数の子に 黒豆煮しめ 田作りに 潤る白味噌の雑煮かな
正月なら当たり前なのだが、ことしのお雑煮の
お餅がきめ細かで異様に美味しかったので彼女
に何処で買ってきたのかたずねてみたらビバシ
ティ店の『なか里』で買ってきたとのこと。も
うひとつ気付いたのが、喉に引っかかりを感じ
るので加齢による「魔の十字路」現象がはじま
ったのかとも思ってみたりした。
丸餅に白味噌が我が家のお雑煮のスタイルなの
だが家で餅を搗くことは15年前からやらなくな
ったが、海老、青のり、きなこ、あんこ、豆な
まこなど沢山の餅を搗いていたことが懐かしい。
面倒だというので買ってくるのだが、年に一度
ならいいかなと思うのだが今後我が家で餅を搗
くことはないだろう。ところで、餅は中国・朝
鮮半島地域・東南アジアなどに多くの種類があ
り、小麦を粉にして平たく固めてから加熱した
粉食のことを指していたという。大麦、粟、ト
ウモロコシなど他の食材を用いた粉食のことを
も含めるが、主にもち米を粉にしてから湯を加
えて練る方法で作るものだ。求肥餅や白玉やち
まき、韓国の「トック」などだ。
ところで、餅を気道に詰まらせることによる窒
息死で、毎年多数の死者を出しているというが
年間の詳しい死者数は不明。内閣府の食品安全
委員会の調査では、餅を1億人が口に入れたと
仮定し、最大7.6人の頻度の死亡事故が発生す
るリスクがあるとされ、これはワースト2位以
下の飴(2.7人)やこんにゃくゼリー(0.33人)
の死亡リスクを大きく上回るという。餅は50~
60℃で柔らかいが、体温に近い40℃になると硬
くなり付着性が増加するので、これが窒息の要
因になると推察されている。ただ、日本では、
伝統食である餅が窒息リスクのある危険な食べ
物であることは常識として広く周知されている
ことから法的な規制はない。
そこで、咀嚼や嚥下が餅よりも容易で、餅本来
の食味を味わうことのできる餅食品があればこ
れは一寸した文化革命になるのではないかと思
い立ちネットで下調べしていたら、やはり情報
があった(特開 2010-124793「餅食品」/ファ
ンケル)。それによると、もち米と、ジャガイ
モまたはサツマイモ、水の生地の餅食品でイモ
由来の食物繊維等の効果により、伸びや付着性
が小さくなり、咀嚼や嚥下が容易なようにテク
スチャーが改善されていて。乾燥粉末イモにす
ることで餅らしさが増大するという。
さらに、寒天および結晶セルロースを加えて品
質を安定にした上、急速冷凍による冷凍餅食品
や凍結乾燥による乾燥餅食品として、大量供給
性と保存性とに優れた餅食品が提供出来き、高
齢者食としてのみならず、宇宙食を始めとした
制約された環境下での食事などにも適しており、
幅広く利用できるという。
餅の効能は腹持ちがよくコンパクトに糖質がと
れことはよく知られている。特に、大根おろし
にお餅をからませた“からみ餅”は有効だ。大
根には、デンプンを分解する「アミラーゼ」(
消化酵素)が含まれ、運動中の主なエネルギー
源、脳の唯一のエネルギー源である糖質を素早
供給できる。「ネバネバ・パウダー革命」もす
ごいが国産の「お餅パワー」も同様で、さらに
磨きをかけたお餅の食文化も輸出し世界に普及
できれば中国で果たせなかった<文化大革命>が
実現するというものだ。