<土曜は株のおはなし>
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の購入はコチラ
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット竜銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。
私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。
今回は、三菱商事について具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。
データは、四季報CD-ROMが主ですが、
Yahoo(ホームページ)、
ロイター(ホームページ)、
MSN(ホームページ)を参考にしました。
1消費者独占力を持っているか?
三菱商事は、総合商社首位で、三菱グループ中核です。LNG、原料炭等資源や官公需に強いし、競合会社はありますがブランド力がある会社だと思います。そういう意味では消費者独占力を持っていると思います。
2事業内容を理解しているか?
総合商社で、エネルギー、金属、機械、化学品、生活物資等多種多様な商品の国内・輸出・輸入および外国取引を行うほか、情報、金融、物流その他各種サービスの提供、国内外における事業投資など、広範な分野で多角的に業務を営んでいます。一般的に事業内容は理解されている会社だと思います。
3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
社会の変化に応じた取引及び、各種サービスの提供、事業投資を行っているので20年後も陳腐化しないと考えられます。海外比率が21%あり、今後その率は増えると思います。
4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
新機能1%、エネルギー21%、金属26%、機械17%、化学品11%、生活産業24%というコングロマリットですが、それぞれで消費者独占力を持っていますし、、それぞれの分野で取引・サービスの提供・事業投資等を行っているので、バフェットの言うコングロマリットではないと思います。問題はないと思います。
5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1997,3 28.32 701.63 4.0% 8 28.2% 1,200 42.37
1998,3 30.4 644.08 4.7% 8 26.3% 1,030 33.88
1999,3 19.9 605.88 3.3% 8 40.2% 650 32.66
2000,3 16.61 577.92 2.9% 8 48.2% 789 47.50
2001,3 58.77 618.54 9.5% 8 13.6% 842 14.33
2002,3 38.43 656.36 5.9% 8 20.8% 851 22.14
2003,3 39.76 598.51 6.6% 8 20.1% 725 18.23
2004,3 73.69 781.59 9.4% 12 16.3% 1,136 15.42
2005,3 116.49 960.85 12.1% 18 15.5% 1,324 11.37
2006,3 215.38 1411.38 15.3% 35 16.3% 2,610 12.12
2007,3 246.52 1747.87 14.1% 46 18.7% 2,160 8.76
平均 8.0% 24.0% 23.53
24.2% (EPS成長率)
1999.3~2000.3で、EPSが落ち込んでいますが、それからは順調に成長していると思います。
6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2004,3 10.7% ←四季報
2005,3 13.4% ←四季報、YAHOO
2006,3 18.0% ←四季報、YAHOO
2007,3 15.6% ←YAHOO
平均ROE 14.4%
10%以上と安定的に高いROEをあげていると思います。
7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率 9.20
この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに9.2年かかる財務となります。少し負債が多いかもしれません。
8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1998,3 1.6 (十億)
1999,3 1.6 (十億)
2000,3 1.7 (十億)
2001,3 1.7 (十億)
2002,3 1.7 (十億)
2003,3 1.7 (十億)
2004,3 1.7 (十億)
2005,3 1.7 (十億)
2006,3 1.7 (十億)
2007,3 1.7 (十億)
発行済み株式数のデータからは、自社株買戻しに積極的には見えませんが、今年度は3%強の自己株買い、金庫株を予定していてH19.8の株価下落時にも自己株買いをしていることから、自社株買戻しに積極的だと思います。(この時にこの三菱商事の株を買った人は正解ですね・・・)
9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
製品・サービス価格が一般的に売っているものではないので、判断できないかと思います。
10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
残念ながら株価は上昇中です。
11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
H19.10.12の株価 \3,760
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
6.6%
B:予想EPS成長率
24.2%
A+B 30.7% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
国債利回りと比べても、30.7%と十分に高い利益予想成長率です。
12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
11.0%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
4944.8
10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\16,778
今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
16.1%
期待収益率は16.1%と十分高い期待収益率です。
13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
24.2%
予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
2145.9
10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\50,485
期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
29.7%
期待収益率は29.7%と十分高い期待収益率です。
<まとめ>
三菱商事は、消費者独占力のある会社だと思いますし、事業内容を分かりやすく、製品・サービスは陳腐化しないと思われますし、EPSは順調に成長し、ROEが高いことから期待収益率はとても高く、EPS成長率による予想株価は50,485円にもなり、自社株買いも行っていることから、三菱商事は”買い”だと思います。現在の株価は3,760円ですからね。その他の期待収益率も高い値となっています。
懸念する材料としては、有利子負債が多いこと、株価上昇中で株価下落場面での買いが難しいことかと思います。
株のお話しまとめ(2006年)
<今日の独り言>
風でお風呂のドアが開いてしまい、3歳6ヶ月の息子は、「風さんはお風呂のドアが好きなんだね・・・」とのことです^_^;)面白いことを言います・・・。