<金曜は本の紹介>
「一瞬で大切なことを伝える技術」の購入はコチラ
「一瞬で大切なことを伝える技術」という本は、会話が苦手な方でも大切なことをちゃんと伝え、ちゃんと会話・議論することができるようになるための秘訣について書かれた本です。
といってもそんなに難しいことはこの本には書かれておらず、必要な技術は次のたった一つとなります。
「重要思考」=「重み」と「差」
「重み」とはそのことがダイジか重要かということであり、「差」とは他者(他社)よりも優れているかという意味です。
つまり会話・議論の質を上げるには、ダイジで差があることを考えることが大切だということですね。
それが「重要思考」ということとなります。
本書ではその「重要思考」を次の4つのステップで、やさしく分かりやすく説明しています。
(1)言いたいコトをはっきりさせる(重要思考で考える)
(2)言いたいコトを相手に伝える (重要思考で伝える)
(3)相手が言いたいコトを理解する(重要思考で聴く)
(4)相手とちゃんと会話・議論する(重要思考で伝え合う)
まずは重要思考で考えることができるようになることが大切で、次に重要思考で伝えることができるようになり、そして相手が重要思考でしゃべるように聴き、そして相手と重要思考で伝え合うようになると、会話や議論の質がかなり増すこととなります。
それから「ほめる」極意も、他(自分とか)とちゃんと「比べる」こと、そして「相手のダイジなところ」でほめることが大切とのことで、これはナルホドと思いました。
これも重要思考(=「重み」と「差」)と同じですね。
相手のダイジなところできちんと差を述べてほめることが大切ですね。
それから、自分が相手に話した後に、何がダイジだったのか確認するのも良いようです。
自分の子供にもさっそく試しているのですが、確かにこちらの思いがキチンと伝わったか確認できますし、自分で考えて決めたことになるので、ちゃんとやるようになりますね。
職場や子供にオススメだと思います。
またこの本は、2012年啓文堂書店ビジネス書大賞を受賞し、第一位獲得とのことです。
「一瞬で大切なことを伝える技術」という本はとてもオススメです!
以下はこの本のポイント等です。
・日常におけるロジカルの超基本とは、もっと単純です。それはまず「塊」と「つながり」がはっきりしていることなのです。
・「重要思考」とは、「塊」と「つながり」のちょっとした応用ともいえます。一番強いつながりのある塊に集中する、ということですから。
・「重要思考」とは、ダイジなところで差があるか、と考える方法です。それだけです。でもたいてい、ヒトは「差がある」ところしか考えません。不思議なことに「ダイジかどうか」がいつも抜けているのです。ダイジでないならどうでもいいのに・・・。
・何か策を思いついたら、すぐもう一度考えましょう。「重み」はどれくらいだろうか、と。そして、よりダイジなことのために役に立っているだろうか、と。それこそが、重要思考なのです。
・Step1まとめ抜粋
・ロジカルの超基本は、塊とつながり
・ダイジでないなら、どうでもいい
・ダイジかどうかは「重み」で示す
・悩みとは感情であり、そのとき思考上は停止状態
・止まっている思考を動かすのに一番なのは「ヒトと話す」こと
・「重要事項」は単純です。実質的には「差」の部分と、その「重み」の部分の2つしかありません。なので、話すときも、複雑なことはできなくて、「差」と「重み」のどっちから話すか、くらいです。「差」の部分を結論、「重み」を前提とすると、結論から話すのがロジカルの王道でしょう。でも日本人は「状況の大変さをわかって!」「難しさを理解して!」と思う気持ちが強いのか、だいたい状況説明(前提)から入ります。時間の大半をそれに使い、話はどんどん細かくなっていき、そのうちに自分でも言っていることがわからなくなって・・・崩壊します。相手も興味を失ったり、イライラし始めたり。一生懸命なヒトほど、こうなります。だから結論から先に。
・コンサルティング会社に就職して最初に言われたことの1つは「ワンスライド・ワンメッセージ」です。スライドというのは、報告資料の1頁のこと。同時にそれはプレゼンテーション資料でもあるのですが、その1枚当たり、言いたいコトは1つだけにせよ!なんでもかんでも詰め込むな!という教えです。ある意味とても贅沢な話ですが、伝えることの本質でもあります。「一度に伝えることは1つに絞る」いっぺんに3つも4つも伝えようとするのではなく、1つにしようと言っているだけです。とても簡単そうでもあるのですが、なかなか実行できません。なぜなのでしょう。それはおそらく、「塊」や「つながり」が曖昧だからなのでしょう。言葉そのものが曖昧。つながりが原因なのか結果なのか相関なのかが曖昧。何が前提で何が結論なのか曖昧。一番ダイジなコトが曖昧。だから、ふわふわしたものが、ずらずらとつながってしまいます。ロジカルの超基本、重要思考ができていないのです。これでは絞れません。上司への報連相に、もし上手下手があるとすれば、それはどれだけのことを伝えられるかではなく、どれだけのことを捨てられる(伝えない)かにあります。だから「1分で話す!」ことを自分に課してください。そうすれば、伝えられるのは、一番ダイジなコトだけです。捨てる技術や心持ちの話は、し始めたらきりがありません。でも、「1分で話す!」という枠を自分に課して「重要思考」することで、捨てられます。
・ヒトが一度に受け止めきれる情報量には限りがあります。ヒトの脳には受け入れた情報を一時的にプールする「ワーキングメモリ」と呼ばれる機能があり、その容量は極めて限られていることがわかっています。15秒以内に、90%の情報が忘れ去られ、それを超えて保持できるのは、数字であれば7つ、文字では6つ、単語では5つしかありません。それらがうまく塊になっていれば、それごとにまとめられていくので、一度に処理できる情報量は上がります。しかし、そうでなければ脳のワーキングメモリはあっという間にあふれてしまいます。
・「5ワード以下で区切りながら、短く話す」「言い直さない」が鉄則です。言い直すくらいなら、同じことを繰り返しましょう。
・相手にちゃんと伝えるコツの最後に、ちょっとだけ高等技術を紹介します。それが「結論を相手に言わせる」ことです。これは「○○の交渉術」といった本には必ず載っている技術で「自己説得」とも言われます。ヒトは他人の言ったことより何より、自分の言ったことを信じますから。話の最後に相手に質問して、結論を言ってもらいます。こちらの言いたいコトと一致していれば大成功です。
・「言いたいコトを1つに絞る」「段落ごとに区切って話す」「短く言う。言い直さない」を、努力してやりとげたのであれば、大丈夫。相手が、こちらの伝えたいことを、受け止め、理解し、考える時間があったということなのですから。
・Step2のまとめ抜粋
・「重要思考」で話すことは、「差」だけでなくその「重み」を伝えること
・相手があまりにせっかちなときには結論はあとで言う
・最高なのは最後に結論を相手に言わせること
・一度に伝えることは1つが適当
・そのための練習として「1分で話す!」
・人間が一度に記憶しておける単語数は5つ
・いっぺんに起承転結全部は話さず、段落ごとに区切って話す
・「重要思考」で話すときの使用禁止用語は、「~が1つある」
・思いこみの壁を崩す努力も尊いですが、それよりはまず、理解力の壁をなんとかしましょう。相手を理解する能力を上げるべく、努力するのです。言葉の解釈がズレているなら、確かめて補正しましょう。価値観が(多少)ズレているなら、確かめて俯瞰しましょう。もし相手の考えそのものが曖昧なのであれば、それをはっきりさせるお手伝いをしましょう。そう、これは「重要思考」そのものです。
・相手は、何をどの程度すごい(「差」)と言っているのでしょう
・相手は、本当は何をダイジ(「重み」)だと思っているのでしょう
・そもそも「塊」と「つながり」は明確でしょうか
これらを明らかにすることこそが、相手の言いたいコトを理解する、ということなのです。ただ黙って聞いていても、理解力の壁は超えられません。
・いくら伝え方が上手になっても、それだけではただの演説です。自分から相手へだけでなく、相手から自分への流れがなくては、コミュニケーションになりません。そのためには、相手の話を引き出し、理解し、それに対してまた自分の意見を述べることが必要にんります。その繰り返しがコミュニケーションなのです。問題は、そこでの「理解力」でした。なぜ相手がしゃべる話は、理解しづらいのでしょう。答えは簡単です。曖昧で、「塊」や「つながり」が明確ではないからです。
・・一番ダイジなコトは何?
・それを実現するためにダイジなコトは?
・それらに対して、オプション間での差はどれくらい?
そう、「重要思考」で聴くとは、相手に「重要思考」をしてもらい、それを伝えてもらうことにほかなりません。それが自分の理解力を上げるということなのです。
・傾聴の目的は、相手への指導や教育ではありません。自分の聞きたいことを「聞く」(尋問)のではなく、相手が伝えたがっていことをちゃんと「聴きとる」ことです。そしてそのために、相手が自分自身の考えを整理し、納得のいく結論や判断に到達するよう支援せよ、と言います。そのテクニックのいくつかを挙げましょう。
・受容:うなずき・アイコンタクト・あいづち
・明確化:繰り返し・質問
・確認:言い換え・要約
つまり、ただ聞くだけではない、ということです。コーチング用語としての「傾聴」はActive Listeningの訳です。うなずき、繰り返し、質問をしながら進めるのが、傾聴なのです。「うなずき」などは、機械的にならないように気をつけましょう。すぐバレます。「繰り返し」は、相手の言うことをほぼそのままリピートするだけなので簡単ですが、これもやり過ぎないように。「言い換え」や「要約」は、聞いたままではダメなので大変ですが、失敗を恐れず短く表現するのがコツです。あくまで「相手の意見の確認」であって「自分の意見の表明」ではないことをお忘れなく。
・「相手の話は最後までさえぎらずに聴け」とコーチングの指南書は言います。でも、現実にはムリです。こちらが切らない限り無限に話し続けるヒトがいるからです。いや、そこまで言わないまでも、話がだらだらと無意味に続いてしまうヒトはいっぱいいます。原因はそのヒトだけにあるのではありません。聞く相手が、止めない(反応して意見を言わない)から悪いのです。相手が発言しないので、そのヒトは「ちゃんと理解されているのだろうか?」と不安になってどんどん説明を続けるわけです。だから、「話が繰り返しになったな」「もう2周目だ」と思ったら、切ってあげましょう。そのほうが親切です。
・「重要思考」の超基本は、塊とつながりを明確にするでした。実はもう一つ大前提があります。それは論理と感情を分ける、事実と推測を分ける、ということです。
・誘導尋問だから悪い、と言っているのではありません。相手の思考を限定し歪める危険と隣り合わせなので気をつけようと言っているだけです。とくに「要約による確認」のフェーズでは誘導が起こりがちです。自分の言葉で言い換えるからです。そこに相手でなく「自分」が入り込みます。
・つい口をはさみたくなる気持ちは、よ~くわかります。「あ、そこ違う」「それも誤解だなぁ」「これは混ざってい」「おいおい、そんな結論じゃないだろう」でもせめて1回は全部、言いたいコトを言わせてあげましょう。それが相手の伝える練習になるからです。そして自分が、自信で思うほどには優秀ではないからです。どんな相手の話にも、よく聴くと新しい発見があります。なのに自分の知っていることや知見を、しゃべりたい、しゃべりたいと身構えていては、そんな発見もままなりません。相手が話すことは、まずは材料だと思えばいいのです。全部が整合していなくてもかまいません、8割すでに知っている話でも仕方ありません。でも、どこかに新しい、面白い話がきっと眠っています。本人すら気づかなくて、重要思考的には強調されていなくてわかりづらいかもしれないけれど。そんな面白い話など相手がするわけない、という自惚れが「しゃべりたい」病につながるのです。そんなに自分って優秀でしょうか。多分、違います。相手の話に潜む、ダイジなコトや面白い差を「発掘」するのが、聴くことだと割り切りましょう。
・Step3のまとめ抜粋
・「バカの壁」は2つ。思いこみの壁と理解力の壁
・相手がしゃべる話が理解しづらいのは、塊やつながりが明確でなく、差と重みが曖昧だから
・「重要思考」で聴くとは、相手に「重要思考」をしてもらい、伝えてもらうこと
・ちゃんと聴くための傾聴スキルは英語ではActive Listening
・相手の話が長すぎたら、ちゃんと切る!
・上司相手の傾聴は難しいが、原因はあなた自身の感情だったりする
・傾聴での「明確化」や「確認」は誤導尋問になりがちなので注意
・相手が話すことはまずは材料だと思って、とにかく聴く。しゃべりすぎない!
・議論はなんのためにするの?「質疑応答」はただの点数稼ぎでもないし、勝ち負けを決めるためのディベートでもないよ。よりよい結論を導くための、「発展的議論」にこそ価値があるんだ。
・会議のムダ、暴走を防ぐための議論ルールが5つあります。
①プレゼンターは簡潔な文章でまとめ、みなは終わりまで聴く
②質問する前にみなで3分考える
③勝手に話さない、ダイジなコトからズラさない
④賛否を示し、「コメント」とかに逃げない
⑤決め方を決めておき、雰囲気で決めない
・パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトは、本来、論理(仮説や証拠、答え)を1個1個しっかり積み上げるための道具です。だから、ブロック(スライド1枚1枚)を積み上げるような形になっています。なのでブロック(=塊)間の「つながり」が、よくわかりません。全体の論理的な流れがすぐわからなくなってしまうのです。だからプレゼンテーションの最後に、必ず文章で、言葉で、簡潔にまとめることが必要です。
・いきなり議論(質疑応答)に移ってはいけません。それだと、考える時間がありません。考えないで質問となるとヒトはみな、感情的なものや、脊髄反射的なもの、いつもの持論の反復、に走ります。だから、みながこちらの主張を咀嚼し考え、質問を吟味する時間をとることです。
・かみ合う議論というものの最大のポイントは「お互い逃げない」ことです。主張のダイジなところから逃げない、質問から逃げない、回答から逃げないこと。それをみなが守ることが、意味のある質疑応答の前提となります。そのためには、①発言したければ手を挙げる、②指名されてから発言すること。そして、③勝手に議論のテーマ(ダイジなコト)を変えない、④変えるならそれを事前に言い、承認を受けることです。
・主張への賛否を明確にすれば責任が発生します。賛成したものが失敗したときの責任や、反対しのに成功したときの責任が。でも「コメント」なら責任は問われない、とそのヒトたちは思うのです。これを、許さないこと。「それは賛成ということでしょうか、反対ということでしょうか」と詰めましょう。もしくは会議の最初に宣言しましょう。「発言において「コメント」的発言は不要です」「発言の際には、提案への賛否を明確にしてから、発言してください」
・まずは、決め方を決めること。意見が割れたときどう決めるかを事前に定めましょう。あくまで全員一致にこだわるのか、多数決で決めるのか、それとも責任者に決定を委ねるのか。それさえ決まっていればなんとかなります。
・百聞は一見にしかず(百聞不如一見)、はよく耳にする言葉です。前漢の名将「趙充国」の言葉です。後世につくえた続きがあります。
・百聞不如一見 百見不如一考 百考不如一行
この3句は。聞く、見る、考える、行う、を比較して、「ものごとの真の理解のためには、100回聞くより1回直接見ることだ。でも100回見たって、ちゃんと自分で考えないと真の理解には達しない。そしてさらに、100回考えるより1回自分自身でやってみることのほうが、真の理解のためにははるかに近道である」ということを語っています。この3句をかけ算すると、100万回聞いたって1回の試行錯誤に及ばないということでしょうか。かみ合う議論をする力を身につけることに、これらを適用してみます。
・百聞は一見にしかず→①言葉だけでなく現物を示す・現場に行くことで伝える
・百見は一考にしかず→②相手に即答させず自分で考える時間をとってあげる
・百考は一行にしかず→③相手に自分で発言させ議論に参加させる
・「最近、技を1つ開発したんです。さんざんしゃべった後、相手に聞くんです。「今俺が話した中で、一番ダイジなのは何だと思う?」って」「そしたら、ぼーっと聞いちゃいられないから、ちゃんと話を聴くし、自分で考えるし、しかも自分が大事だって思ったことは実行するし。全然違いますよ~」彼の話は続きます。「これを、家で5歳の息子にもやってみたんです。まあ、お説教なんですけど、わーっとしゃべって、最後に聞くんです。「今お父さんが話した中で、一番ダイジなコトは何だと思う?」って」「子どもってそう聞かれるとマジメに考えて、自分の意見を言うんですよ。「これだと思う」って」「あとは「そうだ、よくわかったな」って言ってあげるだけ。しかも、自分で決めたことだから、ちゃんとやりますよ。それまでやる気なかったことまで、やるし」これが「ダイジなコトを相手に決めてもらう」方式です。出色の技だと思います。ただし、相手の意見を尊重する度量が必要ですよね。そのうえでぜひ、お試しを。
・Step4のまとめ抜粋
・すれ違いの議論を空中戦という
・会議では勝手に話さない、ダイジなコトからズラさない
・会議ではダイジなコトについては必ず結論を出してから、次に進む
・会議では議論に入る前にまず、決め方を決める
・百聞は一見にしかず。では百万聞は一行(やってみこと)にしかず
・発言を促すためには小グループから積み上げるのが有効
・相手のやる気を引き出す究極技は、議論で相手に決めさせること
・店頭接客や営業でもっとも重要なのは「自分ほめる」ことです。相手は、何よりもヒトを見ています。あなた自身が「すばらしい」のだと納得したいですし、そう思えたときに、あなたから買おうと思ってくれるわけです。だから、上手に自分をほめましょう。手順はこれまでと、同じです。
・相手が店員や営業担当者でダイジと思っていることを確認する
・それらの点で、自分や自分のチームがいかに優れているかを示す
いやらしくなくサラリと、でも自身をもって「差」を強調しましょう。そしてこれらは、採用面接や(たぶん)合コンの席でも使えます。相手をほめ、そして自分をほめること。相手がダイジと思っているところでアピールです。
・マーケティングってなんでしょう。「売れる仕組みをつくることだ」ってよく言います。ドラッカーはもっと過激に言い切りました。「マーケティングの究極の目標は、売り込み(セリング)を不要にすることだ」
・30年以上ハーバードビジネススクールの教授を務めたセオドア・レビットは、マーケティングをこう定義しました。「マーケティングとは、顧客の創造である」ここで言う顧客とは、あるニーズを持ち、そしてそれを満たすためにお金を払ってくれるヒトたちのことです。それを新たに生み出していくことこそが、マーケティングだと言うのです。「需要の創出」とも言います。「重要思考」で言えば、お客様として一番「誰」がダイジで、その人たちにとってダイジなコト(価値)は何かを考え、その価値を「差」のある方法で提供しよう、となります。
・レストランAの問題を「重要思考」で考えてみます。やるべきことは次の4つのステップです。
誰 「一番ダイジなお客様を決める」
ニーズ 「その人たちにとってダイジな(欲しいとか困っている)コトを理解する」
提供価値 「お店としてどんな価値を提供するかを定める」
方策 「それを実現するための4Pなどの方策を考え実行する」
・その前に、超基本である「塊とつながりをはっきりさせる」がありました。「うちのレストランAの売上が思わしくない!」というオーナーの叫びから、この問題は始まったわけですが、「思わしくない」ってどれくらいなんでしょう。計画との比較でしょうか、前年実績との差でしょうか、それとも類似の他店との比較なのでしょうか。それも、いったいどの程度なのでしょう。それがはっきりしないと、どれくらいの改善を考えればいいかの目標がたちません。
・ファシリテーションですから、重みがこれで差はこうだ、という答えは参加者に任せます。それでもファシリテーターとしてこれを使うには、目的によって3つのパターンがあります。
・プロセスを伝える→①コーチ役として議論の仕方にのみ口を出す
・視点を伝える →②突っ込み役として質問だけを投げかける
・答えに導く →③リード役として考え方のフレームワークを与える
・コーチ役としての主なセリフはもちろん「「重要思考」になってない」です。そして、「それってダイジなの?」「重みと差を明らかにしよう」と語りかけます。議論のプロセスにのみ集中して、内容の善し悪し、結論の是非に口は出しません。結論よりも参加者の議論力向上を目的とした、時間に余裕があるときのファシリテーションでしょうか。議論の内容をよく知っていなくてもできるので、可用範囲が広いのも特長です。
<目次>
Prologue ロジカルに伝える最強の技術、「重要思考」
01 大切なコトはなぜ伝わらない?
02 大切なコトが互いに伝わる会話・議論への4ステップ
Step1 言いたいコトをはっきりさせる
03 ロジカルの超基本は「塊」と「つながり」
04 「重要思考」で考える
05 「重要思考」のミニ演習 3題
06 ツイッターはなぜ大震災時にユーザー数を伸ばしたのか
07 NG態度「座って悩む」
カフェ問答 その1
Step1の一問一答式チェックリスト
Step2 言いたいコトを相手に伝える
08 考えたまましゃべると伝わらない
09 「重要思考」で伝える
10 相手にちゃんと伝えるコツ
11 NGワード「~が1つある」
カフェ問答 その2
Step2の一問一答式チェックリスト
Step3 相手の言いたいコトを理解する
12 バカの壁をどう超える
13 「重要思考」で聴く
14 ちゃんと聴くためのコツ
15 NG姿勢「誤導としゃべりたい病」
カフェ問答 その3
Step3の一問一答式チェックリスト
Step4 相手とちゃんと会話・議論する
16 すれ違いの空中戦にならないために
17 「重要思考」で会話・議論する
18 ちゃんと会話・議論し伝えるコツ
カフェ問答 その4
Step4の一門一答式チェックリスト
上級編 「重要思考」でほめる・つなぐ・ファシる・決める
19 ほめる力~接客・営業に必須です
20 顧客視点でつなぐ力~マーケティングではダイジです
21 ファシリテーション力~日本人の新しい強みに
22 多人数の場の支配力~講演や発表会で
23 緊急判断力~3.11から学ぶこお
おわりに
面白かった本まとめ(2013年上半期)
<今日の独り言>
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「一瞬で大切なことを伝える技術」という本は、会話が苦手な方でも大切なことをちゃんと伝え、ちゃんと会話・議論することができるようになるための秘訣について書かれた本です。
といってもそんなに難しいことはこの本には書かれておらず、必要な技術は次のたった一つとなります。
「重要思考」=「重み」と「差」
「重み」とはそのことがダイジか重要かということであり、「差」とは他者(他社)よりも優れているかという意味です。
つまり会話・議論の質を上げるには、ダイジで差があることを考えることが大切だということですね。
それが「重要思考」ということとなります。
本書ではその「重要思考」を次の4つのステップで、やさしく分かりやすく説明しています。
(1)言いたいコトをはっきりさせる(重要思考で考える)
(2)言いたいコトを相手に伝える (重要思考で伝える)
(3)相手が言いたいコトを理解する(重要思考で聴く)
(4)相手とちゃんと会話・議論する(重要思考で伝え合う)
まずは重要思考で考えることができるようになることが大切で、次に重要思考で伝えることができるようになり、そして相手が重要思考でしゃべるように聴き、そして相手と重要思考で伝え合うようになると、会話や議論の質がかなり増すこととなります。
それから「ほめる」極意も、他(自分とか)とちゃんと「比べる」こと、そして「相手のダイジなところ」でほめることが大切とのことで、これはナルホドと思いました。
これも重要思考(=「重み」と「差」)と同じですね。
相手のダイジなところできちんと差を述べてほめることが大切ですね。
それから、自分が相手に話した後に、何がダイジだったのか確認するのも良いようです。
自分の子供にもさっそく試しているのですが、確かにこちらの思いがキチンと伝わったか確認できますし、自分で考えて決めたことになるので、ちゃんとやるようになりますね。
職場や子供にオススメだと思います。
またこの本は、2012年啓文堂書店ビジネス書大賞を受賞し、第一位獲得とのことです。
「一瞬で大切なことを伝える技術」という本はとてもオススメです!
以下はこの本のポイント等です。
・日常におけるロジカルの超基本とは、もっと単純です。それはまず「塊」と「つながり」がはっきりしていることなのです。
・「重要思考」とは、「塊」と「つながり」のちょっとした応用ともいえます。一番強いつながりのある塊に集中する、ということですから。
・「重要思考」とは、ダイジなところで差があるか、と考える方法です。それだけです。でもたいてい、ヒトは「差がある」ところしか考えません。不思議なことに「ダイジかどうか」がいつも抜けているのです。ダイジでないならどうでもいいのに・・・。
・何か策を思いついたら、すぐもう一度考えましょう。「重み」はどれくらいだろうか、と。そして、よりダイジなことのために役に立っているだろうか、と。それこそが、重要思考なのです。
・Step1まとめ抜粋
・ロジカルの超基本は、塊とつながり
・ダイジでないなら、どうでもいい
・ダイジかどうかは「重み」で示す
・悩みとは感情であり、そのとき思考上は停止状態
・止まっている思考を動かすのに一番なのは「ヒトと話す」こと
・「重要事項」は単純です。実質的には「差」の部分と、その「重み」の部分の2つしかありません。なので、話すときも、複雑なことはできなくて、「差」と「重み」のどっちから話すか、くらいです。「差」の部分を結論、「重み」を前提とすると、結論から話すのがロジカルの王道でしょう。でも日本人は「状況の大変さをわかって!」「難しさを理解して!」と思う気持ちが強いのか、だいたい状況説明(前提)から入ります。時間の大半をそれに使い、話はどんどん細かくなっていき、そのうちに自分でも言っていることがわからなくなって・・・崩壊します。相手も興味を失ったり、イライラし始めたり。一生懸命なヒトほど、こうなります。だから結論から先に。
・コンサルティング会社に就職して最初に言われたことの1つは「ワンスライド・ワンメッセージ」です。スライドというのは、報告資料の1頁のこと。同時にそれはプレゼンテーション資料でもあるのですが、その1枚当たり、言いたいコトは1つだけにせよ!なんでもかんでも詰め込むな!という教えです。ある意味とても贅沢な話ですが、伝えることの本質でもあります。「一度に伝えることは1つに絞る」いっぺんに3つも4つも伝えようとするのではなく、1つにしようと言っているだけです。とても簡単そうでもあるのですが、なかなか実行できません。なぜなのでしょう。それはおそらく、「塊」や「つながり」が曖昧だからなのでしょう。言葉そのものが曖昧。つながりが原因なのか結果なのか相関なのかが曖昧。何が前提で何が結論なのか曖昧。一番ダイジなコトが曖昧。だから、ふわふわしたものが、ずらずらとつながってしまいます。ロジカルの超基本、重要思考ができていないのです。これでは絞れません。上司への報連相に、もし上手下手があるとすれば、それはどれだけのことを伝えられるかではなく、どれだけのことを捨てられる(伝えない)かにあります。だから「1分で話す!」ことを自分に課してください。そうすれば、伝えられるのは、一番ダイジなコトだけです。捨てる技術や心持ちの話は、し始めたらきりがありません。でも、「1分で話す!」という枠を自分に課して「重要思考」することで、捨てられます。
・ヒトが一度に受け止めきれる情報量には限りがあります。ヒトの脳には受け入れた情報を一時的にプールする「ワーキングメモリ」と呼ばれる機能があり、その容量は極めて限られていることがわかっています。15秒以内に、90%の情報が忘れ去られ、それを超えて保持できるのは、数字であれば7つ、文字では6つ、単語では5つしかありません。それらがうまく塊になっていれば、それごとにまとめられていくので、一度に処理できる情報量は上がります。しかし、そうでなければ脳のワーキングメモリはあっという間にあふれてしまいます。
・「5ワード以下で区切りながら、短く話す」「言い直さない」が鉄則です。言い直すくらいなら、同じことを繰り返しましょう。
・相手にちゃんと伝えるコツの最後に、ちょっとだけ高等技術を紹介します。それが「結論を相手に言わせる」ことです。これは「○○の交渉術」といった本には必ず載っている技術で「自己説得」とも言われます。ヒトは他人の言ったことより何より、自分の言ったことを信じますから。話の最後に相手に質問して、結論を言ってもらいます。こちらの言いたいコトと一致していれば大成功です。
・「言いたいコトを1つに絞る」「段落ごとに区切って話す」「短く言う。言い直さない」を、努力してやりとげたのであれば、大丈夫。相手が、こちらの伝えたいことを、受け止め、理解し、考える時間があったということなのですから。
・Step2のまとめ抜粋
・「重要思考」で話すことは、「差」だけでなくその「重み」を伝えること
・相手があまりにせっかちなときには結論はあとで言う
・最高なのは最後に結論を相手に言わせること
・一度に伝えることは1つが適当
・そのための練習として「1分で話す!」
・人間が一度に記憶しておける単語数は5つ
・いっぺんに起承転結全部は話さず、段落ごとに区切って話す
・「重要思考」で話すときの使用禁止用語は、「~が1つある」
・思いこみの壁を崩す努力も尊いですが、それよりはまず、理解力の壁をなんとかしましょう。相手を理解する能力を上げるべく、努力するのです。言葉の解釈がズレているなら、確かめて補正しましょう。価値観が(多少)ズレているなら、確かめて俯瞰しましょう。もし相手の考えそのものが曖昧なのであれば、それをはっきりさせるお手伝いをしましょう。そう、これは「重要思考」そのものです。
・相手は、何をどの程度すごい(「差」)と言っているのでしょう
・相手は、本当は何をダイジ(「重み」)だと思っているのでしょう
・そもそも「塊」と「つながり」は明確でしょうか
これらを明らかにすることこそが、相手の言いたいコトを理解する、ということなのです。ただ黙って聞いていても、理解力の壁は超えられません。
・いくら伝え方が上手になっても、それだけではただの演説です。自分から相手へだけでなく、相手から自分への流れがなくては、コミュニケーションになりません。そのためには、相手の話を引き出し、理解し、それに対してまた自分の意見を述べることが必要にんります。その繰り返しがコミュニケーションなのです。問題は、そこでの「理解力」でした。なぜ相手がしゃべる話は、理解しづらいのでしょう。答えは簡単です。曖昧で、「塊」や「つながり」が明確ではないからです。
・・一番ダイジなコトは何?
・それを実現するためにダイジなコトは?
・それらに対して、オプション間での差はどれくらい?
そう、「重要思考」で聴くとは、相手に「重要思考」をしてもらい、それを伝えてもらうことにほかなりません。それが自分の理解力を上げるということなのです。
・傾聴の目的は、相手への指導や教育ではありません。自分の聞きたいことを「聞く」(尋問)のではなく、相手が伝えたがっていことをちゃんと「聴きとる」ことです。そしてそのために、相手が自分自身の考えを整理し、納得のいく結論や判断に到達するよう支援せよ、と言います。そのテクニックのいくつかを挙げましょう。
・受容:うなずき・アイコンタクト・あいづち
・明確化:繰り返し・質問
・確認:言い換え・要約
つまり、ただ聞くだけではない、ということです。コーチング用語としての「傾聴」はActive Listeningの訳です。うなずき、繰り返し、質問をしながら進めるのが、傾聴なのです。「うなずき」などは、機械的にならないように気をつけましょう。すぐバレます。「繰り返し」は、相手の言うことをほぼそのままリピートするだけなので簡単ですが、これもやり過ぎないように。「言い換え」や「要約」は、聞いたままではダメなので大変ですが、失敗を恐れず短く表現するのがコツです。あくまで「相手の意見の確認」であって「自分の意見の表明」ではないことをお忘れなく。
・「相手の話は最後までさえぎらずに聴け」とコーチングの指南書は言います。でも、現実にはムリです。こちらが切らない限り無限に話し続けるヒトがいるからです。いや、そこまで言わないまでも、話がだらだらと無意味に続いてしまうヒトはいっぱいいます。原因はそのヒトだけにあるのではありません。聞く相手が、止めない(反応して意見を言わない)から悪いのです。相手が発言しないので、そのヒトは「ちゃんと理解されているのだろうか?」と不安になってどんどん説明を続けるわけです。だから、「話が繰り返しになったな」「もう2周目だ」と思ったら、切ってあげましょう。そのほうが親切です。
・「重要思考」の超基本は、塊とつながりを明確にするでした。実はもう一つ大前提があります。それは論理と感情を分ける、事実と推測を分ける、ということです。
・誘導尋問だから悪い、と言っているのではありません。相手の思考を限定し歪める危険と隣り合わせなので気をつけようと言っているだけです。とくに「要約による確認」のフェーズでは誘導が起こりがちです。自分の言葉で言い換えるからです。そこに相手でなく「自分」が入り込みます。
・つい口をはさみたくなる気持ちは、よ~くわかります。「あ、そこ違う」「それも誤解だなぁ」「これは混ざってい」「おいおい、そんな結論じゃないだろう」でもせめて1回は全部、言いたいコトを言わせてあげましょう。それが相手の伝える練習になるからです。そして自分が、自信で思うほどには優秀ではないからです。どんな相手の話にも、よく聴くと新しい発見があります。なのに自分の知っていることや知見を、しゃべりたい、しゃべりたいと身構えていては、そんな発見もままなりません。相手が話すことは、まずは材料だと思えばいいのです。全部が整合していなくてもかまいません、8割すでに知っている話でも仕方ありません。でも、どこかに新しい、面白い話がきっと眠っています。本人すら気づかなくて、重要思考的には強調されていなくてわかりづらいかもしれないけれど。そんな面白い話など相手がするわけない、という自惚れが「しゃべりたい」病につながるのです。そんなに自分って優秀でしょうか。多分、違います。相手の話に潜む、ダイジなコトや面白い差を「発掘」するのが、聴くことだと割り切りましょう。
・Step3のまとめ抜粋
・「バカの壁」は2つ。思いこみの壁と理解力の壁
・相手がしゃべる話が理解しづらいのは、塊やつながりが明確でなく、差と重みが曖昧だから
・「重要思考」で聴くとは、相手に「重要思考」をしてもらい、伝えてもらうこと
・ちゃんと聴くための傾聴スキルは英語ではActive Listening
・相手の話が長すぎたら、ちゃんと切る!
・上司相手の傾聴は難しいが、原因はあなた自身の感情だったりする
・傾聴での「明確化」や「確認」は誤導尋問になりがちなので注意
・相手が話すことはまずは材料だと思って、とにかく聴く。しゃべりすぎない!
・議論はなんのためにするの?「質疑応答」はただの点数稼ぎでもないし、勝ち負けを決めるためのディベートでもないよ。よりよい結論を導くための、「発展的議論」にこそ価値があるんだ。
・会議のムダ、暴走を防ぐための議論ルールが5つあります。
①プレゼンターは簡潔な文章でまとめ、みなは終わりまで聴く
②質問する前にみなで3分考える
③勝手に話さない、ダイジなコトからズラさない
④賛否を示し、「コメント」とかに逃げない
⑤決め方を決めておき、雰囲気で決めない
・パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトは、本来、論理(仮説や証拠、答え)を1個1個しっかり積み上げるための道具です。だから、ブロック(スライド1枚1枚)を積み上げるような形になっています。なのでブロック(=塊)間の「つながり」が、よくわかりません。全体の論理的な流れがすぐわからなくなってしまうのです。だからプレゼンテーションの最後に、必ず文章で、言葉で、簡潔にまとめることが必要です。
・いきなり議論(質疑応答)に移ってはいけません。それだと、考える時間がありません。考えないで質問となるとヒトはみな、感情的なものや、脊髄反射的なもの、いつもの持論の反復、に走ります。だから、みながこちらの主張を咀嚼し考え、質問を吟味する時間をとることです。
・かみ合う議論というものの最大のポイントは「お互い逃げない」ことです。主張のダイジなところから逃げない、質問から逃げない、回答から逃げないこと。それをみなが守ることが、意味のある質疑応答の前提となります。そのためには、①発言したければ手を挙げる、②指名されてから発言すること。そして、③勝手に議論のテーマ(ダイジなコト)を変えない、④変えるならそれを事前に言い、承認を受けることです。
・主張への賛否を明確にすれば責任が発生します。賛成したものが失敗したときの責任や、反対しのに成功したときの責任が。でも「コメント」なら責任は問われない、とそのヒトたちは思うのです。これを、許さないこと。「それは賛成ということでしょうか、反対ということでしょうか」と詰めましょう。もしくは会議の最初に宣言しましょう。「発言において「コメント」的発言は不要です」「発言の際には、提案への賛否を明確にしてから、発言してください」
・まずは、決め方を決めること。意見が割れたときどう決めるかを事前に定めましょう。あくまで全員一致にこだわるのか、多数決で決めるのか、それとも責任者に決定を委ねるのか。それさえ決まっていればなんとかなります。
・百聞は一見にしかず(百聞不如一見)、はよく耳にする言葉です。前漢の名将「趙充国」の言葉です。後世につくえた続きがあります。
・百聞不如一見 百見不如一考 百考不如一行
この3句は。聞く、見る、考える、行う、を比較して、「ものごとの真の理解のためには、100回聞くより1回直接見ることだ。でも100回見たって、ちゃんと自分で考えないと真の理解には達しない。そしてさらに、100回考えるより1回自分自身でやってみることのほうが、真の理解のためにははるかに近道である」ということを語っています。この3句をかけ算すると、100万回聞いたって1回の試行錯誤に及ばないということでしょうか。かみ合う議論をする力を身につけることに、これらを適用してみます。
・百聞は一見にしかず→①言葉だけでなく現物を示す・現場に行くことで伝える
・百見は一考にしかず→②相手に即答させず自分で考える時間をとってあげる
・百考は一行にしかず→③相手に自分で発言させ議論に参加させる
・「最近、技を1つ開発したんです。さんざんしゃべった後、相手に聞くんです。「今俺が話した中で、一番ダイジなのは何だと思う?」って」「そしたら、ぼーっと聞いちゃいられないから、ちゃんと話を聴くし、自分で考えるし、しかも自分が大事だって思ったことは実行するし。全然違いますよ~」彼の話は続きます。「これを、家で5歳の息子にもやってみたんです。まあ、お説教なんですけど、わーっとしゃべって、最後に聞くんです。「今お父さんが話した中で、一番ダイジなコトは何だと思う?」って」「子どもってそう聞かれるとマジメに考えて、自分の意見を言うんですよ。「これだと思う」って」「あとは「そうだ、よくわかったな」って言ってあげるだけ。しかも、自分で決めたことだから、ちゃんとやりますよ。それまでやる気なかったことまで、やるし」これが「ダイジなコトを相手に決めてもらう」方式です。出色の技だと思います。ただし、相手の意見を尊重する度量が必要ですよね。そのうえでぜひ、お試しを。
・Step4のまとめ抜粋
・すれ違いの議論を空中戦という
・会議では勝手に話さない、ダイジなコトからズラさない
・会議ではダイジなコトについては必ず結論を出してから、次に進む
・会議では議論に入る前にまず、決め方を決める
・百聞は一見にしかず。では百万聞は一行(やってみこと)にしかず
・発言を促すためには小グループから積み上げるのが有効
・相手のやる気を引き出す究極技は、議論で相手に決めさせること
・店頭接客や営業でもっとも重要なのは「自分ほめる」ことです。相手は、何よりもヒトを見ています。あなた自身が「すばらしい」のだと納得したいですし、そう思えたときに、あなたから買おうと思ってくれるわけです。だから、上手に自分をほめましょう。手順はこれまでと、同じです。
・相手が店員や営業担当者でダイジと思っていることを確認する
・それらの点で、自分や自分のチームがいかに優れているかを示す
いやらしくなくサラリと、でも自身をもって「差」を強調しましょう。そしてこれらは、採用面接や(たぶん)合コンの席でも使えます。相手をほめ、そして自分をほめること。相手がダイジと思っているところでアピールです。
・マーケティングってなんでしょう。「売れる仕組みをつくることだ」ってよく言います。ドラッカーはもっと過激に言い切りました。「マーケティングの究極の目標は、売り込み(セリング)を不要にすることだ」
・30年以上ハーバードビジネススクールの教授を務めたセオドア・レビットは、マーケティングをこう定義しました。「マーケティングとは、顧客の創造である」ここで言う顧客とは、あるニーズを持ち、そしてそれを満たすためにお金を払ってくれるヒトたちのことです。それを新たに生み出していくことこそが、マーケティングだと言うのです。「需要の創出」とも言います。「重要思考」で言えば、お客様として一番「誰」がダイジで、その人たちにとってダイジなコト(価値)は何かを考え、その価値を「差」のある方法で提供しよう、となります。
・レストランAの問題を「重要思考」で考えてみます。やるべきことは次の4つのステップです。
誰 「一番ダイジなお客様を決める」
ニーズ 「その人たちにとってダイジな(欲しいとか困っている)コトを理解する」
提供価値 「お店としてどんな価値を提供するかを定める」
方策 「それを実現するための4Pなどの方策を考え実行する」
・その前に、超基本である「塊とつながりをはっきりさせる」がありました。「うちのレストランAの売上が思わしくない!」というオーナーの叫びから、この問題は始まったわけですが、「思わしくない」ってどれくらいなんでしょう。計画との比較でしょうか、前年実績との差でしょうか、それとも類似の他店との比較なのでしょうか。それも、いったいどの程度なのでしょう。それがはっきりしないと、どれくらいの改善を考えればいいかの目標がたちません。
・ファシリテーションですから、重みがこれで差はこうだ、という答えは参加者に任せます。それでもファシリテーターとしてこれを使うには、目的によって3つのパターンがあります。
・プロセスを伝える→①コーチ役として議論の仕方にのみ口を出す
・視点を伝える →②突っ込み役として質問だけを投げかける
・答えに導く →③リード役として考え方のフレームワークを与える
・コーチ役としての主なセリフはもちろん「「重要思考」になってない」です。そして、「それってダイジなの?」「重みと差を明らかにしよう」と語りかけます。議論のプロセスにのみ集中して、内容の善し悪し、結論の是非に口は出しません。結論よりも参加者の議論力向上を目的とした、時間に余裕があるときのファシリテーションでしょうか。議論の内容をよく知っていなくてもできるので、可用範囲が広いのも特長です。
<目次>
Prologue ロジカルに伝える最強の技術、「重要思考」
01 大切なコトはなぜ伝わらない?
02 大切なコトが互いに伝わる会話・議論への4ステップ
Step1 言いたいコトをはっきりさせる
03 ロジカルの超基本は「塊」と「つながり」
04 「重要思考」で考える
05 「重要思考」のミニ演習 3題
06 ツイッターはなぜ大震災時にユーザー数を伸ばしたのか
07 NG態度「座って悩む」
カフェ問答 その1
Step1の一問一答式チェックリスト
Step2 言いたいコトを相手に伝える
08 考えたまましゃべると伝わらない
09 「重要思考」で伝える
10 相手にちゃんと伝えるコツ
11 NGワード「~が1つある」
カフェ問答 その2
Step2の一問一答式チェックリスト
Step3 相手の言いたいコトを理解する
12 バカの壁をどう超える
13 「重要思考」で聴く
14 ちゃんと聴くためのコツ
15 NG姿勢「誤導としゃべりたい病」
カフェ問答 その3
Step3の一問一答式チェックリスト
Step4 相手とちゃんと会話・議論する
16 すれ違いの空中戦にならないために
17 「重要思考」で会話・議論する
18 ちゃんと会話・議論し伝えるコツ
カフェ問答 その4
Step4の一門一答式チェックリスト
上級編 「重要思考」でほめる・つなぐ・ファシる・決める
19 ほめる力~接客・営業に必須です
20 顧客視点でつなぐ力~マーケティングではダイジです
21 ファシリテーション力~日本人の新しい強みに
22 多人数の場の支配力~講演や発表会で
23 緊急判断力~3.11から学ぶこお
おわりに
面白かった本まとめ(2013年上半期)
<今日の独り言>
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