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「戦略読書日記(楠木建)」という本はとてもオススメ!

2014年08月29日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 「戦略読書日記」という本は、基本的には著者が感銘を受けた21の本について紹介したものですが、それらの本の経営戦略やストーリーについて分かりやすく説明していて、しかもジャンルはテレビ業界だけでなく夜の銀座、ダイエット、マクドナルド、映画ライター、日本永代蔵、天正遣欧少年使節団、ライフネット生命、喜劇人などバラエティに富んでいて、どれもとても面白かったですね。

 とにかくどれも面白く紹介しているので、この「戦略読書日記」という本で紹介されている本は、全部読んでみたいと思いましたね^_^)

 また人生においては、好きなことをやることが大切、年齢は関係ない、読書が大切ということを改めて理解しました。
良書だと思います。

 それから、巻末には「僕の読書スタイル」というロングインタビューがあり、著者の年間300冊ほど読むという読書好きには好感が持てました。(自分もそのくらい読んでいるかな?)

 そして、読書においてとにかく大切なことはトリップすることで、自分がそこに行ってしまったような感覚になるのが理想とのことです。
そのトリップには二種類あって、物語やドキュメンタリーのように自分が書かれている舞台に入り込んでいく感覚と、対談に参加者として参加しているような対話トリップがあるとのことで、ナルホドと思いましたね。

 「戦略読書日記」という本は、とてもとてもオススメです!

 以下はこの本を読んで読みたいと思った内容と、この本のポイントなどです。

・日本電産社長の永守重信さんがとあるインタビューで答えていた。リーマンショックのときに、積み上げた経営ノウハウでは乗り切れないと感じた。本当に会社がつぶれるかもしれない。そう思った永守さんは、行き先を言わず、一ヶ月間図書館に通い続けた。そして1930年代の世界恐慌で多くの会社がつぶれるなか、業績を急回復させた企業についての本を探して片っ端から読み、ひたすら考えたという。経営者としての実体験の深さや豊かさが超一流である永守さんでさえも、リーマンショックという非連続な事態に遭遇したときには、読書をすることによって、拡張された時間軸と空間軸の中に自己を位置づけ、そこから有用な因果論理をつかみだそうとする。読書をするときには姿勢が大切である。本をあまり目に近づけないように、といった物理的姿勢も大切だが、心の構えはもっと大切だ。著者や登場人物と対話するように読む。対話をすることによって自分との相対化が進む。本当は生身の優れた人間と直接対話ができればいいのだが、そういう人は遠くにいたり、忙しかったり、死んでしまっているのでなかなかかなわない。そこに相手がいないときでも、いつでもどこでも誰とでも、時間と空間を飛び越えて対話ができる。ここに読書の絶対的な強みがある。

・若いころの僕がシビれた「元祖テレビ屋大奮戦!」、今となっては絶版なのが残念至極である。興味のある方は、ぜひ中古を探して読んでいただきたい。「元祖テレビ屋大奮戦!」よりも若干パワーは落ちるが、ご本人の口述した「元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学」もまた素晴らしい。井原マニアの僕は井原が出てくる本はことごとく読んでいるが、そのなかではすでに触れた小林信彦「テレビの黄金時代」、井原組で活躍し日本テレビのプロデューサーとなった齋藤太朗の「ディレクターにズームイン!!」の二冊が秀逸である。こちらもよしなにどうぞ。長々と話をしてきたが、「元祖テレビ屋大奮戦!」は二度にわたって決定的なインパクトを僕に与えてくれた本である。一度目は仕事をする前の若いころの僕に「好きなことを仕事にする」とはどういうことかを教えてくれた。二度目は競争戦略に関する仕事をしている中年の僕に「戦略をストーリーとしてつくる」とはどういうことかを教えてくれた。

・絶対のおすすめが、「これだけあれば、ほかにはいらない」という二冊、内田和成さんの「スパークする思考」とその続編「プロの知的生産術」である。内田さんの本がよくある情報整理術の本と決定的に違うのは「情報」そのものではなく、むしろ人間の「注意」を相手にしているところだ。

・「注意」という人間の限られた資源を最大限に活用したいなら、この本に書かれている方法論がいちばん優れている、というのが僕の見解だ。その理由は、本書の続編ともいえる「プロの知的生産術」に詳しい。この手の本では、とかく情報の収集、整理に焦点があてられがちなのだが、いうまでもなく仕事の本丸は「アウトプット」にある。知的「生産」というぐらいだから、アウトプットが問題になるのは当たり前。しかし、この肝心のところをないがしろにした議論が多すぎる。そもそも人が情報をインプットする目的は大きく分けて二つある。一つはインプットそれ自体のため。もう一つはアウトプットを生むため。前者を「趣味」、後者を「仕事」といってもよい。趣味と仕事の違いは明確だ。趣味は自分のためにやること、仕事は人のためにやること。どちらのためのインプットなのかで、情報の意味はまるで違ってくる。

・三枝さんは僕にとって優れた経営者のモデルであり、もっとも尊敬する経営者の一人である。企業再生の現場で奮闘すること16年。その間に書かれたのが「三枝三部作」とでも言うべき「V字回復の経営」「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」の三冊である。経営と経営者、組織の本質を突きまくった名著として今でも多くの人に読み継がれている。内容の濃さ、豊かさはもちろん、読み物としても抜群に面白い。今からでも遅くはないので、ぜひ読んでほしい。経営を見る目が変わること請け合いだ。三枝三部作は強烈なメッセージを放っているが、小説仕立てであるため、登場人物に語らせるという「間接話法」をとっている。これに対して「「日本の経営を創る」は三枝さん自身が主語なので、三部作の背後に一貫して流れている三枝さんの経営哲学、行動と思考の様式が「直接話法」でビンビン伝わってくる。そこが本書のたまらない魅力である。優れた経営人材とはどのような人を指すのか。本書で縦横無尽に繰り広げられる対談から、その輪郭をしっかりとつかむことができる。「経営というのは結局のところセンスの問題でありスキルではどうにもならない」。これまで繰り返して話してきた僕の持論だ。「「日本の経営」を創る」を読んで、この持論は確信となった。

・渥美清という俳優を人間として大いに尊敬している。人生の師の一人といってもよい。この国民的大俳優についての評伝は数え切れないほど出ているが、芸論の帝王、小林信彦の手による「おかしな男 渥美清」がなんといっても出色の出来だ。「おかしな男」には人間・渥美清についての興味深すぎるエピソードが詰まっているわけだが、彼の本質が「見巧者」にあるという小林の論点はとりわけ面白い。「男はつらいよ」シリーズで大成功した後の渥美清は、若い頃に経験した結核で体力に心配を抱えていたこともあり、これ以外の仕事をほとんど受け付けないというところまで仕事を絞りに絞っていた。時間ができた渥美は、あらゆる映画や演劇を観まくるという、本来大スキなことに集中する日常生活を送っていたという。

・「Hot Pepperミラクル・ストーリー」は、著者の平尾勇司さんがリクルート在籍時に構想し、実行した戦略ストーリーを振り返った書である。「ホットペッパー」の戦略ストーリーは不朽の名作、僕に言わせれば「戦略ストーリーの殿堂入り」の大傑作だ。「戦略ストーリーって何?」と聞かれたら、即座に「ここに全部ある」と言える。優れた戦略の条件が詰まっている。その解読は僕にとって極上のワクワク体験だった。拙著でもかなりの紙幅を割いて話しているので、興味のある方はそちらも併せて読んでいだきたい。

・その分野にまるで関心がない人にも面白く読ませてしまう指南書がごくまれにある。個人投資家向けの株式投資の指南書、「ストラテジストにさようならを」はまさにそういう本である。

・岡田斗司夫氏の「レコーディング・ダイエット 決定版」。ダイエットに興味があるかと言われたら、ゴルフよりはあるけれど音楽よりはない、という微妙なところに僕はいる。身長182cm、体重77kgというギリギリ標準体型ではあるが(←嘘。実は80kgで、軽いデブ)、なにぶんハゲなので、デブ&ハゲのナチュラル・バイブレーションだけは避けたいと祈念している。その意味で「本気でダイエットするところまではいっていないけれども、関心はわりとある」というのが僕のポジションだ。ということで、何の気なしに読んでみた。で、よどみなく衝撃を受けた。そこで語られているのはきわめて洗練された「戦略ストーリー」であり、全編これ戦略づくりのお手本ともいえる内容になっているのである。

・「プロフェッショナルマネジャー」とぜひペアで読んでいただきたい本があるので、本章ではそれを取り上げる。マクドナルドの創業者、レイ・クロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」である。世界最大の外食企業、マクドナルドを創った経営者の自伝。掛け値なしに面白い。

・「映画はやくざなり」以外にも、笠原和夫の著書はどれも面白い。「映画はやくざなり」を気に入っていただけた方には、「破滅の美学」「「妖しの民」と生まれてきて」の二冊をおすすめする。本人が書いたものではないが、小林信彦の例によって例のごとくの傑作芸論、「天才伝説 横山やすし」も笠原のプロとしての凄みをよく伝えている。

・笠原は「書く」という作業を仕事の最終段階と定めている。「書く」のはストーリーづくりの最後にくる一要素でしかない。笠原は脚本を書くという仕事の「順列」を次のように定めている。ここに笠原の戦略のカギがある。
 ①コンセプトの検討
 ②テーマの設定
 ③ハンティング(取材と資料収集)
 ④キャラクターの創造
 ⑤ストラクチャー(人物関係表)
 ⑥コンストラクション(事件の配列)
 ⑦プロットづくり
実際にプロットを書くのは最後の最後。まず考えるべきはコンセプトとテーマ。それができて初めて資料を読み込み、背景となる土地に足を運び、人と会い・・・というハンティングに移る。そこからキャラクターを創り、キャラクター同士の人間関係を決めたうえで主な事件を配置し、いよいよプロットづくりにとりかかる。笠原はストーリーづくりの最初にくるコンセプトとテーマをきわめて重視している。笠原のいうコンセプトとは「戦略の凝縮した表現」。

・シナリオを実際に「書く」のは、ストーリーづくりの最後にくる仕事だ。「シナリオ骨法10箇条」は、プロットができた後、脚本をいざ書き始めてから使うものとして提示されている。「骨法」というだけあって、簡潔にまとまっているが、さらにエッセンスだけ以下に抽出する。
①骨法その1「コロガリ」
 これからなにが始まるのかと客の胸をワクワクさせる展開の妙。映画でいえばサスペンス。不自然な展開やご都合主義の話の運びは「コロガリが悪い」といい、本筋だけがどんどん先に行ってしまう展開は「コロガリ過ぎる」という。観客との間で適当に駆け引きをしながら意表をつくカードを次々に見せていくのが最良のコロガリ。
②骨法その2「カセ」
 主人公に背負わされた運命、宿命。「コロガリ」が主人公のアクティブな面を強調するのに対し、「カセ」はマイナスに作用するファクター。たとえば身分違いの恋は「カセ」であり、そこから生じる波乱が「アヤ」。ドラマの楽しさは「アヤ」にあるが、適切な「カセ」がないと「アヤ」が生まれない。技術的にいちばん難しいのが「カセ」。「カセ」「アヤ」の双方が効果的に効いたドラマは文句なしに面白い。
③骨法その3「オタカラ」
 主人公にとって、なにものにも代えがたく守るべき物、または獲得すべき物。主人公に対抗する者にとっては、そうさせまいとする、葛藤の具体的な核。サッカーのボールのように、絶えずとったり奪われたりすることで、多彩に錯綜するドラマの核心が簡潔明快に観客に理解される。とりわけアクション・ドラマの場合に「オタカラ」は必須。
④骨法その4「カタキ」
 敵役。「オタカラ」を奪おうとする者の側。メロドラマにおける「恋敵」。一目見てすぐ<悪>とわかるような「カタキ」は時代劇以外では浮いてしまう。トラウマや劣等感など、内部から主人公の心を侵害するものも「カタキ」になりえる。
⑤骨法その5「サンボウ」
 「正念場」のこと。光秀が「敵は本能寺にあり!」といって盃を載せた三方(台)をひっくり返すという「絵本太巧記」場面に由来する。進退ギリギリの瀬戸際に立った主人公が運命なり宿命に立ち向かう決意を示す地点。複雑多彩に膨れたドラマの中心部で「サンボウ」の芝居をつけることで、観客にドラマがどちらを目指しているのか気づかせることができる。
⑥骨法その6「ヤブレ」
 破。乱調。たとえば失意の主人公がボロボロになって酒に溺れたり暴れたりする芝居。役者にとってもやり甲斐のある見せ場となる。
⑦骨法その7「オリン」
 バイオリンのこと。母子物の映画で、別れの場面にバイオリンをかき鳴らして観客の涙を誘ったことから、感動的な場面を「オリンをコスる」と呼ぶようになった。「ヤブレ」のあとにくることが多い。
⑧骨法その8「ヤマ」
 ヤマ場、見せ場。クライマックスのこと。本筋、脇筋を含めたあらゆるドラマ要素が結集し、人物たちは最大限に感情を爆発させ、衝突し、格闘し、一大修羅場を呈する。観客が抑制してきた興奮の発酵を、ここぞとばかりに一気に解き放つもので、作者自身がまず感動し、我を忘れるようなボルテージの高い場面にしなくてはならない。
⑨骨法その9「オチ」
 締めくくり、ラストシーン。予測と期待通りに終わる場合と、予測に反しながらも期待は満たして終息する場合の二種類がある。メロドラマは前者、ミステリーは後者が多い。予想ができて期待外れ、予想できなくて期待も満たされないオチは厳禁。思い切り楽しみつつ細心で丁寧な気遣いを持って書き上げる。
⑩骨法その10「オダイモク」
お題目。テーマ。書き始める前に定めたテーマと書き進める過程で湧き上がってくるテーマの間に差異が生じたら、当初のテーマを捨てる。脚本を書き上げたところで、伝えようとしたテーマが十分に示されたかどうか、もう一度「オダイモク」を唱え直して検証することが肝要。

・「生産システムの進化論」のほかにも、藤本さんの研究と主張はいくつもの本として世に出ている。その一部をあげるだけでも「日本のもの造り哲学」「能力構築競争」「ものづくり経営学」、新しいところでは国際競争や円高・震災で追い込まれているかのように見える日本のものづくりの本質を現場主義の視点で論じた「ものづくりからの復活」などがある。いずれもものづくりの経営に正面から取り組んだ、横綱相撲の傑作だ。

・ライフネット生命の創業時にビジネスモデルを投資家に説明するとき、出口さんはいつも「ベンチャー企業が成功する5つの要因」を最初に話したという。
 ①市場の規模が大きいこと
 ②商品・サービスに対する消費者の不満が大きいこと
 ③凧を揚げる風が吹き始めていること
 ④ライフネット生命は、インターネット販売による「わかりやすく安くて便利な商品・サービスの提供」という明確なソリューションを持っていること
 ⑤参入障壁が高いこと

・出口さんの最上の愛読書はM・ユルスナールの小説「ハドリアヌス帝の回想」(言わずと知れた名著。これも是非お読みください)であるという。ハドリアヌスは「人間として最上の美徳は素直であることだ」と言う。実績や経歴や能力よりも素直さ。これが出口さんの人間哲学の支柱にある。

・ことの本質を押さえずに「グローバル化!」のかけ声に飲み込まれてジタバタするとロクなことにならない。グローバル化の本質は単に言語や法律が違う国に出て行くということではない。経営の「非連続性」にこそグローバル化の本質がある。ヨーロッパから16世紀の日本に来た宣教師たちは、母国と異なる言語や文化、生活習慣に直面した。しかし、こうした違いを克服することに一義的な挑戦課題があったわけではない。ヨーロッパでの慣れ親しんだ宗教活動とはまるで違う、極東の日本という国でゼロからキリスト教を布教し成果を出さなければならなかった。この非連続性に困難の正体があった。今の日本企業のグローバル化にしても同じことだ。それまで慣れ親しんだロジックが必ずしも通用しない未知の状況で、商売全体を組み立てていかなくてはならない。特定の決まった範囲での仕事をこなす「担当者」では手に負えない仕事だ。商売丸ごとを動かすことができる「経営者」が不可欠になる。

・ヴァリニャーノやオルガンティーノのような、本質を見抜く洞察力と相手を理解しようとする謙虚さを備えていて、しかも自分勝手に物事を解釈しないリアリズムでものを考えるリーダーが必要なのである。ただし、社員全員がヴァリニャーノである必要はない。100人中1人か2人いればよい。それが誰なのか。自分の会社のヴァリニャーノを見極めるのがグローバル経営の第一歩である。この本を日本企業のグローバル経営に対するメッセージとして読めば、結論はこういうことになる。「あなたの会社にヴァリニャーノがいるか。いるとしたらそれは誰か」。この問いに対して答えがすぐに出ない企業はグローバル化に踏み出すべきではない。その前にすべきことがたくさんある。

・「日本の喜劇人」という本は昭和を代表する喜劇人についての芸論の傑作である。著者の小林信彦は芸論の天才であり、なかでも本書は極上の域に入る絶対の名著といえる。文中に登場する昭和の喜劇人を誰ひとり知らない人でも、本書の深い味わいを堪能していただけると確信する。「名人-志ん生、そして志ん朝」「世界の喜劇人」「笑学百科」「森繁さんの長い影」「喜劇人に花束を」(好著!)、「天才伝説 横山やすし」(名著!)、「テレビの黄金時代」(大名著!)、「おかしな男 渥美清」(超名著!)など、著者には本書のほかにも多くの芸論がある。僕はそれぞれ10回以上読んでいるのだが、そのなかでも「日本の喜劇人」にはとりわけ深い感動を受けた。小林信彦の芸論の迫力は、著者の喜劇と喜劇人に対する思い入れと洞察はもちろんだが、「自分の目で見たものしか信じない」という一貫したスタンスによるところが大きい。

・最近、堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿の「時代の風音」という対談を読みました。超絶的な面白さですね。司馬さんは例によって神業的な洞察の連続攻撃。それを堀田さんの極上の知性が迎え撃つ。この二人のやり取りにつきあえるというのは、もうこの世のものとは思えないような、夢のような経験ですね。で、この対談をセットしたのが宮崎駿さんなんですよ。

・家で読むことが多いのですが、座っては読みません。横になります。ベッドで読むのが基本ですね。あとは寝椅子。休日になると下手をすと10時間以上ぶっ続けで読むから座っていると疲れるんです。寝椅子はル・コルビュジエのLC4(シェーズ・ロング)がベストというのが僕の結論。これは読書や映画や音楽鑑賞のためにあるような傑作です。背中の角度は地面に対して30度以下が読書の基本。

・僕は脳への負荷別に重量・中量・軽量というふうに本を分けて、三冊ぐらいを並行して読むようにしています。たとえば僕の好きな日記モノでいえば、重量級は「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」、中量級だと「ホーチミン・ルート従軍記」、軽量級だと「池波正太郎の銀座日記」みたいな取り合わせですね。高負荷の「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」を3時間読んでいるとアタマが疲れるんですよ。素晴らしく面白いんですけど、いろいろと考えることがあってアタマが疲れる。で、息抜きに「ホーチミン・ルート従軍記」を読む。で、いよいよ疲れると池波先生の出番になる。池波風に言うと、(これがもうたまらない・・・)

・評論や自伝のジャンルでたまらなく面白かったものをぱっと挙げると、白川静先生の「回思90年」とか吉田茂「回想10年」、リ・チスイ「毛沢東の私生活」、ロバート・マクナマラ「マクナマラ回顧録」、カート・ジェントリー「フーヴァー長官のファイル」、ギュンター・グラス「玉ねぎの皮をむきながら」、エリック・ホッファー「エリック・ホッファー自伝」とか、この手のやつ。

・最高傑作の一つはやはり世阿弥の「風姿花伝」。狭い意味での「芸人」ではありませんが、谷川俊太郎・山田「ぼくはこうやって詩を書いてきた」も大傑作。僕はマンガを読みませんが、マンガについての評論を書いている竹熊健太郎の「マンガ原稿料はなぜ安いのか?」「ゴルゴ13はいつ終わるのか?」を最近読んで、大いに楽しみました。第一級の芸論ですね。

・超絶的に最高なのが「古川ロッパ昭和日記」。これは芸論と日記の完全な合わせ技という、僕にとってはスイートスポット直撃のありがたいこときわまりない本。「今まで読んだなかでいちばん面白かった本を選べ」という無茶な質問をされたら、「古川ロッパ昭和日記」を選びますね。戦前の昭和9年から晩年の35年まで、二段組みの小さな活字びっしりのハードカバーで4巻にわたる長尺ものです。この日記の存在はずっと前から広く知られていましたが、長いこと著者のご遺族の手で保管されていて、なかなか世に出なかった。だから出版されたのに気づいたときはもう大喜びで買って読みました。読み始めたらもう止まらない。

・小説になりますが、直木賞をとった中島京子の「小さいおうち」は、プロットの設定も含めて、この辺を抜群に上手に再現しています。

・最初に読んだのはご多分に漏れず「アンネの日記」ですが、日本人の日記でも、清沢「暗黒日記」や高見順「敗戦日記」はもちろん、徳川夢声の「夢声戦争日記」、山田風太郎の「戦中派虫けら日記」「戦中派不戦日記」、内田百聞の「東京焼壷」、こうした日記は絶品です。山田風太郎の戦時下の日記を読むと、時空を飛び越えて、「ああ、戦争はこうして始まり、世の中の人々はこういう風に受け止め、戦時体制に組み込まれていくのか」ということが手に取るようにわかる。若い読者にぜひ読んでもらいたいですね。

・僕は本を読むと、わりと現実の生活に取り入れたくなるほうなんです。たとえば、ジェフリー・アーチャーの「獄中記」三部作。アーチャーは2001年から2年間収監されているんですね。この人の小説ももちろん面白いのですが、この詳細きわまりない獄中の日記を読むと、アーチャーの人となりがよくわかります。で、実用的な教訓を得たのは、最初の「地獄篇」に出てくる話。彼は2時間書いて2時間ほかのことをする、このワンセットを繰り返すというスタイルで仕事をしていたらしい。で、獄中でもこのルーティンを続けるんです。ずっと書き続けていると書いていものを客観的に見られなくなるんで質が落ちる。だから2時間で区切って、一度書いているものから離れる。で、2時間寝かせてまたまたとりかかる。なるほどなと思ってさっそく取り入れてみると、これが実にいい。ま、アーチャーと自分を比べるのもちょっとアレですが、僕も書く仕事のときは2時間1セットでやるようにしています。

・僕、もともとナンシー関が好きで、夏にヨーロッパに行ったときに何冊かトランクに入れて持っていった。その中にあったナンシー関とリリー・フランキーの「小さなスナック」っていう本が面白くて大笑いした。リリー・フランキーは小説の「東京タワー」しか読んだことがなくて、そっちのほうはあまりピンとこなかったのですが、この人は雑談の天才ですね。ナンシー関とリリー・フランキーのとりあわせは最高。二人とも言語的な反射神経がすごい。会話の至芸を楽しみました。

・リリー・フランキーの話によく出てくる吉田豪という人がいる。この人の本を読んでみたくなって、「元アイドル!」「人間コク宝」「男気万字固め」「豪さんのポッド」「電池以下」なんかを続けて読んでみたらまたこれがとんでもなく面白い。吉田豪はインタビューの名人ですね。ものすごくアクの強い人にインタビューするのが最高にうまい。

・吉田豪による角川春樹のインタビューはあまりの面白さにぶっ飛びました。で、当然、角川春樹「わが闘争」を読む。これがまた希代の奇書でして、凄まじい内容。で、そこから角川春樹・石丸元章「生涯不良」、福田和也「春樹さん、好きになってもいいですか。」と続く。角川春樹の句集も読む。さらには、春樹さんの娘にKei-Teeという人がいるんですが、その人の「セレブの血」も読む。吉田豪から派生したもう一つのズルズルに水道橋博士の「本業」という秀逸な書評集があって、ここからビートたけし「漫才」、杉田かおる「すれっからし」、哀川翔「翔、曰く」と続き、最後はまた「ナンシー関大全」に戻ってきたりして、数えてみたら、「小さなスナック」から始まるこのズルズル・シリーズで読んだ本は38冊でした。アマゾンで買うのが多いのも、このズルズル読みに向いているからですね。

・日記ものでいうとスーザン・ソンタグ「私は生まれなおしている」とか、最近読んだのでいうと小谷野敦「もてない男」とか。もちろん良し悪しではなくて単なる僕の個人的な好き嫌いに過ぎないのですが、スーザン・ソンタグとかは、とにかくありとあらゆる面で僕にとってはイヤな感じなんですよ。だから特殊読書としては最高に面白い。

・僕にとっての特殊読書の原点は本多勝一の評論ですね。最初のきっかけは「貧困なる精神」シリーズや、「殺す側の論理」「殺される側の論理」「NHK受信料拒否の論理」のあたり。とにかく意見が合わないわけです。でも、自分と正反対の主張を、あれほど全力でエネルギッシュに訴えられると、どうしてこういう考えを持つに至るのか、その背後に何があるのか、非常に面白い。僕は大江健三郎の小説や評論はあまり好きではありませんけど、それにしても本多勝一の憎悪と執念全開の大江批判、「大江健三郎の人生」や「文筆生活の方法」を読むと、何がここまでそうさせるのか、面白すぎて止まりませんでした。

・メジャーどころだと、村上春樹の小説で「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は本格的な小説として大変なものだと、学生のころ読んでびっくりしたんですよ。これはすごいのが出てきたなと思って。そのあと「国境の南、太陽の西」っていうのを読んだら・・・。僕も驚いて腰を抜かしました。何があったのかなって考えちゃいますよね。なんでこうなっちゃったのかな、なんでこんな小説を書くのかなという人間に対する関心なんですよね。

・最初は立花隆の「中核VS革マル」ですね。で、初期のブントや全学連の話から始まって、連合赤軍関連の本を読む。この辺は主要関連人物の手記や日記や評伝や遺稿が大量に出版されていますね。

・あのまま今に至るまでイワイワ団が続いていたら、ヘンリー・ダーガーの「ヴィヴィアン・ガールズ」になっちゃう。そういえば、ジョン・マグレガーの「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」はとんでもなく面白いですよ。ダーガーのように底抜けに不思議な人でも、評伝を読んでみるときちんと彼なりの論理がある。それが面白い。でも空想は1日15分まで。それ以上やるとわりとダーガー化してヤバい。

<目次>
まえがき
序章 時空間縦横無尽の疑似体験
 「ストーリーとしての競争戦略」楠木建著
第1章 疾走するセンス
 「元祖テレビ屋大奮戦!」井原高忠著
第2章 「当然ですけど。当たり前ですけど」
 「1勝9敗」柳井正著
第3章 持続的競争優位の最強論理
 「「バカな」と「なるほど」」吉原英樹著
第4章 日本の「持ち味」を再考する
 「日本の半導体40年」菊池誠著
第5章 情報は少なめに、注意はたっぷりと
 「スパークする思考」内田和成著
第6章 「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の戦略思考
 「最終戦争論」石原莞爾著
第7章 経営人材を創る経営
 「「日本の経営」を創る」三枝、伊丹敬之著
第8章 暴走するセンス
 「おそめ」石井妙子著
第9章 殿堂入りの戦略ストーリー
 「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾勇司著
第10章 身も蓋もないがキレがある
 「ストラテジストにさようならを」広木隆著
第11章 並列から直列へ
 「レコーディング・ダイエット 決定版」岡田斗司夫著
第12章 俺の目を見ろ、何にも言うな
 「プロフェッショナルマネジャー」ハロルド・ジェニーン著
第13章 過剰に強烈な経営者との脳内対話
 「成功はゴミ箱の中に」レイ・クロック著
第14章 普遍にして不変の骨法
 「映画はやくざなり」笠原和夫著
第15章 ハッとして、グッとくる
 「市場と企業組織」O・E・ウィリアムソン著
第16章 日ごろの心構え
 「生産システムの進化論」藤本隆宏著
第17章 花のお江戸のイノベーション
 「日本永代蔵」井原西鶴著
第18章 メタファーの炸裂
 「10宅論」隈井吾著
第19章 「当たり前」大作戦
 「直球勝負の会社」出口治明著
第20章 グローバル化とはどういうことか
 「クアトロ・ラガッツィ」若桑みどり著
第21章 センスと芸風
 「日本の喜劇人」小林信彦著
ロング・インタビュー 僕の読書スタイル
〔付録〕読書録


面白かった本まとめ(2014年上半期)

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「アボカフェ(東京 神保町)」はアボガド好きにはとてもオススメ!

2014年08月27日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 アボガド好きには堪らないアボカフェについて紹介したいと思います。

 場所は東京の神保町の路地裏にある古い雑居ビルの3階にあり、エレベーターも年季が入っていて大丈夫かな^_^;)とも思いますが、店内は小洒落ていて若い女性客ばかりのお店です。

 全てのメニューにふんだんにアボカドを使い、いつきてもおいしいアボカドが楽しめるお店なので、女性客がとても多いのでしょう。

ただ、こじんまりとした店で、客席数22名まで対応のようです。

平日の夜のオープンの18時過ぎに店に到着したのですが、既に2組の客がオーダーを済ませ、また続々と予約客が入って来ました。
しかもすべて若い女性客で驚きましたね。
男性は肩身が狭いお店かと思います。

荷物はイスの下に入れることができます。

 メニューを見て、あらかじめ食べログで予習をしていた「やみつきスパム丼」1000円を注文します。
隣の席の方もこの「やみつきスパム丼」でしたので、結構これは人気のメニューのようです。
メニューにも一番人気メニューと書かれていましたね。

また、1ドリンク制なので飲み物を注文しますが、スムージーがあるのを発見してそれを注文します。
ちょっと高めの750円ですが、もちろんアボガドを使用し、旬のフルーツも使っているとのことなので楽しみです。
ただお店の方からは、「このスムージーはかなりお腹に溜まるのでお食事と一緒で大丈夫ですか?」と優しい心遣いを頂きました。
毎朝スムージーを飲んで感じは分かっているので、大丈夫と答えます。

 しばらくしてその「スムージー」が運ばれます。
緑色で、ミントの葉も添えられて美しい!
結構ボリュームもあります。
どういう風に使うのか分かりませんでしたが、ストローが2本刺さっていましたね。
二人で飲むのでしょうか?

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↑スムージー

 さっそく飲んでみますが、おぉぉ結構「吸う力」が必要です!
まるでマクドナルドのシェークのようですね。
だからストローが2本あるのかな?
ストロー2本で飲むのかもしれません。

 お味の方はもちろんアボガドなど旬なフルーツばかりなので、とても健康に良さそうな味で、甘くて美味しいです!
これはやみつきになりそうですね。
このスムージーはとてもオススメです!

 そしてしばらくして「やみつきスパム丼」が運ばれますが、おぉぉこの「やみつきスパム丼」は盛り付けがとても美しい!

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↑やみつきスパム丼

緑色のアボガドをベースにして、赤色のプチトマト、そして中央に添えられた白色と黄色の温泉玉子のハーモニーが美しいです!
素晴らしいですね!

 そして、半熟玉子をつぶしながらアボガドやハムなどをご飯と合わせながら食べますが、おぉぉ照り焼きソースとマヨネーズがアボガドと絶妙に合って美味しい!

 しかも塩漬けハムが柔らかくてビックリ!
ハワイの塩漬けハムソテーとのことですが、塩が効いていて、そしてとても柔らかく、かなりの美味しさで感動です!
この柔らかさには感動しましたね。

この「やみつきスパム丼」は美しいだけでなく、その美味しさにも感動しました。

アボカフェは、アボガドをメインにして飲み物や食事を楽しめて、とてもオススメです!


美味しかったものまとめ(2014年上半期)

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アボカフェ

夜総合点★★★★ 4.2
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「湯峡の響き 優彩」(熊本県阿蘇郡南小国町 黒川温泉)はとてもオススメ!

2014年08月25日 01時00分00秒 | イベント・外出
<月曜はお勧めなおはなし>

 熊本県阿蘇郡南小国町の黒川温泉にある「湯峡の響き 優彩」という旅館に泊まり、とても良かったので紹介したいと思います。

 「湯峡の響き 優彩」は、2001年頃に名前を変えてリニューアルし、2004年には全日空(ANA)の全国キャンペーンにその「竹林の湯が」選ばれ、2005年には「The Japanese Spa」で海外にも広く紹介され、観光経済新聞社が実施した2012年度全国投票では雰囲気7位、風呂10位、施設26位、料理27位、サービス36位とどれもベスト100に選ばれるほど人気な旅館のようです。
 最近では、数千万円を投資して屋上に本格的な天文台を用意し魅力的な旅館だと思います。

 近くの瀬の本高原や滝を楽しんで、15時頃、車で「湯峡の響き 優彩」に到着します。
玄関近くに誘導され、荷物を車から降ろして台車で運んでくれ、車のキーを預けて駐車してくれます。
駐車場が狭いので車のキーを預け、整理駐車するようです。

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↑旅館の駐車入口

まず、旅館への入口が幻想的で驚きましたね!

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↑幻想的な玄関

中の扉が自動的に開くと、その先の飾りも光っていて美しい!
美しくて感動です。

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↑旅館の入口

 そして、入口右側でチェックインをして部屋に案内されます。
入口左側には広大なロビーが広がっていて、床の木材がかなりこだわりがあるようです。
窓には温泉街の川の景色が広がっています。
ロビーのテレビには、天文台での撮影状況が繰り広げられていて美しかったですね。
また、このロビーでは無線LANでインターネットが使用できるようです。

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↑広大なロビー

それから、ロビー奥には「ばーらうんじ」もあり、夜には素敵な空間が広がっていそうです。

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↑ばーらうんじ

そのそばには、2013年度5つ星の宿の認定証が飾られていました。
すごい!
人気温泉旅館ホテル250選とのことです。

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↑5つ星の宿 認定証

 奥のエレベーター横にはフロア案内があり、ロビーが4Fで客室が1Fなので、エレベーターで下がることになります。
通常のホテルはロビーが下の階なので、少し違和感があります。

 風呂は1Fで、食事は5F、天文台は屋上とのことです。
風呂は、宿泊者専用の「竹林の湯」「双檜の湯」「渓流の湯」と同じく宿泊者専用の家族湯「なごみの湯」「杉の湯」があり、そのほか温泉手形の方も使える「湯滝の湯」「樹彩の湯」があります。

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↑フロア案内

それから、灯小路の部屋に入りますが、そこの通路がまた幻想的でビックリ!
これはなかなかロマンチックです。
ワクワクしてしまいますね。

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↑灯小路

部屋は手前が和室で、奥がフローリングでベッドが2つあります。
5人で利用したので、後で和室に布団が3つ敷かれていました。

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↑灯小路 特別室

奥の障子を開けると、木のベランダがあり、椅子もあって、目の前の竹林が美しい!
川のせせらぎが聴こえます。
素晴らしい景色が広がっていましたね。
ゆっくりここで本を読みたくなります。

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↑ベランダ

それから、戻って洗面所は有田焼を使っているとは、なかなか凝っていました。
蛇口も金色でお洒落だと思います。
かなりこだわりがありますね。

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↑有田焼の洗面所

 すぐに、案内係が来られて色々と説明してくれます。
また浴衣を体の大きさに合わせて用意してくれました。
子供用もあるのは嬉しいですね。
そして、さっそく風呂に行きます。

 お風呂はもちろん温泉で、源泉温度は79.2℃、泉質はナトリウム一硫酸塩・塩化物温泉(低張弱アルカリ性高温泉)で、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・疾病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進・動脈硬化症・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病に効用があるようです。

 宿泊者専用のお風呂は時間帯によって男女に分かれていて、この日は男性は「竹林の湯」が19:30までで、「双檜の湯」「渓流の湯」は掃除の時間が30分あって20:00からの利用でした。
女性は、19:30までが「双檜の湯」「渓流の湯」を利用でき、20:00からは「竹林の湯」が使えることとなります。
なので、さっそく「竹林の湯」に入りますが、竹林が幻想的でなかなか良いです!
露天ではなく室内の風呂で、湯の高さは浅めです。

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↑竹林の湯

まだ明るい時間でそれはそれで良かったのですが、夜の方がライトアップされてより幻想的だったようです。

夕食後に、「双檜の湯」「渓流の湯」を利用しましたが、「渓流の湯」が露天風呂で良かったですね!
ちょっとした滝が見え、せせらぎが聴こえて良かったです。
お湯も少し熱めで良かったです。

利用方法が分からず今回は使用しなかったのですが、空いていればいつでも家族湯の「なごみの湯」「杉の湯」が使えたとは残念でした。
「杉の湯」は興味がありましたね

翌朝は温泉手形の方も使える「湯滝の湯」「樹彩の湯」に入ってみました。
「湯滝の湯」には笑顔で首をかしげたお地蔵さんがあるのには驚きました^_^;)
「樹彩の湯」も露天風呂で良かったですね。

それから、何と屋上には天文台がありました!
エレベーターを降りたところも幻想的で、そこで撮影された写真や映像が流れていましたね。

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↑天文台

この天文台は2013年12月にオープンしたばかりで、20時~23時まで利用できます。
口径30cmの大型反射望遠鏡だけでなく、口径15cmの太陽望遠鏡、惑星観測用望遠鏡、口径10cmの大型双眼鏡があり、充実していました。
天文台の中にはパソコンもあり、自動制御されるようです。

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↑天文台の案内

案内人はかなり気さくで、「今日は天気が悪く星が見えないので、望遠鏡を見てください!」と言っていました^_^;)
曇りから小雨模様となり断念しましたが、23時前には少し晴れたとのことでした。
残念!

晴れていれば、天の川なども綺麗に見えるようです。

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↑撮影された天の川

それから、その隣には天空台があり、ソファがあって夕暮れや星空を楽しめ夜はロマンチックなようでしたね。

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↑天空台

そのほか、この旅館には渓流の庭もあり、滝のせせらぎが見え、また青い空や木々の緑をゆっくり堪能できて良かったです。

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↑渓流の庭

それから、食事は5人利用だったので5Fの「和膳亭」で食事でした。
4人以下は基本的に部屋で食事となるようです。
この「和膳亭」もかなり綺麗で金色に光って雰囲気があり驚きました!

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↑和膳亭の中

献立は、文月の膳で、毎月メニューが変わるようでした。
今回は+3000円でステーキのコースにしました。
+3000円でなければ代わりにしゃぶしゃぶ等のコースになるようです。

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↑献立

まずは梅酒で乾杯します。
そして、すでに並べられたサラダや前菜を頂きます。
特に、氷に入った明るいニジマスの刺身とその上の真っ白な豆腐や長いもが美しい!
この氷の器には驚きましたね!
氷の器を作る専用のマシーンがあるようです。

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↑前菜や氷の器

そして、熊本名物の馬刺しも美味しかったですね!
白い「たてがみ」の馬刺しは初めてで驚きました!

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↑馬刺し

それから六品さらだはいろんな野菜が入っていて嬉しかったですね。

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↑六品サラダ

そして、ハモとじゅんさいなどの吸物が旨い!
この出汁は素晴らしかったです!
この味はさすがです!

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↑ハモの吸物

そして、茶碗蒸しには度肝を抜かれました!
何とオレンジ色の中に赤い梅が入ったもので、赤い梅は日本の国旗をイメージしているとのことです。
この斬新さがとても嬉しかったですね。

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↑茶碗蒸し

それから、夏らしく三種のソーメン、そして最後にメインの牛ステーキは、霜降りで、かなり厚さがありました!
とても柔らかくて美味しかったです!

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↑ソーメンなど

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↑ステーキ等

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↑ご飯とお味噌汁、漬物

そして最後にデザートは、小国ジャージー牛乳を使用したクリームブリュレで、部屋食の場合は、バーナーーでブリュレを作るパフォーマンスがあるようです。

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↑クリームブリュレとフルーツ

それから、朝食も同じ5Fの「和膳亭」で、生ハムや湯豆腐などバラエティに富み、とても美味しく、お腹一杯になりました。

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↑朝食

黒川温泉「湯峡の響き 優彩」は、たくさんの温泉と、美味しい食事、天文台での天体観測などを楽しめ、とてもオススメです!

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「子どもの本当の気持ちが見えるようになる本(原坂一郎)」という本は。とてもオススメ!

2014年08月22日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「子どもの本当の気持ちが見えるようになる本」の購入はコチラ

 この「子どもの本当の気持ちが見えるようになる本」という本は、どんな子どももすぐ笑顔になるそのユニークな保育で、「スーパー保育士」と言われる1956年生まれの”男性”保育士が書いた本です。

 子どもが思うように行動してくれなくて、悩んでいる方にオススメな本ですね。

 この本では、実は子どもはお母さんが一番大好きで、頭の中は「お母さん」でいっぱいということ、そしてその「お母さん大好きのサイン」や「子どもの望み」、「子どもの事情」について具体的に説明し、どのように親が対処すればよいかを分かりやすく説明しています。

 その「お母さん大好きのサイン」や「子どもの望み」、「子どもの事情」とは以下とのことで、これらの子どもの本音や事情などの気持ちはよく理解し、適切に対処しなければいけませんね。
 そうすれば、きっと子どもとの対応はラクになるし、子育てが楽しくなると思います。

<お母さん大好きサイン>
・笑顔を見せる
・甘える
・「見て見て」と言う
・思ったことを何でも言う
・いろんな質問をする
・一番かわいい姿を見せる

<子どもの望み>
・いっぱい遊んでね
・いっぱい手をつないでね
・いっぱい言葉をかけてね
・いっぱい笑顔にしてね
・いっぱい笑ってね
・いっぱいほめてね

<子どもの事情>
・経験と知識が絶対的に不足
・手先が未発達で力が弱い
・したいと思ったら後先考えずにしてしまう
・言われたことの半分しか理解できない
・思ったことをうまく言葉で言えない

 それから、本書では後半に「困った行動の」Q&Aも14個あり、子育ての参考になるかと思います。

 私個人としての子育ての経験からも、本書で書かれている「だっこ」や「手をつなぐこと」「笑顔」「ほめる」ことは特に大切かと思いますね。

「子どもの本当の気持ちが見えるようになる本」という本はとてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・子どもはお母さんが大好きです。世界一大好きです。お母さんなしでは生きていけません。「お母さん、愛してる」「どこにも行かないで」「お母さん、好きよ~」「こっち向~いて」・・・その場その場で、またその瞬間ごとに、その思いや表現は変わるかもしれませんが、その根底に渦巻いているのは、「お母さんだ~い好き」という気持ち、ただそれだけです。それならそれで、そのつど言えばいいのかもしれませんが、それができないのが子どもなのです。

・子どもの欲求の中で大きなウェイトを占めているのが、「好奇心」「探求心」「冒険心」からくる欲求です。具体的に言えば、「見てみたい」「聞いてみたい」「触ってみたい」「やってみたい」「上がってみたい」「降りてみたい」「開けてみたい」「回してみたい」「(匂いを)嗅いでみたい」「動きたい」「大きな声で叫びたい」・・・もう無数にあります。すべて、子どもなら当然持っている、子どもだからこそ持っている、純粋な「好奇心」「探求心」「冒険心」からきている欲求です。

・子どもの欲求は、大人が「してほしくない」と思うものに多く、大人が「してほしい」と思うものは、子どもの欲求の中にはありません。子どもとお母さんというのは、ある意味永遠に「わかり合えない存在」かもしれませんね。けれども、「お母さんを困らせちゃえ」なんて思っていません。「○○したい」と思ったから、その気持ちのままやってしまっただけなのです。「大好きなお母さんが嫌がるからしないでおこう」という考えになるには、まだ若すぎたようです。「お母さんは大好きだよ。でも、それとこれとは別なの!」どうやらそれが、子どもの本心のようです。

・パパとママはともに「おいで~」と、よちよち歩きのわが子に呼びかける。すると子どもは・・・、なんと、パパの方へ駆け寄る子の方が多かったのです。やっぱり!ですか?でも、この話には続きがあります。途中でスタジオの電気を消し、薄暗くしたとたん、子どもたちは方向を変え、ママの方へ行ったのです。子どもというのは、父親からはワクワクドキドキする興奮的快感を、母親からは心が落ち着き、安定する快感得ようとすると言われています。このときの子どもたちも、最初は安心感よりも興奮的な快感を優先し、「おいで~」と言ったお父さんのところに行って、そのままいつものように高い高いや抱っこをしてもらい、遊んでもらおうと思ったのでしょう。ところがあたりが暗くなったとたん、急に不安になり、その不安感を取り除くのが最優先となった子どもは、お父さんと遊ぶことよりも、お母さんからもらえる安心感の方が大事になり、お母さんを選んだというわけです。

・子どもの本当の気持ちがわかるようになると、いいことがたくさん起こります。まずは、子どものことを怒る回数、叱る回数が目に見えて減ってきます。子どもの気持ちがわかり、子どもなりの事情や都合などが見えてくるようになると、それもわかるような気がし、腹が立たなくなるのです。お母さんは、毎日子どもを怒りたくて怒っているのではありませんが、「怒りたくなること」を子どもがするから怒ってしまうのですよね。でも、その「怒りたくなること」が「怒るほどのことではない」「怒るべきではない」と思えるようになると、当然怒る回数は減ってきます。「普段、少し叱りすぎかな」「今日もたくさん怒ってしまったことを反省!」そういうことがなくなるだけでも、いいことですよね。イライラしなくなるということは、何よりお母さんの精神衛生にいいのです。子どもの気持ちがわかるようになると、自分では気づかないかもしれませんが、子どもへの言葉や態度が少しずつ、しかし必ず変わってきます。その変化を子どもは見逃しません。「自分のことをわかってくれている」という思いが、子どもを落ち着かせ安心させます。自分のことを理解してくれる人を、人はより大好きになっていきます。より信頼するようになります。何かを言われたときも、聞く耳を持てるようになりまう。子どもの気持ちがわかるようになるだけで、子どもからより好かれ、より信頼され、素直に聞く耳を持つようになってくれる・・・。するとどうなるか。子育てがウソのようにやりやすくなるのです。

・子どもが甘えて「抱っこ」とせがんできたときに、うっとうしがるお母さんがいます。せっかく「お母さん大好き!」というサインを出したのに、もったいないなと思います。子どもが甘えてきたのに、無視したり受け止めなかったりすることが続くと、子どもにとってその人は、甘えてもムダな、その他大勢のそのへんの人と同じ人に成り下がってしまいます。甘えてきたら、「子どもに好かれている」「自分は選ばれた人なんだ」と思って、大いにその甘えを受け止めてやってほしいと思います。

・子どもは大好きな人には、自分に関心を持ってほしいと思っています。自分が何かをするたびにそれを見てほしいと思います。それが「見て見て」です。一番見てほしいのはやはり一番大好きなお母さんです。だからお母さんは、誰よりも多く子どもから「見て見て」と言われます。おばあちゃんではダメなのです。お母さんに見てほしいのです。好かれた人の宿命だと思って、子どもが「見て見て」と言ったものは、ぜひ見てあげてほしいと思います。1秒見るだけでもいいのですから。

・子どもは自分が大好きな人、つまりお母さんにだけは、思ったこと、感じたことをそのまま口にします。絶対的な安心感、信頼感があるからです。「へ~んなの」「これきら~い」「いや~」信頼できる幼稚園や保育園の先生にさえ言わないようなことも堂々と言います。言われても困るようなことも多いのですが、自分が子どもに好かれている証拠、気を使うことなく安心して言える人と思われているのだと思って、どんな言葉であってもその言葉を否定せず、丸ごと受け止めてやってほしいと思います。お母さんは、何でも受け止めてくれるという安心感と信頼感があるから、子どもはいくつになっても、お母さんだけは、ないしょ話をするのです。

・子どもはお母さんにいろんな質問をします。まるでお母さんが何でも知っているかのように。でも、子どもはたとえおじいちゃんがどんなに物知りだったとしても、おじいちゃんにはそこまで聞かないものです。お母さんに聞きたいのです。大好きだからです。大好きなお母さんに教えてもらいたいのです。子どもはうれしいのです。大好きなお母さんが自分の質問にちゃんと答えてくれるというのが。そのやりとりで、何とも言えない幸せな気持ちになるのです。子どもが何かを聞いてきたら、億劫がらず「また私との触れ合いタイムを求めてきたわ」と思って、知らないことでもちゃんと答えてやってほしいと思います。

・子どもがお母さんにしてほしいと思うこと。まず最初は「遊んでもらうこと」です。子どもは大人に遊んでもらうのが大好きです。大人が遊んでくれると、子ども同士で遊んだときとは全然違う種類の楽しさや喜びがやってくるようです。ひとりで遊んだときに比べて、10倍のおもしろさがやってくるような感じです。その「遊び相手」は、自分が好きな人であればあるほど、喜びも楽しさも大きくなります。子どもが一番大好きな人、これまで何度も言いましたが、それはお母さんです。つまり子どもは、お母さんに遊んでもらうのが一番嬉しいというわけです。

・子どもと簡単に遊べる2つの方法をご紹介したいと思います。まずは、「子どもが今やっている遊びに少し関わる」方法です。これはラクですよ。「何して遊ぼうか」と考えなくてもいいのですから。子どもが今やっている遊びに参加させてもらう、といった感覚でいいのです。たとえば子どもがひとりでままごとをしているならば、突然お母さんが「これくださ~いな」と言うだけでいいのです。子どもはもうそれだけでうれしく、あっという間に笑顔になります。「は~い、いらっしゃーい」とがぜん張り切ったりもします。

・子どもと気軽に遊べるようになるもうひとつのよい方法、それは「遊ぶのは10秒でいい」と思うことです。子どもは、お母さんが遊んでくれるなら、その内容も時間も、お母さんが思うほど気にしていないものです。とにかく「遊んでもらったこと」「関わってもらったこと」がうれしいのです。時間に関しては極端な話、10秒でもいいのです。子どもは遊んでもらったのが10分だったか10秒だったかはさほど問題にしません。しかし、10秒でも遊んでもらったか、全然遊んでもらえなかったかは(何年先まで)問題にします。10秒でいいなら、いろんな遊びが考えられるはずです。たとえば、台所でラップが芯だけになったとき、芯を目にあててリビングの子どもを見て「ほら望遠鏡」。たった10秒ほどの遊びですが、子どもには楽しく、一生覚えているかもしれない10秒になります。「ぼく(私)もする!」と必ずお母さんのもとへやってきます。

・「子どもと遊びたくても、たっぷりと時間が取れない」とおっしゃる方は、そんな小さな関わりの10秒をたくさん作ればいいのです。わざわざ「さあ、今から遊ぼう」とかまえなくても、そんな遊びや関わりでいいなら、一日の中で無数に取れるはずでう。ひとつひとつの遊びの時間は短くても、そんな遊びが毎日の中にたくさんあったなら、子どもは大人になっても、「お母さんにはたっぷりと遊んでもらった」と言うことでしょう。子どもとの遊びには、おもちゃも時間も必要ありません。そこにお母さんの体と愛情さえあればいいのです。今すぐでも、無限の遊びが広がるのです。家庭にはおもちゃが子どもの年齢×100個あると言われていますが、本当はおもちゃはそれほど必要ないのです。お母さんがほんの少し関わりさえすれば、すべてのものが自分を楽しませてくれるおもちゃになるからです。たとえば、台所にあるビニール袋も、そのままでは単なる袋ですが、底の角の2カ所を縛ってから空気を入れ、口をくくるとあっという間にまん丸の風船ができあがります。一緒に打ち合えば、子どもにはそれがもう立派なおもちゃになります。たとえ高価でも、お母さんがほとんど関わってくれなかったおもちゃよりも、子どもにはよほど値打ちのあるおもちゃになるのです。このインスタント風船は、簡単に作れる割にはとても楽しく、どんな子どもでも喜びます。ビニール袋が大きければ大きいほどおもしろくなります。ぜひお試しくださいね。

・子どもは、自分が大好きな人に手をつないでもらうことが大好きです。手をつないでもらうだけで、「愛されている感」を感じます。どうしてかというと、子どもは知っているのです。自分と手をつないでくれる人というのは、必ず自分のことを好きで、手をつないでくれるのは、その愛情の表現になっているということを。

・お母さんに手をつないでもらって、とくにうれしいのは3歳から7歳くらいまでです。それまでは、手をつなぐことよりも、断然抱っこの方を喜びます。抱っこもまた、お互いの愛情エネルギーが行き交う行為です。これも抱っこをしてくれるのなら誰でもいいというわけではありません。自分が大好きな人に抱っこしてもらいたいのです。しかし、子どもが3歳になった頃から、親は急に抱っこをしなくなります。年齢で決めているのではありません。重くなるからです。子どももその現実を受け入れ、「もう抱っこしてくれないのなら、せめて手をつないでほしい」となり、今度は手をつないでもらいたがる、というわけです。共通点は、それをしてもらうとお母さんからの愛情を感じることができる、ということです。子どもにはスキンシップが大切と、よく言われます。抱っこ、そして手をつなぐというのは、もっとも簡単で、子どもへの愛情がもっともよく伝わるスキンシップなのです。

・子どもも大好きなお母さんからはいつも言葉をかけてほしいと思っています。お母さんの友達にはいつも、そしていくらでもお母さんは言葉をかけているのに、自分にはかけてくれないとなると、寂しくなってきます。お母さんは、自分が好きな人、関心がある人にしか言葉をかけないということを子どもは知っています。そんなお母さんに言葉をかけてもらっている自分は、数ある人の中から選ばれた人間、お母さんに好かれている人間、そういう喜びと安心感が生まれます。子どもには、赤ちゃんだったときのように、たくさんの言葉をかけてあげてほしいと思います。ほんの、何気ない言葉を。

・子どもはお母さんからの関わりで笑顔になるのが一番うれしいのです。ぜひお母さんの力で、お子さんを笑顔にしてください。子どもを笑顔にするのは簡単です。そこにほんの少しでも子どもが「うれしい」「楽しい」「おもしろい」と感じることがあればいいからです。お母さんは、子どもが何をうれしく感じ、どんなことを楽しいと感じ、何をおもしろがるかを一番知っています。わが子を笑顔にするのが一番上手なのは、お母さんです。だから、いつまでも子どもか好かれるのです。

・「子どもには笑顔で」「お母さん、笑ってね」なんて言うと、「いつも笑顔でなんかいられない」とよく言われます。もちろん、いつも笑顔でいる必要なんてありません。第一、そんなこと不可能です。しかし、いつもではなくても、一日の中で3秒の笑顔を30回見せるくらいはできないでしょうか。3秒×30回、合計すると90秒、時間にして1分半。そう、一日24時間の中で、3秒の笑顔が30回の1分半だけ、笑顔になってほしいのです。あとの残りの23時間58分30秒は普通の顔でかまいません。お母さんの3秒の笑顔を30回見られるだけで、子どもはもう毎日幸せです。一日の大半は笑顔になっていなかったのに、子どもは成人してからも、お母さんのことを述懐するときは、「お母さんはいつも笑っていた」と言ってくれるはずです。

・ところで笑顔でないとき、子どもにどんな顔を向けているかご存じでしょうか?笑顔でない、つまり「普通にしている」ときの顔です。「普通のときは普通の顔ですよ」とおっしゃるかもしれませんが、全然ちがいます。正解は、「笑顔でないときは怒った顔をしている」です。電車に乗ったときに前の席に座っている人を見てください。みんな怒ったような顔をしています。私たちは、普段「普通の顔」をしているだけで口角が下がり、まるで怒っているかのような顔をしているものです。自分の顔を見ようと思えば、鏡か写真しかないのですが、そのときは「普通の顔」をやめ、口角を意識して少し上げます。お母さんの笑顔は素敵です。そんな素敵な笑顔は、見てもらわないと損です。あなたが一番大好きな子どもには、とくに一番多く見せてあげてほしいと思います。

・子どもはほめてもらうのが大好きです。子どもはほめられたら伸びていきます。大好きな人にほめられたら、うれしさが加わって、もっと伸びていきます。子どもの大好きな人、そう、お母さんです。子どもはお母さんにほめられてこそ、どんどん伸びていくのです。

・子どもが「ほめられた」と思う良い方法があります。子どもが少しでも望ましいことをしたときに、その行動をそのまま言葉で言うのです。靴を揃えて脱いだなら、「ちゃんと靴を揃えたね」名前を呼んで返事をしたなら、「ちゃんと返事ができたね」近所の人にあいさつができたなら、「ちゃんとあいさつできたね」友達に何かを貸してあげていたなら、「お友達にちゃんと貸してあげられたね」遠い目的地なのに最後までしっかり歩けたなら、「最後までしっかり歩けたね」いずれも「えらいね」「すごいね」などの「ほめ言葉」は一切使っていません。なのに、子どもにとっては、うれしいほめ言葉になっています。そばで誰かに聞かれても、おかしくもなんとも思われないほめ言葉です。「子どもの行動が少しでも望ましいものであったなら、それをそのまま言葉で言う」。とても効果があります。子どもはその行動を繰り返してするようになるからです。子どもはほめられたことはもう一度したくなる、という習性があります。うれしくてもう一度したくなるのです。そういう言葉は、自分のことを見ていてくれた人しか言えない言葉です。そして、自分のことを評価しようとする人しか言えない言葉です。子どもにとって、自分の行動をそうやって言ってくれる人は「自分を見ていてくれる人」「評価してくれる人」です。そう言ってくれる人を大好きになります。うれしくなります。もっとやりたくなってきます。子どもの毎日の行動の中で、望ましいものを見かけるたび、さりげなく「ちゃんと○○できたね」と言ってみてください。次からもそうする確率が5倍跳ね上がります。叱っていたときとは大違いのはずです。これは、子どもの行動を毎日しっかり見ているお母さんにしかできないほめ方です。お母さんなら、一日100個のほめどころを見つけられるはずです。ぜひ今日から、いや、今すぐやってみてください。

・子どもはいつも、「やらなかったときには怒られるのに、ちゃんとやったときには何も言われない」と思っています。靴を揃えなかったときには怒られるのに、揃えたときには何も言われない。返事をしないときには「返事は!」なんて言われるのに、返事をしたときには何も言われない。片づけないときには文句を言われるのに、片づけたときは何も言われない・・・、そう思っています。だからこそ、その逆をしてみることをお勧めします。やらなかったときに叱るのではなく、やったときにほめるのです。子どもを喜ばすためではありません。指導効果がうんと違ってくる、つまり、お母さんがしてほしかったことをどんどんするようになるからです。ほめると言ってももちろん、「えらいね」「かしこいね」でなくていいのは同じです。やはり、その行動をそのまま言うだけです。「ちゃんとあいさつできたね」「お手伝いしてくれたね」「いい返事だったね」でいいのです。

・子どもは何でも、案外それまでていねいに教えてもらっていないものが多いものです。教えてもらえないと、「知らない」ままなので、同じことを繰り返します。でも教えてもらうと、「知っている」こととなり、少しずつ自分で対処するようになります。この差はとても大きいのです。教えるときは、教える言葉以外、一切何も言わない方がよく伝わります。「よけいな言葉」は、つけばつくほど伝わりにくくなります。これからも、もし子どもが何か怒りたくなるようなことをしたら、それは「経験不足」と「無知」からきたのかもしれないと思って、ぜひ、その機会にそこで改めて教えてあげてほしいと思います。声さえ荒らげなかったら、子どもは驚くほど素直に聞いているものです。

・自分の気持ちをコントロールできるようになる4歳くらいから、「したいけれど、これはしてはいけないこと」「したいけれど、したらこういうデメリットがある」「したいけれどしない方がいい」と、「したいけれどガマン」という気持ちが少しずつ芽生えてきます。個人差もありますが、その気持ちをコントロールする力をつけてあげることこそがしつけであり、ある意味、子育ての一番のテーマなのです。

・「何度言ったらわかるの」と言いたくなったら、まだ2回しか言っていないと思いましょう。子どもは、「10回言ってやっとわかってくれる」くらいに思っていればいいのです。大人でも、たとえばパソコン教室などでは、ひとつのことを2回や3回言われたくらいでは何もわからず、10回くらい教えてもらってやっとできるようになるはずです。そして、その受講生は、たとえ10回であっても、やさしく言ってほしいと思っているものです。

・私は知っています。お母さんは本当に子どものことが大好きだということを。子どものことを誰よりも愛しているということを。お母さんのその気持ち、私は子どもに教えてあげたくて仕方がありません。教えてあげないともったいないと思っています。でも、私の口から伝えるよりも、お母さんから直接伝えてもらう方が、子どもは何百倍もうれしいだろうなと思います。お母さんの、その「あなたが大好き」という気持ちを、ぜひ伝えてください。子どもは何とも言えない幸せな気持ちになります。まずは言葉でです。言葉で直接伝えるのです。次にいいのは、いっしょにお風呂に入ったとき。ただし、ゆったり湯船に浸かっているときです。

<目次>
はじめに
第1章 子どもの本当の思いが見えるようになったら・・・
 うちの子、どうしてこんなことするの!?
  やっと話せるようになっても・・・
 子どもは毎日、たくさんのことを考えている
  ただ上手に言葉にできないだけ
  わざと困らせることをしている?
 一番の思いは「お母さん大好き!」です
  頭の中は「お母さん」でいっぱい
  他の人と存在感が全然違う
  困らせようなんて少しも思っていません
 でも、「こうしたい」気持ちをガマンできない
  好奇心や冒険心に付き動かされる
  つい後先考えずにしてしまう
 お母さんは心の安全基地。お父さんは心の遊園地
  叱ることばかりで損な役回り・・・
  最後は絶対、お母さん
 子どもの気持ちがわかると子育てが一気にラクになる
  イライラしなくてすむようになる
第2章 大好きなお母さんに望むのは、たったこれだけ
 「お母さん大好き!」サイン、気づいてますか?
  言葉にせずともたくさん出している
  大好き!サイン①笑顔を見せる
  大好き!サイン②甘える
  大好き!サイン③「見て見て」と言う
  大好き!サイン④思ったことを何でも言う
  大好き!サイン⑤いろんな質問をする
  大好き!サイン⑥一番かわいい姿を見せる
 大好きなお母さんにこそ、してほしいこと
  どれもささやかな望みばかり
  愛情は具体的な行動で伝わるもの
 子どもの望み① 「いっぱい遊んでね」
  お母さんと一緒だと楽しさが10倍になる
  「ラップの芯で望遠鏡」でも最高の遊び
 子どもの望み② 「いっぱい手をつないでね」
  この上ない安心感を与えてくれる
  3歳まではたくさん抱っこを
 子どもの望み③ 「いっぱい言葉をかけてね」
  日常の何気ない関わりの中で
  特別な言葉でなくていい
 子どもの望み④ 「いっぱい笑顔にしてね」
  100回の笑顔は100回の幸せ
 子どもの望み⑤ 「いっぱい笑ってね」
  お母さんの笑顔を見ると安心する
  3秒の小さな笑顔を一日にたくさん
  「普通の顔」は「怒った顔」!?
 子どもの望み⑥ 「いっぱいほめてね」
  「叱られたら伸びる」子はいない
  「ちゃんと○○できたね」の認める言葉
  「して当たり前のこと」ほどほめよう
  しなかったとき叱らず、できたときほめる
 子どもの心はたった10秒で満たされます
  手間も時間もお金もかからない
第3章 「子どもの事情」がわかると怒る回数が減る
 子どもは「普通にしている」だけで怒られる!?
  言われた通りにしただけなのに・・・
  「困った行動」には子どもなりの事情がある
 子どもの事情① 経験と知識が絶対的に不足
  ほとんどが「故意」ではなく「過失」
  どんなことも10回は教わらないとできない
 子どもの事情② 手先が未発達で力が弱い
  不注意だからじゃありません
  時間がかかっても待ってあげよう
 子どもの事情③ したいと思ったら後先考えずしてしまう
  4歳くらいから変わってくる
 子どもの事情④ 言われたことの半分しか理解できない
  大人が思う以上にわかっていない
  「うん」「わかった」はただの条件反射
 子どもの事情⑤ 思ったことをうまく言葉で言えない
  「おばあちゃん、いつ死ぬの?」
  言葉通り受け取らない
  「お母さんなんかきらい!」の本心
 「事情」がわかると、怒る回数が確実に減ります
  「仕方ない」と思えるようになる
  口調が自然とやさしいものに
第4章 その「困った行動」にもちゃんとワケがある
 Q 忙しいときに限ってグズグズして困ります(3歳・女)
 Q 「おしっこは?」と聞くと、出そうなときも「ない」と言います(3歳・男)
 Q できないことがあると、すぐ泣きます。そのくせ手伝おうとすると怒る・・・(2歳・男)
 Q 生意気なことばかり言います。その割にはよく泣く・・・(5歳・女)
 Q 叱られてもニヤニヤしています(4歳・男)
 Q きつく叱ると、なぜか抱きついたり、「ママ好き」と言ったりします(3歳・男)
 Q しょっちゅう「あれ買ってえ」と言います(4歳・女)
 Q 下の子が生まれてから、赤ちゃん返りに困っています(4歳・男)
 Q 虫にとても残酷なことをし、恐ろしくなります(2歳・男)
 Q 何かと言い訳したり、ウソをついたりします(4歳・女)
 Q おもちゃを乱暴に扱います(5歳・男)
 Q 園ではきちんとしているらしいのに、家では好き放題です(5歳・女)
 Q 園に迎えに行っても、なかなか帰ろうとしません(4歳・男)
 Q 朝、園に行きたがりません。前はそんなことなかったのに・・・(3歳・男)
第5章 「あなたが大好き」をもっと子どもに伝えるには
 ときに言葉に出して「大好き」を伝えよう
  「ありがとう」の代わりに言ってみる
  月に一度でもいい
 本当はすでに、「大好き」サインをたくさん出しています
  日常の関わりの中でもう伝わっている
  抱っこも絵本を読むのも、みんな愛の証
 子どもの最大の理解者は、いつだってお母さん
  わが子が非難されたとたん代弁
  「この子は本当は、とてもいい子なんです」
  子どもの気持ちはとっくに見えていた

面白かった本まとめ(2014年上半期)

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瀬の本高原(熊本県阿蘇郡南小国町)での三愛レストハウスのバイキングはオススメ!

2014年08月20日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 熊本県阿蘇郡南小国町の瀬の本高原での三愛レストハウスへ行って来ました!
 瀬の本高原は高原が緑あふれて美しい場所でありそこにレストハウスがあるのですが、その2階では11:30~15:00(14:00オーダーストップ)のランチタイムに100種類の料理のバイキング(食べ放題)があったので行ってみました!

お値段はリーズナブルで、税込みで大人1420円、小学生は1000円、3歳以上は600円となります。

100種類とありますが、本当に多くてどれを選ぶか悩んでしまいますね。
野菜やフルーツが多いのが嬉しかったのですが、特に地元熊本の辛子レンコンがあったのはとても嬉しかったです!
また、鉄板焼でエビやイカなどの海鮮焼きも美味しかったですね。

1dsc00891
↑サラダやデザート料理

2dsc00893
↑肉や天ぷらなど

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↑フルーツや出にッ朱など

4dsc00894
↑煮物?など

またデザートもふんだんにありました。

5dsc00896
↑デザート

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↑デザート

それからチョコレートフォンデュがあったのには驚きました!

7dsc00890
↑チョコレートフォンデュ

8dsc00899
↑チョコレートフォンデュ

それから飲み物も充実していましたね。
地元の「くじゅう伏流水」や「ジャージー牛乳」は良いと思います。
また100%フルーツジュースも嬉しかったですね。

9dsc00888
↑地元の飲み物

10dsc00889
↑フルーツジュースなど

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↑紅茶、お茶

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↑コーヒー、ソフトクリーム

結局選んだのは、大きなプチトマトやきゅうりを含んだ野菜サラダに、冷や奴、肉じゃが、ひじき、野菜炒め、大学芋、味噌汁などと健康的でした!
飲み物は野菜・フルーツ100%ジュースでしたね!

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↑健康的な食事

瀬の本高原での三愛レストハウスでのランチバイキングは、リーズナブルで健康的でとてもオススメです!!

美味しかったものまとめ(2014年上半期)

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三愛レストハウス レストラン

昼総合点★★★☆☆ 3.5
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関連ランキング:郷土料理(その他) | 南小国町その他



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コッコファーム「たまご庵」(熊本県菊池市)はとてもオススメ!

2014年08月18日 01時00分00秒 | イベント・外出
<月曜はお勧めなおはなし>

 熊本県菊池市にあるコッコファーム「たまご庵」へ行ってきました!

このコッコファームはカンブリア宮殿というテレビ番組で日本一の卵直売所として紹介され、またレストランのオムライスがとても美味しそうで、ぜひ行ってみたいと思っていました。

 場所は、熊本県菊池市の国道325号沿いにあり、九州自動車道の植木ICより約40分ですね。
以前紹介した「道の駅 七城メロンドーム」が比較的近くにあります。

 なお「たまご庵」とは別にコッコファームの施設がありますのでそこと間違えないようにご注意ください。
私の場合、カーナビの地図が古かったのでそのもうひとつの施設に案内されました^_^;)
そのためカーナビで行く場合は「熊本県菊池市森北1077番地」を設定したほうが良いと思います

1dsc00653
↑コッコファームの外観

 この「たまご庵」の1Fは、「中央ホール」「バナナ館」「物販部」「レストラン」の4つで構成されます。

2dsc00624
↑たまご庵の案内

 「中央ホール」はいろんなイベントが行われるようです。
「バナナ館」「レストラン」
「物販部」では、卵に関するいろんなものを売っていて大盛況でしたね。

3dsc00634
↑物販部は盛況

 その中でも、3kg普通サイズ「朝取りたまご」1,234円などが人気なようです。

4dsc00638
↑朝取りたまご3kg普通サイズの案内

週末となると1日1,000箱も売れるようです。
「産みたての、新鮮でおいしい卵を直接お客に届けたい」という一心で、産卵から最速で店頭に出すために、自社で洗浄、殺菌、冷却、選別までを行うシステムを作り上げたようです。

また、卵のカラが薄かったり難点があるものをまとめた3kg926円という二級卵の格安のものもありましたね。
個人的にはこちらで十分かと思います。
ぜひ買って帰りたかったのですが、あいにく旅の途中で買うのを断念しました^_^;)

5dsc00636
↑二級卵

それから「秘伝 たまごかけ醤油」もとても美味しそうで買いたかったですね。
これは堪らない!

6dsc00637
↑たまごかけ醤油

それから、目の前で卵焼きも作られていました。
うぉぉぉ美味しそう!

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↑作成途中の卵焼き

それから11時過ぎだったので急いでレストランへ行きました。

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↑レストランの入口

運良く座れましたが、そのあとすぐかなりの待ち行列ができていました。
危なかったです。

店内は最近造られたようでかなりきれいでしたね。

9dsc00629
↑店内の様子

さっそくメニューを見ますが、人気NO.1のデミソースオムライスセット1,028円と人気NO.2の親子丼セット1,028円がとても美味しそう!
ここは初志貫徹でデミソースオムライスセットを注文します。
そのほか、家族で「たまご丼」単品720円(味噌汁・漬物付き)や、「トマトサラダ」370円、「紅うどりの焼肉」514円も注文しました。
鶏肉が苦手な方は「たまご丼」がオススメですね^_^)

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↑デミソースオムライスセット

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↑たまご丼

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↑トマトサラダ

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↑紅うどりの焼肉

 ファーストフードとは違って丁寧に作り、また満席のせいか、かなり時間が経って運ばれます。
 さっそくデミソースオムライスを口に入れますが、新鮮ふわふわ卵がとろ~りで、おぉぉぉ想像通りの美味しさで大満足です!
このふわふわ感が堪りませんね。
そして、卵スープが想像以上に美味しい!
出汁が効いて、卵の質が良いからでしょうね。
そして、サラダも新鮮で十分な量です。

またトマトサラダも値段の割には十分な量でしたね!
このレストランは大満足でしたね!

そして、バナナ館へ行きます。

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↑バナナ園の案内

コッコファームでは、生産したケイフンとたまごのカラを肥料としてバナナに与えているとのことです。
効率的ですね。
完全無農薬というのも嬉しいです!

緑色のバナナがたくさんできていましたね!
本物のバナナを見るのは初めてでしたね!

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↑たわわにできたバナナ

先端にバナナの花があるものもありました。

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↑バナナの花

なお、バナナは木ではなく、最大10mの巨大な草で、芭蕉科の多年草とのことです。

コッコファームは、新鮮な卵だけではなく、その加工食品、レストラン、バナナを堪能でき、とてもオススメです!!
お勧めなお話(2014年上半期)
自動車保険を安く!

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「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」(堀江貴文)という本はとてもオススメ!

2014年08月15日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」の購入はコチラ

 この「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」という本は、ホリエモンこと元ライブドアCEOの堀江貴文さんが著者です。

 著者は東京大学在学中の1996年、23歳のときに起業し、2000年に東証マザーズ上場を果たします。
 2004年から2005年にかけて近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などで世間を賑わせますが、2006年、33歳のときに証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6ヶ月の実刑判決を下されます。
 そして2013年3月に仮釈放され本書が執筆されます。

 本書ではその人生を幼少時代から振り返って以下のこと等について、前向きに生きることの大切さについて具体的に書かれていて、想像以上に良い本だと思いましたね。

・働くことの大切さやチャンスに躊躇なく飛びつくことの大切さ
・能動的にやることの大切さ
・信用を得ることの大切さ
・何事もチャレンジすることの大切さ
・自立することの大切さ
・仲間の大切さ
・変化に順応し未練を残さないことの大切さ
・有限の人生を大切に生きることの大切さ
・今を大切に生きることの大切さ

 また本書では初めてその生い立ちから起業するまでの家庭環境やコンプレックス等についても赤裸々に書かれていたので興味を持ちましたね。
 家庭環境はドライだったし、意外と女性に対しては苦手だったようです。
また、小学生の頃は特に百科事典を隅から隅までよく読んでいたから、学生時代は学力がかなりあったのだなぁと思いましたね。

 またヒッチハイクの経験が自身の営業力を増したというのは、自分もヒッチハイクや、ヒッチハイクの青年を車に乗せたこともあるので、共感しましたね。

 それから、たまに死に対する恐怖感が小学生の頃から突然沸き起こるようで、そのことからも必死に生きるし、有限の人生を前向きに大切に生きようと思うようです。
これも自分もたまにあることなので共感を覚えました。

「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」(堀江貴文)という本はとてもオススメです!

以下はこの本のポイントなどです。

・うちの父は「本」と名のつくものをほとんど読まない。家に書斎がないのはもちろん、まともな本棚もなければ、蔵書さえない。テレビがあれば満足、巨人が勝てば満足、という人である。そんな堀江家にあって、唯一読みごたえのある本といえば、百科事典だった。当時は百科事典の訪問販売が盛んで、日本中の家庭に読まれもしない百科事典が揃えられていた。きっと、百科事典を全巻並べておくことが小さなステータスシンボルだったのだろう。わが堀江家でも、その例外ではなかったわけだ。そこで小学校時代、僕はひたすら百科事典を読みふけった。事典として気になる項目を拾い読みしていくのではない。第一巻、つまり「あ行」の1ページ目から、最終巻「わ行」の巻末まで、ひおつの読み物として通読していくのだ。感覚的には読書というより、情報から情報へとネットサーフィンしているオタク少年に近いだろう。リニアモーターカー、コンピュータ、そしてアポロ宇宙船や銀河系。百科事典には誇張も脚色おない。映画や漫画で見てきたような話が、淡々とした理論の言葉で紹介されている。星の名前も国の名前も、遠い昔の国王も、すべて百科事典で覚えた。ページをめくるたびに新たな発見があり、知的好奇心が刺激されていった。インターネットも携帯電話もない時代。僕にとっての百科事典は、社会に開かれた唯一の扉だったのだ。

・百科事典のおかげだとは思わないが、小学校時代、勉強はダントツだった。テストや教科書なんて、簡単すぎてつまらない。みんなが「わからない」と言っている、その理由がわからない。申し訳ないが、先生さえも間抜けに見えていたくらいだ。たとえば算数のテストだど、僕は10分とかからず全問解き終えてしまう。もちろん毎回100点だ。みんなが40分もかけている理由が、まったく理解できなかった。

・田舎の子どもらしく、みんなで山に登ったり、川辺で遊ぶこともあった。決して友達がいなかったわけではない。楽しい思い出がないわけではない。けれど僕は、いつもどこかで醒めていた。ここが自分の居場所でないような、自分だけみんなと切り離されたような、言葉にできない疎外感を抱いていた。そんな僕に、はじめての理解者が現れる。小学3年生の担任だった、星野美千代先生だ。福岡時代の僕いとって、唯一「恩師」と呼べる先生である。星野先生は、僕の生意気なところ、面倒くさいところ、そして不器用なところを、すべておもしろがってくれた。せっせと百科事典を読んでいることも、祖母が毎日唱えていたお経をいつの間にか暗記してしまったことも、全部ほめてくれた。こんな僕にも理解者がいて、応援してくれる人がいる。それだけでうれしかった。そしてなにより、星野先生が他の大人と違ったのは「みんなに合わせなさい」と言わなかったことだ。むしろ、みんなに合わせる必要なんてない、その個性をもっと伸ばしていきなさい、と教えてくれた。3年生の終わりごろ、先生は僕をつかまえてこんな話をした。「堀江くん、あなたはここにいたらもったいない。八女から出ないと、ずっとこのままよ。久留米に「全教研」という進学塾があるから、そこに行きなさい。そうすれば、あなたみたいな友達が何人もいるはずだから」最初は先生がなにを言っているのか、意味がわからなかった。学年でダントツのトップだった僕に、100点しかとったことのない僕に、塾に行けというのだ。それまで僕は、塾なんてお金持ちの子どもか、勉強のできない子どもが行くところで、自分には無縁の世界だと思っていた。しかし先生は、そうじゃないという。このまま八女の公立中学に進むのではなう、久留米にある中高一貫の私立校、久留米大学附設中学校に行きなさい。あなたの居場所はそこにあるのだから、と。結局僕は、星野先生の後押しもあって、4年生から福岡県久留米市の進学塾に通うことになる。いまでも不思議に思うことがある。もしも星野先生のアドバイスがないまま地元の公立中学に通っていたら、どうなっていたのだろう?地元の空気に染まり、地元の仲間と楽しく過ごし、地元でなにかの仕事を見つけ、地元で家庭を築いていたのだろうか。その人生がいいとか悪いとかではなく、いまの僕にはまったく想像がつかないことだ。僕にとってはじめての理解者であり、真っ暗な道に光を差してくれた人、星野先生。もしも再会できることがあったら、泣き出してしまうかもしれない。いまの僕があるのは、間違いなく星野先生のおかげなのだ。

・塾に集まる子どもたちもまた、みんなおもしろかった。たとえば孫正義さんの弟で、現在「ガンホー・オンライン・エンターテイメント」の会長をしている孫泰蔵くんも、同じ塾の同級生である。彼はその後、中学・高校でも同級生となる仲だ。同じクラスになることはなく、親友とまでは言えなかったものの、廊下などで会えば軽く言葉を交わす「タイゾーくん」である。

・どうして両親はアルバイトを奨励していたのだろう?おそらく両親は勉強よりもずっと大切な、「働くこと」の価値を教えたかったのだと思う。なんといっても、趣味らしい趣味も持たないまま10代のうちから働き続け、わが子の授業参観を蹴ってまで「働くこと」を選んだ両親だ。たとえば2台目のパソコンを買うことを認め、20万円もの購入資金を貸してくれたのも、僕の熱意にほだされたわけではない。ただ単に新聞配達という「仕事」を経験させたかったのだ。感覚としては、柔道の道場に送り込んだときと近い。勉強もできて、口だけは達者だった僕に、仕事を通じて社会の厳しさやお金の大切さを知ってほしかったのだろう。しかし残念なことに、僕は新聞配達からなにも学べなかった。これも柔道のときと同じで、新聞配達を楽しいと思ったことは一度もない。朝が弱い僕にとって、毎朝5時台におきての配達作業はただの拷問でしかなかった。達成感らしい達成感もなく、はじめてのバイト代を受け取ったときも、「こんなに苦しい思いをして、たったのこれだけか」という落胆に似た気持ちしかなかった。

・およそ1ヶ月、試行錯誤を繰り返しつつも無我夢中でプログラミングしていった。ご飯のときも、お風呂に入っているときも、ずっとシステムのことばかり考えていた。中学2年生、14歳のときのことである。作業が無事終了し、受け取った報酬はおよそ10万円。中学生にとってはかなりの大金だが、金額のことはどうでもよかった。僕にとってないよりも大きかったのは、自分の能力を生かし、自分が大好きなプログラミングを通じて誰かを助け、しかも報酬まで得ることができた、という事実だ。新聞配達のように、誰にもできる仕事ではない。クラスの友達にできないのはもちろん、うちの両親にもできないし、学校の先生にも、塾の講師たちにもできない。プログラミングが得意な僕だったからこそ、直接指名を受けた仕事だ。「そうか、働くってこういうことなんだ」僕のつくったシステムに講師の人たちが驚きの声を上げ、握手を求め、そしてたくさんの生徒が学んでいく。僕の流した汗が誰かの役に立つ。この仕事をやり遂げたときの達成感、誇らしさ、そして報酬を受け取ったときの感慨は、とても勉強や新聞配達では味わえない種類のものだった。生まれてはじめて、「堀江貴文」という存在を認めてもらった気がした。

・僕が掲げていた最大の目標、それは「ここ」から脱出することだった。それが九州なのか、福岡なのか、八女なのか、あるいは堀江家なのか、よくわからない。とにかく、もう「ここ」での生活には、うんざりしきっていた。じゃあ、どんな進路が考えられるだろう?友達の多くは地元の国立、九州大学への進学を考えている。「九大」といえば、九州でいちばんのエリートコースだ。でも、僕にとっては絶対にありえない選択肢だった。もしも九大となれば、またも実家からの通学を強制される可能性がある。かといって、わざわざ大阪や名古屋をめざす気にもなれない。やはり、行くとなれば東京だ。早稲田や慶應はどうだろうか?・・・いや、東京の私立大に行くなんて、金銭的に無理である。学費を理由に「九大に行け」と言われて終わるだろう。それでは、同じく都内の国立大である「一橋はどうか?・・・これも論外だ。そもそも、うちの両親が一橋を知っているかどうかも怪しいし、おそらく一橋や早慶よりも九大のほうが偉いと思っている。それが九州人のメンタリティというものだ。そうやって考えていくと、僕が「ここ」から脱出するためには圧倒的な説得材料が必要だった。どんな強情な人間でも認めざるを得ない、最大級の結果が必要だった。考えを重ね、出てきた結論に目眩がしそうになる。僕は自分に、しかと言い聞かせた。他に選択肢はない。うちの親でも知っている日本一の大学、東大に合格するしかないのだ。それは、失われた自尊心を取り戻すための挑戦でもあった。

・いかにも血のにじむような努力をしたように思われるかもしれない。しかし、そんな意識はまったくなかった。実際僕は、どんなに追い込まれても毎日10時間の睡眠を確保するようにしていたほどだ。要は起きている14時間をすべて-これは食事や風呂を含めて-勉強に充てればいいのである。勉強でも仕事でも、あるいはコンピュータのプログラミングでもそうだが、歯を食いしばって努力したところで大した成果は得られない。努力するのではなく、その作業に「ハマる」こと。なにもかも忘れるくらいに没頭すること。それさえできれば、英単語の丸暗記だって楽しくなってくる。これは中学時代にコンピュータのシステム移植の仕事を通じて学んだ結論だ。あの仕事はたしかに大変だった。ギリギリだった。でも、その大変さも含めてすべてが最高に楽しかった。何事も得意だとか苦手だとかいう先入観で物事を判断せず、目の前の作業にハマッてしまえばいいのである。実際、単語帳の丸暗記はおもしろくてたまらないゲームとなり、英語についてはほぼこれだけの勉強で、3年冬のセンター模試で9割以上の正解率を叩き出した。F判定だった模試も回を重ねるごとにE判定、D判定となり、最終的にC判定まで上昇する。楽観的すぎるのかもしれないが、このC判定をもらった段階で「よし、これで合格できる!」と確信した。結果的に、僕はどうにか現役で東大に合格することができた。あからさまな劣等生だった僕の合格に、職員室は大騒ぎだたようだ。しかし、うちの両親はそこまで大喜びというわけではなかった。仕送りのことが頭をよぎったのか、それともひとり息子の状況が寂しかったのか、あるいは感情表現が苦手すぎるせいなのか。きっとすべてが入り交じっていたのだろう。

・上京するために荷物をまとめていたとき、背中を向けた父がボソッと「まあ、お前が卒業してこっちに帰ってきたときには・・・」とつぶやいた。顔を上げると、さほど大きくない父の背中が、余計に小さく見えた。帰ってくる!?僕が?なにを言っているんだろう?八女に生まれたこの人は、これからもずっとこの地で生きていくのだろう。見慣れた景色に囲まれ、見慣れた仲間とともに生きていく。その人生を否定するつもりはないし、そういう幸せだってあるのかもしれない。でも、僕は前を向いてしまったのだ。一度しかやってこない人生の特急列車に、飛び乗ってしまったのだ。この先どんな困難が待ち受けていようと、後ろを振り返るつもりはなかった。ちゃんと言葉を返すべきだったのだろうか。もう帰ってくることはないと、言葉にして伝えるべきだったのだろうか。うまく返事のできないまま、僕は黙ってカバンに荷物を詰め込んだ。

・僕らのヒッチハイクは無敵だった。たとえば夜中に、串カツが登場する料理漫画を読んで、「よし、いまから大阪に行って、串カツ食べるぞ!」と港北パーキングエリアに出かけ、ヒッチハイクをはじめる。そして翌日の昼には、大阪で本場の串カツを食べているのだ。好きなときに、好きな場所に、1円も使わず出かけられるフリーパスチケット。財布が空でも勇気ひとつでどこにでも行ける圧倒的な自由。この快感は、普通の旅では得られないものがある。結局、ヒッチハイクによる小さな成功体験を積み重ねることで、僕はコンプレックスだらけの自分に自信を持てるようになっていった。もう見知らぬ人に声をかけるのも怖くない。交渉だって、うまくできる。自分の殻を打ち破ったという、たしかな手応えがあった。僕が起業後にも臆することなく営業をかけていくことができたのは、このヒッチハイクの経験があったからこそなのだ。

・友達からヒッチハイクに誘われて、やってみるのか、断るか。あるいは友達からおもしろそうなイベントに誘われて、参加すのか、しないのか。イベント会場で積極的に話をしようとするのか、会場の隅で傍観者になるのか。いずれもとるに足らない、些細なことだ。しかし僕は、あらゆる人の一生とは、こうした小さな選択の積み重ねによって決まってくるのだと思っている。これはチャンスの問題なのだ。

・チャンスについて語るとき、僕はよく昔話の「桃太郎」を例に挙げる。川で洗濯をしていたおばあさんは、大きな桃に飛びついた。奇妙な桃だと怖がらず、洗濯中だと無視もせず、とにもかくにも飛びついた。鬼退治の物語は、おばあさんが桃に飛びつくところからはじまるのだ。そしてチャンスとは、あらゆる人の前に流れてくる。大きな桃じゃないかもしれない。葉っぱ一枚のこともあるだろう。それでも、目の前に流れてきたチャンスに躊躇なく飛びつくことができるのか。そこが問題なのである。

・僕はこの「チャンスに飛びつく力」のことを、向上心とか目的意識とか、そんな堅苦しい言葉で語りたくはない。もっとシンプルな、人としえの「ノリのよさ」だと思っている。フットワークの軽さ、好奇心の強さ、そしてリスクを承知で飛び込んでいける小さな勇気。それらの総称が「ノリのよさ」だ。ちなみに言うと、女の子の前でキョドっていた僕は、女の子に対する「ノリのよさ」が欠落していたことになる。せかくのチャンスをみすみす逃し、フットワークを重くしていたのだ。チャンスの見極め方がわからない?桃と葉っぱの見分けがつかない?僕に言わせると、その発想がすでに「ノリの悪さ」を表している。チャンスを見極める目なんて、必要ないのだ。少しでもおもしろいと思ったら、躊躇せず飛び込む。そうしないと、せっかくやってきたチャンスは流れる桃のように過ぎ去ってしまう。たとえばの話、この本を読んで「よし、自分もヒッチハイクをやってみよう!」と思える人、行動に移せる人は、その後の人生でも多くのチャンスをつかむことができるだろう。一方、「さすがにヒッチハイクなんて・・・」と思ってしまう人は、目の前に流れるチャンスを掴めないまま、凡庸な人生が待っているのかもしれない。小さな成功体験の前には、小さなチャレンジがある。そして小さなチャレンジとは、「ノリのよさ」から生まれる。ノリの悪い人は、人生の波にも乗れない。もちろん血肉となるような経験も得られず、自信にもつながていかない。シンプルに考えればいい。すべては「ノリのよさ」からはじまるのだ。

・おそらく、当時インターネットがビジネスになると「真剣に」考えていたのは、日本中で100人くらいだったと思う。僕は幸いにも100人のうちの1人に入ることができた。まさに川を流れる大きな桃だ。このチャンスを逃してしまったら、必ず後悔してしまう。僕は書店に駆け込み、「有限会社のつくり方」という本を手に取った。誰もやらないのなら自分でやるしかない。いま、このタイミングでやらなければ、あっという間に1000人が気づき、1万人が気づき、僕は「その他大勢」になってしまう。そうなれば資本の力に負けてしまうだろう。何者でもない学生の僕に勝機があるとすれば、スピードだ。そこで勝つしかない。もともと会社員になるつもりはなかったし、起業の意志は持っていた。本を読むかぎり、会社をつくるのなんて簡単だ。アルバイト先の会社に独立の意思を伝えると、月70万円という破格の給料を提示されてまで慰留を受けたが、それも断って退路を断った。急げ、急げ、急げ-。そして1996年の4月、僕は東大に籍を置いたまま「有限会社オン・ザ・エッヂ」を起ち上げる。

・人生が豊かになっていかない根本原因は、なによりも「時間」だ。有限かつ貴重な時間を、無条件で差し出さざるを得ない状況。時間以外のリソースをなにも持ちえていない状況が、根本原因なのだ。だから僕は、もう一度言いたい。お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に変えていこう。儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう。僕は20代の早い段階で、お金から自由になることができた。それはたくさんのお金を得たからではない。仕事に対する意識が変わり、働き方が変わったか、お金から自由になれたのだ。

・やりがいとは、業種や職種によって規定されるものではない。そして「仕事をつくる」とは、なにも新規事業を立ち上げることだけを指すのではない。能動的に取り組むプロセス自体が「仕事をつくる」ことなのだ。すべては仕事に対する取り組み方の問題であり、やりがいをつくるのも自分なら、やりがいを見失うのも自分だ。どんな仕事も楽しくできるのである。

・これは自分でも不思議だったのだが、僕は受験勉強が好きだった。学校の勉強はあんなに嫌いだったのに、中高時代はとてつもない落ちこぼれだったのに、受験勉強だけは好きになることができた。なぜ好きになったのだろう?仕事でも勉強でも、あるいは趣味の分野でも、人が物事を好きになっていくプロセスはいつも同じだ。人はなにかに「没頭」することができたとき、その対象を好きになることができる。スーパーマリオに没頭する小学生は、ゲームを好きになっていく。ギターに没頭する高校生は音楽を好きになっていく。読書に没頭する大学生は本を好きになっていく。そして営業に没頭する営業マンは、仕事が好きになっていく。ここで大切なのは順番だ。人は「仕事が好きだから、営業に没頭する」のではない。順番は逆で「営業に没頭したから、仕事が好きになる」のだ。心の中に「好き」の感情が芽生えてくる前には、必ず「没頭」という忘我がある。読書に夢中で電車を乗り過ごしたとか、気がつくと何時間も経っていたとか、いつの間にか朝を迎えていたとか、そういう無我夢中な体験だ。没頭しないままなにかを好きになるなど基本的にありえないし、没頭さえしてしまえばいつの間にか好きになっていく。つまり、仕事が嫌いだと思っている人は、ただの経験不足なのだ。仕事に没頭した経験がない、無我夢中になったことがない、そこまでのめり込んだことがない、それだけの話なのである。

・自分でつくったルール、自分で立てたプランだったら、納得感を持って取り組むことができるし、やらざるをえない。受動的な「やらされる勉強」ではなく、能動的な「やる勉強」になるのだ。受験勉強から会社経営、そsれに紙袋折りまで、僕はいつも自分でプランを練り、自分だけのルールをつくり、ひたすら自分を信じて実践してきた。会社経営にあたっても、MBAを出たわけでもなければ、経営指南書の一冊さえ読んだことがない。ルールづくりのポイントは、とにかく「遠くを見ないこと」に尽きる。受験の場合も、たとえば東大合格といった「将来の大目標」を意識し続けるのではなく、まずは「1日2ページ」というノルマを自分に課し、来る日も来る日も「今日の目標」を達成することだけを考える。人は本質的に怠け者だ。長期的で大きな目標を掲げると、迷いや気のゆるみが生じて、うまく没頭できなくなる。そこで「今日という1日」にギリギリ達成可能なレベルの目標を掲げ、今日の目標に向かって猛ダッシュしていくのである。

・突き抜けられる人と、そうでない人の違いは、次の一点に尽きる。物事を「できない理由」から考えるのか、それとも「できる理由」から考えるのか。それだけだ。突き抜けられるかどうかは能力の差ではなく、意識の差なのである。もしあなたが「やりたいことが見つからない」と悩んでいるのなら、まずは「できっこない」という心のフタを外していこう。何事も「できる!」という前提に立って、そこから「できる理由」を考えていくのだ。

・単純計算するなら、この国で働く人のうち「15人に1人が経営者」なのだ。ひとりで複数の会社を経営しているパターンを差し引いて考えても、おそらく「20人に1人」くらいの割合に収まるだろう。この数字を前にしても、まだ「できっこない」と言えるのだろうか?誰でもできると考えるのが普通じゃないだろうか?電器屋のオヤジさんも、ラーメン屋の大将も、喫茶店のマスターも、みんな経営者としてお店を切り盛りしている。もちろん学歴なんて関係ない。彼らが独立し、起業できた理由はひとつしかん。あれこれと「できない理由」を考えず、「できる理由」だけを考えたからだ。

・起業によって「失うかもしれないもの」を心配するのではなく、起業によって「得られるもの」を考える。あるいは、会社員を続けることのデメリット-出世の遅さ、つまらない権力争い、足の引っ張りあいなど-を冷静に列挙してみる。それでも不安なときには、町の「経営者」たちを思い出す。20人に1人が「経営者」であることを思い出す。そうすれば、僕が起業をすすめる理由もわかってもらえるだろう。いまの会社に不満があるのなら、行きたい就職・転職先が見当たらないのなら、我慢を選ばず起業を選ぼう。お金を「もらう」だけの仕事から、自ら「稼ぐ」仕事に変えていくのだ。

・お金に投資する時代は、もう終わった。これからの時代を生きるあなたには、「お金」ではなく、自らの「信用」に投資することが求められている。ほんとうに困ったとき、人生の崖っぷちに追い込まれたとき、失敗してゼロに戻ったとき、あなたを救ってくれるのはお金ではなく、信用なのだ。

・ハッタリをかますこと、背伸びをすることは、決して悪いことじゃない。他者からの信用を獲得していくために、絶対に乗り越えなければならないハードルなのだ。80の力しかないのに100の仕事を引き受け、それを全力で乗り越える。すると次には120の仕事を依頼してもらえるようになる。信用とは、そうやって築かれていくものなのだ。プライベートでも同じである。初対面の人ばかりが集まる飲み会に誘われたとき、目上の人ばかりいるパーティーに誘われたときでも、自分に自身があれば物怖じせずに参加して、そこから新しい関係を築くことができる。100人の人間と知り合って、100人すべてから信用されることはないだろう。あなたの努力や人間性にかかわらず、あなたを嫌う人は一定数いる。あなたの理解者となってくれるのは100人中10人程度かもしれない。でも、それでいいのだ。もしも100人中10人が理解してくれるのなら、1000人に会えば100人が理解してくれる。万人から愛されようと自分の信念を曲げるのではなく、単純に分母を増やしていけばいいのだ。信用の「ゼロからイチ」は、まず自分で自分を信じるところからはじまる。

・僕からのアドバイスはひとつ、「全部やれ!」だ。ストイックにひとつの道を極める必要なんてない。やりたいことは全部やる。節操がないとか一貫性がないとか批判されようと、全部やりきる。僕はそうして生きてきた。なぜなら、人は「ここでいいや」と満足してしまった瞬間、思考停止に突入してしまうのだ。そして思考を停止した人は、一気にオヤジ化してしまう。常識に縛られ、前例を重んじ、新しい可能性や未知へのチャレンジをすべて拒絶し、たとえ20代であっても心がオヤジ化してしまうのだ。酒を飲めば「あのころはよかった」と思い出話をくり返し、若い世代の頭を押さえつける。僕は絶対にそんな人間にはなりたくないし、できればあなたにもそうなってほしくない。人生のどの段階においても「いま」がいちばん楽しく、充実している自分でありたい。だからこそ、「全部やれ!」なのである。常に新しい分野に目を向け、新しい出会いをつくり、新しい情報を浴びて、思考と行動を繰り返す。止まることなく、休むことなく、動き続ける。思考停止が持つ力を甘く見てはいけない。人は少しでも油断すると思考停止に足を踏み入れ、「ここでいいや」と安住の地を求めてしまう。

・常識を疑い、自分の頭で物事を考えていくためには、ひとつ乗り越えておかなければならない条件がある。自立だ。特に親元を離れることである。精神的に親から自立して、物理的、そして経済的にも自立すること。この一歩を踏み出したとき、人はようやく「自分の頭」で物事を考えられるようになる。念のため断っておくと、僕だって親に仕送りはするし、たまには旅行に連れて行くこともある。それは育ててくれた親に対する、当たり前の気持ちだ。あえて強調することでもないし、これまでほとんど公言してこなかった。しかし、感謝の念とは別に、僕は両親との間に明確なラインを引くよう心掛けてきた。具体的には、こんな一線だ。どんなに困ったときにも、親には頼らない。どんなに追いつめられても、親の前では弱音を吐かない。もしもそれをやってしまったら、僕は再び「あの人たちの子ども」になってしまう。血縁的に息子であることは変わらなくても、気持ちの上ではひとりの大人でありたい。それが、僕にとっての自立だった。「親元を離れる」とは、単にひとり暮らしをすることではない。もっと精神的な問題なのだ。

・離婚はかなりギリギリの選択だったと、いまでは思う。けれども僕は、このとき決めたのだ。逃げることをやめて、この孤独と正面から向き合おうと。孤独だから寂しいからといって、他者やアルコールに救いを求めていたら、一生誰かに依存し続けることになる。この孤独は、僕が自分の責任で引き受けなければならないものなのだ。僕は、連日のバー通いにピリオドを打ち、仕事の合間を縫ってスポーツジムに通いはじめた。広すぎる一軒家も引き払い、新しいマンションに越した。外食の回数を減らし、自炊もするようにした。仕事にも俄然やる気が出てきて、再び全速力で走りはじめた。近鉄バファローズの買収に名乗りを上げ、メディアに大きく登場するようになったのは、ちょうどそんなころのことだった。当時の僕に、怖いものはなにもなかった。あの孤独を乗り越えられたのだから、もうどんな困難に襲われても動じない。誰がなんと言おうと、自分の信じた道を突き進むことができる。いま、なかなか一歩を踏み出せずにいる人は、孤独や寂しさへの耐性が足りないのではないだろうか。少しでも寂しくなったら、すぐに誰かを頼る。孤独を感じたら、誰かに泣きつく。そんなことでは、いつまでたっても自立することはできず、自分の頭で決断を下すこともできない。友達は大事だ。家族も大事だ。でも、ひとりで孤独を受け止める強さを持ってこそ、真の自立を果たすことができるのである。

・実際、僕は仲間に恵まれていた。それを強く思い知らされたのは、僕が逮捕され、東京拘置所に身柄を拘束されていたときのことだ。僕のような特捜部案件の経済事件の被疑者は、すべての人間との接見が禁じられ、担当弁護士としか面会できない。取り調べ以外の時間は、ずっと独房に閉じこめられたままだ。外部の情報をシャットアウトするよう、新聞や雑誌の購読も許されない。世間がどうなっているのか、これから自分がどうなるのか、誰を信じればいいのか、まったくわからない。まさに孤独との戦いを強いられることになるわけだ。僕は少しずつ追いつめられていた。そんなある日、面会に訪れた弁護士さんたちが2枚の色紙を持ってきてくれた。黙って差し出された色紙に目をやると、そこにはライブドア社員からの応援メッセージがびっしりと書き込まれていた。個性豊かな一人ひとりの筆跡。直球ど真ん中の熱い言葉で応援してくれる社員。明るく元気な言葉を送ってくれる社員。遠慮がちに小さく、けれど力強い言葉をしたためた社員。みんなの笑顔が浮かび、それぞれの思いを色紙に書き記す姿が、ありありと浮かんできた。気がつくと僕は、声を上げて号泣していた。すべてを失ったつもりでいたけど、なにも失ってない。僕にはこんなに熱くて、こんなに最高な仲間がいるじゃないか!涙が止まらない。彼らだって、ライブドア社員というだけで、あのホリエモンの部下というだけで、世間から白い目で見られているだろう。僕のことを恨みたくなったり、疑いたくなったこともあっただろう。それでもみんな僕を信じて、こんなに熱いメッセージを送ってきてくれたんだ・・・。・・・ありがたい。ただただ、ありがたかった。大声で号泣する僕を見て、弁護士さんたちも泣いていた。「いいんだよ、堀江君。どんなに泣いてもいいんだよ。涙と一緒に、嫌なこともすっきり洗い流せるんだから」弁護士さんは、涙声で僕を励まそうとしてくれる。そう、なにも恥ずかしがることじゃない。精一杯突っ張って生きてきたけど、背伸びをして生きてきたけど、僕は弱くてちっぽけな人間なんだ。ひとりではなにもできない人間なんだ。いま僕はこれだけたくさんの、すばらしい仲間に囲まれて生きている。働くことを通じて、こんな幸せに恵まれている。僕の歩んできた道は、決して間違いじゃなかった。心の底からそう思えた。もしもいま、あの色紙にメッセージを書いてくれた元ライブドア社員に会えるとしたら、一人ひとりの目を見てお礼を言いたい。みんな、ほんとうにありがとう。みんなと一緒に走り抜けた日々は、僕の宝だ。みんな仲間にできたことを、心から誇りに思う。

・万物は流転する。すべては流れる川のように、ひとときとして同じ姿をとどめない。たとえば鏡に映る昨日の自分と今日の自分は、どこにも違いがないように見える。しかし、5年10年と経てば大きな違いが出ているはずだ。それはどこかの段階で大きく変わったのではなく、日々刻々と小さな変化を積み重ねた結果なのだ。昨日の自分と今日の自分は、さっきの自分といまの自分は、違っているのである。諸行無常の原則は、組織やビジネス、さらには人間関係にも当てはまる。組織は動き、ビジネスは変化する。大小さまざまな出会いと別れが、人間関係を更新していく。現状維持などありえない。僕は変わり、変わらざるをえない。僕を取り囲む環境もまた、変わっていく。なにを得ようと、なにを失おうと、未練など生まれるはずもないのだ。

・人が前に進もうとするとき、大きく3つのステップを踏むことになる。
①挑戦・・・リスクを選び、最初の一歩を踏み出す勇気
②努力・・・ゼロからイチへの地道な足し算
③成功・・・足し算の完了
このステップを着実に踏むことで、小さな成功体験が得られる。そして小さな成功体験を積み重ねていった先に、成長がある。これはアスリートからビジネスマンまで、すべてに共通する話だ。僕自身、このサイクルを高速回転させることによって成長してきたという自負がある。努力という言葉には、どうしても古くさくて説教じみた匂いがつきまとう。できれば僕だって使いたくない。でも、挑戦と成功の間をつなぐ架け橋は、努力しかない。その作業に没頭し、ハマッていくしかないのである。成功したければ挑戦すること。挑戦して、全力で走り抜けること。その全力疾走のことを、人は努力と呼ぶ。

・はじめて死を意識したのは忘れもしない、小学1年生の秋である。学校からの帰り道、一緒に下校していた友達と別れ、自宅へと続く一本道を歩いていたときのことだった。深まる秋に、すでに空は赤く染まっている。足元には枯れ葉が舞い上がり、冷たい風の吹き抜ける夕方だった。これといって考えごとをしていたわけではない。なのに突然、気がついた。「僕は、死ぬんだ」人はみな、いつか死んでしまう。お父さんもお母さんも、いつか死ぬ。そして僕も、死んでしまうんだ。この世から消えてなくなってしまうんだ・・・!!あたりの景色が暗転したような、猛烈な恐怖に襲われた。気がつくとその場にうずくまり、うなり声を上げながら頭を抱えていた。僕は死ぬんだ。消えてなくなるんだ。死んだらどうなるんだ、僕はどうすればいいんだ!!嫌だ、嫌だ、死にたくない!!この日の帰り道以来、僕の脳裏から死への恐怖が消えることは一度もなかった。ぼんやりと物思いにふけっているとき、一人で道を歩いているとき、電気を消して眠る前。突如として「僕は、死ぬんだ」「この世から消えてしまうんだ」という恐怖に襲われる。まるで発作を起こしたかのように、頭を抱えて「ウワーッ」とうなり声を上げる。誇張しているのではない。この発作は中高時代も、大学時代も、そして大人になってからも定期的にやってきた。人はなぜ死ぬのか。いや、それ以上になぜ「僕」は死ぬのか。僕が死んだら、どうなるのか。考えても考えても答えは出てこない。夏の終わりにセミが死ぬように、縁日で買った金魚が死んでしまうように、人は、僕は、ひたすら死に向かって歩を進めている。大人たちが平然と暮らしている理由が、さっぱりわからなかった。まさか自分だけは死なないとでも思っているのだろうか。しかし、会社を起業してからしばらくしたある日、「あれっ?」と我に返った。考えてみるとこの2年ほどの間、あの発作に襲われていなかったのである。死の恐怖を克服したわけではない。いまだに怖い。ただ、死について考える時間がなかった。ぼんやり物思いにふける時間がなかった、それだけの激務を走り続けていたのだ。「そういうことだったのか」長年抱えてきた疑問が、ようやく氷解した気がした。パソコンでも受験でも、競馬や麻雀でも、僕は一度その対象にハマり込んでしまうと、異常なほどに没入してしまう。周りのことがなにも見えなくなる。なぜそこまでハマるのか、昔は不思議でたまらなかった。でも、おそらくこれは、僕なりの生存戦略だったのだ。なにかに没入することで、死を遠ざける。死について考える時間を、可能な限り減らしていく。僕は死を忘れるために働き、死を忘れるために全力疾走し、死を打ち消すために生を充実させていたのだ。

・僕らは「自分の時間」を生きるのか、それとも「他人の時間」を生かされるのか、を常に意識化しておく必要がある。営業マンの無駄話に付き合わされるとき、あなたは「他人の時間」を生きている。大好きな仲間と飲みに行くとき、あなたは「自分の時間」を生きている。与えられた仕事をやらされているとき、あなたは「他人の時間」を生きている。自ら生み出す仕事に臨んでいるとき、あなたは「自分の時間」を生きている。いずれの時間も、刻一刻と過ぎていく。今日という日に与えられた24時間をどう振り分けるか、という話だ。若いとき、たおえば19歳や20歳くらいの間、人は自分が歳をとる姿をうまく想像できない。自分だけは歳をとらないような、この若さが永遠に続くような錯覚にとらわれる。もしかするとあなたも同じ感覚でいるかもしれない。しかし、時間は永遠ではない。残酷なほど有限なものだ。その有限なる時間、つまり命を、どう使っていくのか。いかにして無駄を減らしていくのか。そこをもっと真剣に考えるのだ。

・僕は、毎日できるだけ8時間は睡眠をとるように心がけている。有限なる時間と聞いたとき、ふつうは「1日は24時間しかない。だから、6時間とっていた睡眠を4時間に減らそう。そうすれば2時間分だけ自由に使うことができる」と考えるだろう。実際、書店に足を運ぶと短眠術を指南する本もたくさん出回っている。しかし、1日24時間しかないからこそ、しっかり8時間眠るのだ。そうすると、実質1日16時間しかなくなる。無駄なことはできないし、無駄を省こうという意識づけができやすくなる。そしてなにより、しっかりと睡眠が取れていると、日中の集中力が段違いに高まる。仕事の質は、ひとえに「集中力×時間」で決まるものだ。寝不足のぼんやりした頭で10時間働くよりも、集中力を極限まで高めて2時間働いたほうが、ずっといい仕事ができる。6時間の睡眠を4時間に削ったところで、ぼんやりした時間が増えるだけだ。それだったら集中力を高める方法を模索するほうがずっと建設的だし、成長も早いだろう。有限であるからこそ、時間の使い方に知恵を絞るようになるのだ。

・僕らの人生には「いま」しか存在しない。過去を振り返っても事態は変わらず、未来に怯えても先へは進めない。かけがえのない「いま」に全力を尽くすこと。脇目も振らず集中すること。将来の自分とは、その積み重ねによって形成されていく。だから僕は仕事をする上でも、できれば1ヶ月、せめて半年くらいで結果が出るようなプロジェクトばかりを動かしていたい。その範囲であれば、いろいろな計画も立てられるし、集中力をもって実行に移していける。

・成功者の足を引っ張って、なにが得られるというのだろう?2013年に惜しまれつつも他界したマーガレット・サッチャー元英国首相は、こんな言葉を残している。「金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない」他人の足を引っ張り、引きずり下ろしたところで、気が晴れるのは一瞬のことだ。むしろ、時間が経つほど空しさや苦々しさに襲われるに違いない。なぜなら、あなたの居場所はまったく変わらず、ゼロ地点のままなのだから。他者を羨ましいと思う気持ちがあるのなら、その人の足を引っ張るのではなく、自分で一歩を踏み出そう。他者を引きずり下ろすのではなく、自分が這い上がろう。先行く他者にブレーキをかけるのではなく、自分がアクセルを踏もう。成功者をバッシングするのか、それとも称賛するのか。これは「嫉妬心」と「向上心」の分かれ道であり、ゼロにイチを足せるかどうかの試金石である。少なくとも僕は、嫉妬にまみれた人生なんて送りたいとは思わない。すべての羨望は、向上心に転換可能なのである。

・僕の目に映る未来は明るい。それはひとえに自分を信じ、仲間を信じているからだ。この明るい未来を、あなたと共有できるとしたら最高だ。さあ、前を向いて最初の一歩を踏み出そう。バックミラーを見るのは、もうたくさんだ。有限の人生、絶望しているヒマなんかないのである。

<目次>

第0章 それでも僕は働きたい
 すべてを失って残ったもの
 嗚咽号泣した孤独な夜
 いまこそ、「働くこと」を考えたい
 カッコ悪さもすべて語ろう
第1章 働きなさい、と母は言った-仕事との出会い
 父と母のいない風景
 胸元に包丁を突きつけられた日
 たった一度の家族旅行
 情報は自らつかみ取るもの
 「あなたの居場所はここじゃない」
 刺激と仲間を求めて
 コンピュータとの運命的な出会い
 働くことの意味を実感した日
 気づいたときには落ちこぼれ
 ここから抜け出すには東大しかない
 勉強とは大人を説得するツールだ
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ-迷い、そして選択
 大学生活のすべてを決めた駒場寮
 どうして東大に幻滅したのか
 僕はまったくモテなかった
 あなたが仕事や人生に怖じ気づく理由
 「小さな成功体験」を積み重ねよう
 挑戦を支える「ノリのよさ」
 「このままではこのまま」の自分に気づくこと
 インターネットとの出会いから起業へ
 激動の10年間をくぐり抜けて
第3章 カネのために働くのか?-「もらう」から「稼ぐ」へ
 あなたは何のために働くのか
 お金から自由になる働き方
 どんな仕事にも「やりがい」はある
 仕事を好きになるたったひとつの方法
 「やりたいことがない」は真っ赤な嘘だ
 あなたも必ず起業できる
 会社は潰れても人は潰れない
 通帳ではなく自分に貯金する
 お金よりも大切なものとは?
 ゼロの自分にイチを足す
 積み重ねた「イチ」の先に見えてくるもの
 やりたいことは全部やれ!
第4章 自分の先にあるつながり-孤独と向き合う強さ
 苦しいからこそシンプルに考える
 あなたはほんとうに「自立」できているか
 父から届いた一枚の手紙
 孤独と向き合う強さを持とう
 仲間の意味を教えてくれた社員たち
 ゼロを貫く「諸行無常」の原則
 成長のサイクルに突入しよう
 僕は世の中の「空気」を変えていきたい
第5章 僕が働くほんとうの理由-未来には希望しかない
 堀の中にいても、僕は自由だった
 働くことは自由へのパスポート
 消えることのなかった死への恐怖
 有限の時間をどう生きるのか
 人生には「いま」しか存在しない
 飽きっぽさは最大の長所になる
 テクノロジーが世界を変える
 僕が宇宙をめざすわけ
 ゼロからイチへの試金石はどこにある?
 絶望しているヒマなどない
おわりに

面白かった本まとめ(2014年上半期)

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ろしあ亭(東京 神保町)でのロシア料理はとてもオススメ!

2014年08月13日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 東京の神保町のすずらん通りを歩いているといつも気になっていた「ろしあ亭」 へ行ってきました!

隣は包子餃子で有名なス井ートポーズというお店です。

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↑店構え

 「ろしあ亭」は老舗風ですが、店内は明るい色の壁と下の方はレンガで、テーブルの上には青い布の上に緑色のテーブルクロスが敷かれていて、清潔感が漂っています。

2dsc00572
↑店内

 先客は白人の親子3人のファミリーが奥のテーブル席に座っていて、自分は一番手前の二人席に座ります。
その間の席に10人の客が集まり、送別会が始まりました。
そのほか2階も予約者が続々と入っていましたね。
平日18時前にも関わらずかなり繁盛していて人気店ということが分かりました。

 接客はスマートなロシア人女性?で驚きました。
クールなしっかりとした日本語をしゃべります。
正直なところ、ちと怖いです^_^;)
少し笑顔があると嬉しかったですね~。
誰に対しても同じような態度でしたので、そういうお店のようです^_^;)

 メニューを見て、手頃な税込2700円の限定コースメニューを注文しました。

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↑メニュー

このコースは以下から構成されていて、ボリュームは十分です。

・ケタのブリヌイ巻き&本日の野菜一品
・ボルシチorグリビー・ヴ・スメターニィエ
・ビーフストロガノフorクーリッツァ・ジャレナヤ・ス・ヤーブラカミ
・ライ麦パン
・ロシアンティ

 ブリヌイとは初めて聞く言葉でしたが、ロシア風パンケーキとのことです。
「ケタのブリヌイ巻き」は、紅鮭のマリネと野菜をサワークリームを塗ったブリヌイで巻いたものとなります。

 ボルシチはあのロシアのシチューと分かりますが、「グリビー・ヴ・スメターニィエ」とは何かすぐには分かりませんでしたね。
「壺焼きマッシュルームのクリーム煮」のことです。
カップがアツアツのパイで包まれたもので、ロシア料理では定番ですね。

 ボルシチを選ぶか壺焼きを選ぶかかなり悩みますが、ボルシチは世界三大スープの一つと書かれていては、ボルシチを選ばざるを得ません。
ボルシチを注文します^_^;)

 それから「ビーフストロガノフ(牛肉とマッシュルームの煮込み)」もしくは「クーリッツァ・ジャレナヤ・ス・ヤーブラカミ(地鶏のロースト・アジカソースかけ)」を選べ、こちらは「ビーフストロガノフ」を選びました。
昨日は鶏肉を食べたので、バランスを考え今日は牛肉とします^_^;)


 しばらくして、「ケタのブリヌイ巻き」が運ばれます。

4dsc00573
↑ケタのブリヌイ巻き

 ひんやりとした紅鮭のマリネがレタス等とともに、柔らかいパンケーキに包まれていて、これは前菜として素晴らしいですね。
美味しいです!
食欲をそそります!

そして、ボルシチとライ麦パンが運ばれます。

5dsc00575
↑ボルシチ

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↑ライ麦パン

 ボルシチは充分煮込まれていてコクがあり、もちろんアツアツで、これは旨いですね!
野菜が多いのも嬉しいです。
さすがです!

 そして自家製ライ麦パンの外側は結構堅く、中はしっとりと柔らかく味があり、これは旨かった!
さすが自家製ですね。
これはお代わりが欲しくなるほどの美味しさでした!

そして、ビーフストロガノフとポテトサラダが運ばれます。

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↑ビーフストロガノフ

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↑ポテトサラダ

 ビーフストロガノフのビーフが、かなり細く固く切られているのには驚きましたが、マッシュルームとこれもスープがよく煮込まれていて、いい出汁が出ています!
黄色いサフランライスとの色合いも素晴らしいですね!
カレーのようにスープをかけて食べますが、あまりに美味しくてスイスイとライスを食べてしまいます!
この煮込みは美味しいですね!

そして、ポテサラの明るい色合いにも感動しましたが、これは冷製で、ビーフストロガノフと対照的にひんやりしていて良かったですね。
美味しいです!

そして、最後に甘いジャムが入ったロシアンティが運ばれ、ゆっくりお茶を楽しめました!

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↑ロシアンティ

「ろしあ亭」は、綺麗な店内で、本格的なボルシチやビーフストロガノフなどロシア料理を美味しく頂け、とてもオススメですね!

美味しかったものまとめ(2014年上半期)

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ろしあ亭

夜総合点★★★☆☆ 3.5
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関連ランキング:ロシア料理 | 神保町駅竹橋駅新御茶ノ水駅



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道の駅 七城メロンドーム(熊本県菊池市七城町)はとてもオススメ!

2014年08月11日 01時00分00秒 | イベント・外出
<月曜はお勧めなおはなし>

 熊本県菊池市七城町にある「道の駅 七城メロンドーム」へ行ってきました!
「道の駅 七城メロンドーム」は熊本県菊池市七城町の国道325号沿いにあります。
九州自動車道の植木ICより約20分ですね。
大きなメロンの形をしたドームが目印で、かなり目立ちますね。

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↑メロンドームの外観

「道の駅 七城メロンドーム」では、メロン以外の農作物もたくさん売っていて大盛況でしたね。

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↑「道の駅 七城メロンドーム」の中

 その中でもやはりメロンが甘くて美味しいと評判のようで、【七城メロンドーム】の名にかけてほかでは真似できない最高のメロンを最高の品質でお届けできるよう、生産者とともに創意工夫と努力を続けているとのことです。
メロンはたくさん売られていましたね。
また試食できるのも素晴らしいと思いました。
確かに甘くて美味しい!

3dsc00604
↑メロンの販売

メロンの美味しさの秘密は以下の「土、気温、水、肥料、人」の5つとのことです。
美味しいメロンを作るにはいろんな要素が必要なんですね。

<土>
阿蘇外輪山に源を発して有明海へとそそぎ込む菊池川と迫間川が長い年月を経て造り上げた豊かな田園地帯です。花崗岩が母材となった砂塚土で、水はけが良く栄養分を含みやすい真土からなる肥沃な土壌は、作物の生育に欠かせないものです。
<気温>
菊池平野は内陸の盆地で、平均気温が16.5度と比較的温暖ですが、夏は暑く、冬は冷え込みが強い盆地型気候の厳しい一面もあります。
<水>
七城町は、前川水源/清水水源など熊本名水百選に選ばれた清らかな湧水を擁し、ミネラルと酸素が豊富で、美味しいメロンを育ててくれます。
<肥料>
与那国島の化石サンゴを粉末状にしたカルシウム肥料【どなん】を使用。カルシウム分の他に70余種の“ミネラル”を含んでいるため、根張りが良くなり、メロンが元気に育つので病気に強くなります。そのため、農薬の回数を減らせるので安心・安全なメロンが育ちます。
<人>
メロンが出荷されるまで一日も休むことなく手間隙かけることにより、よく目が行き届き、甘く、編み目のきれいなメロンができます。ひと玉ひと玉、愛情を込めて美味しいメロンを作っています。

 それから、メロンドームで販売しているメロンは、すべて光センサー(糖度測定器)にかけ糖度を厳しくチェックして、振り分けているのは素晴らしいと思いましたね。
電光表示板で瞬時に表示されていました。

4dsc00607
↑糖度測定結果 糖度14.7

5dsc00608
↑糖度測定結果 糖度15.6

 この糖度測定器は、メロンに含まれている糖分が「光を吸収する」という性質を利用したものことのことです。
中が透けて見えるほどの強い光をメロンに当てると、メロンの糖度に比例して特定の光が吸収され、このとき吸収された光の度合いを正確に測定し、その測定結果を元にメロンの糖度を計算しているとのことです。
この技術の採用によって全てのメロンを無傷で検査できるようになったのは素晴らしいと思います。

なお、メロンには生産者の名前が分かるシールが貼られているので、お気に入りの生産者を指名して購入できるようです。

また、このメロンドームでは、2月以外はほぼ一年中メロンが買えるようです。
メロンにもいろんな種類があるんですね。

6dsc00612
↑メロンの種類と生産月

それから、スイカも売っていて、その大きさには驚きました!
スーパーで売っているものより1.5倍以上は大きい!!

7dsc00614
↑スイカの販売

「道の駅 七城メロンドーム」はとてもオススメです!

お勧めなお話(2014年上半期)
自動車保険を安く!

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「リーダーを目指す人の心得(コリン・パウエル)」という本はとてもオススメ!

2014年08月08日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「リーダーを目指す人の心得」の購入はコチラ

 「リーダーを目指す人の心得(コリン・パウエル)」という本は、黒人として初めて米国陸軍で四つ星の大将まで上りつめ、米国4軍のトップである統合参謀本部議長に史上最年少で就任し、国務長官も務めたコリン・パウエルが、それら経験から自分にとって意味のある体験や逸話をまとめたものです。

 特にリーダーシップについては前向きにその体験を踏まえてよくまとめられていて、自分としてもとても感銘を受けましたね。

 特に主なものを挙げると以下となります。

・物事がうまくいかなかったとき、それはリーダーの責任であって部下の責任ではない。リーダーは分析し必要な対策をとり前進が必要
・ぶらぶら歩き、通常の指揮命令系統や幹部経由で流れてこない問題をみつけ解決した
・リーダーは部下をよく知り尊敬し、また先頭に立って自分の能力を示すことによって部下から尊敬を勝ち取る。ただし、一定の距離を保つ。
部下が求めるのは無私なリーダー。
・最終的には責任は自分にある
・まちがいを見過ごさない
・現場が正しくスタッフは間違っている
・偉大なリーダーは誰もが不可能だと思った150%を引き出す
・ワインと違い、悪いニュースが時間とともによくなることはない
・組織は内省的で透明性、誠実が必要
・どのような仕事でも、懸命に打ち込むべき
・リーダーは、思考においても行動においても臨機応変が必要

そのほか、湾岸戦争時の逸話やイラク戦争後大量破壊がみつからなかった経緯、ダイアナ妃との思い出や日本製温水洗浄便座が怖くて使えないという話など興味深い内容もあります。

 「リーダーを目指す人の心得(コリン・パウエル)」という本はとてもオススメです!

以下はこの本のポイントなどです。

・コリン・パウエルのルール(自戒13カ条)
 1.なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
 2.まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
 3.自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。
 4.やればできる。
 5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
 6.優れた決断を問題で曇らせてはならない。
 7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
 8.小さなことをチェックすべし。
 9.功績は分けあう。
10.冷静であれ。親切であれ。
11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13.楽観的でありつづければ力が倍増する。

・物事がうまくいかなかったとき、それはリーダーの責任であって部下の責任ではない。リーダーは、なぜそうなってしまったのかを分析し、必要な対策をとって前に進まなければならない。部下を一斉に罰するようなことをしてはならない。場合によっては首切りもしなければならないし、厳しい訓練を課したり高い成果を求めたりすることも必要かもしれない。激励になるのであれば休憩時間にどなりつけるのもいいだろう。いずれにせよ、失敗の責任が自分にあることを忘れてはならない。
功績は皆で分けあい、非難はひとりで背負う。そして、おかしくなった理由を探し、そっと直す。

・目的とはビジョンの終着点である。ビジョンにエネルギーを注入し、力強く前進させるのが目的だ。目的は前向きで力がなければならないし、組織の大勢に資するものでなければならない。リーダーは、一人ひとりの部下に自分と同じ目的意識を持たせる必要がある。目的はトップのリーダーを起点に、ダイナミックで情熱的なリーダーシップによって人から人へと広がり、組織全体に浸透してゆく。こうして、リーダーの総体的な目的とつながりがある形で、部下たちは組織の一員としての目的を持つことになる。

・アルバイトの仕事時間は、夏は1日2~3時間、冬はもっと長かった。私はまじめに働いた。これは、ジャマイカからの移民だった両親から受け継いだ性質だ。両親は、毎朝早くにマンハッタンのガーメント地区へと出勤し、夜遅くに帰宅した。親戚も、一生懸命に働く人ばかりだった。皆、新生活が楽ではないと覚悟し、着のみ着のままで米国に移民してきたからだろう。「あいつは怠け者だ。仕事をふたつしかしていないんだから」という冗談があるくらい、ジャマイカ人はよく働くのだ。ジのお店、シクサーズで2~3年も働いたころだろうか、ジェイは、私が彼のお店や家族と親しくなりすぎたのではないかと心配してくれた。ある日、私を脇に呼ぶと、真剣な表情でこう言ったのだ。「コリー、君にはきちんとした教育を受けていい人生を送ってほしいと思うんだ。その日暮らしをするような人間じゃないんだから。ここは家族が受け継ぐ店だ。ここに君の未来はないんだよ」あそこに自分の未来があると思ったことはなかったけれど、そんなことまで言ってくれるほど心配してくれたことにはとても感謝している。

・ベストを尽くしてもこれほどではないことが多かった。私はスポーツも勉強もあまり得意ではなかった。野球やアメリカンフットボール、スティックボールなど、ブロンクスの子どもがするようなスポーツはすべてしたし、ベストを尽くしはしたが、いずれもあまりうまくならなかった。学校ではこつこつまじめに勉強したが、いい成績が取れたこともないし、優秀ないとこたちに匹敵するほどの成功を収めることもできなかった。それでも、両親から文句を言われることもなければもっといい成績を取れとプレッシャーをかけられることもなかった。「ベストを尽くせ。ベストさえ尽くせば結果は問わない。だが、ベストを尽くさないのはいかん」-それが両親の方針だった。この体験をもとに、私はその後いまにいたるまでキャリアを積んできた。仕事がどれほど難しくても、仕事や上司、職場環境、同僚がどれほどきらいでも、常にベストを尽くすのだ。昔から言われるように、王のコインを受け取るなら王が求めるものを献上しなければならないからだ。

・私は優先順位について上官と争うことはしない。逆に、求められた仕事をできるかぎり早く、きっちりとすませるように心がける。早く満足してもらえば、上官からうるさく言われることもなくなり、自分が優先したい仕事ができるようになるからだ。まず、王が求めるものを献上すべしということだ。

・政府から遠ざかったあと、私は、さまざまな場所で自分の経験を語って歩いた。そのようなとき、特に若者に対し、仕事の99%は尊いものだと力説した。下劣な仕事など、そうないのだと。どのような仕事でも学びはあるし、どのような仕事でも成長し、輝くことができる。報酬は受け取るのではなく、勝ち取れ。常にベストを尽くせ。誰も見ていなくても、自分は必ず見ている。自分をがっかりさせるな。

・ある一言はとても強く印象に残り、そのあと40年も忘れることができなかった。説教の最後に、司祭は集まった人々を見渡してにっこり笑うと、こう言ったのだ。「必要だと思う以上に親切にしなさい。あなたが思うよりもはるかに強く、親切を受け取る側はその親切を必要としているのだから」もちろん、このとき彼は自分のことを語っていたわけだ。いずれにせよ、ここに込められた教訓は明らかだ-「ついでや礼儀として親切にするのではだめ。心の底からの強い想いをもって親切にしなさい。見返りは求めないこと。親切とは、好意的な態度をとるというだけのことではない。親切とは、敬意と気遣いをされるべき人間なのだと相手を認めることなのだ」。

・私はじっとしているのがきらいだ。動いていないと気がすまない。机に長時間座っていなどまっぴらだ。少尉から国務長官までどのような仕事をしているときも、いつもぶらぶらと歩き回った。適当に歩き回り、国務省ボイラー室やペンタゴン警察本部など、思わぬ場所に出ることもあった。指揮官をしていたころは、気の向くままぶらつくこともあれば、下級士官や下士官、兵士が、いつどこに行けば私に問題をぶつけられるのかがわかるように、決まった時間に決まった道を通ることもあった。このような方法で、私は、通常の指揮命令系統や幹部経由では流れてこない問題や流れにくい問題をみつけていたのだ。私のもとに届けられた問題は、必ずきちんと処置した。ただし、指揮命令系統がおかしくならない形で、だ。私が歩き回ったからといって部下が心配する必要はないとわかるようにしたのだ。また、問題の解決は、まず、部下にやらせてみることにしていた・・・部下本人が問題である場合を除いて。問題は解決しなければならない。管理ではだめなのだ。隠してもだめ、小さく見せかけてもだめ、迂回してもだめ、やわらげてもだめ、他人のせいにしてもだめである。実効のある修正をおこなわなければならない。兵士をごまかすことはできない。現場で働く人をごまかすことはできない。お店のレジ係をごまかすことはできない。なにかおかしければ、彼らは真っ先に気づく。自分の仕事をきちんとしていない人、言われたことをしていない人がいれば、すぐにわかるのだ。そして、そういう人をみつけてなんとかして欲しいとリーダーに期待する。リーダーがなにもしなければ、そういう人たちもたるんでゆく。気づかないリーダーなら、あるいは、気づいてなにもしないリーダーなら、自分たちが気にしてあげる必要などないとなるわけだ。いい部下は、リーダーに気配りされていると思えばいい仕事もするし、リーダーを大事にもしてくれる。

・リーダーや上司は、ごく少数の優れた人材をその他大勢と見分けるポイントを知っており、それを探すのだ。まず最初に、どのようなポジションにおいても安定して優れた実績を残している者を探す。勉強を続けて知的に成長する者、次のレベルの準備をしている者、いまの仕事が限界ではない者を探す。野心でぎらついているのとは違う意味で意欲的な者だ。普通なら年も経験も上の人物に与えられるはずの任務や課題をこなした者を探す。一段上のレベルでも優れた働きができるはずだと証明したことになるし、そういう人物はさらに上のレベルでも優れた仕事をすることが多い。いまは必ずしも必要ではないが、先々、役に立ちそうな技能や知識を、居心地のよい範囲を外れてでも得ようとする者を探す。性格や倫理観がしっかりしている者、度胸がすわっている者、誠実で無私の心を持っている者、そして、上のレベルにあがってもそのままでいられる者を探す。次の段階に進む自信を持つ者を探す。自分がコントロールできていて、職階の上昇に伴って増える責任や重圧に耐えられる精神を持つ者だ。慢心もしない。バランスが取れているのだ。同輩から尊敬や信任を寄せられている者を探す。昇進させれば、同輩が部下になるのだから。

・しかし、次の段階に対応できない人は意外に多い。自分を昇進させないでくれと頼まれたことも少なくない。彼らは現状に満足しており、それ以上の責任は担いきれない、その責任にみあう行動をとる勇気は自分にないとわかっているのだ。そのような人物を昇進させても、悲惨な結果しか生まれない。逆に、潜在能力に気づけない場合もある。組織にはさまざまな種類の幹部ポストがあり、あるポストで能力が発揮できない人物がほかのポストでは目の覚めるような成果をあげることもある。

・リーダーは、部下をよく知り、尊敬すること、また、先頭に立ち、自分の能力を示すことによって部下から尊敬を勝ち取る。ただし、一定の距離を保ち、近づきすぎてはならない。部下が求めるのは無私なリーダーであって、利己的なリーダーではない。またリーダーたるもの無私でなければならず、利己的であってはならない。倫理面においても行動面においても勇気を持ち、常に正しいことをおこない、正しいことをおこなうためなら首をもかける気概を持たなければならない。厳しいが公正であり、職権を乱用しない。みずから手本を示すのはもちろん、自分たちも手本になろうと部下たちに思わせる。部下は、そういうリーダーを求めるのだ。そのような状態が実現されたとき、はっきりわかるほど組織内に活気があふれる。部下がリーダーの面倒をみてくれ、リーダーや組織が成功するよう努力してくれる。いい結果を出したいという強い想いを全員が持ってくれるのだ。

・部下を尊敬しようと思えば、まず、彼らを知らなければならない。少尉として任官したとき、私は、指揮下にいる何十人かの兵士について学べるかぎりのことを学べと教えられた。そのため、小さなノートを用意し、兵士一人ひとりについて、その名前、誕生日、認識番号、小銃の製造番号、家族、出身地、教育、専門、任官日などをメモすることにした。実績、素行、身なり、意欲、強み、弱みなどについても、最初にどう感じたか、また、それがどう変わっていったかをメモした。昇進して組織の上層部に入ると部下一人ひとりと日々接する立場ではなくなり、メモ帳方式では処理できなくなった。そのため、部下の情報は、スタッフから直接報告させるようにした。正式な報告書や成績表だけでなく、私は、生々しい実態も知ろうとした。手を焼かせるのは誰で、親切なのは誰なのか。部下のやる気を引き出しているのは誰なのか。家庭内や心に問題を抱えているのは誰なのか。私に知られたくないと思うはずのことを知ろうと手を尽くした。そのようなことが彼らの成果を左右するか否かを知る必要があったし、私がしてほしいと思うこと、部下に期待することがきちんとおこなえているのか否かを知る必要があったからだ。私と同じほうを向いて仕事をしているか否かを知る必要があったからだ。

・部下と親睦を深めるのはいいが、その際、友だちづきあいにならないようにリーダーは気をつけなければならない。気さくであることはいいが、なれ合ってはならない。部下が自由と勝手をはき違えるようなことは避けなければならない。

・私も今までたくさんのアドバイスを受けてきたが、なかでも重要なものは言葉や格言以外の形で受け取ったもの-両親を見て学んだものだ。もちろん、言葉でもいろいろと教えてもらったし、何世代にもわたって蓄積された家族の知恵や昔話も語ってもらった。そのすべてが私の血となり肉となったことはまちがいがない。だが、一番は実例として両親が見せてくれたもの、両親の背中から学んだその生き様だと思う。親の言うことを聞く子もいれば聞かない子もいるが、どの子も親の行動は見ているものだ。「己の欲するところを人に施せ」はいつでもどこでも有用なすばらしいアドバイスだ。助けを必要としている人に手をさしのべる両親を見て育った子どもは、このアドバイスに従って生きるようになる。両親が互いに尊敬し、愛に満ちた家庭を築けば、子どもはその環境の価値を理解し、自分が大人になったとき、同じようにしようとするものだ。

・大切なのは、自分がなにを実現しても、あるいは実現できずに終わっても、その責任は、最終的には自分にあると教えることだ。人生には障害がつきもので、それを乗り越えることも人生なのだから。難しい話ではない。家族や親戚が見せてくれたさまざまな実例がなければ、私が人生で成功することはなかった。彼らは、いつも、まばゆいばかりの光を自分の前に灯しており、優れたおこないをしたとすぐにわかったのだ。

・まちがいを見過ごさない。これは、軍隊の若いリーダーに早い段階でたたき込まれる教訓だ。言い換えると、「その場で修正しろ」である。

・現場を優先する私のやり方は理屈にあわないと思う人もいるだろう。だが、これがうまくいくのだ。こう宣言すれば、まず、スタッフに対し、我々は現場にいるリーダーとその兵士のために仕事をしているのだと示すことができる。スタッフは私のほうを向いて仕事をするのではなく、彼らのほうを向いて仕事をしなければならない。問題解決は上から下と下から上、両方向に流れる。スタッフの問題を現場指揮官が私に直訴できると気づいたスタッフは、現場の問題をなんとかしようと鬼のように働きはじめる。現場が満足しなければ私を満足させられないからだ。赴任から何週間かたつとスタッフ全員が理解し、現場と話を始める。「なんというか、我々は一蓮托生らしい。コーヒーを飲みに立ち寄ったボスに現場の問題を話す前に、まず、我々と君たちでなんとかしようじゃないか。ところで、月例の整備報告書なのだけれど、今回は遅れたうえに内容もぼろぼろだったね。来月までに対策を考えたほうがいいと思うのだけれど、我々に手伝えることはないかな?ボスはこういうことをかなり気にするので、我々が協力してお互いを守るべきだと思うんだ」ちなみに私の経験から言うと、だいたい70%は現場が正しい。

・偉大なリーダーには、管理者になりなにかがある。優れた管理者は、チームの設計能力を100%引き出す。偉大なリーダーはその先をめざす。誰もが不可能だと思った110%、120%、150%を引き出すのだ。偉大なリーダーは部下のやる気を引き出すだけでなく、奮い立たせもする。そのようなリーダーのもとで部下は高ぶり、血が騒ぐのだ。抜群のリーダーは抜群の管理者でもあることが多い。なかなかお目にかかれない宝石のような存在なのだ。だから、常に、150%を与えてくれる人物を探すべきだ。

・情報収集プロセスに対し私と担当者で同じ見方になるように、また、担当者の説明責任を軽減してあげるため、私は、次に示す4カ条のルールを設定した。とてもシンプルなルールだ。いまもこのルールを壁に貼っている担当者が少なくないらしい。
 ・わかっていることを言え。
 ・わかっていないことを言え。
 ・その上で、どう考えるのかを言え。
 ・この3つを常に区別しろ

・スタッフというのは、だいたい、悪いニュースを上司に伝えるのをなんとか遅らせるようとする。そのほうがいいという上司も世の中にはいるが、私はきらいだ。逆に、「問題が起きたと知ったら、すぐ私に知らせろ」とスタッフに必ず求める。ワインと違い、悪いニュースが時間とともによくなることはないからだ。問題があると知ることも大事だし、解決策を探すプロセスを始めることはもっと大事だ。悪いニュースが飛び込むと、私はまず、「代替策をみつけろ」、あるいは「こういう可能性は考慮するな」などとスタッフに指示する。これは指示であって最終決断ではない。問題の全容を明らかにしようとスタッフが作業を進めているあいだに結論を急ぐようなことは私はしないし、そうしないとスタッフに明言もする。いずれにせよ、悪いニュースは知らなければならない。しかも一部ではなく、全部だ。悪いニュースはすべて耳に入れておきたい。部下が教えてくれなければ、外部の人間に指摘されてしまうかもしれないし、私自身がその問題に引っかかってしまうかもしれない。

・何年にもわたり、何百もの第1報に接してきた経験から、私の頭の中には「第1報対応のチェックリスト」ができている。
 ・常識的に変だと感じないか?深呼吸をしたり目をこすったりしてみよう。
 ・進行中のほかのことと矛盾はないか?その出来事に特別な状況や前後関係はないか?
 ・チェックにどれだけの時間が使えるか?
 ・どうすれば確認できるのか?スタッフにやらせろ!電話をかけろ!
 ・第1報が正しく、確認で対応を遅らせた場合のリスクやコスト、失われるチャンスは?
 ・第1報がまちがっており、あわてて対応してしまった場合のリスクやコスト、失われるチャンスは?
 ・なにがかかっているのか?
 ・時間切れだ!動きはじめろ!探しつづけろ!
第1報を受けたら、まず、深呼吸を1回する。まずはこれが一番だと経験から思う。頭に上った血を少しでも下げてから対応を考えるのだ。

・メディアにはどのように対応すべきか、メモを書いた。かなり広い範囲に応用できるメモだと思うので、ここで紹介する。
 1.彼らは質問を選べる。君は答えを選べる。
 2.答えたくない質問には答えなくていい。
 3.もちろん、ウソやごまかしはいけない。だが同時に、あまりに素直なのもあけすけなのもよくない。
 4.未来に関する仮定の質問には答えないこと。
 5.上司へ内々に提出した自分の意見を語らないこと。
 6.読者や視聴者に受け取ってほしいメッセージになるように答えること。本当の聞き手は質問者ではない。
 7.彼らは彼らの仕事をしている。君は君の仕事をしている。ただし、リスクを負っているのは君だけだ。
 8.未来について予測や憶測を語らないこと。
 9.そこを引用してほしくてわざと使うのでない限り、スラングを使ったり気の利いたジョークを語ったりしないこと。
10.内輪の恥をさらさないこと。
11.賛成できない前提を含む質問には答えないこと。
12.答えたくない質問に無理に答えたり、そういう質問に答えなければならない状況に追い込まれないこと。
13.罠にはまったと思ったら、あいまいなことばをもぐもぐつぶやくこと。
14.せき払いや足の踏み替えをしないこと。
15.答えたあと、追い打ちの質問が来るのはトラブルを意味する-右に旋回する、推力をあげる、高度を取る、緊急脱出をするなどしろ。
16.取材は30分で十分である。これ以上長くなると、自分の言葉に引っかかりはじめる。
17.食事をしながら、報道を前提とした取材を受けないこと。リラックスしすぎて、友だちとおしゃべりをしている気分になってしまう。
18.座りなおしたり、耳たぶをつまんだり、顔に触れたりしないこと。しまったと感じたことがバレてしまう。
19.なにをしゃべろうかと考えて間を空けないこと。すぐにしゃべりはじめ、しゃべりながら考える。しゃべることを思いつかなければ、質問をくり返せばいい。

・昇進すればするほど、上司がしたいことではなく、みずからの意図を実現しようとするスタッフが身の回りに増える。皆、よかれと思ってやっているわけだが、その結果、現場がわからなくなってしまう。だから、執務室を出て現場に足を運ばなければならない。信頼する人物や友人には、裸の王様になっていると思ったらそう教えてくれと頼んでおく。陸軍では、従軍牧師や監察官、上級曹長から現場の状況を聞くといい。なによりもまず、自分にも現場の一員だった時代があることを忘れてはならない。

・組織というのは内省的でなけれがならないし、透明性もなければならない。また、みずからに対して誠実でもあらねばならない。そのためには、組織が掲げる目標や目的のもとに関係者全員が団結し、信頼しあうチームにならねばならない。内省と信頼の文化を醸成し、目的を見失わない組織でなければ、多くの成果を生みだし成功することはできないのだ。

・どのような仕事でも、懸命に打ち込むべきだ。その仕事が公務員でも軍人でも、会社員でも、あるいは別のなにかでも同じだ。必ず、無私の心で尽くすこと。自分本位で仕事をしてはならない。そして、退職記念の金時計やプレートは、にっこりと感謝の心で受け取り、放り出される前にみずから列車を降りる。飲み物でも持って日陰に座り、ほかのトラックや列車でも眺めてみよう。自分が乗ってきた列車が走り去るのを見送ったら、新しい列車に乗って新しい旅を始めればいい。

・リーダーは、思考においても行動においても臨機応変でなければならない。計画がうまくいかない場合はあらたなチャンスが生まれた場合、計画を改定したり破棄したりできなけえrばならないのだ。また、リーダーたるもの、自分の計画はすばらしいとうぬぼれたり、あるいはこれだけ努力してきたのだからおいう思いに目がくらんではならない。実効の最初か最後までじっと注視し、現実に合わせた対策を取らなければならないのだ。

・私のスピーチには基本的なパターンがある。最初は自己紹介と近況から入る。講演人生に入ったころはジョークをよく飛ばしていたが、最近はやめている。そのかわり、自分や家族について若干落とすような話をする。この部分は、妻のアルマを主役にすることが多い。私の講演を聴きにくる人々は、4つ星将軍から個人的で気さくな話が出てくるとは思っていないだけに、こういう話がいい。聴衆を話に引き込めるし、統合参謀本部議長や国務長官という立場上、示さざるを得なかったフォーマルなイメージと違う人間らしさを出すことができる。ドアを開け、本当の私が見られる世界でしばらく遊んでいただくわけだ。講演では、リーダーシップの話を必ず入れる。フォートベニングでの経験を生かし、ミッションや目的意識、リーダーと部下のあいだに必要なつながりについて話をする。焦点を当てるのは、兵の面倒をみる話や、組織の目的に対する無私の情熱や熱意を伝える話、基本的な道義心や誠実性の話などだ。性格や倫理観がしっかりしており、誠実で度胸がすわっているリーダーのためでなければ、部下である兵士が丘を取りに行くことはないという話もする。このあと、世界がどのように進化してきており、どのような力が未来を形作っているのかへと話を進める。次は、聴衆が興味をもつ最近の出来事を取り上げる。具体的な締めの方法は毎回違うが、必ず肯定的な終わり方にする。話を聞いた人々には、元気になって帰ってほしいからだ。

・米国には問題がある。いつも問題を抱えている。だが、米国は必ず問題を乗り越えてきた。米国各地を講演して歩くたび、一生懸命に仕事をしている人とたくさん出会う。皆、イノベーションを起こし、雇用を生み出し、自分は成功すると信じている。そう、米国が今後も成功すると信じているのと同じように。いずれもすばらしい人であり、こういう人々がひたむきに仕事をしている限り、米国の将来は安泰だと私は思う。

・本章で私は、主に若いころに受けた影響を取り上げている。人を形作るプロセスは、早い段階に始まると思うからだ。講演でもよく話すのだが、このプロセスは、生まれた赤ん坊が母親の声を聞き、それを母親の声だと認識した瞬間に始まるのだと思う。その声を通じて赤ん坊は言葉を習い、覚える。この人物こそがその子に愛を注ぎ、その子としっかりした絆を結ぶ。そして、慈しみ、育て、さらには知識を授け、人格や価値観、幸福感、情といったものを子どもの心に吹き込むのだ。小さいあいだ、子どもにとって最も大事な人間は母親だ。母親が脇にいなかったり、母親らしい役割を果たさなかったりした場合、子どもはその分、厳しい道を歩かなければならなくなる。支え、導いてくれる師からも多くを学んだが、私は、失敗や否定的な人からも同じくらい多くを学んできたと思う。失敗は経験となり、肥やしになるのだ。

<目次>
はじめに
第1章 コリン・パウエルのルール
 13カ条のルール
第2章 己を知り、自分らしく生きる
 1 常にベストを尽くせ。見る人は見ている
 2 「人生のポイント」をどう数えるか
 3 仕事バカになるな
 4 必要だと思う以上に、人に親切にせよ
 5 常に問題を探して歩け
 6 指揮官は戦場のどこにいるべきか
 7 組織における昇進とは?
 8 評価は実績だけでは決まらない
第3章 人を動かす
 1 部下を信じる
 2 部下に尊敬されようとするな、まず部下を尊敬せよ
 3 しかるべき教育を与える
 4 まちがいを見過ごさない
 5 現場が正しくスタッフはまちがっている
 6 人材の「組み合わせの妙」
第4章 情報戦を制する
 1 ハードウェアが変わるたびに、考え方を変えろ
 2 わかっていることを言え
 3 早く言え
 4 「第1報」に注意せよ
 5 話をするとき意識すべき「5種類の聞き手」
第5章 150%の力を組織から引きだす
 1 「私の側近として生き残る方法」-新しい部下に配るメモ
 2 ひとつのチーム、ひとつの戦い
 3 準備を整える時間を与えよ
 4 「命令だ!」と命令しない
 5 「銘柄に文句を言うでしょう」
 6 着任から30日が過ぎれば、言い訳はできない
 7 前に進むための自省のしかた
 8 信頼、責務、結果責任は一体のもの-レーガンの教え
 9 会議は「不可侵の神聖な時間」と心得よ
10 「必要欠くべからざる人物」とは?
11 列車を降りるとき
12 さっさと立ち去れ!
第6章 人生をふり返って-伝えたい教訓
 1 戦いの鉄則-パウエル・ドクトリン
 2 壊した人が持ち主になる
 3 消せない過ち-イラクの大量破壊兵器についての誤解
 4 降ってわいた問題も解決しなければならない
 5 若者は見ている
 6 一流の振る舞いとは?-ダイアナ妃との思い出
 7 スピーチで心をつかむ楽しい工夫
 8 旅の流儀
 9 贈り物に詰まっているもの
10 最高の仕事、最低の仕事
11 ホットドッグ外交
12 未来に何を残せるか
おわりに 「すべては人である」
訳者あとがき

面白かった本まとめ(2014年上半期)

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「数寄屋バーグ(東京 銀座)」でプレミアム数寄屋バーグを堪能!

2014年08月06日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 東京の銀座の数寄屋橋近くで、いつも行列を作っている「数寄屋バーグ」へ行ってきました!

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↑数寄屋バーグの店構え

 金曜夕方でしたが、たまたまほとんど並んでいない時間帯で、すぐに着席できラッキーでした!
私が入店した後は、すぐに行列を作っていましたね。
一人だったので、入口近くのカウンター席に案内されます。
 並んでいる方に見られる席なので少し恥ずかしいですが、ブラインドがあるので顔はジロジロ見られずにすみます。

 店内は新しく掃除が行き届いていてきれいで、また心地よいジャズが流れていて質感もあります。

 また、着席してなんか違和感があるなぁと思っていると、なんと自分以外の客は全員若い女性でした^_^;)
少し肩身の狭い思いでメニューを見て注文します^_^;)

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↑ハンバーグ及びトッピングメニュー

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↑ソース及びセットのメニュー

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↑プレミアム数寄屋バーグのメニュー

 「プレミアム数寄屋バーグ」1980円が圧倒的に美味しいとあるので、迷わずこれを選びます。
最高級A5ランク黒毛和牛の切り落としの極上プレミアムハンバーグです。
1日30食限定とのことでしたが、まだあって良かったですね。
ソースは正統派のガーリック醤油ソースを選び、トッピングとして美味しそうな玉子チーズ200を付けます。
また、5種の彩りサラダ・ライス・スープのBセット450円も追加します。
ライスもこだわりがあるようで、「特Aランク米」の「京丹後コシヒカリ」とは嬉しいですね。

 すぐに、5種の彩りサラダが運ばれますが、これが想像以上に美しい!
またドレッシングが絶妙にふりかかり、しっとりとそして酢がほどよく効いて想像以上にサラダが美味しい!
このサラダには感動しましたね。

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↑5種の彩りサラダ

 そしてポタージュスープも運ばれますが、濃厚でアツアツで美味しい!
これらサラダやスープの美味しさには、ハンバーグに期待を抱かせます。

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↑ポタージュスープ

 そしてしばらくして、ジュージューと音を立てた鉄板が運ばれ、期待が最高潮に上がります。
しかも想像以上にハンバーグが分厚い!
ハンバーグの上にはチーズや目玉焼きが乗せられ、ハンバーグの回りにはかぼちゃやクレソン・もやし・パプリカなどの野菜も添えられ、黄色・緑色・赤色・白色など彩りも良いです。
長方形の黒い鉄板の上には、美しい世界が広がっていましたね。
また、左手前に置かれたたっぷりのカリカリガーリックは、香ばしさを漂わせていました。
彩りといい香りといい素晴らしいです!

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↑プレミアム数寄屋バーグ

 お店の方から、ソースをかけるとソースが跳ねるのでご注意くださいとアドバイスを頂き、ソースを恐る恐るかけます。
想像通りジューーと音を立てます^_^;)

 さっそく、その分厚い肉汁たっぷりのハンバーグにナイフを入れ、ガーリックや目玉焼きの黄身を併せて頂きますが、ソースの味付けもよく思わず笑みがこぼれます^_^)
 さすが肉汁たっぷりでアツアツで、そしてその分厚さが満足感を高めます。
きちんと焼かれていたのも嬉しかったですね。
これは美味しいです!
美味しいライスとともに、次々と食が進みます。
 
 やはり料理には彩りの美しさと、素材の良さが、さらに味を引き立てますね。
さすが女性に人気なお店だと思いました。

 「数寄屋バーグ」は綺麗で落ち着いたJAZZが流れる店内で、上質で彩りが良いハンバーグやサラダ等を堪能でき、とてもオススメですね!


美味しかったものまとめ(2014年上半期)

<今日の独り言>
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数寄屋バーグ

夜総合点★★★★ 4.3
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ハウステンボス(2014年7月)で楽しめました!

2014年08月04日 01時00分00秒 | イベント・外出
<月曜はお勧めなおはなし>

 昨年に引き続き、長崎県佐世保市にあるハウステンボスへ行ってきました!

 最近のハウステンボスは、積極的に新規にアトラクションやイルミネーション、プロジェクションマッピングが追加され、より楽しめるようになり、とても素晴らしいと思います。

最近新たに追加となったものは以下とのことで、かなり多いですね。
・ゲームミュージアム
・お絵かき水族館
・恐竜の森
・レンジャーブートキャンプ
・モンスターズレーダー
・アミューズメントカジノ
・GO&GO!! SNIPER GAME
・スーパートリックアート
・リンクファンタジア
・MESE HALL(ミューズホール)
・ふわふわランド
・水の王国
・夏の光の王国
・3Dプロジェクションマッピング 太鼓の達人

食事も以下の2つのお店が新規とのことです。
・ろんま亭(麺)
・らーめん二男坊

今回はまず、アドベンチャーパークへ徒歩で向かいました。
入口近くで実物大?のティラノサウルスが唸っていて恐かったですね。
かなりリアルです!
この巨大な恐竜に襲われると考えると嫌ですね^_^;)

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↑実物大のティラノサウルス

アドベンチャーパークでは、今回初めてシューティングテスターを利用しましたが300mのワイヤーロープ滑空はとても気持ちが良かったですね!
今回は夏休み期間中とはいえ平日木曜だったせいか、待ち時間は5分以内でとてもよかったです。
昨年は確か1時間以上の待ち時間で断念しました。

それから、The Maze(ザ・メイズ)を家族が楽しみましたが、去年と同じコースのようで、今回も猛暑だったようです。
水分補給は必需ですね。

それからカナルクルーザーに乗ってタワーシティへ向かいます。
カナルクルーザーから見える風車のある風景が天気も良く素晴らしかったですね!

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↑風車

そして一面のひまわり畑も良かったです。

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↑ひまわり畑

そして、ハーバーゲートを通って、先日このブログで紹介したフォレストヴィラの「自然派レストラン トロティネ」へ行き昼食にします。
ここは昨年も行きましたが、上質な部屋で上質な食事を食べ放題で堪能できとてもオススメですね!
ゆっくり休憩することができました。

そして、近くの新設のゲームミュージアムへ行きました。

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↑ゲームミュージアムの入口

ここはゲームメーカー10数社が終結した施設で、1Fが旧ゲーム、2Fが新ゲームとなっているようでした。
2FにはWii U、PS4、Xbox360などの新型ゲームを無料で楽しむことができましたね。
また、次世代型ヘッドマウントディスプレイ「オキュラス リフト」を使った仮想世界での乗馬レース「ハシラス」が、かなりリアルで驚きました!
ヘッドマウントディスプレイを顔に装着すると、バーチャルな映像が広がっていて、右を向くと右側の風景がリアルに映し出されます。
そして仮想の馬にまたがり進めると、リアルに画像も上下して連動するのが素晴らしかったですね。
馬を走らせて乗馬を堪能できました。
これは面白かったです!

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↑乗馬レース「ハシラス」

 それから1Fに行くと、懐かしいスペースインベーダーやドンキーコングがあったのには驚きましたね。
これらは1ゲーム100円で楽しめます。
それから無料でゼビウスやグラディウス、テトリスなどを楽しめたのは良かったですね!
久しぶりにゼビウスを楽しめて、とても嬉しかったです!
ちなみに昔このゼビウスで12時間かけて1000万点を達成したことがあります^_^;)
バカですね~^_^;)

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↑ゼビウス

それから、水の王国へ行く途中に、アムステルダムシティ「パサージュ」1階でアミューズメントカジノを楽しめました!
ブラックジャックやルーレットを本格的に楽しめるもので、おそらくラスベガスにあるものと同じですね。
換金はできませんが、500円でコイン20枚(コインには10$と描かれています)と交換して1枚から楽しめました。
久しぶりに本格的にブラックジャックを楽しめたのは良かったですね。
最初は調子がよく10枚ほど増えましたが、そのあとは少しずつジリ貧でした^_^;)
でも他の客よりは長く楽しめたのは良かったです。

それから「水の王国」で、こどもを遊ばせます。

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↑水の王国

ウォータースライダーがあるのが楽しいようですね。
大人はテント内のテーブルとイスでゆっくりします^_^)
それにしても、この日は曇りに助かりましたが暑い日でした。

汗をかいて水を大量に飲んだせいか塩気のあるものが食べたくて、ハーバースクエアにある「らーめん二男坊」で、半熟煮玉子ラーメン800円を堪能しました!

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↑らーめん二男坊

 福岡ラーメン総選挙で第一位を獲得したとのことで、確かに豚骨スープが美味しく、それに合った細麺に感動!
あまりにも旨すぎてスープまで完食してしまいました^_^)

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↑半熟煮玉子ラーメン

それから、ジパング探偵倶楽部の初級コースを頑張り、ついに謎を解けたのですが、時間制限があることをすっかり忘れていて、END!
賞品がもらえたのに残念でした!

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↑初級コースの謎

それからレンジャーブートキャンプでエアガンを使った的当てを楽しめました。
ただこれは最大30人が入り乱れて戦うサバイバルゲーム(対戦型)も選んだほうが楽しいかと思います。

 それから夜になり暗くなると観覧車などのイルミネーションが綺麗でしたね。

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↑観覧車のイルミネーション

ドムトールンの塔もライトアップされていました。

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↑ライトアップされたドムトールンの塔

そのドムトールンの塔に上って、ハウステンボスのイルミネーションを楽しみました。
すると、ちょうど「3Dプロジェクションマッピング 太鼓の達人」をやっていましたね!
建物をスクリーンとしてリアルに映し出されるものです。
本格ゲームマッピングは世界初とのことです。

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↑太鼓の達人

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↑太鼓の達人

もちろんハウステンボス全体の夜景もとても綺麗でした。

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↑ハウステンボスの夜景

それから、カナルクルーザーに乗って帰りますが、高さ15mの巨大オブジェが輝く「光のキューブ」が美しくて素晴らしかったですね。

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↑光のキューブ

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↑光のキューブと観覧車

ハウステンボスは新規アトラクションやイルミネーションなどが豊富でそして食事もよく、今年もとても楽しめました!
とてもオススメです!

お勧めなお話(2014年上半期)
自動車保険を安く!

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「絶対に会社をつぶさない 社長の営業(小山昇)」という本はとてもオススメ!

2014年08月01日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「絶対に会社をつぶさない 社長の営業」の購入はコチラ

 「絶対に会社をつぶさない 社長の営業」という本は、社長自らが営業を行うことで業績が上がるということについて、その社長営業の基本ややり方、理由等について分かりやすく51の項目に分けて説明したものです。

 特に本書では、著者の会社が社長が営業するように経営サポートをして業績を飛躍的に伸ばした実例を8社以上紹介しているのは、具体的に説得力があり素晴らしいと思いました。

 そもそも社内にメシの種は落ちていないのだから、情報を得るために社長は社外へ営業へ行かなければなりません。

 また、社長の名刺には社長が思う以上の威力があり、先方は「わざわざ社長が来た」ことに驚き、感激し、信用も増し、大口の注文が入るようになり、売り上げが倍増するようです。

 会社が伸びるのは社長次第なんですね。

 「絶対に会社をつぶさない 社長の営業(小山昇)」という本は、具体的に分かりやすく社長の営業について説明があり、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・基本的に中小企業は、社長よりもダメな人を集めて経営するものです。それなのに多くの社長が、何を血迷ったか、「うちの会社はいい人がいない。もっといい人材がほしい」と寝言を言う。中小企業の社員は、機会があったら、もっといい会社に移りたいと常に思っています。でもそうしないで、働いていてくれている。ということは、今いる社員が一番いい社員だということです。こんな単純なこともわかっていない社長がいかに多いことか。だとすれば、今いてくれる人には、不満を抱くどころか、感謝しなければならない。「うちの社員はどうしようもない」という社長のほうがどうしようもない。感謝の気持ちがないから、社員や幹部を怒鳴ったり、威張ったりする。思い当たる節のある社長は大いに反省するとともに、変な社長の部下でいてくれることに感謝するべきです。だから、社員がマーケットからいい情報を取ってくることを期待するのではなく、自分で取りに行くこと。自分が会社に座っていて、有益な情報を上げてくれる社員がいつか来てくれるだろうという姿勢は間違っています。

・いい人材が集まりにくい中小企業では、社長よりうまく営業ができる人はいないのです。新規開拓はなおさら、社長でなければ無理です。したがって社長がみずから営業に出ていかなければならない。もっとも社長一人が営業に回れるお客様の数にも限りがあるから、ロイヤルカスタマー以外は、ベテランの幹部社員に引き継ぎます。社長が開拓したお客様を幹部が守るのが正しい姿勢です。

・広い世界を知っているのは、世間の厳しい現実を知っているからです。だから他人に対する甘えがない。世間の狭い人は、他人にどうにかしてもらえるという甘い期待を抱いている。だから誰もしてくれないと言って不満を抱くのです。世間が小さい穴熊社長は、「会社の業績が悪いのは、うちの社員の働きが悪いからだ」と思っている。ところが私は社員が悪いなんて思ったことがない。会社がうまくいくのも危なくなるのも、すべて社長の責任だと思っているからです。

・新しいことに挑戦して失敗するのは失敗とは言いません。「一歩前進」です。二回目の失敗も失敗ではありません。これを「確認」といいます(ただし3回目の失敗は「単なるバカ」になるので気をつけなければなりません)。一度や二度の失敗は失敗ではありません。なぜいま、私が、これだけ順調に経営ができているかというと、私は64歳現在で、失敗の数が世界一だからです。私よりも失敗の体験のある人はいないと自信をもって断言できます。だから社長も、幹部を育てためには失敗を許す。そして自分は外へ出ていくことが肝要です。

・中小企業が業績を伸ばせるのは、お客様が困っていること、お客様が面倒と思っていること、お客様が嫌だなと思っていることを解決するからです。それがすなわち商売になる。これは会社の中にいる穴熊社長にはつかめない情報です。私はいま日本全国のお客様を訪ねて回って、お客様の要望を直接この耳で聞いています。当社の経営サポート事業部がここまで大きくなったのも、私がお客様と話をして、情報を聞いているからです。うまくいったのは、お客様のニーズに応えたから。そしてお客様のニーズに気がついたのは、私が社長だからです。会議を開いて新商品をつくるより、お客様が困っていること、お客様に言われたことを改良したほうが、早く確実に売上があがります。このような情報を得るためにも、社長は外へ出て営業をしなければなりません。

・社長が出ていけば、決裁権を持つ人に会うチャンスが増える。こんなことは一営業マンには望めないことです。世界のトヨタも、株式会社武蔵野も、社長は一人。「社長」の重みに会社の大小は関係ありません。会社にたった一人しかいない社長がみずから足を運んで営業に来たということに対して、先方はプライドをくすぐられるし、こちらの真剣さも伝わるのです。社長が営業に行くべきなのは、あらゆる業種に言えることです。

・真似をすることは、恥ずかしいことではありません。最高の創造です。ところがみんな真似をしない。真似をしても中途半端で、自分なりの工夫を加えたがる。でも日本一になりたければ、我流になりそうになるのをおさえて、ひたすら愚直に真似をすることです。うちのバカ娘はピアノをやっていますが、高校のとき音楽で特待生になりました。なぜなれたかというと、先生が教えたことを1から10まで真似したから。工夫しなかったからです。いまだに先生に教えてもらうときは、そのまま真似しています。

・営業先の規模は大きすぎてもダメ、小さすぎてもダメ。自社に合ったターゲットと地域を決めなければいけないのです。もう一つの営業先を選ぶ尺度は、取引することで得られる粗利益です。

・人と人とのコミュニケーションは「質より量」が大原則です。どんなコミュニケーションを取ったかという「質」よりも、どれだけ多くコミュニケーションを取ったかという「量」のほうが大事。ここをみんな勘違いしている。コミュニケーションとは、情報と感情のやり取りのことです。感情は心のやり取り。情報は、物のやり取り。この2つで成り立っていまs。そして心のやり取りは、量が増えるのに応じて質が高まるようになっています。同じ人と何回も会うから、友情が芽生えてくる。初めて会ったその日にいきなり友情が芽生えることはない。親友と呼べるようになるまである程度の歳月が必要でしょう。頻繁に顔を合わせるから親しさが深まっていくのです。人間社会でのコミュニケーションをよいものにしようと思ったら、営業でも恋愛でも何でも、最初に問われるのは量。質が問われるのはそのあとです。

・誠意ある態度を見せるためには、心を込めて謝ることよりも大切なことがあります。謝る人の人数を増やすことです。担当者一人がお客様のところへ行って、誠心誠意、心から謝るのと、専務と常務と部長が一緒に行って、合計5人が頭を下げるのとでは、どちらが誠意が伝わるのか。それは人数が多いほうです。クレーム対応のときの誠意は量です。量と質を兼ねて謝りに行くのは社長です。だから営業も1回行っただけでは、誠意ある営業とは言わない。1回の面談時間は短くていいから、その代わり何度も足を運ぶこと。いつも私は、「6回以下の訪問は、行ったことにならない」と言っています。断られてもあきらめずに行くのは基本中の基本。断られるのは当たり前です。昨日や今日訪問したばかりで、すぐに契約が取れるなどと思うのは甘すぎる。

・コミュニケーションは質より量ですから、「こんにちは、さようなら」のほかに、たいした話をしようと思わなくていい。雑談はできるだけ意味のない、軽い話題がいい。天気の話、スポーツの話などは最適です。あなたが自分の親友と会うとき、深刻な話ばかりするでしょうか。酒を飲んで、あまり意味のない話ばかりしているのではないですか。くだらない話ができる相手だから、一緒にいて居心地がいいのです。私が経営指導している社長たちとの付き合い方もそうです。いつも酒を飲みに行ったり、キャバクラへ連れていったり、くだらない話ばかりしているから、みんな私に本当のことを言う。いつも真面目に、「子、のたまわく」なんてやっていたら、みんな寝てしまいます。

・見積もりを要求されたらその日のうちにつくって持っていく。内容は完璧でなくていい。スピード対応と熱意を見せることが、新規開拓の営業では必要です。

・提案書作成のために、3日間かけて、微に入り細に入り、詳しい提案書をつくってはいけません。まずは最初の一日で、骨組みだけをつくって、お客様に意見を聞きに行きます。そして反映させたものをまた見ていただき、それに対して要望を聞く。また持ち帰って反映させる。このようにして完成させるほうが、お客様の満足度は高くなる。一人で考えて100%の提案書を作ろうとするよりも、60%の提案書を作って、それをお客様と一緒に100%に仕上げていったほうが精度の高い提案書になるのです。自分一人で完璧を目指すことに意味はありません。みんなそこを間違えています。お客様が何を求めているかを教えてもらうことが営業です。

・金額についても、お客様との1回目の取引で儲ける飛鳥はありません。新しいお客様と取引をするとき、最初から人並みの利益を得るのは間違いです。会社全体として出ている利益は、新しいお客様の開拓に使うことです。普通は目先の利益にこだわり、そのまま利益を出し、税金を差し引いた残りを内部留保にしますが、その考え方は間違いです。利益は何をおいても、お客様の数を増やすことに使わなければいけません。利益は未来に投資するのが鉄則です。新しいお客様が開拓できれば、そのお客様は毎年、利益を生みます。そうすれば元は取れる。だから新しいお客様を開拓できるのであれば、どんな注文でも必ず受ける。最初に金額的に不利な条件で引き受けると、その後もずっとその条件が続くのではないかと心配になるかもしれませんが、そんなことはありません。自社の商品やサービスがよいものであれば、まともな取引先は適正な価格を払ってくれます。もしいつまでたっても適正な価格を払ってくれないようだったら、そのときは途中で断ればいい。初めてのお客様で儲けようと思ってはいけない。1回目は料金をかなり安くするなり、場合によっては無料にしてもいい。

・お客様から問い合わせが来たら、どうして自分の店や会社の存在を知ったのか、つまり認知経路を聞くのです。それから、どうして買ってくれたのか、つまり購買動機を聞き出す。これは自社を強くするための大きなヒントです。お客様が商品を購入したら、さりげなく「当店のことは、どうしてご存じだったんですか」と聞く。認知経路には、広告、インターネット、紹介、自分で調べたなどいろいろな経路があります。そのなかで特に多い経路を強化すれば、さらに自社のことを知ってもらえる確率が高くなる。「インターネットのグルメサイトでこのお店をほめていたので、来てみました」と、お客様に言われることが多いなら、インターネットへの露出を多くするというように。

・お客様の本音を聞き出すには、コツがあります。それは契約や取引、買い物が終わって、お客様がこれ以上商品をお買い上げにならないと気付いた瞬間のタイミングで聞くことです。車を買いに来た人に、「どうしてこの車にしたんですか」と聞くのは、納車のときに限る。もうこれ以上売りつけられないから、お客様も安心して本当のことを言う。これを「真実の瞬間」といいます。

・既存のお客様を守る方法のひとつが、年2回のお中元・お歳暮訪問です。いまはお中元・お歳暮の時期でも虚礼廃止の会社が多いですが、お客様を失いたくなければ、たった年2回のこのチャンスを逃さないことです。社長が足を運んで挨拶に行けば、普通、取引は続きます。多くの会社が、「当社はお客様を大切にしている」と言います。でも「大切にしている」と口で言うわりに、感謝の気持ちを形にしていない。だからライバルに取られてしまうのです。社長が盆暮れにわざわざ挨拶に来てくれる取引先と、来ない取引先では、どちらを大事にするでしょうか。そんなこと言わなくてもわかりますね。肝心なのは、社長が自分で、お中元やお歳暮を持っていくこと。宅配便やデパートの配送では、ビールやお菓子の詰め合わせなどのモノは送れても、心は送れません。

・私は訪問のときは、鉢植えの花を持参します。お客様は社長の仕事は忙しいと知っています。でも社長がわざわざ手にシクラメンや欄の鉢植えを持って、お客様のところを訪問すると感激してくれる。商売では、お客様のところに根が付いたほうがいい。だから私は根付くようにとの意味を込めて、根っこがある鉢植えの花を贈ります。花は半年もしないうちに枯れるから、また新しい花を持って訪ねて行ける。これもまた、次に行ける種をまいてくる戦略です。

・営業における話し方で一番大事なことは、何だと思いますか。それは、毎回同じ話をすることです。私はもう25年間、どこに行っても、毎回同じ話をしています。なぜなら同じ話をしても、反応はその都度違うので、相手がどう思ったかがわかるからです。私は銀行へ業務の報告に行くと、どの銀行でも、毎回同じ話をします。同じ話をするから相手の反応の違いがわかる。毎回違う話をすると、比較対象がないから、反応がわからない。たくさんの話題を持っている人は一見利口そうだけれど、本当はおバカです。反応が違うからこそ、「ああ、ここが一番有力だ。見込みがあるな」「ここはさっきのところと比べて、全然反応がよくないぞ」とわかるわけでしょう。ところがダメな社長は、いっぱいある知識のなかから、毎回違うことを言う。これは自分から売れないように、売れないように、売れないように一生懸命やっているのと同じです。

・部下は、一度や二度の拒絶など意に介さず、淡々と訪問を繰り返す社長の姿を見て、胸を打たれる。守衛や受付に邪険にされている姿を見せれば、部下は、「お客様を獲得するというのは、こんなに大変なことなんだ」と実感します。そうすれば、現在のお客様をいまよりもっと大切にするようになる。そして取引先に頭を下げる社長を尊敬するようになる。そもそもプライドやメンツなど、何の役にも立ちません。社員には自分のダメなところを見せること。そうすれば社員は、自分が社長を支えようと思ってくれます。

・お客様と話をするときは、なんでもいいから、とにかくほめることです。ほめることの何がいいといって、お金がかからないこと。時として、お金をもらったときより喜ぶものです。社員が頑張ったときも、ほめてあげれば、一銭もかけずに喜ばせることができる。ほめることは、お金をかけずに相手を喜ばせる素晴らしい方法です。営業もそうです。ほめて、ほめて、ほめまくれることが肝要です。営業で話すことに苦手意識がある人は、お客様のところに行って目についたものを片っ端からほめまくればいい。そうすれば話題に困ることもありません。

・ほめることがいい結果を生むことは営業でも社内でも同じ。社長はどんなときでも、心からお世辞を言えるようでなくてはいけません。

・私が社内の整理・整頓にものすごく力を注ぐのは、有名かもしれません。わが社では役職を問わずすべての社員に、毎朝30分間の掃除を義務づけています。掃除をするのは就業時間内で、ちゃんとした仕事の一部です。どこもかしこも清潔で、徹底的に整理され、余計なものはボールペン1本たりとも出しっぱなしになっていません。これは事務所だけではなく、倉庫も同様です。この徹底した整理整頓を当社では「環境整備」といって、サポート企業の皆さんにも推奨しています。

・営業の手法として勧めているのが、「来社誘導」という方法です。新規契約をしてもらいたい会社に、自社に来てもらって、整頓が行き届いた内部を見ていただく。企業が新規のお客様の信頼を得るのは大変なことです。付き合いのない会社は、なかなか信用してもらえません。しかしキレイに磨きあげられた社内を見れば、「しっかりした会社」であることは一目瞭然。先方に一目で信頼してもらうことができます。百聞は一見にしかずとはこのことです。

・サッカーの好きな人は友達もサッカーが好き。野球ファンは友達も野球ファンです。そうすると社長の友達は社長です。若いOLにほかの会社を紹介してくださいと頼んでも、滅多に社長の知り合いはいない。社長には青年会議所の仲間とか、同友会の仲間とか、ロータリークラブの仲間がいます。社長は決定権があるので、話が早い。営業は、決定権のあるキーマンにはたらきかけるのがコツです。「自分のところは紹介してもらうだけの価値があるかどうか・・・」と自信を持てない社長がいますが、価値がある、ない、は相手が決めることです。その人が紹介してくれると言うなら、それを鵜呑みにすればいい。営業と一緒です。向こうが決めることだから悩まない。ここをみんな間違えています。恋愛でも、「私と付き合ってくれませんか、と言うと嫌われるかもしれない」とウジウジ悩む人が多いけれど、そんなことは、こちらが決めることではない。相手が決めることでしょう。

・お客様にお客様を紹介してもらうときに忘れてはいけないのは、間に立って紹介してくれた人に中間報告をすること。これをしない人が意外と多い。紹介した人は、「あのあと、どうなっただろう」と気になっているものです。それなのに紹介だけもらって、その後は音沙汰なしでは、礼儀知らずと思われても仕方がない。「ご紹介いただいた誰それさんにお会いしてきました」「こういう提案をしたら、いまこんな状況になっています」というような中間報告はマメにする。そうすれば、交渉が難航しているときも「すみません、いまひとつなので、社長かあお口添えいただけませんか」というお願いもしやすい。

・紹介の労をとってくれた人には必ずお礼をすること。お礼というと何か物を贈ることを考えると思いますが、もらってうれしいのは物より現金に決まっています。紹介のお礼に限らず、物よりもお金のほうが効果的なことは多い。なぜなら、相手が欲しいものと、こっちがいいと思うものは違うのですから。紹介してくれた人へのお礼は、受注金額に応じた「これぐらい」と思う額で差し上げることです。私は100万円差しあげたことがあります。そうすると相手は「また次も紹介してあげよう」と思うもの。1000円の商品券をもらって、「また紹介してあげよう」と思う人はいないでしょう。ましてやお礼のハガキ1枚で済ませてしまっては、「次」はありません。

・銀行は3月、9月が決算です。銀行マンにとっても、このときは成績を上げなければいけない。3月、9月は、銀行の支店長は審査が通るように頑張ります。ですから、この時期にお金を借りておくのが利口です。穴熊社長は銀行の話をすると、すぐ「金利がもったいない」と言う。これも間違った認識です。金利は2%、税金は50%。利益を出しても半分は税金でもっていかれる。それに比べれば金利は安い。金利を気にする社長は、だいたい業績が悪い。そして、銀行から借り入れる金額は多いほうがいい。会社が潰れるのは、現金がないから潰れるのです。キャッシュを持っていれば、絶対潰れません。

・取引先に威張るのはもってのほかです。その人たちを大切にしなければ、自分の会社がダメになってしまう。仕入れをしている会社は、自社の稼ぎのもとです。商品が足りなくなってきとき、どこから供給するのですか。いつも大事にしてくれる会社でしょう。いつも文句を言っているところなんか、「ざまあみろ」とばかりに最後に回すに決まっている。取引先との関係を良好に保つのも社長の営業の重要な役割のひとつです。そういった意味では社員との関係を保つためにも、社長には営業マインドが欠かせません。

・私はいつも言っています。「わが社がよくなるための情報は、社内にはない」と。会社の中に、新規の契約書が落ちているでしょうか。あるわけがない。外に行かない限り、メシの種は見つからない。私は武蔵野のナンバーワン営業マンですから、社内には当然、私の椅子もない。社長室も立派な調度品で飾りたてたりしていません。業績のいい会社の社長は、みんな社内に社長の椅子がありません。社長が会社にいないから、椅子は必要ないのです。

・社員に仕事の指示をしたとき、社員が「はい」というのは、「やります」と言っているのではなく、聞こえたという意味。多くの社員は「やっとけ!」と言ったら「はい!」と言いますが、やるなんて言っていない。「聞こえました」です。私は社員がだらけても、ちっともかまいません。ただ、サボった社員は賞与が大きく減るだけです。頑張った人の半分どころか、4分の1、8分の1になります。なにしろ一番多くもらった人と一番少なかった人の差は30倍ですから。わが社ではこのように業績と人事考課が完全に連動しています。ここまで仕組み化しておくと、社長が社内で見張っていなくても大丈夫。安心して営業に出かけられます。

・管理部門が強くても業績はよくなりません。ですからバックヤードはIT化してできるだけ手抜きをしています。650人、45億円の年商の会社で、総務担当はたった一人だけです。経理部門も課長一人とパートタイマー一人です。それでも月次決算は、締め切って翌日の夕方6時にはPL/BSが出ます。また、わが社では、総務課長はできるだけ気の利かない人を任命しています。気の利く人は、余計な仕事を始めるからです。管理部門の仕事は85点でいい。それ以上のことはアウトソーシングです。管理は最小限でいい。きめ細かくやったらキリがなく、コストだけかかってどうしようもない。管理はできるだけ簡略化して、営業は無理してコストをかける。ここまで徹底的に、お金をかけるところとかけないところをハッキリさせれば、販売経費も捻出できるのです。

・小さな会社にとって兵力を3倍にするのは簡単なことではない。それではどうしたらいいか。戦う地域をいまの3分の1にすることです。そうすれば兵力が3倍になる。桶狭間の戦いで織田信長が数倍の兵力を持つ今川義元に勝ったのもこの作戦をとったからですし、宮本武蔵が京都で吉岡流の門人30人を相手に戦って勝ったと言われているのも、橋の上で戦ったからです。いくら宮本武蔵でも、30人に囲まれたらどうしようもない。一人しか渡れないような狭い橋に立ったから、1対1の戦いに持ち込めた。理論を知らずに戦っても勝てないのです。したがって中小企業は、戦いの場を狭めたほうがいい。大きなマーケットで戦っては大企業に負けてしまいます。

・業績をすぐ伸ばせる社長は、当社の社員のアドバイスをすぐ受け入れてアクションも早い。注意すると「あ、そうか、そうか」と言って、もうすぐ次の手を自分で用意してくる社長は、業績も伸びます。社長はお客様の言うことだけではなく、自分の部下である営業マンの話も聞かなくてはいけません。そうでなければ、自社の営業とお客様との間にどの程度ギャップがあるのか気が付かない。つまり社員からも話を聞かなければいけない。社長が営業を始めれば、社員の営業にも同行する、あるいは自分の営業に同行させるというアクションが生まれます。ですから、末端の営業マンの声も聞くようになるので、現場の声をボトムアップする効果も期待できる。社長が営業に行くのは、企業の切り札です。一営業マンが一人頑張ったところで、会社の文化は変えられない。社長が変われば何もかも全部が変わる。社長が一生懸命やれば、社員も変わります。社員を変えようとするより、自分が変わるほうが早い。社長が営業をすることの意味はそこにあります。

・私には訪問先の会社が儲かっているか儲かっていないかが瞬時にわかる特技があります。どこに注目していると思いますか。社内の整理整頓、掃除が行き届いているかどうか。社員の表情が明るく生き生きとしているかどうか。在庫がホコリをかぶっていないかどうか。これらも会社の業績を暗示する立派な材料ですが、中小企業は一目瞭然な目安があります。それは、いきなり訪ねたとき、社長や営業部長などの幹部が社内にいるかどうかです。社長が外にいて営業をしている会社は業績がいい。営業部長も同じです。反対に社長が昼日中から会社にいて、新聞を読んでいるような会社は、業績も振るいません。この法則は面白いほどよく的中します。営業をすれば、必ず新しい発見があります。出会いがあります。変化があります。変化がなければ、会社は腐っていくだけです。常に変化するのが世の中です。

<目次>
まえがき「穴熊社長」が会社を潰す!
「社長の営業」チェックリスト
「社長の営業」習熟度評価
第1章 社長よ、NO.1営業マンになれ!
  1 社長の営業で会社は必ず成長する
  2 営業は社長の仕事である
  3 まともな社員は情報を上げない
  4 文句を言わない社長になれ
  5 社長が社内に居ると会社は傾く
  6 なぜ社長と社員は真剣さが違うのか
  7 想像を絶する社長名刺の威力
第2章 新規開拓で社長の本領を発揮せよ
  8 営業嫌いは必ず克服できる!
  9 営業上手の近道は猿真似にあり
 10 目標は低く、低く
 11 ムダな営業、役立つ営業
 12 邪魔かどうかは相手が決める
 13 損する営業、得する営業
 14 無駄足こそ成功への一本道
 15 キーマンに近づく必殺テクニック
 16 6回以下の訪問は行ってないのと同じ
 17 挨拶も立派な営業だ!
 18 バカ話こそ営業の真骨頂
 19 お客様の疑問に即答するな
 20 提案書は60%がベスト
 21 お客様の開拓コストは赤字でいい!
 22 話し下手こそ営業の達人だ
第3章 社長がお客様を囲い込め!~継続取引のための営業~
 23 贈り物には枯れる花が最適
 24 営業上手は取引先の社員を叱る
 25 物知りは営業の邪魔になる
 26 社員には同じ話を繰り返せ
 27 部下を営業に連れていけ
 28 ダメ社長ほど人心掌握できる
 29 ほめて、ほめて、ほめまくれ
 30 お客様に舞台裏を見せろ
 31 お客様は区別する
 32 売上よりも大切な数字
 33 経営は「率」ではなく「額」で見る
 34 売るためのお金をケチらない
 35 ゴルフは有効な営業ツールか?
 36 お客様こそ最高のセールスパーソン
 37 勘違いしがちな満足度
 38 なぜ金は借りられるだけ借りるべきなのか
 39 無借金経営は罪悪だ
 40 取引先に優しくすべき、これだけのメリット
第4章 社長が営業に行く仕組み
 41 社長と営業に椅子は要らない
 42 管理部門の人数は一桁にせよ
 43 優秀な人材は営業に回せ
 44 小さいエリアに兵力を注げ
 45 業績が伸びる社長の共通点
 46 嫌な営業に行く秘訣
 47 営業の時間をつくるコツ
 48 穴熊社長のトンデモ発言
 49 社長を育てる説教とは
 50 社長が変わる最初の一歩
 51 モチベーションアップの奥の手とは
実例コラム
 1 株式会社マキノ祭典
 2 株式会社キンキゴム
 3 株式会社関通
 4 株式会社タナカ工業
 5 本村製本株式会社
 6 有限会社宮川商店
 7 日本枝乃パーム工業株式会社
 8 株式会社アポロン
あとがき


面白かった本まとめ(2014年上半期)

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