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「言葉ひとつで子どもは変わる!(安永智美)」という本はとてもオススメ!

2012年07月20日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「言葉ひとつで子どもは変わる!(安永智美)」の購入はコチラ

 この「言葉ひとつで子どもは変わる!」という本は、警察の相談機関である「少年サポートセンター」に勤務する少年育成指導官(サポレンジャーのレッド隊長)が書いた本で、家出や盗み・暴力・薬物乱用・売春・家庭内暴力・自傷行為・いじめなどさまざまな問題を抱える子どもたちと向き合い、彼らの立ち直り支援を行った経験から、そのような問題を起こさないように子供への愛情の注ぎ方を具体的に説明したものです。

 問題を起こす子供たちは、必ずといっていいほど親の愛に飢えているもので、非行少年ではなく不幸少年というのが実態のようです。

 また、植物の水やりにたとえれば、愛情というお水が足りず乾いてしまうパターンだけでなく、たくさん水をあげ過ぎて根腐れしてしまうパターンもあるようです。

 特に以下には注意した方が良いようです。

 ・子供が言うことを聞き、共感すること
 ・励ます前に根っこの精神的な傷を癒してあげること
 ・トゲトゲ言葉で話さない(「あれはダメ、これをやりなさい」「テストで100点取れるよう勉強しなさい」「友達の○○君に負けちゃダメ」
 ・ふわふわ言葉で話す。(「あなたは私の宝物だよ。大好きだよ」「あなたがいてくれるだけで、お母さん幸せ」「おまえがお父さんの生きる力」
 ・「出ていけ!」と言ってはダメ(本当に出ていき3日で薬漬けになることもある)
 ・泣きたい時は泣かせてあげること。一番よくないのは泣きたい気持ちをためてしまうこと
 ・子供の暴力で悩むときは警察やサポートセンターに相談すること
 ・孤食をさせてはいけない

この本は、特に子供を持つ親にとってはとてもオススメな本です!
以下はこの本のポイント等です。

・問題を起こすほとんどの子どもが、成長過程で不安や悲しみ、怒りや寂しさを経験しています。シンナーでボロボロになっている子、売春する子、仲間をリンチする子、いじめに加担する子・・・・など、表面にあらわれる行為はさまざまでも、根っこのところで、みんな必ずといっていいほど親の愛に飢えているのです。

・問題を起こす子どもたちは、ただ寂しくて悲しくて、誰かに話を聞いてもらいたいだけ。どの子も”非行少年”ではなく”不幸少年”なのです。このことを100%信じた時から、子どもたちを恐れる気持ちはなくなりました。求めても、求めても、得られなかった親の愛・・・・。子どもたちは、ポッカリあいてしまった心の穴を埋めるために、夜の闇や犯罪が渦巻く裏側の世界へフラフラと迷い込んでいってしまいます。我が子を決して”不幸少年”にしてはいけません。「ちゃんと聞くよ、あなたの思い」そのひと言が言える親でありたいものです。

・キレる子どもの心の中には、鋭いトゲが刺さっています。大切なのは、まず、そのトゲに気づいてあげることです。「ダメ!」「やめなさい!」と力ずくで抑え込もうとしても決して解決しません。「つらかったね」「悲しかったね」「悔しかったね」と、心の傷に気づいて共感してあげることが大切です。共感とは、分かち合うこと。私流の言葉でいえば、”薄める”こおだと思っています。根っこが薄まらないうちは、寂しさや悲しさ、怒りでパンパンで、どんないい言葉も入ってきません。

・非行に走る子どもたちの特徴の一つに、自尊感情の低さがあります。幼い頃から親に愛された経験がほとんどないため、自分自身を肯定し、自分を好きになる感情がちゃんと育っていないのです。だから、まるで自分を痛めつけるように、負の方向へ暴走してしまう・・・・・。

・根っこが弱っている子どもには、「頑張れ」や「強い子だろう」は、否定語に聞こえることがあるのです。「僕が頑張っていないから、強くないから、そんなこと言うんだ」と、逆の意味に受け取ってしまうのです。励ます前に、まず根っこの傷を癒してあげなければ、どんないい言葉も子どもの心に届きません。「寂しい思いをさせて、ごめんね」「悲しかったんだね、ごめんね」こんなひと言で、子どもたちは安心します。「お母さん、本当はあなたのこと、ずっと大事に思っていたよ」そこまで言ってあげられれば、子どもは自分の存在を肯定できるようになります。

・この仕事をしていて日々痛感するのは、”根っこからのワル”など一人もいないというこおです。口を開けば、「ウザい」「キモい」「死ね」「消えろ」と悪態をついてばかり。大人が眉をひそめ忌み嫌うような、見るからに不良・・・。そんな彼らも、付き合えばみんな心優しく素直な子ども。特に一度心を許した相手には、「赤ちゃん返りしちゃったかな」と思うぐらい、一途で純粋な愛を向けてきます。

・男の子が性非行を起こす場合、母親との関係に何かしらの問題を抱えていることがよくあります。ショウタの場合も、根っこにあったのは母親からの虐待からでした。幼い頃から、「水責め」といって、浴槽に無理やり沈められる拷問のような目にあわされてきたのです。水に顔をつけるのが怖くて、小学校でも中学校でも、プールには入れなかったといいます。けれど、事情を知らない先生は、水泳の授業となると逃げ回るショウタを「好き勝手をする問題児」としか見てくれませんでした。

・最初に強烈な試し行動で大人を拒否する子ほど、逆に、強烈に救いの手を求めている気がします。私がかかわってきた子どもたちは、みんな本当に寂しい子どもでした。誰かに聞いてほしい、誰かに自分の気持ちを話したい・・・。でも、それができなかっただけのこと。本心では、自分をしっかり受け止めてくれる人があらわれるのを、必死の思いで待っているのだと思います。本来、その相手がお父さんお母さんであることが、子どもたちにとって一番の幸せなのですが・・・。

・19歳で、正真正銘、非行の道から卒業を果たした時、彼が言ってくれたのが、「許して」「信じて」「待つ」だったのです。「レッド隊長、世話になったね。オレ、もう大丈夫だから。これからも、他のやつらのことも、オレのときみたいに、許して、信じて、待ってやってね」この子もまた母親に家出され、父親から凄絶な暴力を受けて育ってきた子でした。一度傷ついた根っこを癒すのは、ときに長い時間がかかります。それでも、辛抱強く話を聞き、そして「あなたが好き」「あなたが大事だよ」と愛情の水をあげ続ければ、根っこは必ず元の元気を取り戻すのです。誰一人として、決してあきらめてはいけません。ましてやお父さんやお母さんの大切な我が子のことは、何があっても決して見捨てないでやってください。

・ただクワガタで遊んだことがよかったのではありません。クワガタの世話をすることで、施設の先生に「お利口だね」「えらいね」とほめられる。そして、友達にクワガタを見せてあげることで「ありがとう」と感謝される。二人にとって、どれもこれまで言われたことのなかった言葉です。彼らは、クワガタを通して初めて自尊感情や自己肯定感を得ることができたのです。顔つきが変わったのは、だからでしょう。施設では、盗まなくても3食あたたかい食事が食べられます。罵声が飛び交うことも叩かれることもありません。毎日安心して眠れて、「お利口だね」とほめられ、「ありがとう」と声をかけられる。これこそが子どもが育つ環境なのです。見違えるような兄弟の顔を見て、涙が止まりませんでした。

・鍵は、マニュアルの中ではなく、「あの子たちの笑顔が見たい」というその素朴な願いの中にあったのです。我が子の心が見えなくなったとき、みなさんも「あの子の笑顔が見たい」と願ってみてください。答えはきっとそこにあるはずです。

・カコのこの変化がすぐには信じられませんでした。実は、死期を悟ったカコのお母さんが、亡くなる前日、カコにこんな話をしたのだそうです。「カコ、死んだらダメだよ。絶対に生きなさい。もしあなたが自分で命を絶ったら、お母さんのところに来られないよ。お母さん、つらかったけど一生懸命生きた。だからカコも一生懸命生きなきゃ、お母さんのところへ来られないの」「じゃあ一生懸命生きたら、また会える?」「会えるよ。だからカコ、しっかり生きなさい。それからお母さんのところへおいで。待っているからね」これが彼女の命を守る”魔法の言葉”でした。あれほど死に取り憑かれていたカコが、「私、一生懸命生きる。そしてお母さんにもう一度会うんだ」と言ってくれたのです。時々「死にたい」という子に出会います。そんなとき、私はこのお母さんの言葉を伝えます。「一生懸命生きた人は、一生懸命生きた人とまた会えるんだって」と。子どもたちが「ああ、そうだなぁ」と、ふと立ち止まってくれればいいと思います。

・タロウが持っていた一つ目の”爆弾”は、「バタフライナイフ」です。通学カバンに一つ、勉強机の引き出しに一つと、日本のバタフライナイフを隠し持ち、それで母親の首をかき切る瞬間を夢想していました。尖ったものを持ち歩く子は、心も尖っていて怒りに満ちていることが多いものです。二つ目の”爆弾”は「火」です。彼が描いた絵の中にも、人が焼き殺されるところが描かれていました。火を描くのは、心が凍りついている象徴でもあります。いつも一人ぼっち。強い孤独感を感じているような子どもは、火に執着しがちです。タロウも、ライターを肌身離さず持ち歩いていました。そして、コンビニに行っては商品に火をつける放火行為を繰り返していたのです。三つ目の”爆弾”が、「小動物虐待」です。少年犯罪史に残る「酒鬼薔薇聖斗事件」はじめ多くの残虐な殺傷事件の少年たちも、犯罪の前兆行動として小動物虐待を行っていたという記録があります。

・お母さんはお母さんで、教育熱心のあまり「もっと頑張れ」「一番になりなさい」などと、いつも子供を叱咤激励しました。「あれはダメ、これをやりなさい」「テストで100点を取れるように勉強しなさい」「友達の○○君に負けちゃダメ」そんな言葉を、私は”トゲトゲ言葉”と呼んでいます。”トゲトゲ言葉”はまさに子どもの心にトゲを刺して傷つける言葉です。親は「子どもを愛しているからこそ、あえて厳しいことを言うのよ」と考えているかもしれません。でも、子どもにとって”トゲトゲ言葉”から受け取る愛は、「成績が上がったら、愛してあげる」「人に勝ったら、認めてあげる」の条件付きの愛でしかありません。「100点取らなきゃ、僕のこと嫌いになるんだ」「ダメな子だから、愛してもらえない」小さな心の中が不安でいっぱいになってしまうのです。

・逆に、お父さんお母さんに使っていただきたいのは”ふわふわ言葉”です。「あなたは私の宝物だよ。大好きだよ」「あなたがいてくれるだけで、お母さん、幸せ」「おまえがお父さんの生きる力」など”ふわふわ言葉”は、無条件の愛を感じさせてくれる言葉。子どもの存在そのものを肯定することで子どもの自尊感情を育て、根っこを強くするのです。私は、お母さんにこんな提案をしました。まず、冷蔵庫に大きな紙を2枚貼って、一つには「○」、一つには「×」を書きます。そして、「○」のところにはどんどん使いたい、”ふわふわ言葉”、「×」のところには禁止にしたい、”トゲトゲ言葉”を書いておきましょうと。お母さんは、早速実践してくださいました。「×」のところに書いた言葉を使いたくなったら、「おっといけない」と、”ふわふわ言葉”に言い換えるなど、意識するうちにだんだん”トゲトゲ言葉”が少なくなってきたといいます。みなさんも、ぜひやってみてください。

・今は違います。「出ていけ!」と言ってしまったら、子どもは本当に出ていきます。そして明るく輝く繁華街のイルミネーションに吸い込まれていってしまうのです。そこには、まっとうな人間には想像もつかないような、深い落とし穴が待っていることもあります。あまり軽々しく子どもに「出ていけ!」などと言うべきではない時代になったのです。サトシのお父さんは、飛び出した息子の背中を見てすぐに後悔したものの、「どうせ2、3時間もすれば帰ってくるだろう」と、どこかで高をくくっていたといいます。けれど、サトシは帰ってきませんでした。正確には、お父さんが知っている息子はもう戻ってこなかったのです。3日後、深夜の街を徘徊していたところを補導されて家に連れ戻されたサトシは、金髪のモヒカンヘアーに、剃り落とした眉。睨みをきかせ、尖らせた唇からはご両親が今まで聞いたこともないようなセリフが飛び出しました。「きさま、ウゼぇ。死ね!」これが、あのいい子で勉強のできたサトシでしょうか・・・・・。彼はたった3日間で別人になってしまったのです。お父さんは、息子がかわいくて、本当に頑張ってほしかっただけでした。「出ていけ!」の言葉も、彼にカツを入れるための荒療治のつもりでした。けれど、そんな親心が、皮肉にも息子の背中を悪の道へと押し出してしまいました。一流校を目指していた受験生は、わずか3日で完全に薬チュウにされてしまったのです。その後、親子関係は少しずつ修復されていきました。けれど、そう簡単にハッピーエンドにさせえもらえませんでした。一度はまり込んでしまった薬物への依存は、愛情や根性で克服できるものではありません。サトシはなかなかシンナーをやめることができず、幻覚や幻聴などの強い副作用でのたうち回るようになったのです。当然、受験などできません。最終的には専門病院へ入院するしかなくなり、現在も治療を続けています。シンナーは脳細胞にひどいダメージを与えてしまいます。今後どのくらい回復してくれるのか・・・・・。今はまだわかりません。

・「お父さん、泣くことはいけないことじゃないと思いますよ。泣きたい時は、泣かせてあげてください。子どもにとって一番よくないのは、泣きたい気持ちをためてしまうことなんですよ」心理学の研究では、涙の中にはストレス物質を体外に排出する働きがあるのだそうです。泣くとスッキリした気分になるのは、だからでしょう。「苦しい、悲しい、つらい」などの感情は外に出してしまったほうがいいのです。泣くのは弱いからじゃありません。必要だから泣くのです。我が子が泣いているときは、「よしよし。つらかったね、寂しかったね」と優しく抱きしめてあげてください。

・いじめで苦しんでいる子どもたちに伝えてください。「絶対に死なないで」って。あなたが死んでしまったら嘆き悲しむ人がいる。そのことを忘れないでください。必ずあなたを守れる人がいる。そのことを忘れないでください。いじめをしてしまう子どもたちにお願いがあります。私はいじめでたった一つの宝物をなくしてしまいました。本当に苦しい。本当に悲しい。あなたのご両親も同じです。あなたを失ってしまったら、あなたのお父さん、お母さんは本当に悲しみます。だから、いじめほど悲しいものはありません。どうかいじめをやめてください」このお母さんの言葉を伝えると、ワッと泣き出す子がいます。「私、いじめをしていました。ごめんなさい」と後で手紙をくれる子もいます。自分のあやまちを認められただけでも、その子は心が軽くなるはずです。「いじめをすると苦しいでしょ。自分が嫌いになっちゃうでしょ。でも、やめたくてもやめられなかったんだよね。苦しかったね。よく言えたね」そこからが立ち直りのスタートです。

・それでは、我が子が誰かをいじめていることを打ち明けてくれたときや、親がいじめに気づいたときはどんな対応をすればいいでしょう。まず、悪いことは悪いこととしてきちんと叱る。これはもちろん大事です。叱り方は「1対9」です。「誰かの物を脅して取り上げたら、それは恐喝だよ。殴れば傷害。あなたにいじめられてその子の心が壊れちゃったら、心の殺人犯になるんだよ」などと「1」はきちんと厳しいことを言います。ですが、あとの「9」は、その子が抱えるストレスは何かについて考え、子どもの心に寄り添ってあげてほしいのです。また、いじめた相手に「ごめんなさい」とあやまる勇気を教えてあげてください。

・リストカットする子どもたちは、本当に死にたくてそうするわけではありません。体から流れ出る真っ赤な血を確認し、痛みを感じることで、逆に生きていることを確認する。「死にたい」と言いながらも、実は「生きたいよ、生きたいよ」というSOSを出しているのです。「どうせ死ぬ気なんかないんだろう」「二度とするな!」そんなふうに叱っても、この行為はおさまりません。それどころか、次は本当に死んでしまうこともあります。こんなときも、やはり根っこを癒してあげるしかありません。リストカットする子どもと出会ったとき、私は、「今度、切りたくなったら電話してね」と言います。「私がナイフの代わりになりたいよ。あなたの悲しみを、私に言葉でぶつけてほしい。ちゃんと受け止めるからね」もしみなさんのお子さんがリストカットをしてしまったら、目を背けずに傷口を見てあげてください。そして「痛かったね、苦しかったね。ごめんね」と言ってあげてほしいのです。「血を流す代わりに、お父さんお母さんに気持ちを吐き出していいんだよ」その思いが子どもに伝われば、行為は必ずおさまっていきます。

・シンナーや覚醒剤などの薬物に手を出すのも自虐行為の一つです。薬物が街にはびこっていた時代には、子どもたちにも簡単にそれが手に入ってしまうのが実情でした。コンビニやゲームセンター、駅前など、子どもたちが集まる場所にいわゆる売人がやってきて、声をかけるのです。彼らにとっては、寂しそうな子ども、自暴自棄になっている子どもを見分けるなどお手のもの。「ガムやろうか」「この飴、美味しいよ」などと覚醒剤を手渡して、最初のきっかけを作ってしまいます。その包み紙の裏に売人の携帯番号が書かれていたというのも、実際にあった話です。電話をして郵便ポストにお金を入れておけば、怖い大人と直接会うこともなく宅配してくれるー。そうやって泥沼に引きずり込まれていくのです。現在では、地域の努力やさまざまな防止活動、取り締まりの成果で、以前より状況は飛躍的によくなっています。それでも、残念ながら子どもたちの危機は完全になくなったわけではありません。

・子どもが悪いことをやめるのは、叱られたくないからではありません。この人だけは悲しませたくない、この人の泣き顔だけは見たくない。この人だけは裏切りたくない・・・。親が子どもにとってそんな存在になることが、子どものお守りなのです。

・子どもが何か悪いことをしているのでは?そんな気配があったとき、親がやってしまいがちな間違いは「おまえがやったのか?」「どうなんだ!」と、怒りモードで追求してしまうことです。まるで警察の取り調べか何かのように、尋問や詰問をしてしまうのです。けれど、追求すればするほど、子どもは本当のことを話せなくなります。なかには、カッとして「だいたいおまえはいつも隠してばかりだ」「卑怯者!」など、言わなくてもいいことまで口にしてしまう親もいます。そんなことをしても、子どもはますます殻に閉じこもってしまうばかりです。こんなときは、「この子には、何か困っていることがある」を前提にして話しかけてみてください。子どもが本当のことを言わないのは、親に見捨てられたり嫌われたりするのが怖いからです。「お母さんは心配しているだけ。だから安心して話していいのよ」「お父さん、おまえの味方だからな。なにを言っても大丈夫だよ」など、まず子どもの不安を取り除いてあげることが大切です。自分の気持ちをうまく言葉にできない子どももいます。そんな子には、「うなずくだけでもいいよ」「違うなら、首をふってごらん」と、子どもが答えやすいような提案をしてあげるのもいいでしょう。決して追い打ちをかけるように矢継ぎ早に質問したりしないこと。とにかく、まず親が冷静になって、子どもの心を少しずつ開いてあげることが大切です。本当のことを打ち明けてくれたら、「ラクになったね」「言いにくいことをよく言えたね。えらかったね」などの言葉で、「話してよかった」という気持ちにさせてあげましょう。子どもは一度の失敗で、次から完璧に”いい子”になるわけではありません。何度も失敗を繰り返しながら成長していくものです。一度でも「お母さんになら言ってもいいんだ」「お父さんは、ちゃんと聞いてくれる」と思えた体験があれば、次からもきっと気持ちを打ち明けてくれるはずです。

・家庭内暴力を起こす子どもの多くが「葛藤体験」をほとんどもっていないということです。幼い頃から親が何でもやってくれるし、ほしい物は何でも手に入る。「ああしましょうね、こうしましょうね」と指示されるままに動けば、何一つ苦労もしない・・・。「葛藤体験」がないとは、要するに、典型的な過保護・過干渉の親に溺愛されて育てられた結果、「我慢」や「ルールを守る」「待つ」といった葛藤を乗り越える機会がないまま育ってしまったということなのです。そんな子どもたちも、思春期になると壁にぶつかります。友人やクラスメイトとの関係、学校での授業など、親が手出しできない世界で何かトラブルが起きたとき、自分の力では対処できないのです。そのストレスやもどかしさが、親を攻撃するという形で噴出してしまう。それが家庭内暴力なのです。もちろん、過保護や過干渉で育てられた子どもは、必ず家庭内暴力を引き起こすわけではありません。ただ、親が、我が子かわいさで「よかれ」と思ってやっていることが、実は子どもを苦しめる原因になる可能性があることを、ここでぜひ知っておいていただきたいのです。

・警察でもいい、サポートセンターでもいい。もしお子さんの暴力でお悩みならば、ぜひ専門の機関にご相談ください。家庭内暴力の場合、第三者が間に入ることで解決するケースがほとんどです。大切なのは、まずご両親が勇気を出すことです。そうすることで、親も子も救われるのです。

・子どもがまとわりついてくるのは、不安だからです。「お母さん、僕のことが好きかな?」「私のこと、ジャマにしていないかな?」。そんな不安を打ち消したくて甘えてくるのです。そんなとき、振り払われたり邪険にされたりすると、その記憶が小さなトゲとなってずっと残ってしまうことがあります。トゲがいっぱい刺されば、やがて大きな傷となってしまいます。子どもの「ねぇ、ねぇ、ねぇ」にはちゃんと応えてあげてください。ただ、ギュッと抱きしめてあげればいいのです。

・我が子の外見が荒れてきたら、「この子は、何かから身を守ろうとしているのかもしれない」という目でようすを見てあげてください。そして、「あなたに何かあったら、お母さんが命がけで守るから」と、親の気迫を伝えてください。自分に強い味方がいることが分かれば、子どもにヨロイは必要なくなります。必ず元のいい子に戻るはずです。

・子どもと向き合うときには、「共感」「叱る」「ほめる」「伝える」の4つのポイントを忘れないでください。
「共感」・・・今、嬉しいのか、悲しいのか、怒りたいのかなど、子どもの気持ちを感じ取ることです。
「叱る」・・・叱るとは「教える」こと。感情に任せて怒ることではありません。
「ほめる」・・・子どもにとって親が「嬉しいよ」と喜ぶ姿が最高のほめ言葉です。照れ屋で口べたなお父さんなら、言葉にしなくても大丈夫。親が自分を見てニコッと笑ってくれる笑顔もまた、子どもが求めるほめ言葉となります。
「伝える」・・・親子だから言わなくても通じ合える?そんなことはありません。特に「ありがとう」「ごめんね」の2つの言葉は、何度でも伝えてほしい言葉です。

・「孤食」は子どもの心をむしばんでしまいます。豪華なお料理じゃなくてもいい、デパ地下で買ってきたお総菜だって、味はイマイチだって何だっていい。ただ、家族一緒がいいのです。とはいえ、ご両親も忙しい毎日です。食事時間が家族バラバラになってしまうこともあるでしょう。そんなときは、子どもに必ず何かひと言声をかけてあげてください。「きょうはどうだった?」「疲れたね」「たくさん召し上がれ」たとえ一緒に食べられなくても、ほんの1、2分、そばにいて声をかけてあげればいいと思うのです。それだけで子どもの心は満たされるはずです。

・甘えてはいけないものに甘えてしまう-その典型が、アルコールや薬物への依存症です。他にもニコチン、ギャンブル、買い物、恋愛など、依存症と呼ばれるものは多々ありますが、どの症状をもつ人にもその根っこに「親に甘えたかったのに叶わなかった」という傷があるように思います。もちろん、すべてがそうだとは言いません。ただこれまでの私の経験でも、たとえばシンナー依存症の子どもが、幼い時に育児放棄されていたなどのケースが数多くありました。特に乳幼児期の子どもの場合、「甘えるな」と禁止するより、むしろ思い切り甘えさせてあげることが必要です。甘やかすとは、わがままを聞いてあげることや、物やお金を与えることではありません。ギュッと抱きしめるなどのスキンシップ、「大好きだよ」「いい子だね」と言ってあげるなど、その子の存在をまるごと認めて愛してあげことなのです。

・自尊感情は、親に愛され認められることで育つものです。ところがこの自尊感情がうまく育たなかった子どもの場合、たとえばちょっといたずらを注意されたぐらいのことでも、自分を「全否定された」と受け取ってしまうことがあります。そういう子は、なかなか「ごめんなさい」が言えません。ただでさえ、「どうせオレなんかクズだよ」「生まれてこなければよかったんだ」などと、どこかで自分を卑下しています。その上あやまって「自分が悪かった」と認めてしまったら、自分というものが崩壊してしまうかもしれないからです。反対に、自尊感情が育っている子には、「いたずらしたことは叱られたけれど、お母さんは僕のことは嫌いにならない」という自信や安心感があります。だからすぐに「ごめんなさい」が言えるのです。「自分が悪かった」と認めても、人格そのものまで傷つくわけではないことが分かっているからです。「ごめんなさい」は、心にゆとりがないと言えない言葉です。たとえ「悪いことをした」と分かっていても、それをなかなか口に出せない子がいることも理解してあげてほしいと思います。強情を張っているわけではありません。言いたくても、言えないのです。だから、無理矢理「あやまりなさい。ちゃんと「ごめんなさい」を言うまでごはんはあげないよ」とか「あやまるまで家に入れない」などという躾は、根本的な解決にはなりません。あやまれない子の心の内側を見てあげてください。その子の根っこに「大丈夫だよ。大好きだよ」と愛情の水をあげて、まず自尊感情を育んであげるのが先決なのです。

・ストレスいっぱいで余裕のない子は、親の厳しい言葉を「僕のことを思っているから、言ってくれた」などとはとても思えないのです。同様に、体罰も子どもによっては逆効果になることがあります。私は、基本的には、「痛み」では親の心は伝わらないと考えています。もしやむを得ずパチンと叩いてしまうことがあったら、「おまえがかわいいから叩いたんだよ」などと、必ず理由を言ってあげてください。決して叩きっ放しにしないことです。子どもの心は、そんなに頑丈ではないことを忘れないでください。

・親の恋愛は、子どもにとっては裏切り行為なのです。母親が集まる講演会では、ジョークを交えてよくこんなふうにお話しします。「離婚を考えているお母さん、今、恋をしてるお母さん。どうかお願い、あと何年か待ちましょう。子どもが自立するまであとちょっと。自由になるのはもうすぐですよ。それまで”オンナ”はおあずけですよ!」みなさん、ドッと笑います。でも、お話しした私は本気。笑いながら聞いていたお母さんたちも、きっと本気で受け止めてくださったと思います。離婚も再婚も、他人がとやかく言う問題ではありません。ただ、子どもが成人するまでは、親であることを最優先にしていただきたいと思うのです。

・「親は子どもを育ててやっていると思うけど、違うのね。子どもから、私たちは生きる力をもらっているの。最後に気づけてよかったわ」最後の最後、彼女は息子さんにこう言いました。「生まれてきてくれて、ありがとう。あなたのお母さんになれて幸せだた」彼女の言葉は、私たちすべての親に共通する言葉ではないでしょうか。できるなら、命が終わる最期の瞬間ではなく、子どもが誕生した瞬間、いえ、今この瞬間に子どもたちに言ってあげたい言葉です。我が子を決して不幸な子どもにしてはいけません。生まれてきてくれた子どもたちみんなに、「ありがとう」の言葉を贈りましょう。


<目次>
はじめに
子育てをするご両親へ
プロローグ ちゃんと聞くよ、きみの思い
  ・私、サポレンジャーのレッド隊長だよ
  ・突然反乱する子どもをどうする?
  ・問題行動には、「根っこ=理由」がある
  ・「寂しさ、悲しさ、不安」を口に出せない子どもたち
  ・みんな寂しい”不幸少年”だった
第1章 根っこが傷ついてしまった子どもたちへのひと言
 -「非行少年」は「不幸少年」だった
 1非行の根っこにあるのは、悲しみと絶望
  ケース 「私、シンナー吸っています」。実の父親から性的虐待を受け続けて
  ・犠牲になるのは、いつも子ども
  ・実の父親から暴行されて・・・・・
  ・シンナーがなかったら、とっくに自殺していた
 2子どもの寂しさや悲しさに「共感」してあげる
  ケース キレやすい子どもの根っこにあった激しい怒りと、母への思慕
  ・暴力が憎い。でも人を殴ってしまう
  ・「共感」が子どもの傷を”薄めて”くれる
 3傷ついた根っこを癒す「ごめんね」のひと言
  ケース1 育児放棄されて施設で育った少年
  ・僕、生きていてもいいんですか?
  ・「頑張れ!」が重荷になる子もいる
  ケース2 母親に売春させられ、それでも「お母さんが大好き」だった
  ・誕生日を祝ってもらった経験のない子ども
  ・お母さんに「ごめんね」を言ってもらおうね
 4子どもが待っている「大好きだよ」の言葉
  ケース 6人の女性をレイプして少年院へ。ただ母親に愛されたかった・・・・・
  ・付き合えば、みんな素直な子ども
  ・母ちゃんはオレに仕返ししてるんだ
  ・半分でいいから好きになってほしい
  ・親にこそ支援が必要です
 5大切なのは「許して」「信じて」「待つ」こと
  ケース1 私を信じてくれた暴走族の少年、ナイフ君
  ・大人を拒否する子ほど、救いの手を求めている
  ・「ウザい」「キモい」は”試し行動”
  ・最初から心を開いてくれなくたっていい
  ケース2 3回少年院に入った子の話
  ・何があっても、決して我が子を見捨てない
 6「あなたの笑顔が見たい」が、子どもの心を開く鍵
  ケース 「腹が減ったら、盗って食え」が教えの泥棒一家に育った兄弟
  ・「父ちゃん返せ、母ちゃん返せ!」
  ・子どもを笑顔にするには、何をしたらいい?
  ・自尊感情を育てる「ありがとう」
  ・マニュアルに答えはない
 7「死にたい」と言う子に伝えたい言葉
  ケース 殴られるのはお母さん、犯されるのは自分。ズタズタに傷ついた心を抱えて
  ・この子だけ、どうしてこんな不幸な目に?
  ・子どもを救った、お母さんの”魔法の言葉”
第2章 息切れした”いい子”へのひと言-なぜ、うちの子が?
 8子どもに愛情を伝える”ふわふわ言葉”
  ケース 「ママに消えてほしかったんだ・・・・・」。ハムスターを殺した少年
  ・正しい愛情の水やり、できていますか?
  ・ママに消えてほしい・・・・・
  ・「ナイフ」「火」「小動物虐待」はSOSのサイン
  ・お医者さんとの連携で子どもを救う
  ・”トゲトゲ言葉”で愛していませんか?
  ・お母さんに使ってほしい”ふわふわ言葉”
  ・正しい愛情で子どもが変わる!
 9「もっと頑張れ!」が、子どもの心を壊してしまう
  ケース 「出ていけ!」の父のひと言で、たった3日間で薬チュウになったエリート受験生
  ・僕はもう頑張っている
  ・「出ていけ!」は現代の禁句
  ・わずか3日で薬漬けに
  ・子どもの存在そのものに感謝する
 10親の価値観を押しつけていませんか?
  ケース1 お稽古ばかりやらされた少年の、突然の反乱
  ・「言うことを聞く子」の反乱
  ・親のモノサシは、どんどん伸びる
  ケース2 泣くことを我慢していた、親孝行な家出少女
  ・親孝行の限界
  ・本当は泣きたかった
 11我が子をいじめの加害者にしないために
  ケース いじめで我が子が自殺してしまったお母さんの手紙
  ・いじめの「心」は家庭で作られる
  ・いじめる側もいじめられる側も、苦しくて悲しい
  ・子どもに教えたい「あやまる勇気」
第3章 我が子のSOSに気づいていますか?-「困った子」じゃなく、「困っている子」
 12「リストカット」「薬物依存」「売春」苦しみを言葉にできない子の3つの”自虐行為”
  ケース 両親の離婚の寂しさから92カ所もリストカット
  ・リストカットは「生きたい」のサイン
  ・心のスキに入り込む薬物依存のワナ
  ・ただ誰かに抱きしめてもらいたくて売春する少女
  ・両親の離婚が引き金に
 13我が子の「お守り」になりましょう
  ケース 万引きにストップをかけたのは、お母さんの悲しむ顔だった
  ・非行に走る子、踏みとどまる子
  ・叱るのは、「1対9」の「1」でいい
  ・「悲しませたくない」存在になりましょう
  ・”ふわふわ言葉”を訓練する
 14子どもが安心して打ち明け話のできる親になる
  ケース 仲良しグループの泥棒探し。子どものSOSにやっと気づけたお母さん
  ・問題児探しをしていませんか?
  ・原因は、受験に対する不安だった
  ・怒りモードで追求しても、真実は逃げていく
 15「一番大切な人」に向けられる家庭内暴力
  ケース 母子ベッタリの家庭で起きた暴力と死
  ・仲良しだったはずのお母さんが標的になる
  ・原因の多くが、親の過保護・過干渉
  ・わがまま放題の子ども、腫れ物に触るような親
  ・我が子を救うために「110番」する勇気を
 16お父さんお母さんに、もっと仲良くしてほしかった
  ケース 家庭内別居の両親に心を痛めて、自殺三点セットを持ち歩いていた子
  ・両親の不仲が非行の原因になることも
  ・子どもの「怒り」を代弁する
  ・心にケガをした大人は、嘘をつく
  ・子どもは、親の「一番」になりたい
第4章 子どもの「自尊心」を育みましょう-レッド隊長との一問一答
  ・忙しいのに、子どもがまとわりついてきて困ります
  ・中学生の娘が茶髪に化粧。どうしたらいい?
  ・「お母さんは、私の話を聞いてくれない」と言われました
  ・共働きで、子どもの夕食時に一緒にいてあげられません
  ・うちの子は甘えてばかり。叱ったほうがいいですか?
  ・「ごめんなさい」が言えない子どもに困っています
  ・子どものためを思って、あえて厳しく教育しています
  ・中学生の子どもが、突然口をきいてくれなくなりました
  ・娘がボーイフレンドとセックスしているようで心配です
  ・親は恋しちゃダメですか?
  ・親が子どもに一番言ってあげたい言葉は何ですか?
 おわりに



面白かった本まとめ(2012年上半期)

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