『アムステルダム無情』(ビデオ題『アムステルダム怒りの追撃』)
AMSTERDAMNED(1988年オランダ)
監督:ディック・マース
脚本:ディック・マース
出演:フーブ・スターベル
モニク・ヴァン・デ・ヴェン
セルジュ=アンリ・ヴァルック
ヴィム・ゾマー
■ストーリー■
オランダの首都アムステルダム、運河の数が165本、その長さはすべてを足すと40キロ以上。
そのアムステルダムで、連続殺人事件が起きた。被害者の状況から、犯人はダイバーであると推測される。やり手の刑事エリック・フィサーは目撃証言からダイバー関係の捜査を始めるのだった。
捜査のために訪れたダイバー教室でローラという女性と知り合うのだった。仕事熱心のあまり妻が愛人を作って家を出て行ったエリックはローラに関心を持つのだった。その後も、警察の懸命な捜査にも関わらず、連続殺人が起き続けるのだった。
□■□少しだけストーリーのネタバレあり!□■□
■感想■
『悪魔の密室』(1983年)のディック・マース監督の連続殺人犯を追い詰める刑事の活躍を描くアクション映画です。
ディック・マース監督もこの作品のころは、全然ハリウッドぽくなくて、オランダ映画って感じです。
監督自身は、刑事物のアクション映画のエンターテイメント作品ということで、ハリウッド的な作品を目指していたのかもしれないですけど、ヨーロッパ映画的です。
その後の作品も、オランダで活躍し続けて、ハリウッド的な感じもしないですけど、、。
ランニングタイム113分と少し長めな感じです。
『悪魔の密室』がヒットして大作な作品が撮れるようになったのでやりたいこと、これでもかと詰め込んじゃったんでしょうか??
なかでも、今作を観た映画ファンだったら、ボートチェイスは最大の見せ場で感動物!!
ボートチェイスといえば、今作か、『デンジャーポイント』かって感じです、、、。
アクション映画度 ★★★★
ミステリー映画度 ★★
スリラー映画度 ★★
ジャッロ映画度 ★★★
ホラー映画度 ★
この作品もず~っと観よう観ようと思ってるうちに、見逃していた作品です。昨年、11月頃、日本テレビの深夜の映画劇場の枠で放映していたんでエアチェックしといたので、お正月休みに鑑賞しました。
ディック・マース監督も、『小さな目撃者』(1999年)はオランダ映画してましたけど、自分の『悪魔の密室』をセルフリメイクした『ダウン』(2001年)では、普通のハリウッド作品の監督になっちゃったって印象でした。『ダウン』の作品そのものがオランダ、アメリカ合作っていうのもあるんですが、、。
@KOBAは、エレベーターホラーの『ダウン』って、けっこう好きなんですけど、主演のナオミ・ワッツは、出演したフィルモグラフィーの中で過去恥部にしてるみたいです。
ナオミ・ワッツって、B級系のホラー映画がキライなんでしょうねぇ、、。ナオミ・ワッツのコト、けっこう好きだったのに、このエピソードを聞いてから、ホンのちょっと好き度が下がっちゃいました。
今作『アムステルダム無情』なんですけど、殺人犯がなぜ突然犯行を始めたのかが説明不足なんですけどね。まぁ、殺人を犯すような人だから、突発的なんでしょうけど。ふと思い立って行動したんでしょうね。
それに犯人の動機って、社会に対する怒りが動機ってコトになってますけど、イタリアのジャッロ映画なみにとってつけたような動機なような気も、、、。
それはそれで全然OKですけど。
自分は今作を犯人は誰??みたいなミステリー映画的に観てたんですけど、甘かったです。
ホントに甘かった!!
果たして「犯人の正体は??」って観てたら、唐突に出てくる犯人!
そのくせ、主人公の刑事の身近なところに犯人の知り合いがっ!!そういう犯人の関係者が主人公の身近なところにいるののもジャッロ映画的!!
ハリウッドのエンターテイメント作品だったら、犯人と主人公の刑事の対決がクライマックスにくるはずなのに、今作ではあっけない終わり方!!
あの終わり方って、ハリウッド映画への皮肉なの??とまで思っちゃいます。
1番盛り上がるのは、その前に用意されている犯人と主人公の刑事のモーターボートのチェイスシーン!
そのチェイスシーンも、下水に逃げた犯人を追った刑事を、殺し損なう犯人!
「エーッ、なんで??」
今まで、あんなに冷静に殺人を行ってきたのに!!まぁ、あそこで、犯人が主人公を殺しちゃったら、映画が終わっちゃって後味悪いですけどね。
主人公の家族の設定(奥さんがイギリス行っちゃったとか。娘がいるとか)や、水上警察の知り合いとのエピソードとか、キャラクターを掘り下げるためなんでしょうけど、あまり効果をあげていない気がします。
あと、“ダーティハリー”のようにケーキ屋での暴漢を撃退するシーンも余計な気がしないでもないですけどね。
今作は地上波の吹替では放映されたコトあるんでしょうか??
吹替なしでも良いのでソフト化(DVD、ブルーレイ)して欲しいですね!
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