マウンドに立つダルビッシュの顔は動揺を隠せない。わずかだが玉が上ずりコントロールが定まら
ずボールが先行する。1回に川崎への押し出し四球を含む3四球に4安打を浴びて一挙4失点。2
回にも1死からイチローに右越え二塁打を許すなど1点を失い、序盤2回で5失点。それでも、レ
ンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン球場の観客は「YUコール」で声援し続けた(ブ
ーイングのようにきこえるので注意がいる)。しかし、さすが打のチーム。レイジャーズバッター
の爆発力で得点をひっくり返してしまった。それに対してマリナーズは評判通りの打撃低迷チーム。
明日はイチローを先頭に汚名返上だ。
それにしても心技一体とは難しいものだ。難しいが、そこは難しく考え込まずに一球入魂、羽曳野
魂を込め決めよう!
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【イタリア版食いしん坊万歳:筍とグリーピースのトロフィエ】
トロフィエは、イタリア北西部リグーリア州ジェノヴァで生まれた手打ちのショートパスタ。手の
ひらで4~5cm長さの細いひも状に伸ばし、左右の端がねじれた形につくる。木くず、かんなくず
の truciolo が語源。小麦粉に、水、塩、オリーブオイルを加え練る。現在ジャガイモやカボチャ
でつくるニョッキが、もともとは小麦粉と水でつくり、手で形づくっていたが、トロフィエはその
名残ともいわれる。セモリナ粉にジャガイモを加えた手打ちパスタのトロフィエのもちもち感と筍
のほろ苦みが日本人はたまらない。
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【スターリングエンジンの最新事情-デジタル革命第5則-】
先日のブログで冷凍・スターリング冷蔵冷凍機(「瞬間湯沸かし器と直流化」)を取り上げてみた。
スターリング冷凍機の構造はいたって簡単。圧力容器の中に二つのピストン(片方はそのままピス
トン、もう片方は両面に圧力差がないためディスプレーサと呼ぶ)があり、それぞれ上下に動くだ
け。中には作動ガスとしてヘリウムを封入する。ピストンとディスプレーサは上のイラストの右側
のように抜き出して見ると分かりやすい。長い柱に支えられたものがディスプレーサ、ずんぐりし
たものがピストン。ディスプレーサの柱はピストンを貫通する。下にある円板はばねの機能を持ち、
ピストン、ディスプレーサのそれぞれを支える。 中でもツインバード工業のフリースピンスターリ
ン冷凍機は有名で、(1)地球に優しい冷媒で人体に無害。オゾン層破壊や地球温暖化に影響のな
いヘリウムガスを使用(2)驚異の冷却性能蒸気圧→縮式冷凍機(コンプレッサ式)では困難であ
った-100℃の冷却温度を達成、冷却効率もCOP1.1(吸熱部温度-23.3℃/排熱部温度+35.0℃)と
ペルチェ式の約6倍(3)軽量・コンパクト製品重量は、コンプレッサー式の半分以下の約1.7kg(
40W型)から2.3kg(80W型)(4)高精度な温度制御ON/OFF駆動ではなく、電子回路によるパワーコ
ントロールで、精密な温度制御が要求される冷凍・冷蔵分野の応用製品に最適(5)低消費電力消
費電力が40Wから80W程度で、電力事情の悪い場所でもバッテリーの使用による運転が可能だ(構
造は下図参照)。
【符号の説明】
7 シリンダ 13 再生器 17,50,60,70 可動子組立体 18 ピストン 19,51,
61,71 電磁駆動機構(電磁機構) 20,52,62,72 可動子 22,53,63,
73 基部本体(可動子基部)23,54,64,74 内ヨーク 24 永久磁石 26,76 固
定部材(可動子基部) 35 固定子 74A,74B,74C,74D 線材 C 圧縮室 E 膨
張室 Rp ピストンの外径 Rm 可動子の外径 Rcシリンダの内径 Rs 固定子の内径
【符号の説明】
1恒温発生装置 2フリーピストン型スターリング冷凍機 3恒温ブロック 4吸熱部 5コール
ドヘッド 6伝熱材 7変位吸収部 8温度センサ 9制御装置 10装置本体 24排熱部
25放熱フィン 26冷凍機筐体 27熱伝導性材 28放熱ファン 29外気 30断熱材
31インサートブロック 32,33挿入口 34ヒータ 36支持部 37冷凍機本体側取付板
38装置本体側取付板
フリーピストン型スターリング冷凍機? しばらく、思い出せなかったのだが、半導体で超精密濃度
計の開発で温度制御(±0.05℃)に温調制御装置として神栄株式会社と技術打ち合わせした記憶が戻
ってきた、それじゃ値段さえ合えば、瞬間冷却装置があるではないか、それもペリチェリ式より有利
で解決するではないか。これで一件落着た。
【符号の説明】
1 スターリングエンジン発電機 2 圧縮シリンダ 3 膨張シリンダ 3’ 膨張シリンダ下部
4 回転力取出機構 5 クランクケース 6 上蓋 7 クロスヘッド 8 圧縮ピストン 9 コン
ロッド 10 膨張シリンダブロック 11 クロスヘッド 12 膨張ピストン 13 コンロッド
14 膨張シリンダヘッド 15 ヒータチューブ 16再生器 17冷却器 17’マニホールド
18、18’作動ガス通路 19膨張空間 20圧縮空間 21⊥形ヨーク 22ロッカーアーム
23 ⊥形ヨークの上部 24クランク軸 24’クランク偏心軸 25 ロッカーアームの一端
26 ロッカーアームの他端 27⊥形ヨークの下部中央 28⊥形ヨークの前端 29⊥形ヨーク
の後端 30クランク 31枢支軸(ピン) 31’空孔 32回転摺動部 33オイルシール
34軸受(ブッシュ) 35貫通孔 36通孔 37フィルタ 38側部ケース 39側部ケース
のスペース 39’バッファ空間(側部ケースのスペース) 40発電機 41ロータ 42ステ
ータ
またバイオマスを燃料に加熱スターリングエンジンを加熱すれば、熱効率が高く、外燃
機関であるために静粛性にすぐれ、定置式又は可搬式の発電機の動力源として注目され
ているが、従来のスターリングエンジンでは、次のような3つの問題がある。
1)圧縮シリンダ、膨張シリンダをそれぞれ往復動するピストン、クロスヘッドに、コ
ンロッドを介して回転力取出機構の回転動作が影響し、シリンダとの間にスラスト力が
生じスムースな往復動ができない。
2)スラスト力を低減に潤滑油を用いた場合は、封止機構がいり、シリンダに潤滑油の
入り込み(オイル上がり)現象が生じ、ヒータチューブ内やシリンダ内で焼き付き等の
原因となり、再生器内や冷却器内に滞留してエンジン性能を劣化させる原因になる。
3)エンジンと発電機を別個に設けなくてはならず、装置構成が大きくなってしまう。
このため、上図の新規考案のような、ピストンの往復運動を回転に変換する回転力取出
機構と、圧縮シリンダが配設したクランクケースと、クランクケース上に気密的に結合
され、該クランクケースとともに膨張シリンダを形成する膨張シリンダブロックをもつ
構造において、回転力取出機構に、⊥形ヨークとロッカーアームを備え、上端が回転出
力軸に偏心して回転できるようにヨークに取り付け、下部両端はそれぞれ圧縮シリンダ
及び膨張シリンダのピストンに、コンロッドを介して連結し、ロッカーアームの一端が
クランクケースに枢着し、他端が⊥形ヨーク下部中央に枢着した構造となっている。
なるほどと考えさせられるが、そもそも、リニアモータにすれば回転に変えることは不
要で整流回路に変更するだけでコンパクトになる。フリーピストン型発電機であればコ
ンパクトは実現する(デジタル革命の第5則イレージングに該当)。これらの技術は環
境発電、エネルギー・ハーベスティングとして近年にわかに注目を浴びてきている群技
術だが新規な発想法による宝庫となりつつあるようだ。