もい
るという。この様に異常発生メカニズムが解明できれば、
対応可能であることが分かる。




田植えの最後の日を「まんが(馬鍬)洗い」といい。これ
は、
最後の日に苗代をかいて馬鍬の使い終わり、きれいに
洗うことに由来する。田の神に御神酒を上げて今年の豊作
を祈り、酒を飲んでお祝いをする。ごちそうにはニシン、
凍み大根、昆布、大豆など煮込んだものを食べる。

まんがの写真 馬鍬


【稲のバイオアルコール化】



「ちんまい」「玉蜀黍」
の試験菜園が終わり、また「薩摩
芋」のバイオアルコール原料化の検討も終わり、稲作の検
討を始めた(ブログ『
髭撫子と薩摩芋』)。既に実証した
先達がいる。薄井勝利『バケツで豪快イネ-分げつ3百本、
1粒万倍』(別冊「現代農業」09年4月号)がそれ。



07052603.jpg 苗代づくり

「一本のイネは、最大何本まで分げつするのかア一粒の種
籾が何粒の籾をつけるのか?こんな疑問を解決したいとい
う味からバケツイネをつくり始めて、もう二十年は経過し
ました。庭にイネを置いて観察できることは、稲作農家に
とってもたいへん便利であります。バケツは、20㍑容器
を使っています。土は水田の土がいちばん良いのですが、
用排水路の土でも良いでしょう」



「大切なのはpH(水素イオン濃度)です。pHが5.5~6.5
の弱酸性であるとイネはよく生長します。肥料は水田に使
う肥料をそのまま使っています。バケツでは、水田と違っ
て初期の分げつの発生を遅らせようとは思いません。初め
から積極的に分げつを取ろうと考えますので、イネを植え
る1週間前に土全体に元肥の窒素肥料を混合します」と述
べている。


 荒おこし

「土の量は、容器の高さの七〇%くらいです。あらかじめ
水を入れておいたところに、水田と同じく五月下旬に苗を
一本ずつ植えます。その後は、減つた分の水を足すだけ。
こういう簡単な水管理を登熟期まで続けます。容器の底に
は穴はなく、ずつとためっぱなしです。バケツイネは、真
夏の猛暑のときは、ポリ容器ごと温められるので、根全体
が高温にさらされます。せめてガス害は緩和してやろうと、
七月初めと八月初めに光合成細菌を100㏄ずつ入れてや
りますが、干したりはしません。根に酸素を供給するため
に中干しが必要といわれていますが、バケツでイネをつく
ってみると、中下しの理由は他にあるように思えます」と
続ける。

 壬生の花田植え

「根腐れを防ぐことができれば、イネはお湯に浸かったま
まのような状態でも立派に生長するのです。イネは、体の
中に発達する通気組織を通して、葉から取り入れた酸素を
根に送ります。そして根の先端から酸素を出して、土を酸
化させながら土中を伸びていきます。バケツイネを育てて
みると、こんなイネの生態、生命力の強さをあらためて感
じることができるのです。バケツイネは、身近にあること
からイネの生長記録も取りやすい。葉齢や分げっの増え方、
出穂の順番など、いろんな調査ができます」

 稲刈り 



「写真は、1本が3百本台にまで分げつして増えたバケツ
イネです。『一粒万倍』ということわざとおり、
一粒の種
籾が二万から三万粒にも増えることを
知りました。また、
出穂してからも肥料を施すと、さらに分げつします。実ら
せることを考えずに穂数だけ増やそうと思えば、どんどん
増えることもわかりました。私のところには、全国から稲
作農家の方々が視察に訪れますが、皆、庭のバケツイネに
異口同音にびっくりされ、白分もやってみたいと意欲を示
されます」と述べている。


 深水栽培

バケツ稲作と玉蜀黍のポット植えとは、通気、透水の有無
を除き基本的に同じである。土壌は再生循環し、デジタル
(→1ポット1種栽培生産)方式なのだ。尚、薄井方式の
施肥は、(1)元肥:アジプラス(181号)、ヨウリン
骨粉、ソフトシリカ、(2)茎肥:アジプラス、マグリン、
ソフトシリカ、(4)穂肥:アジプラス、(5)実肥:マ
グリン、ソフトシリカ、アジプラスとなる。


  への字稲作

「1粒が3万倍」が可能であれば、バイオアルコール化は実用化
はなったと同じではないか?勿論、籾だけでなく茎や葉もアルコ
ール化できれば生産性は上がり、二期作化できればさらに上が
る。衛生的に制御管理できればオープン栽培ができコストも逓
減出来そうだ。
                               




路のべの壱師の花の灼然く人皆知りぬ我が恋妻は  万葉集


彼岸花(学名:Lycoris radiata)はヒガンバナ科ヒガンバナ
属の多年草。クロンキスト体系ではユリ科。リコリス、曼
珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ サンスク
リット語 manjusaka の音写)とも呼ばれる。学名の種小名
radiata は「放射状」の意味。彼岸花の名は秋の彼岸ごろか
ら開花することに由来する。別の説には、これを食べた後
は「彼岸(死)」しかない、というものもある。上記の飢
餓植物としての面から一考する価値はあると思われる。別
名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来する。



また、"天上の花"という意味も持っており、相反するもの
がある(仏教の経典より)。仏教でいう曼珠沙華は「白く
やわらかな花」であり、ヒガンバナの外観とは似ても似つ
かぬものである。(近縁種ナツズイセンの花は白い)。
『万葉集』にみえる"いちしの花"を彼岸花とする説もある。

 The times they are changing

 Tell It On The Mountain 

Peter, Paul and Mary - Leaving On A Jet Plane Leaving on a jet plane

ベトナム反戦運動、和製フォークソング運動に深く影響を与えた
1960年代に活躍した米国のフォークグループ「ピーター、ポー
ル&マリー(PPM)」のマリー・トラバース16日、癌のため、コネ
ティカット州の病院で死去した(享年72歳)。しかし、アフガン、イ
ラク紛争と悲惨な現実は変わってないではないかと曼珠沙華に
反問するように歌う。紅色の花咲かす「ヒガンバナ」。花言葉は
「悲しき思い出」。


コメント
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