悪いけど 調子が悪く 欠席と 八十路険しと 老戦士かな
■
内閣改造された様子がテレビで流れている。
元々、外交・経済に疎い菅内閣にご祝儀で期
待感を寄せているものの実のところ「デジタ
ルとはコンテンツ」(浜野保樹)との引用で
はないが過剰な期待はやめておいた方がよい。
これは、挫折馴れでいっているのではなく、
学習能力の未知数に期待し、複雑な気持ちで
見ているのだがと、作業を止めて夕食を摂る。
15日付の韓国紙・朝鮮日報は、中国やロ
シアとの国境に近い北朝鮮北東部の羅先
経済特区に最近、中国軍が進駐したと報
じた。中国軍の北朝鮮駐留は、1994年12
月に板門店の軍事停戦委員会から撤退し
て以来17年ぶりという。
時事通信
15日(土)10時47分
■
話題はかわる。千手観音の話。
千手観音(Multiarmed deity)は、仏教にお
ける信仰対象である菩薩の一尊。「サハスラ
ブジャ」とは文字通り「千の手」の意味であ
る。この名はヒンドゥー教のヴィシュヌ神や
シヴァ神、女神ドゥルガーといった神々の異
名でもあり、インドでヒンドゥー教の影響を
受けて成立した観音菩薩の変化身。六観音の
一尊。三昧耶形は開蓮華、蓮華上宝珠。日本
語では「十一面千手観音」「千手千眼観音」
「十一面千手千眼観音」「千手千臂観音」な
ど様々な呼び方がある。「千手千眼」の名は、
千本の手のそれぞれの掌に一眼をもつとされ
ることから来ている。千本の手は、どのよう
な衆生をも漏らさず救済しようとする、観音
の慈悲と力の広大さを表す。観音菩薩が千の
手を得た謂われとして、伽梵達摩訳『千手千
眼觀世音菩薩廣大圓滿無礙大悲心陀羅尼經』
によるとされる。この経の中に置かれた大悲
心陀羅尼は、中国や日本の天台宗、禅宗寺院
で読誦されているという。
『千手千眼陀羅尼経』では以上の38本の持物
をもつ手に加えて「合掌手」と「宝鉢手」を
含めて40本の手について言及している。日本
における千手観音の実際の造像例を見ると、
腹前で2本の手を組み、その上に宝鉢を乗せる
形式のものが多い。宝鉢を持つ2本と胸前で合
掌する2本の手を合わせて42臂となる。
この千手観音の英訳が「重武装神」なのだ。
これが、真核細胞である酵母を用いて、細胞
表層に外来タンパ質を提示させる「細胞表層工
学」の新しい手法とそれによって創製された細
胞が米国のChemical & Engineering News(75(15)、
32(1997)) などでいち早く取り上げられ、世界
初の技術と評される。開発者の植田充美京大
教授は、この技術を用い酵母細胞が従来持ち
得ない機能を細胞表層に賦与して、新しい機
能性細胞につくることに成功。このような細
胞は「千手観音」になぞらえて、「アーミング酵
母(Arming Yeast)」と命名、その技術は「アーミ
ング技術」と称される。
植田充美教授が、平成22年度財団法人バイオ
インダストリーリー協会賞を受賞する(2010
年6月21日)。バイオアルコール事業の開発を
模索していた時、田中(植田)研究室にお邪
魔していた。そんなことも手伝い機関誌に掲
載された論文を読む。
この研究により、分子細胞生物学とデジタル
技術を基盤としたゲノム科学研究をベースに
タンパク質の細胞表層への輸送機構の解析し、
酵母などの全生物に普遍的に存在する細胞表
層輸送システムのゲノム情報を発見し、世界
初の「細胞表層工学」の領域を開拓する。こ
のことにより、デンプンや非可食セルロース
などを分解する酵素を創製し、直接エタノー
ルを生産できる生体触媒や、リパーゼの細胞
表層を提示し、化学法(苛性ソーダなど劇薬
を使用する)に代わり、廃食用油からバイオ
ディーゼルの新製法を開発し、バイオ燃料研
究の進展に寄与している。
また、環境汚染重金属イオンや環境ホルモン
を除去回収できる生体触媒の開発に成功し水
質改善に貢献している。さらに、都市鉱山廃
棄物からレアメタルやレアースを捕捉できる
タンパク質の細胞表層提示に成功し、ハイテ
ク産業への貢献が大いに期待される。
さらに、コンビナトリアル・バイオエンジニ
アリングというハイスループットな手法の開
拓により、シングルセルを扱うナノテク技術
のバイオへの参入を促進した。これは、タン
パク質の構造と機能相関に新しい手法と視点
を提供し、タンパク質工学の新展開と新機能
タンパク質の創製も開拓。また、セルロース
を完全分解糖化する細胞表層超タンパク質構
造体セルロソームをもつ微生物のゲノム解読
に世界で初めて成功。非可食バイオマスをモ
ノづくりにも完全有効利用できる要素技術を
確立したことが評価されたという。
これは、超ノーベル賞に値することだと思っ
ている。なぜか? 温暖化防止に関する新し
い技術コンセプト「バイオリファイナリー」
の実用化の基礎だからだ。バイオリファイナ
リーとは、再生可能資源であるバイオマスか
ら様々な有用化学品を製造する概念で、既に
米国産業界では「21世紀の産業革命」(=新
弥生時代)と言われているのだ。なにはとも
あれ、これからフルボデーの赤で乾杯だ。
■