<金曜は本の紹介>
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「戦略読書日記」という本は、基本的には著者が感銘を受けた21の本について紹介したものですが、それらの本の経営戦略やストーリーについて分かりやすく説明していて、しかもジャンルはテレビ業界だけでなく夜の銀座、ダイエット、マクドナルド、映画ライター、日本永代蔵、天正遣欧少年使節団、ライフネット生命、喜劇人などバラエティに富んでいて、どれもとても面白かったですね。
とにかくどれも面白く紹介しているので、この「戦略読書日記」という本で紹介されている本は、全部読んでみたいと思いましたね^_^)
また人生においては、好きなことをやることが大切、年齢は関係ない、読書が大切ということを改めて理解しました。
良書だと思います。
それから、巻末には「僕の読書スタイル」というロングインタビューがあり、著者の年間300冊ほど読むという読書好きには好感が持てました。(自分もそのくらい読んでいるかな?)
そして、読書においてとにかく大切なことはトリップすることで、自分がそこに行ってしまったような感覚になるのが理想とのことです。
そのトリップには二種類あって、物語やドキュメンタリーのように自分が書かれている舞台に入り込んでいく感覚と、対談に参加者として参加しているような対話トリップがあるとのことで、ナルホドと思いましたね。
「戦略読書日記」という本は、とてもとてもオススメです!
以下はこの本を読んで読みたいと思った内容と、この本のポイントなどです。
・日本電産社長の永守重信さんがとあるインタビューで答えていた。リーマンショックのときに、積み上げた経営ノウハウでは乗り切れないと感じた。本当に会社がつぶれるかもしれない。そう思った永守さんは、行き先を言わず、一ヶ月間図書館に通い続けた。そして1930年代の世界恐慌で多くの会社がつぶれるなか、業績を急回復させた企業についての本を探して片っ端から読み、ひたすら考えたという。経営者としての実体験の深さや豊かさが超一流である永守さんでさえも、リーマンショックという非連続な事態に遭遇したときには、読書をすることによって、拡張された時間軸と空間軸の中に自己を位置づけ、そこから有用な因果論理をつかみだそうとする。読書をするときには姿勢が大切である。本をあまり目に近づけないように、といった物理的姿勢も大切だが、心の構えはもっと大切だ。著者や登場人物と対話するように読む。対話をすることによって自分との相対化が進む。本当は生身の優れた人間と直接対話ができればいいのだが、そういう人は遠くにいたり、忙しかったり、死んでしまっているのでなかなかかなわない。そこに相手がいないときでも、いつでもどこでも誰とでも、時間と空間を飛び越えて対話ができる。ここに読書の絶対的な強みがある。
・若いころの僕がシビれた「元祖テレビ屋大奮戦!」、今となっては絶版なのが残念至極である。興味のある方は、ぜひ中古を探して読んでいただきたい。「元祖テレビ屋大奮戦!」よりも若干パワーは落ちるが、ご本人の口述した「元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学」もまた素晴らしい。井原マニアの僕は井原が出てくる本はことごとく読んでいるが、そのなかではすでに触れた小林信彦「テレビの黄金時代」、井原組で活躍し日本テレビのプロデューサーとなった齋藤太朗の「ディレクターにズームイン!!」の二冊が秀逸である。こちらもよしなにどうぞ。長々と話をしてきたが、「元祖テレビ屋大奮戦!」は二度にわたって決定的なインパクトを僕に与えてくれた本である。一度目は仕事をする前の若いころの僕に「好きなことを仕事にする」とはどういうことかを教えてくれた。二度目は競争戦略に関する仕事をしている中年の僕に「戦略をストーリーとしてつくる」とはどういうことかを教えてくれた。
・絶対のおすすめが、「これだけあれば、ほかにはいらない」という二冊、内田和成さんの「スパークする思考」とその続編「プロの知的生産術」である。内田さんの本がよくある情報整理術の本と決定的に違うのは「情報」そのものではなく、むしろ人間の「注意」を相手にしているところだ。
・「注意」という人間の限られた資源を最大限に活用したいなら、この本に書かれている方法論がいちばん優れている、というのが僕の見解だ。その理由は、本書の続編ともいえる「プロの知的生産術」に詳しい。この手の本では、とかく情報の収集、整理に焦点があてられがちなのだが、いうまでもなく仕事の本丸は「アウトプット」にある。知的「生産」というぐらいだから、アウトプットが問題になるのは当たり前。しかし、この肝心のところをないがしろにした議論が多すぎる。そもそも人が情報をインプットする目的は大きく分けて二つある。一つはインプットそれ自体のため。もう一つはアウトプットを生むため。前者を「趣味」、後者を「仕事」といってもよい。趣味と仕事の違いは明確だ。趣味は自分のためにやること、仕事は人のためにやること。どちらのためのインプットなのかで、情報の意味はまるで違ってくる。
・三枝さんは僕にとって優れた経営者のモデルであり、もっとも尊敬する経営者の一人である。企業再生の現場で奮闘すること16年。その間に書かれたのが「三枝三部作」とでも言うべき「V字回復の経営」「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」の三冊である。経営と経営者、組織の本質を突きまくった名著として今でも多くの人に読み継がれている。内容の濃さ、豊かさはもちろん、読み物としても抜群に面白い。今からでも遅くはないので、ぜひ読んでほしい。経営を見る目が変わること請け合いだ。三枝三部作は強烈なメッセージを放っているが、小説仕立てであるため、登場人物に語らせるという「間接話法」をとっている。これに対して「「日本の経営を創る」は三枝さん自身が主語なので、三部作の背後に一貫して流れている三枝さんの経営哲学、行動と思考の様式が「直接話法」でビンビン伝わってくる。そこが本書のたまらない魅力である。優れた経営人材とはどのような人を指すのか。本書で縦横無尽に繰り広げられる対談から、その輪郭をしっかりとつかむことができる。「経営というのは結局のところセンスの問題でありスキルではどうにもならない」。これまで繰り返して話してきた僕の持論だ。「「日本の経営」を創る」を読んで、この持論は確信となった。
・渥美清という俳優を人間として大いに尊敬している。人生の師の一人といってもよい。この国民的大俳優についての評伝は数え切れないほど出ているが、芸論の帝王、小林信彦の手による「おかしな男 渥美清」がなんといっても出色の出来だ。「おかしな男」には人間・渥美清についての興味深すぎるエピソードが詰まっているわけだが、彼の本質が「見巧者」にあるという小林の論点はとりわけ面白い。「男はつらいよ」シリーズで大成功した後の渥美清は、若い頃に経験した結核で体力に心配を抱えていたこともあり、これ以外の仕事をほとんど受け付けないというところまで仕事を絞りに絞っていた。時間ができた渥美は、あらゆる映画や演劇を観まくるという、本来大スキなことに集中する日常生活を送っていたという。
・「Hot Pepperミラクル・ストーリー」は、著者の平尾勇司さんがリクルート在籍時に構想し、実行した戦略ストーリーを振り返った書である。「ホットペッパー」の戦略ストーリーは不朽の名作、僕に言わせれば「戦略ストーリーの殿堂入り」の大傑作だ。「戦略ストーリーって何?」と聞かれたら、即座に「ここに全部ある」と言える。優れた戦略の条件が詰まっている。その解読は僕にとって極上のワクワク体験だった。拙著でもかなりの紙幅を割いて話しているので、興味のある方はそちらも併せて読んでいだきたい。
・その分野にまるで関心がない人にも面白く読ませてしまう指南書がごくまれにある。個人投資家向けの株式投資の指南書、「ストラテジストにさようならを」はまさにそういう本である。
・岡田斗司夫氏の「レコーディング・ダイエット 決定版」。ダイエットに興味があるかと言われたら、ゴルフよりはあるけれど音楽よりはない、という微妙なところに僕はいる。身長182cm、体重77kgというギリギリ標準体型ではあるが(←嘘。実は80kgで、軽いデブ)、なにぶんハゲなので、デブ&ハゲのナチュラル・バイブレーションだけは避けたいと祈念している。その意味で「本気でダイエットするところまではいっていないけれども、関心はわりとある」というのが僕のポジションだ。ということで、何の気なしに読んでみた。で、よどみなく衝撃を受けた。そこで語られているのはきわめて洗練された「戦略ストーリー」であり、全編これ戦略づくりのお手本ともいえる内容になっているのである。
・「プロフェッショナルマネジャー」とぜひペアで読んでいただきたい本があるので、本章ではそれを取り上げる。マクドナルドの創業者、レイ・クロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」である。世界最大の外食企業、マクドナルドを創った経営者の自伝。掛け値なしに面白い。
・「映画はやくざなり」以外にも、笠原和夫の著書はどれも面白い。「映画はやくざなり」を気に入っていただけた方には、「破滅の美学」「「妖しの民」と生まれてきて」の二冊をおすすめする。本人が書いたものではないが、小林信彦の例によって例のごとくの傑作芸論、「天才伝説 横山やすし」も笠原のプロとしての凄みをよく伝えている。
・笠原は「書く」という作業を仕事の最終段階と定めている。「書く」のはストーリーづくりの最後にくる一要素でしかない。笠原は脚本を書くという仕事の「順列」を次のように定めている。ここに笠原の戦略のカギがある。
①コンセプトの検討
②テーマの設定
③ハンティング(取材と資料収集)
④キャラクターの創造
⑤ストラクチャー(人物関係表)
⑥コンストラクション(事件の配列)
⑦プロットづくり
実際にプロットを書くのは最後の最後。まず考えるべきはコンセプトとテーマ。それができて初めて資料を読み込み、背景となる土地に足を運び、人と会い・・・というハンティングに移る。そこからキャラクターを創り、キャラクター同士の人間関係を決めたうえで主な事件を配置し、いよいよプロットづくりにとりかかる。笠原はストーリーづくりの最初にくるコンセプトとテーマをきわめて重視している。笠原のいうコンセプトとは「戦略の凝縮した表現」。
・シナリオを実際に「書く」のは、ストーリーづくりの最後にくる仕事だ。「シナリオ骨法10箇条」は、プロットができた後、脚本をいざ書き始めてから使うものとして提示されている。「骨法」というだけあって、簡潔にまとまっているが、さらにエッセンスだけ以下に抽出する。
①骨法その1「コロガリ」
これからなにが始まるのかと客の胸をワクワクさせる展開の妙。映画でいえばサスペンス。不自然な展開やご都合主義の話の運びは「コロガリが悪い」といい、本筋だけがどんどん先に行ってしまう展開は「コロガリ過ぎる」という。観客との間で適当に駆け引きをしながら意表をつくカードを次々に見せていくのが最良のコロガリ。
②骨法その2「カセ」
主人公に背負わされた運命、宿命。「コロガリ」が主人公のアクティブな面を強調するのに対し、「カセ」はマイナスに作用するファクター。たとえば身分違いの恋は「カセ」であり、そこから生じる波乱が「アヤ」。ドラマの楽しさは「アヤ」にあるが、適切な「カセ」がないと「アヤ」が生まれない。技術的にいちばん難しいのが「カセ」。「カセ」「アヤ」の双方が効果的に効いたドラマは文句なしに面白い。
③骨法その3「オタカラ」
主人公にとって、なにものにも代えがたく守るべき物、または獲得すべき物。主人公に対抗する者にとっては、そうさせまいとする、葛藤の具体的な核。サッカーのボールのように、絶えずとったり奪われたりすることで、多彩に錯綜するドラマの核心が簡潔明快に観客に理解される。とりわけアクション・ドラマの場合に「オタカラ」は必須。
④骨法その4「カタキ」
敵役。「オタカラ」を奪おうとする者の側。メロドラマにおける「恋敵」。一目見てすぐ<悪>とわかるような「カタキ」は時代劇以外では浮いてしまう。トラウマや劣等感など、内部から主人公の心を侵害するものも「カタキ」になりえる。
⑤骨法その5「サンボウ」
「正念場」のこと。光秀が「敵は本能寺にあり!」といって盃を載せた三方(台)をひっくり返すという「絵本太巧記」場面に由来する。進退ギリギリの瀬戸際に立った主人公が運命なり宿命に立ち向かう決意を示す地点。複雑多彩に膨れたドラマの中心部で「サンボウ」の芝居をつけることで、観客にドラマがどちらを目指しているのか気づかせることができる。
⑥骨法その6「ヤブレ」
破。乱調。たとえば失意の主人公がボロボロになって酒に溺れたり暴れたりする芝居。役者にとってもやり甲斐のある見せ場となる。
⑦骨法その7「オリン」
バイオリンのこと。母子物の映画で、別れの場面にバイオリンをかき鳴らして観客の涙を誘ったことから、感動的な場面を「オリンをコスる」と呼ぶようになった。「ヤブレ」のあとにくることが多い。
⑧骨法その8「ヤマ」
ヤマ場、見せ場。クライマックスのこと。本筋、脇筋を含めたあらゆるドラマ要素が結集し、人物たちは最大限に感情を爆発させ、衝突し、格闘し、一大修羅場を呈する。観客が抑制してきた興奮の発酵を、ここぞとばかりに一気に解き放つもので、作者自身がまず感動し、我を忘れるようなボルテージの高い場面にしなくてはならない。
⑨骨法その9「オチ」
締めくくり、ラストシーン。予測と期待通りに終わる場合と、予測に反しながらも期待は満たして終息する場合の二種類がある。メロドラマは前者、ミステリーは後者が多い。予想ができて期待外れ、予想できなくて期待も満たされないオチは厳禁。思い切り楽しみつつ細心で丁寧な気遣いを持って書き上げる。
⑩骨法その10「オダイモク」
お題目。テーマ。書き始める前に定めたテーマと書き進める過程で湧き上がってくるテーマの間に差異が生じたら、当初のテーマを捨てる。脚本を書き上げたところで、伝えようとしたテーマが十分に示されたかどうか、もう一度「オダイモク」を唱え直して検証することが肝要。
・「生産システムの進化論」のほかにも、藤本さんの研究と主張はいくつもの本として世に出ている。その一部をあげるだけでも「日本のもの造り哲学」「能力構築競争」「ものづくり経営学」、新しいところでは国際競争や円高・震災で追い込まれているかのように見える日本のものづくりの本質を現場主義の視点で論じた「ものづくりからの復活」などがある。いずれもものづくりの経営に正面から取り組んだ、横綱相撲の傑作だ。
・ライフネット生命の創業時にビジネスモデルを投資家に説明するとき、出口さんはいつも「ベンチャー企業が成功する5つの要因」を最初に話したという。
①市場の規模が大きいこと
②商品・サービスに対する消費者の不満が大きいこと
③凧を揚げる風が吹き始めていること
④ライフネット生命は、インターネット販売による「わかりやすく安くて便利な商品・サービスの提供」という明確なソリューションを持っていること
⑤参入障壁が高いこと
・出口さんの最上の愛読書はM・ユルスナールの小説「ハドリアヌス帝の回想」(言わずと知れた名著。これも是非お読みください)であるという。ハドリアヌスは「人間として最上の美徳は素直であることだ」と言う。実績や経歴や能力よりも素直さ。これが出口さんの人間哲学の支柱にある。
・ことの本質を押さえずに「グローバル化!」のかけ声に飲み込まれてジタバタするとロクなことにならない。グローバル化の本質は単に言語や法律が違う国に出て行くということではない。経営の「非連続性」にこそグローバル化の本質がある。ヨーロッパから16世紀の日本に来た宣教師たちは、母国と異なる言語や文化、生活習慣に直面した。しかし、こうした違いを克服することに一義的な挑戦課題があったわけではない。ヨーロッパでの慣れ親しんだ宗教活動とはまるで違う、極東の日本という国でゼロからキリスト教を布教し成果を出さなければならなかった。この非連続性に困難の正体があった。今の日本企業のグローバル化にしても同じことだ。それまで慣れ親しんだロジックが必ずしも通用しない未知の状況で、商売全体を組み立てていかなくてはならない。特定の決まった範囲での仕事をこなす「担当者」では手に負えない仕事だ。商売丸ごとを動かすことができる「経営者」が不可欠になる。
・ヴァリニャーノやオルガンティーノのような、本質を見抜く洞察力と相手を理解しようとする謙虚さを備えていて、しかも自分勝手に物事を解釈しないリアリズムでものを考えるリーダーが必要なのである。ただし、社員全員がヴァリニャーノである必要はない。100人中1人か2人いればよい。それが誰なのか。自分の会社のヴァリニャーノを見極めるのがグローバル経営の第一歩である。この本を日本企業のグローバル経営に対するメッセージとして読めば、結論はこういうことになる。「あなたの会社にヴァリニャーノがいるか。いるとしたらそれは誰か」。この問いに対して答えがすぐに出ない企業はグローバル化に踏み出すべきではない。その前にすべきことがたくさんある。
・「日本の喜劇人」という本は昭和を代表する喜劇人についての芸論の傑作である。著者の小林信彦は芸論の天才であり、なかでも本書は極上の域に入る絶対の名著といえる。文中に登場する昭和の喜劇人を誰ひとり知らない人でも、本書の深い味わいを堪能していただけると確信する。「名人-志ん生、そして志ん朝」「世界の喜劇人」「笑学百科」「森繁さんの長い影」「喜劇人に花束を」(好著!)、「天才伝説 横山やすし」(名著!)、「テレビの黄金時代」(大名著!)、「おかしな男 渥美清」(超名著!)など、著者には本書のほかにも多くの芸論がある。僕はそれぞれ10回以上読んでいるのだが、そのなかでも「日本の喜劇人」にはとりわけ深い感動を受けた。小林信彦の芸論の迫力は、著者の喜劇と喜劇人に対する思い入れと洞察はもちろんだが、「自分の目で見たものしか信じない」という一貫したスタンスによるところが大きい。
・最近、堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿の「時代の風音」という対談を読みました。超絶的な面白さですね。司馬さんは例によって神業的な洞察の連続攻撃。それを堀田さんの極上の知性が迎え撃つ。この二人のやり取りにつきあえるというのは、もうこの世のものとは思えないような、夢のような経験ですね。で、この対談をセットしたのが宮崎駿さんなんですよ。
・家で読むことが多いのですが、座っては読みません。横になります。ベッドで読むのが基本ですね。あとは寝椅子。休日になると下手をすと10時間以上ぶっ続けで読むから座っていると疲れるんです。寝椅子はル・コルビュジエのLC4(シェーズ・ロング)がベストというのが僕の結論。これは読書や映画や音楽鑑賞のためにあるような傑作です。背中の角度は地面に対して30度以下が読書の基本。
・僕は脳への負荷別に重量・中量・軽量というふうに本を分けて、三冊ぐらいを並行して読むようにしています。たとえば僕の好きな日記モノでいえば、重量級は「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」、中量級だと「ホーチミン・ルート従軍記」、軽量級だと「池波正太郎の銀座日記」みたいな取り合わせですね。高負荷の「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」を3時間読んでいるとアタマが疲れるんですよ。素晴らしく面白いんですけど、いろいろと考えることがあってアタマが疲れる。で、息抜きに「ホーチミン・ルート従軍記」を読む。で、いよいよ疲れると池波先生の出番になる。池波風に言うと、(これがもうたまらない・・・)
・評論や自伝のジャンルでたまらなく面白かったものをぱっと挙げると、白川静先生の「回思90年」とか吉田茂「回想10年」、リ・チスイ「毛沢東の私生活」、ロバート・マクナマラ「マクナマラ回顧録」、カート・ジェントリー「フーヴァー長官のファイル」、ギュンター・グラス「玉ねぎの皮をむきながら」、エリック・ホッファー「エリック・ホッファー自伝」とか、この手のやつ。
・最高傑作の一つはやはり世阿弥の「風姿花伝」。狭い意味での「芸人」ではありませんが、谷川俊太郎・山田「ぼくはこうやって詩を書いてきた」も大傑作。僕はマンガを読みませんが、マンガについての評論を書いている竹熊健太郎の「マンガ原稿料はなぜ安いのか?」「ゴルゴ13はいつ終わるのか?」を最近読んで、大いに楽しみました。第一級の芸論ですね。
・超絶的に最高なのが「古川ロッパ昭和日記」。これは芸論と日記の完全な合わせ技という、僕にとってはスイートスポット直撃のありがたいこときわまりない本。「今まで読んだなかでいちばん面白かった本を選べ」という無茶な質問をされたら、「古川ロッパ昭和日記」を選びますね。戦前の昭和9年から晩年の35年まで、二段組みの小さな活字びっしりのハードカバーで4巻にわたる長尺ものです。この日記の存在はずっと前から広く知られていましたが、長いこと著者のご遺族の手で保管されていて、なかなか世に出なかった。だから出版されたのに気づいたときはもう大喜びで買って読みました。読み始めたらもう止まらない。
・小説になりますが、直木賞をとった中島京子の「小さいおうち」は、プロットの設定も含めて、この辺を抜群に上手に再現しています。
・最初に読んだのはご多分に漏れず「アンネの日記」ですが、日本人の日記でも、清沢「暗黒日記」や高見順「敗戦日記」はもちろん、徳川夢声の「夢声戦争日記」、山田風太郎の「戦中派虫けら日記」「戦中派不戦日記」、内田百聞の「東京焼壷」、こうした日記は絶品です。山田風太郎の戦時下の日記を読むと、時空を飛び越えて、「ああ、戦争はこうして始まり、世の中の人々はこういう風に受け止め、戦時体制に組み込まれていくのか」ということが手に取るようにわかる。若い読者にぜひ読んでもらいたいですね。
・僕は本を読むと、わりと現実の生活に取り入れたくなるほうなんです。たとえば、ジェフリー・アーチャーの「獄中記」三部作。アーチャーは2001年から2年間収監されているんですね。この人の小説ももちろん面白いのですが、この詳細きわまりない獄中の日記を読むと、アーチャーの人となりがよくわかります。で、実用的な教訓を得たのは、最初の「地獄篇」に出てくる話。彼は2時間書いて2時間ほかのことをする、このワンセットを繰り返すというスタイルで仕事をしていたらしい。で、獄中でもこのルーティンを続けるんです。ずっと書き続けていると書いていものを客観的に見られなくなるんで質が落ちる。だから2時間で区切って、一度書いているものから離れる。で、2時間寝かせてまたまたとりかかる。なるほどなと思ってさっそく取り入れてみると、これが実にいい。ま、アーチャーと自分を比べるのもちょっとアレですが、僕も書く仕事のときは2時間1セットでやるようにしています。
・僕、もともとナンシー関が好きで、夏にヨーロッパに行ったときに何冊かトランクに入れて持っていった。その中にあったナンシー関とリリー・フランキーの「小さなスナック」っていう本が面白くて大笑いした。リリー・フランキーは小説の「東京タワー」しか読んだことがなくて、そっちのほうはあまりピンとこなかったのですが、この人は雑談の天才ですね。ナンシー関とリリー・フランキーのとりあわせは最高。二人とも言語的な反射神経がすごい。会話の至芸を楽しみました。
・リリー・フランキーの話によく出てくる吉田豪という人がいる。この人の本を読んでみたくなって、「元アイドル!」「人間コク宝」「男気万字固め」「豪さんのポッド」「電池以下」なんかを続けて読んでみたらまたこれがとんでもなく面白い。吉田豪はインタビューの名人ですね。ものすごくアクの強い人にインタビューするのが最高にうまい。
・吉田豪による角川春樹のインタビューはあまりの面白さにぶっ飛びました。で、当然、角川春樹「わが闘争」を読む。これがまた希代の奇書でして、凄まじい内容。で、そこから角川春樹・石丸元章「生涯不良」、福田和也「春樹さん、好きになってもいいですか。」と続く。角川春樹の句集も読む。さらには、春樹さんの娘にKei-Teeという人がいるんですが、その人の「セレブの血」も読む。吉田豪から派生したもう一つのズルズルに水道橋博士の「本業」という秀逸な書評集があって、ここからビートたけし「漫才」、杉田かおる「すれっからし」、哀川翔「翔、曰く」と続き、最後はまた「ナンシー関大全」に戻ってきたりして、数えてみたら、「小さなスナック」から始まるこのズルズル・シリーズで読んだ本は38冊でした。アマゾンで買うのが多いのも、このズルズル読みに向いているからですね。
・日記ものでいうとスーザン・ソンタグ「私は生まれなおしている」とか、最近読んだのでいうと小谷野敦「もてない男」とか。もちろん良し悪しではなくて単なる僕の個人的な好き嫌いに過ぎないのですが、スーザン・ソンタグとかは、とにかくありとあらゆる面で僕にとってはイヤな感じなんですよ。だから特殊読書としては最高に面白い。
・僕にとっての特殊読書の原点は本多勝一の評論ですね。最初のきっかけは「貧困なる精神」シリーズや、「殺す側の論理」「殺される側の論理」「NHK受信料拒否の論理」のあたり。とにかく意見が合わないわけです。でも、自分と正反対の主張を、あれほど全力でエネルギッシュに訴えられると、どうしてこういう考えを持つに至るのか、その背後に何があるのか、非常に面白い。僕は大江健三郎の小説や評論はあまり好きではありませんけど、それにしても本多勝一の憎悪と執念全開の大江批判、「大江健三郎の人生」や「文筆生活の方法」を読むと、何がここまでそうさせるのか、面白すぎて止まりませんでした。
・メジャーどころだと、村上春樹の小説で「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は本格的な小説として大変なものだと、学生のころ読んでびっくりしたんですよ。これはすごいのが出てきたなと思って。そのあと「国境の南、太陽の西」っていうのを読んだら・・・。僕も驚いて腰を抜かしました。何があったのかなって考えちゃいますよね。なんでこうなっちゃったのかな、なんでこんな小説を書くのかなという人間に対する関心なんですよね。
・最初は立花隆の「中核VS革マル」ですね。で、初期のブントや全学連の話から始まって、連合赤軍関連の本を読む。この辺は主要関連人物の手記や日記や評伝や遺稿が大量に出版されていますね。
・あのまま今に至るまでイワイワ団が続いていたら、ヘンリー・ダーガーの「ヴィヴィアン・ガールズ」になっちゃう。そういえば、ジョン・マグレガーの「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」はとんでもなく面白いですよ。ダーガーのように底抜けに不思議な人でも、評伝を読んでみるときちんと彼なりの論理がある。それが面白い。でも空想は1日15分まで。それ以上やるとわりとダーガー化してヤバい。
<目次>
まえがき
序章 時空間縦横無尽の疑似体験
「ストーリーとしての競争戦略」楠木建著
第1章 疾走するセンス
「元祖テレビ屋大奮戦!」井原高忠著
第2章 「当然ですけど。当たり前ですけど」
「1勝9敗」柳井正著
第3章 持続的競争優位の最強論理
「「バカな」と「なるほど」」吉原英樹著
第4章 日本の「持ち味」を再考する
「日本の半導体40年」菊池誠著
第5章 情報は少なめに、注意はたっぷりと
「スパークする思考」内田和成著
第6章 「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の戦略思考
「最終戦争論」石原莞爾著
第7章 経営人材を創る経営
「「日本の経営」を創る」三枝、伊丹敬之著
第8章 暴走するセンス
「おそめ」石井妙子著
第9章 殿堂入りの戦略ストーリー
「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾勇司著
第10章 身も蓋もないがキレがある
「ストラテジストにさようならを」広木隆著
第11章 並列から直列へ
「レコーディング・ダイエット 決定版」岡田斗司夫著
第12章 俺の目を見ろ、何にも言うな
「プロフェッショナルマネジャー」ハロルド・ジェニーン著
第13章 過剰に強烈な経営者との脳内対話
「成功はゴミ箱の中に」レイ・クロック著
第14章 普遍にして不変の骨法
「映画はやくざなり」笠原和夫著
第15章 ハッとして、グッとくる
「市場と企業組織」O・E・ウィリアムソン著
第16章 日ごろの心構え
「生産システムの進化論」藤本隆宏著
第17章 花のお江戸のイノベーション
「日本永代蔵」井原西鶴著
第18章 メタファーの炸裂
「10宅論」隈井吾著
第19章 「当たり前」大作戦
「直球勝負の会社」出口治明著
第20章 グローバル化とはどういうことか
「クアトロ・ラガッツィ」若桑みどり著
第21章 センスと芸風
「日本の喜劇人」小林信彦著
ロング・インタビュー 僕の読書スタイル
〔付録〕読書録
面白かった本まとめ(2014年上半期)
<今日の独り言>
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そのトリップには二種類あって、物語やドキュメンタリーのように自分が書かれている舞台に入り込んでいく感覚と、対談に参加者として参加しているような対話トリップがあるとのことで、ナルホドと思いましたね。
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以下はこの本を読んで読みたいと思った内容と、この本のポイントなどです。
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・若いころの僕がシビれた「元祖テレビ屋大奮戦!」、今となっては絶版なのが残念至極である。興味のある方は、ぜひ中古を探して読んでいただきたい。「元祖テレビ屋大奮戦!」よりも若干パワーは落ちるが、ご本人の口述した「元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学」もまた素晴らしい。井原マニアの僕は井原が出てくる本はことごとく読んでいるが、そのなかではすでに触れた小林信彦「テレビの黄金時代」、井原組で活躍し日本テレビのプロデューサーとなった齋藤太朗の「ディレクターにズームイン!!」の二冊が秀逸である。こちらもよしなにどうぞ。長々と話をしてきたが、「元祖テレビ屋大奮戦!」は二度にわたって決定的なインパクトを僕に与えてくれた本である。一度目は仕事をする前の若いころの僕に「好きなことを仕事にする」とはどういうことかを教えてくれた。二度目は競争戦略に関する仕事をしている中年の僕に「戦略をストーリーとしてつくる」とはどういうことかを教えてくれた。
・絶対のおすすめが、「これだけあれば、ほかにはいらない」という二冊、内田和成さんの「スパークする思考」とその続編「プロの知的生産術」である。内田さんの本がよくある情報整理術の本と決定的に違うのは「情報」そのものではなく、むしろ人間の「注意」を相手にしているところだ。
・「注意」という人間の限られた資源を最大限に活用したいなら、この本に書かれている方法論がいちばん優れている、というのが僕の見解だ。その理由は、本書の続編ともいえる「プロの知的生産術」に詳しい。この手の本では、とかく情報の収集、整理に焦点があてられがちなのだが、いうまでもなく仕事の本丸は「アウトプット」にある。知的「生産」というぐらいだから、アウトプットが問題になるのは当たり前。しかし、この肝心のところをないがしろにした議論が多すぎる。そもそも人が情報をインプットする目的は大きく分けて二つある。一つはインプットそれ自体のため。もう一つはアウトプットを生むため。前者を「趣味」、後者を「仕事」といってもよい。趣味と仕事の違いは明確だ。趣味は自分のためにやること、仕事は人のためにやること。どちらのためのインプットなのかで、情報の意味はまるで違ってくる。
・三枝さんは僕にとって優れた経営者のモデルであり、もっとも尊敬する経営者の一人である。企業再生の現場で奮闘すること16年。その間に書かれたのが「三枝三部作」とでも言うべき「V字回復の経営」「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」の三冊である。経営と経営者、組織の本質を突きまくった名著として今でも多くの人に読み継がれている。内容の濃さ、豊かさはもちろん、読み物としても抜群に面白い。今からでも遅くはないので、ぜひ読んでほしい。経営を見る目が変わること請け合いだ。三枝三部作は強烈なメッセージを放っているが、小説仕立てであるため、登場人物に語らせるという「間接話法」をとっている。これに対して「「日本の経営を創る」は三枝さん自身が主語なので、三部作の背後に一貫して流れている三枝さんの経営哲学、行動と思考の様式が「直接話法」でビンビン伝わってくる。そこが本書のたまらない魅力である。優れた経営人材とはどのような人を指すのか。本書で縦横無尽に繰り広げられる対談から、その輪郭をしっかりとつかむことができる。「経営というのは結局のところセンスの問題でありスキルではどうにもならない」。これまで繰り返して話してきた僕の持論だ。「「日本の経営」を創る」を読んで、この持論は確信となった。
・渥美清という俳優を人間として大いに尊敬している。人生の師の一人といってもよい。この国民的大俳優についての評伝は数え切れないほど出ているが、芸論の帝王、小林信彦の手による「おかしな男 渥美清」がなんといっても出色の出来だ。「おかしな男」には人間・渥美清についての興味深すぎるエピソードが詰まっているわけだが、彼の本質が「見巧者」にあるという小林の論点はとりわけ面白い。「男はつらいよ」シリーズで大成功した後の渥美清は、若い頃に経験した結核で体力に心配を抱えていたこともあり、これ以外の仕事をほとんど受け付けないというところまで仕事を絞りに絞っていた。時間ができた渥美は、あらゆる映画や演劇を観まくるという、本来大スキなことに集中する日常生活を送っていたという。
・「Hot Pepperミラクル・ストーリー」は、著者の平尾勇司さんがリクルート在籍時に構想し、実行した戦略ストーリーを振り返った書である。「ホットペッパー」の戦略ストーリーは不朽の名作、僕に言わせれば「戦略ストーリーの殿堂入り」の大傑作だ。「戦略ストーリーって何?」と聞かれたら、即座に「ここに全部ある」と言える。優れた戦略の条件が詰まっている。その解読は僕にとって極上のワクワク体験だった。拙著でもかなりの紙幅を割いて話しているので、興味のある方はそちらも併せて読んでいだきたい。
・その分野にまるで関心がない人にも面白く読ませてしまう指南書がごくまれにある。個人投資家向けの株式投資の指南書、「ストラテジストにさようならを」はまさにそういう本である。
・岡田斗司夫氏の「レコーディング・ダイエット 決定版」。ダイエットに興味があるかと言われたら、ゴルフよりはあるけれど音楽よりはない、という微妙なところに僕はいる。身長182cm、体重77kgというギリギリ標準体型ではあるが(←嘘。実は80kgで、軽いデブ)、なにぶんハゲなので、デブ&ハゲのナチュラル・バイブレーションだけは避けたいと祈念している。その意味で「本気でダイエットするところまではいっていないけれども、関心はわりとある」というのが僕のポジションだ。ということで、何の気なしに読んでみた。で、よどみなく衝撃を受けた。そこで語られているのはきわめて洗練された「戦略ストーリー」であり、全編これ戦略づくりのお手本ともいえる内容になっているのである。
・「プロフェッショナルマネジャー」とぜひペアで読んでいただきたい本があるので、本章ではそれを取り上げる。マクドナルドの創業者、レイ・クロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」である。世界最大の外食企業、マクドナルドを創った経営者の自伝。掛け値なしに面白い。
・「映画はやくざなり」以外にも、笠原和夫の著書はどれも面白い。「映画はやくざなり」を気に入っていただけた方には、「破滅の美学」「「妖しの民」と生まれてきて」の二冊をおすすめする。本人が書いたものではないが、小林信彦の例によって例のごとくの傑作芸論、「天才伝説 横山やすし」も笠原のプロとしての凄みをよく伝えている。
・笠原は「書く」という作業を仕事の最終段階と定めている。「書く」のはストーリーづくりの最後にくる一要素でしかない。笠原は脚本を書くという仕事の「順列」を次のように定めている。ここに笠原の戦略のカギがある。
①コンセプトの検討
②テーマの設定
③ハンティング(取材と資料収集)
④キャラクターの創造
⑤ストラクチャー(人物関係表)
⑥コンストラクション(事件の配列)
⑦プロットづくり
実際にプロットを書くのは最後の最後。まず考えるべきはコンセプトとテーマ。それができて初めて資料を読み込み、背景となる土地に足を運び、人と会い・・・というハンティングに移る。そこからキャラクターを創り、キャラクター同士の人間関係を決めたうえで主な事件を配置し、いよいよプロットづくりにとりかかる。笠原はストーリーづくりの最初にくるコンセプトとテーマをきわめて重視している。笠原のいうコンセプトとは「戦略の凝縮した表現」。
・シナリオを実際に「書く」のは、ストーリーづくりの最後にくる仕事だ。「シナリオ骨法10箇条」は、プロットができた後、脚本をいざ書き始めてから使うものとして提示されている。「骨法」というだけあって、簡潔にまとまっているが、さらにエッセンスだけ以下に抽出する。
①骨法その1「コロガリ」
これからなにが始まるのかと客の胸をワクワクさせる展開の妙。映画でいえばサスペンス。不自然な展開やご都合主義の話の運びは「コロガリが悪い」といい、本筋だけがどんどん先に行ってしまう展開は「コロガリ過ぎる」という。観客との間で適当に駆け引きをしながら意表をつくカードを次々に見せていくのが最良のコロガリ。
②骨法その2「カセ」
主人公に背負わされた運命、宿命。「コロガリ」が主人公のアクティブな面を強調するのに対し、「カセ」はマイナスに作用するファクター。たとえば身分違いの恋は「カセ」であり、そこから生じる波乱が「アヤ」。ドラマの楽しさは「アヤ」にあるが、適切な「カセ」がないと「アヤ」が生まれない。技術的にいちばん難しいのが「カセ」。「カセ」「アヤ」の双方が効果的に効いたドラマは文句なしに面白い。
③骨法その3「オタカラ」
主人公にとって、なにものにも代えがたく守るべき物、または獲得すべき物。主人公に対抗する者にとっては、そうさせまいとする、葛藤の具体的な核。サッカーのボールのように、絶えずとったり奪われたりすることで、多彩に錯綜するドラマの核心が簡潔明快に観客に理解される。とりわけアクション・ドラマの場合に「オタカラ」は必須。
④骨法その4「カタキ」
敵役。「オタカラ」を奪おうとする者の側。メロドラマにおける「恋敵」。一目見てすぐ<悪>とわかるような「カタキ」は時代劇以外では浮いてしまう。トラウマや劣等感など、内部から主人公の心を侵害するものも「カタキ」になりえる。
⑤骨法その5「サンボウ」
「正念場」のこと。光秀が「敵は本能寺にあり!」といって盃を載せた三方(台)をひっくり返すという「絵本太巧記」場面に由来する。進退ギリギリの瀬戸際に立った主人公が運命なり宿命に立ち向かう決意を示す地点。複雑多彩に膨れたドラマの中心部で「サンボウ」の芝居をつけることで、観客にドラマがどちらを目指しているのか気づかせることができる。
⑥骨法その6「ヤブレ」
破。乱調。たとえば失意の主人公がボロボロになって酒に溺れたり暴れたりする芝居。役者にとってもやり甲斐のある見せ場となる。
⑦骨法その7「オリン」
バイオリンのこと。母子物の映画で、別れの場面にバイオリンをかき鳴らして観客の涙を誘ったことから、感動的な場面を「オリンをコスる」と呼ぶようになった。「ヤブレ」のあとにくることが多い。
⑧骨法その8「ヤマ」
ヤマ場、見せ場。クライマックスのこと。本筋、脇筋を含めたあらゆるドラマ要素が結集し、人物たちは最大限に感情を爆発させ、衝突し、格闘し、一大修羅場を呈する。観客が抑制してきた興奮の発酵を、ここぞとばかりに一気に解き放つもので、作者自身がまず感動し、我を忘れるようなボルテージの高い場面にしなくてはならない。
⑨骨法その9「オチ」
締めくくり、ラストシーン。予測と期待通りに終わる場合と、予測に反しながらも期待は満たして終息する場合の二種類がある。メロドラマは前者、ミステリーは後者が多い。予想ができて期待外れ、予想できなくて期待も満たされないオチは厳禁。思い切り楽しみつつ細心で丁寧な気遣いを持って書き上げる。
⑩骨法その10「オダイモク」
お題目。テーマ。書き始める前に定めたテーマと書き進める過程で湧き上がってくるテーマの間に差異が生じたら、当初のテーマを捨てる。脚本を書き上げたところで、伝えようとしたテーマが十分に示されたかどうか、もう一度「オダイモク」を唱え直して検証することが肝要。
・「生産システムの進化論」のほかにも、藤本さんの研究と主張はいくつもの本として世に出ている。その一部をあげるだけでも「日本のもの造り哲学」「能力構築競争」「ものづくり経営学」、新しいところでは国際競争や円高・震災で追い込まれているかのように見える日本のものづくりの本質を現場主義の視点で論じた「ものづくりからの復活」などがある。いずれもものづくりの経営に正面から取り組んだ、横綱相撲の傑作だ。
・ライフネット生命の創業時にビジネスモデルを投資家に説明するとき、出口さんはいつも「ベンチャー企業が成功する5つの要因」を最初に話したという。
①市場の規模が大きいこと
②商品・サービスに対する消費者の不満が大きいこと
③凧を揚げる風が吹き始めていること
④ライフネット生命は、インターネット販売による「わかりやすく安くて便利な商品・サービスの提供」という明確なソリューションを持っていること
⑤参入障壁が高いこと
・出口さんの最上の愛読書はM・ユルスナールの小説「ハドリアヌス帝の回想」(言わずと知れた名著。これも是非お読みください)であるという。ハドリアヌスは「人間として最上の美徳は素直であることだ」と言う。実績や経歴や能力よりも素直さ。これが出口さんの人間哲学の支柱にある。
・ことの本質を押さえずに「グローバル化!」のかけ声に飲み込まれてジタバタするとロクなことにならない。グローバル化の本質は単に言語や法律が違う国に出て行くということではない。経営の「非連続性」にこそグローバル化の本質がある。ヨーロッパから16世紀の日本に来た宣教師たちは、母国と異なる言語や文化、生活習慣に直面した。しかし、こうした違いを克服することに一義的な挑戦課題があったわけではない。ヨーロッパでの慣れ親しんだ宗教活動とはまるで違う、極東の日本という国でゼロからキリスト教を布教し成果を出さなければならなかった。この非連続性に困難の正体があった。今の日本企業のグローバル化にしても同じことだ。それまで慣れ親しんだロジックが必ずしも通用しない未知の状況で、商売全体を組み立てていかなくてはならない。特定の決まった範囲での仕事をこなす「担当者」では手に負えない仕事だ。商売丸ごとを動かすことができる「経営者」が不可欠になる。
・ヴァリニャーノやオルガンティーノのような、本質を見抜く洞察力と相手を理解しようとする謙虚さを備えていて、しかも自分勝手に物事を解釈しないリアリズムでものを考えるリーダーが必要なのである。ただし、社員全員がヴァリニャーノである必要はない。100人中1人か2人いればよい。それが誰なのか。自分の会社のヴァリニャーノを見極めるのがグローバル経営の第一歩である。この本を日本企業のグローバル経営に対するメッセージとして読めば、結論はこういうことになる。「あなたの会社にヴァリニャーノがいるか。いるとしたらそれは誰か」。この問いに対して答えがすぐに出ない企業はグローバル化に踏み出すべきではない。その前にすべきことがたくさんある。
・「日本の喜劇人」という本は昭和を代表する喜劇人についての芸論の傑作である。著者の小林信彦は芸論の天才であり、なかでも本書は極上の域に入る絶対の名著といえる。文中に登場する昭和の喜劇人を誰ひとり知らない人でも、本書の深い味わいを堪能していただけると確信する。「名人-志ん生、そして志ん朝」「世界の喜劇人」「笑学百科」「森繁さんの長い影」「喜劇人に花束を」(好著!)、「天才伝説 横山やすし」(名著!)、「テレビの黄金時代」(大名著!)、「おかしな男 渥美清」(超名著!)など、著者には本書のほかにも多くの芸論がある。僕はそれぞれ10回以上読んでいるのだが、そのなかでも「日本の喜劇人」にはとりわけ深い感動を受けた。小林信彦の芸論の迫力は、著者の喜劇と喜劇人に対する思い入れと洞察はもちろんだが、「自分の目で見たものしか信じない」という一貫したスタンスによるところが大きい。
・最近、堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿の「時代の風音」という対談を読みました。超絶的な面白さですね。司馬さんは例によって神業的な洞察の連続攻撃。それを堀田さんの極上の知性が迎え撃つ。この二人のやり取りにつきあえるというのは、もうこの世のものとは思えないような、夢のような経験ですね。で、この対談をセットしたのが宮崎駿さんなんですよ。
・家で読むことが多いのですが、座っては読みません。横になります。ベッドで読むのが基本ですね。あとは寝椅子。休日になると下手をすと10時間以上ぶっ続けで読むから座っていると疲れるんです。寝椅子はル・コルビュジエのLC4(シェーズ・ロング)がベストというのが僕の結論。これは読書や映画や音楽鑑賞のためにあるような傑作です。背中の角度は地面に対して30度以下が読書の基本。
・僕は脳への負荷別に重量・中量・軽量というふうに本を分けて、三冊ぐらいを並行して読むようにしています。たとえば僕の好きな日記モノでいえば、重量級は「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」、中量級だと「ホーチミン・ルート従軍記」、軽量級だと「池波正太郎の銀座日記」みたいな取り合わせですね。高負荷の「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」を3時間読んでいるとアタマが疲れるんですよ。素晴らしく面白いんですけど、いろいろと考えることがあってアタマが疲れる。で、息抜きに「ホーチミン・ルート従軍記」を読む。で、いよいよ疲れると池波先生の出番になる。池波風に言うと、(これがもうたまらない・・・)
・評論や自伝のジャンルでたまらなく面白かったものをぱっと挙げると、白川静先生の「回思90年」とか吉田茂「回想10年」、リ・チスイ「毛沢東の私生活」、ロバート・マクナマラ「マクナマラ回顧録」、カート・ジェントリー「フーヴァー長官のファイル」、ギュンター・グラス「玉ねぎの皮をむきながら」、エリック・ホッファー「エリック・ホッファー自伝」とか、この手のやつ。
・最高傑作の一つはやはり世阿弥の「風姿花伝」。狭い意味での「芸人」ではありませんが、谷川俊太郎・山田「ぼくはこうやって詩を書いてきた」も大傑作。僕はマンガを読みませんが、マンガについての評論を書いている竹熊健太郎の「マンガ原稿料はなぜ安いのか?」「ゴルゴ13はいつ終わるのか?」を最近読んで、大いに楽しみました。第一級の芸論ですね。
・超絶的に最高なのが「古川ロッパ昭和日記」。これは芸論と日記の完全な合わせ技という、僕にとってはスイートスポット直撃のありがたいこときわまりない本。「今まで読んだなかでいちばん面白かった本を選べ」という無茶な質問をされたら、「古川ロッパ昭和日記」を選びますね。戦前の昭和9年から晩年の35年まで、二段組みの小さな活字びっしりのハードカバーで4巻にわたる長尺ものです。この日記の存在はずっと前から広く知られていましたが、長いこと著者のご遺族の手で保管されていて、なかなか世に出なかった。だから出版されたのに気づいたときはもう大喜びで買って読みました。読み始めたらもう止まらない。
・小説になりますが、直木賞をとった中島京子の「小さいおうち」は、プロットの設定も含めて、この辺を抜群に上手に再現しています。
・最初に読んだのはご多分に漏れず「アンネの日記」ですが、日本人の日記でも、清沢「暗黒日記」や高見順「敗戦日記」はもちろん、徳川夢声の「夢声戦争日記」、山田風太郎の「戦中派虫けら日記」「戦中派不戦日記」、内田百聞の「東京焼壷」、こうした日記は絶品です。山田風太郎の戦時下の日記を読むと、時空を飛び越えて、「ああ、戦争はこうして始まり、世の中の人々はこういう風に受け止め、戦時体制に組み込まれていくのか」ということが手に取るようにわかる。若い読者にぜひ読んでもらいたいですね。
・僕は本を読むと、わりと現実の生活に取り入れたくなるほうなんです。たとえば、ジェフリー・アーチャーの「獄中記」三部作。アーチャーは2001年から2年間収監されているんですね。この人の小説ももちろん面白いのですが、この詳細きわまりない獄中の日記を読むと、アーチャーの人となりがよくわかります。で、実用的な教訓を得たのは、最初の「地獄篇」に出てくる話。彼は2時間書いて2時間ほかのことをする、このワンセットを繰り返すというスタイルで仕事をしていたらしい。で、獄中でもこのルーティンを続けるんです。ずっと書き続けていると書いていものを客観的に見られなくなるんで質が落ちる。だから2時間で区切って、一度書いているものから離れる。で、2時間寝かせてまたまたとりかかる。なるほどなと思ってさっそく取り入れてみると、これが実にいい。ま、アーチャーと自分を比べるのもちょっとアレですが、僕も書く仕事のときは2時間1セットでやるようにしています。
・僕、もともとナンシー関が好きで、夏にヨーロッパに行ったときに何冊かトランクに入れて持っていった。その中にあったナンシー関とリリー・フランキーの「小さなスナック」っていう本が面白くて大笑いした。リリー・フランキーは小説の「東京タワー」しか読んだことがなくて、そっちのほうはあまりピンとこなかったのですが、この人は雑談の天才ですね。ナンシー関とリリー・フランキーのとりあわせは最高。二人とも言語的な反射神経がすごい。会話の至芸を楽しみました。
・リリー・フランキーの話によく出てくる吉田豪という人がいる。この人の本を読んでみたくなって、「元アイドル!」「人間コク宝」「男気万字固め」「豪さんのポッド」「電池以下」なんかを続けて読んでみたらまたこれがとんでもなく面白い。吉田豪はインタビューの名人ですね。ものすごくアクの強い人にインタビューするのが最高にうまい。
・吉田豪による角川春樹のインタビューはあまりの面白さにぶっ飛びました。で、当然、角川春樹「わが闘争」を読む。これがまた希代の奇書でして、凄まじい内容。で、そこから角川春樹・石丸元章「生涯不良」、福田和也「春樹さん、好きになってもいいですか。」と続く。角川春樹の句集も読む。さらには、春樹さんの娘にKei-Teeという人がいるんですが、その人の「セレブの血」も読む。吉田豪から派生したもう一つのズルズルに水道橋博士の「本業」という秀逸な書評集があって、ここからビートたけし「漫才」、杉田かおる「すれっからし」、哀川翔「翔、曰く」と続き、最後はまた「ナンシー関大全」に戻ってきたりして、数えてみたら、「小さなスナック」から始まるこのズルズル・シリーズで読んだ本は38冊でした。アマゾンで買うのが多いのも、このズルズル読みに向いているからですね。
・日記ものでいうとスーザン・ソンタグ「私は生まれなおしている」とか、最近読んだのでいうと小谷野敦「もてない男」とか。もちろん良し悪しではなくて単なる僕の個人的な好き嫌いに過ぎないのですが、スーザン・ソンタグとかは、とにかくありとあらゆる面で僕にとってはイヤな感じなんですよ。だから特殊読書としては最高に面白い。
・僕にとっての特殊読書の原点は本多勝一の評論ですね。最初のきっかけは「貧困なる精神」シリーズや、「殺す側の論理」「殺される側の論理」「NHK受信料拒否の論理」のあたり。とにかく意見が合わないわけです。でも、自分と正反対の主張を、あれほど全力でエネルギッシュに訴えられると、どうしてこういう考えを持つに至るのか、その背後に何があるのか、非常に面白い。僕は大江健三郎の小説や評論はあまり好きではありませんけど、それにしても本多勝一の憎悪と執念全開の大江批判、「大江健三郎の人生」や「文筆生活の方法」を読むと、何がここまでそうさせるのか、面白すぎて止まりませんでした。
・メジャーどころだと、村上春樹の小説で「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は本格的な小説として大変なものだと、学生のころ読んでびっくりしたんですよ。これはすごいのが出てきたなと思って。そのあと「国境の南、太陽の西」っていうのを読んだら・・・。僕も驚いて腰を抜かしました。何があったのかなって考えちゃいますよね。なんでこうなっちゃったのかな、なんでこんな小説を書くのかなという人間に対する関心なんですよね。
・最初は立花隆の「中核VS革マル」ですね。で、初期のブントや全学連の話から始まって、連合赤軍関連の本を読む。この辺は主要関連人物の手記や日記や評伝や遺稿が大量に出版されていますね。
・あのまま今に至るまでイワイワ団が続いていたら、ヘンリー・ダーガーの「ヴィヴィアン・ガールズ」になっちゃう。そういえば、ジョン・マグレガーの「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」はとんでもなく面白いですよ。ダーガーのように底抜けに不思議な人でも、評伝を読んでみるときちんと彼なりの論理がある。それが面白い。でも空想は1日15分まで。それ以上やるとわりとダーガー化してヤバい。
<目次>
まえがき
序章 時空間縦横無尽の疑似体験
「ストーリーとしての競争戦略」楠木建著
第1章 疾走するセンス
「元祖テレビ屋大奮戦!」井原高忠著
第2章 「当然ですけど。当たり前ですけど」
「1勝9敗」柳井正著
第3章 持続的競争優位の最強論理
「「バカな」と「なるほど」」吉原英樹著
第4章 日本の「持ち味」を再考する
「日本の半導体40年」菊池誠著
第5章 情報は少なめに、注意はたっぷりと
「スパークする思考」内田和成著
第6章 「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の戦略思考
「最終戦争論」石原莞爾著
第7章 経営人材を創る経営
「「日本の経営」を創る」三枝、伊丹敬之著
第8章 暴走するセンス
「おそめ」石井妙子著
第9章 殿堂入りの戦略ストーリー
「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾勇司著
第10章 身も蓋もないがキレがある
「ストラテジストにさようならを」広木隆著
第11章 並列から直列へ
「レコーディング・ダイエット 決定版」岡田斗司夫著
第12章 俺の目を見ろ、何にも言うな
「プロフェッショナルマネジャー」ハロルド・ジェニーン著
第13章 過剰に強烈な経営者との脳内対話
「成功はゴミ箱の中に」レイ・クロック著
第14章 普遍にして不変の骨法
「映画はやくざなり」笠原和夫著
第15章 ハッとして、グッとくる
「市場と企業組織」O・E・ウィリアムソン著
第16章 日ごろの心構え
「生産システムの進化論」藤本隆宏著
第17章 花のお江戸のイノベーション
「日本永代蔵」井原西鶴著
第18章 メタファーの炸裂
「10宅論」隈井吾著
第19章 「当たり前」大作戦
「直球勝負の会社」出口治明著
第20章 グローバル化とはどういうことか
「クアトロ・ラガッツィ」若桑みどり著
第21章 センスと芸風
「日本の喜劇人」小林信彦著
ロング・インタビュー 僕の読書スタイル
〔付録〕読書録
面白かった本まとめ(2014年上半期)
<今日の独り言>
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