【即席ラーメンを極めた】
節電実践で電子レンジを使った料理研究しはじめ(『省エネゆでたまご』)、美味い即席ラーメンの
創作を半年ほど続けてきたが、節電の効果(定性的な)と、料理時間の短縮とを確認。さらにこれは
料理全般に通じる「うまさ」や「医食同源」の研究にも一応の決着を見た。最近はセブンイレブンの
塩ラーメンを電子レンジを使い、あらかじめ豚肉、キャベツ、ネギ、ガーリックチップ、オリーブオ
イルを混ぜほぐし、電子レンジで蒸すが、時間短縮のため、麺をお湯を注ぎ電子レンジで三分間、蒸
しほぐす間に、フライパンで蓋をして蒸す(余り火力を強くして焦がしてしまわないように注意)。
その間今度は、ボールにお湯を注ぎ付属のスープパウダーを溶く。このとき付属の動物性調味油は、
健康のため使わない。これですべてが三分で完了するので、中華鉢に麺と具材をいれ、スープを注ぎ、
具材をいれそのまま二分間、電子レンジで加熱する。ラップすればなお良いがこれも面倒なのでしな
い。できれば平鉢専用の蓋があれば良い。できあがれば、好みに、胡椒、味の素、食酢、オリーブオ
イルを加えれば完成となる。
尚、電子レンジの消費電力は5百ワット。
兎に角、美味すぎて透明なスープも全部飲んでしまうので、塩分とコレストロールの原因となる油の
過剰摂取に注意している。九州ラーメンなどこくのあるものもあるが、この彦根発祥の「をかべのチ
ャンポン」から発展した「近江チャンポン」のちゃんぽんホワイトの豆乳スープの例もあり、豆乳を
入れることで代用でき、植物性で健康良いとされるので、後はこくの工夫・微調整が残件となる。最
後の大きな問題であった麺の弾力(こし)は、慣れれば問題ないが、昨今の食品科学や食品工学の水
準の高さの一例を味の素の特許から、弾力(こし)、伸び抑制の効果のほどを看てみよう。
α化した澱粉を常温や低温で放置すると、水分を分離し硬くなり老化する。これを防止するため(1)
温度を80℃以上に保っておく(2)急速乾燥させ水分を15%以下にする(3)pH13以上のアルカリ性
に保つことが必要。また、老化を防止する方法として澱粉含有食品に糖類(ブドウ糖、果糖、液糖等)
や大豆タンパク、小麦グルテン、脂肪酸エステル、多糖類(山芋、こんにゃく等)が一般的だ。増粘
剤、界面活性剤等を添加する方法では食味が大きく変化し、効果も薄い。また、酵素を添加する方法
→精白米にアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素と、食塩及びサイクロデキストリンを混合
して炊飯する米飯の改良方法や炊飯後の米飯に糖化型アミラーゼ(β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ
)の水溶液を噴霧添加する米飯の老化防止方法が知られているがこれも効果が薄い。また、麺類の食
感改良方法、茹で麺の食感改善にタンパク質素材(活性グルテン、大豆タンパク質、卵白、全卵、カ
ゼイン等)や澱粉等(各種澱粉、多糖類、乳化剤等)の添加やレトルト殺菌処理の食感維持用に高温、
短時間処理、また、トランスグルタミナーゼで食感改善も知られているが、トランスグルタミナーゼ
の作用でタンパク質間とタンパク質内のネットワーク構造を麺体の中に形成させて、麺体内での水分
の均一化を防止し、茹で後の弾力(こし)のある好ましい食感を維持することができるが、全体が均
一な食感となり、アルデンテの中芯感のある食感を得るには改善の余地がある。
また、トランスグルコシダーゼの小麦混練時の添加で、硬さ、粘りが増し、時間が経つと無添加に比
べ中芯感もあるうどんを得ることができるが、茹で直後の物性改良効果は薄い。以上いずれの方法で
も、茹で上げ直後の食感を向上させ、その優れた食感を長時間にわたって維持するという2つを両立
させることは難しい。
澱粉含有食品の製造にα-1,4結合をα-1,6結合へと変換する糖転移活性をもつ酵素及びトランスグル
タミナーゼを用いて、酵素製剤にα-1,4結合をα-1,6結合へと変換する糖転移活性をもつ酵素及びト
ランスグルタミナーゼを配合し物性及び食味の改善する澱粉含有食品の製造方法と食品改質用の酵素
製剤を発明することで問題が解決できる。
ここで、トランスグルコシダーゼ(TGL)とは、α-グルコシダーゼであり、基質の非還元末端から
加水分解によりグルコースを遊離する。また、基質濃度が高い条件では、加水分解ではなく、グルコ
ースの転移反応を行う。そのためトランスグルコシダーゼとも言われている。トランスグルコシダー
ゼはα-1,6-グルコシル転移型、α-1,4-グルコシル転移型及びα-1,2ならびにα-1,3-グルコシル転
移型に大きく分類される。
また、トランスグルタミナーゼ(TG)は牛,豚,魚肉のほか、植物など自然界に幅広く存在し、ヒ
トを含めた動物の臓器中に分布する。分子量は3 万から10 万程度である。現在、食品用・工業用に生
産されているトランスグルタミナーゼは放線菌由来のものであり,分子量は4 万で反応にカルシウム
を要しない。タンパクをゼリー状に固める。主な作用は皮膚最外層に存在する遊離のグルタミン酸残
基とリシン残基との反応を触媒し、ε-リシン(γ-グルタミル)結合からなる架橋を形成すること
により、表面構造を緻密化する。
つまり、トランスグルコシダーゼとトランスグルタミナーゼは麺伸びを抑制し、麺の弾力(こし)や
食感を良くする効果があるという。もうすでに市場に出回っており(量的は把握はまだ)、乾麺や生
麺の調理食感の改善が進む反面、穀物製品へのトランスグルタミナーゼ添加は、セリアック病に関す
るエピトープ(抗原)を生じるかもしれないと懸念されてもいる(→小麦や大麦、ライ麦などに含ま
れるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患。セリ
アック病の患者がグルテンを含有する食物などを摂取すると、ヒトの消化酵素では分解できないグル
テン分子の一部が小腸上皮組織内にペプチド鎖のまま取り込まれ、これに対する免疫反応がきっかけ
となって自己の免疫系が小腸の上皮組織を攻撃して炎症を起こすことで絨毛などを損傷し、また上皮
細胞そのものの破壊にまで至ってしまう。この結果、小腸から栄養を吸収出来なくなり、食事の量な
どに関らず栄養失調の状態に陥る)。
※“Addition of transglutaminase to cereal products may generate the epitope responsible for coeliac disease.”、
Trends in Food Science and Technology 16(2005)510-512、J.A.Gerrard
それにしても、食品開発速度は速い、上のチャンポンは日清食品の乾麺+具材の鍋・レンジ兼用の即
席麺。下は、マルハニチロ食品のレンジ用冷凍チャンポン。それじゃこれを買いだめしていれば良い
わけで、安全、健康、価格のバランスということになるが、それにしても凄いねということになる。
さて、まとめよう。ラーメンを極める作業はこれで完全に終了する。ただし、麺類などに加えられる
改良材の安全性については今後も継続し情報収集する。今後のテーマは「家でつくる創作お握りとに
ぎり寿司」にチャレンジだ。楽しみだぜぇ~⤴。ところで、きょうはいくら握る?って違うか。
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紛う方無き試練の時。「再稼働基準をおおむね満たしている」(枝野経産大臣)「もう統治能力はな
い」(橋下大阪市長、大阪維新の会代表)「尖閣列島を東京都が買い取る」(石原都知事)「原発全
停止は集団殺人」(仙石民主党政調会長代行)など、東日本大震災以降、政治状況の混乱は日々大き
くなる。石原のスタンドプレイは中央政府への越権すれすれ行為を除き、それ以外は、千年に一度の
大震災に由来するもの。「優先すべきは震災復興、増税ではない」とは裏腹の野田政権は、防衛大臣
や国交大臣の任命責任追及は避けられぬほどに大局観を喪失している。また、電力供給と原発政策の
見直しのロードマップ作成は罹災直後に指示しなければならなかったが、現実はそれを許さなかった。
スタンドプレイのように見える橋下の危機感は、ここびわ湖の水辺に住む者には共感できる。急ぐべ
きは復興と防災なのだ。電力の臨時供給のあり方は二義的な問題に他ならず大局を見失なうなと祈る。