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『パンズ・ラビリンス』暗いファンタジー

2008-04-22 23:43:49 | ファンタジー
パンズ・ラビリンス
EL LABERINTO DEL FAUNO(2006年スペイン、メキシコ、アメリカ)
 監督 ギレルモ・デル・トロ
 脚本 ギレルモ・デル・トロ
 出演 イバナ・バケロ、セルジ・ロペス

 ■ストーリー■
 1944年スペインでは、内戦終結後もレジスタンスが山に残り活動を続けていた。山間部の治安を守る軍隊のビダル大尉と、母親が再婚したため、少女オフィリアが山間部にやって来るのだった。オフィリアは林の中で不思議な昆虫と出会い、地下に住むという妖精たちと出会うのだった。

 ■感想■ 
 『ブレイド2』(02年)、『ヘルボーイ』(04年)のメキシコの監督ギレルモ・デル・トロの描くダークファンタジー。
 スペイン内戦時代を舞台に、妖精たちと出会った少女が体験する暗い、暗いファンタジー映画になってます。正確には内戦は終わったあとが時代背景になってます。ギレルモ・デル・トロ監督といえば、同じくスペイン内戦時代を描いた作品『デビルズ・バックボーン』(01年)という作品もありました。
 ギレルモ・デル・トロ監督も『ブレイド2』、『ヘルボーイ』といった誰が観ても楽しめる超エンターテイメント作品を撮ったかと思えば、今作のような趣味性の強い作品を撮って、ちゃんとバランスをとってます。
 観客が喜ぶ作品と自分の趣味のような作品を撮るジョニー・トゥ監督みたいですね。あそこまで極端じゃないですけどね。今作を観ながら、そんなコトを思っちゃいました。(観ながらというより、本当は“観終わってから”ですけどね)

 ところで、今作は2006年のアカデミー賞で「撮影賞」「美術賞」「メイク賞」を受賞してます。
ノミネートでは「外国映画賞」「脚本賞」でもノミネートもされてます。今作は、世間的にも、すごくメジャーな作品なんですよね。こんなに不気味な怪物がたくさん出てきて、現実描写も残酷な作品でありながら、それでいて十分エンターテイメントしてる作品が「アカデミー外国映画賞」にノミネートだなんて、2006年のアカデミー賞はエンターテイメント作品が強かったんですね。
 ちなみに、その年の「外国映画賞」は『善き人のためのソナタ』(06年)が受賞しました。「う~ん、どっちも良い作品です」。
 外国映画でなく、2006年のアメリカの作品で、アカデミー賞の作品賞は『ディパーテッド』、脚本賞は『リトル・ミス・サンシャイン』(06年)でした。

 今作は、ファンタジー的な要素を持ってますけど、アカデミー賞にノミネート、受賞するようなマジメな作品です。ギレルモ・デル・トロ監督の作品なんで、マジメな作品っていうよりも、正真正銘な本当のファンタジー映画だと思っていたんですけど、ごくごく普通なマジメな映画でした。
 今作では、普通に不気味な妖精たちやモンスターが出てくるんですけど、結局、ヒロイン、オフィリアの幻想だったんですね。こんなオチを持ってくるなんて!!
 現実の描写の場面が、やたら残酷なんで、ある意味全然救いの無いラストの作品になってます。まぁ、ヒロインのオフィリアにとって、あのラストは幸せなのかもしれないですけどね。
 
 今作の登場人物なんですけど、ビダル大尉のキャラクターが強烈です。“疑わしきは罰する”でビダル大尉は、怪しい(怪しくなくても)住民たちを殺しまくりです!あのウサギ狩りの親子を殺す場面は衝撃的です!!登場してくる住民たちは、ほとんどレジスタンスに協力的か、レジスタンスだから、まるっきりの無罪とは言えないですけど(当時の法律では)、すごく残酷!!
 あまり語られるコトの無いスペインの圧制時代ですけど、すごく怖い時代だったんですね。そういったスペイン軍のビダル大尉とレジスタンスとのエピソードの印象が強すぎて、オフィリアの体験するファンタジーの世界の印象が薄く薄く薄くなっちゃってます!!
 それはスタッフも分かっていたのか、監督の趣味なのか分からないですけど、妖精たちやモンスターの造形は悪夢に出てきそうな1度見たら忘れないような不気味な造形になってます。でも現実描写の方がインパクトが強いです!!オフィリアがブドウを食べてしまう部屋の怪物とかって、かなり気持ち悪かったです!!良く考えつきますよね、あんなモンスター!!想像しようと思っても普通は思いつかないです。多分、ギレルモ・デル・トロ監督の趣味なんでしょうけどね。

 でも、今作は本当に面白い作品になってます!!後味は良くない(そんなに悪くも無いですけど)ですけど、ランニングタイム119分、一切退屈しないです!!普通110分も超えると、「長い!!長い!!長い!!」と思っちゃう@KOBAですけど、今作は119分で正解です!!長くも無く、短くも無く丁度良い長さです。
 ギレルモ・デル・トロ監督はやっぱりウマイですね!!こういうテーマの作品でも、ちゃんとした誰が観ても楽しめる作品にしちゃうんだから。作品数はそんなに多くは無いですけど、これからもドンドン、ファンタジーやホラー映画を監督していって欲しいです!!これからもホラー映画やファンタジー映画での活躍、期待してます。60点 

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コメント (2)
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