西国33箇所 第28番 成相山 成相寺
西国札所最北端のお寺で、必勝守(勝守)500円を賜りました。
魔剣(負けん)に登り龍がついていて、自己に勝つことから始めてすべてに勝てるお守り。
なんと心丈夫な。
成り合う、という言葉には、完全に出来上がる・願いが必ず叶うという意味があるそうです。
「真向の龍」成相寺本堂 左甚五郎作
江戸時代に雨乞いの龍彫り物を頼まれた左甚五郎。
一度も本物の龍を見たことがなかったが、いいかげんなものを作るわけにはいかない。
成相寺の北にある深い淵、滝壺で龍神に祈り続けた。
幾日過ぎた頃、突然周囲が暗くなり、
甚五郎の周囲のみが猛烈な風と雨とに包まれると共に、淵の底から大きな龍が姿を現したのである。
甚五郎は逃げもせず、心ゆくまでじっくりと龍神を眺めた後、成相寺に帰り彫刻に取り掛かった。
完成した龍の彫刻は素晴らしい出来で、それを掲げて雨乞いの祈祷をすると、忽ちの内に雨が降り始めたという。
真正面からの龍というのはここだけらしい。
この霊験あらたかな成相寺は、鼓ヶ岳にあります。
鼓ヶ岳の別名が成相山のようです。
ガイドブックの鼓ヶ岳展望所は、現地では成相山パノラマ展望所と書かれた石碑が立ってます。
パノラマ展望所より天橋立名物「またのぞき」
いくら自然相手とはいえ、はしたない格好で「股のぞき」
礼儀も行儀も欠いた行為は、景色をのぞくための行為ではなく何か意味があるのかもしれません。
橋立の周辺には「天地交合」の古い文化が残されていて、
「股のぞき」も本来は「天地和合」のための古い呪術行為ではないかという説明も見ました。
鼓ヶ岳でググると2660件中、伊勢の内宮向かいにある山・鼓ヶ岳と半々程度で出てきます。
丹後半島の鼓ヶ岳は、天橋立の北端にある籠神社のもっと上のほうにあります。
奥宮である真名井神社の裏山を藤岡山といい、
外宮の高倉山の一部(西北側)も藤岡山、へぇ~、でしょう。
日本古来の山岳宗教の修験場であり、日本全国にある五つの「聖の住む所」の一つとして信仰を集めていました。
千年の昔より「四方の霊験所は、
伊豆の走湯・信濃の戸隠・駿河の富士の山・佐伯の大山・丹後の成相」と、霊験を受けることのできる代表的な寺院として全国に知られ、今日も身代わり観音様を慕い信仰される人々により賑わっています、と成相寺サイトに書かれています。
704年に文武天皇の勅願所として真応上人が創建。
美人観音として名高い聖観世音菩薩は平安期のもので、
身代わり観音ともいわれます。