<金曜は本の紹介>
「外国人投資家(菊地正俊)」の購入はコチラ
株式投資をする方は、よく「外国人投資家の買いによって株価が上がった」など聞くと思いますが、そのよく分からない外国人投資家について、この本は分かりやすく説明した本です。
外国人投資家とは誰か、日本市場における存在感、外国人投資家に買われる株・売られる株等について書いてあります。
以下は私がポイントだと思った点です。株式投資等の参考にもなればと思います。オススメな本です!
・外国人投資家の日本株買いも1~3月に多く、秋になると減る傾向があります。年初には米国株が上がりやすい季節性があるうえ、その年の経済動向に関して楽観的な見通しが出やすいことなどが理由と考えられます。
・外国人保有比率が最も高い業種は医薬品の37.1%で、市場全体の外国人保有比率平均の26.7%を10%ほど上回っています。医薬品では、武田薬品やアステラス製薬をはじめ外国人投資家の経営に対する評価が高く、純投資として外国人保有比率が高い企業もありますが、中外製薬やエスエス製薬など外国企業の子会社になっている企業があるためでもあります。
・2006年3月末までの1年間に外国人保有比率が最も上昇した業種は銀行でした。銀行の外国人保有比率は19.5%から26.3%へ6.8%も上昇しました。2番目に外国人保有比率が上昇したのは不動産で、外国人保有比率は24.6%から31.2%へ6.6%上昇しました。日本経済がデフレを脱却し、不良債権問題が克服されて、地価が上昇し、内需主導の景気回復になり、銀行貸出も回復するという期待が強まったためです。銀行業の外国人保有比率がそれほどまで高くないのは、地銀の外国人保有比率が低いためです。地銀の株の流動性が低いためです。
・外国人投資家は国内投資家以上にROE(株主資本純利益率)を重視します。会社は株主のもので、経営者は株主から預かった株主資本を最大化するために雇われた代理人であるという考え方が根強いからです。そのため、外国人投資家は預けた株主資本を最大化してくれる企業、即ちROEが高い企業に投資する傾向があります。
・小泉前内閣の政策では規制改革も評価されました。小泉前内閣の最大の規制改革派、小泉前首相が政治生命を賭けた郵政民営化です。郵政民営化が外国人投資家にもわかりやすい金融分野での民営化であるうえ、郵政がどのような形で民営化されるかが、民間金融機関の業績にも大きな影響を与えるので、外国人投資家の興味は高くなっています。
<目次>
はじめに 外国人投資家を知らずして日本経済を語れない
第1章 そもそも外国人投資家とは誰なのか
外国人投資家の定義/外国人投資家の地理的な分類/外国人投資家の運用スタイル/桁違いに大きい海外の個人富裕層/ベテランの外国人投資家VS初心者の外国人投資家/長期下落相場の苦境を乗り越えたベテランの外国人投資家/初心者の外国人投資家に対しては丁寧な説明が必要/誰もが知っている外国株とは/証券業や資産運用業は株式市場動向に影響されやすい/外国人投資家の業態分類/世界的に影響力を増すヘッジファンド/ヘッジファンドに転進する人々/少数の企業へ大量投資するプライベートエクイティ/アクティビストファンドとは/ファンドによって異なる投資の目的/直接投資と証券投資の違い/経済活性化のために必要な対日直接投資の増加/外国人投資家に関する情報開示/外国人投資家に対する影響が大きい英字マスメディア/事業会社・証券会社ともに重要性を増す外国人投資家とのコンタクト
第2章 日本市場において外国人投資家の存在感はなぜ高まっているのか
大きなトレンドがある外国人投資家の日本株買い/外国人投資家の売買シェアは約5割/外国人投資家の日本株保有比率は上昇傾向/国内投資家の注目を集める外国人投資家の投資行動/外国人投資家は日本株をオーバーウエイト/外国人投資家が注目する日本の個人投資家の動向/個人投資家は中小型株やIPOを好む/成長が期待される日本の投信/外国人投資家と国内年金の日本株投資は逆に動く/株式持合の時代の終焉
第3章 外国人投資家が買わないと上がらない日本株の仕組み
外国人投資家の日本株買いはいつ始まったか/難しいバリュエーションの議論/世界景気に対する敏感株としての日本株/日本の電機や自動車は米国依存度が高い/日本株は原油高時に好調なことが多い/日本株は米国金利の上昇時に上昇/金融相場・流動性相場と業績相場/日本株と米国株との相関が高まる/外国人投資家からみた構造改革/外国人投資家は継続的なリストラを評価する/外国人投資家はトレンドの転換に敏感/外国人投資家の日本株買いにおける季節性
第4章 外国人投資家に買われる株・売られる株
外国人投資家の持株比率は業種別にどうなっているか/外国人保有比率が高まった銀行と不動産/外国人保有比率が市場平均を下回る業種/外国人保有比率が高まらない業種とその理由/外国人保有比率が高い企業に共通する特徴とは/外国人保有比率と投資指標の関係/外国人投資家はROEや資本コストを重視する/営業利益率が高い企業ほど外国人保有比率が高い/財務体質が良い低PBR銘柄に注目する外国人投資家/国際基準に近づく日本の会計基準/外国人投資家は経常利益よりも純利益や営業利益を重視/外国人投資家が評価するテクノロジーに強い企業/自動車株の評価のポイント/外国人投資家はピュアプレイが好き/外国人投資家はグローバル競争に勝ち抜く企業を探す/BRICsの経済成長から恩恵を受ける日本企業/中国経済に脅威を感じる外国人投資家/増加するインドやロシアへの直接投資/企業の国際的な比較優位構造が明確化/世界的に注目を集めるエネルギー関連株/世界的な食料・水不足が影響を与える企業
第5章 外国人投資家は日本の政治・経済をいかに読み解いているか
外国人投資家の日本の政治に関する知識はそれほど深くない/外国人投資家が好む政治家の特徴/Jカーブ効果が現れた小泉改革/物価と金融政策を外国人投資家はどうみているか/外国人投資家は郵政民営化を歓迎/規制改革路線の継続を望む外国人投資家/外国人投資家が高く評価する不動産市場の回復/財政赤字や少子高齢化は先送りされた/外国人投資家が好きな設備投資関連株/外国人投資家にとって扱いが難しい消費関連株/外国人投資家からみれば日本の格差は小さい
第6章 外国人投資家は日本企業に何を要求するのか
変わる日本のコーポレート・ガバナンス/外国人投資家は企業経営者に厳しい/議決権行使で助言役を果たすISS/外国人投資家が問題視する親子上場/世界的に増加するM&A/最近のM&Aの特徴/失敗続きの敵対的M&A/買収防衛策に賛同を得るためには/復活する事業会社間の株式持合/解禁される外国企業との三角合併/着実に変貌する配当政策/株主還元策はどのように変化していくか/自己資本比率が上昇傾向の中で増加するエクイティ・ファイナンスへの懸念
付章 大手外国人投資家の紹介
規模が大きい大手外国資産運用会社
〔北米の投資家〕
フィデリティ/キャピタル・グループ/ステート・ストリート/パトナム・インベストメンツ/ウェリントン・マネジメント/エバーグリーン/アライアンス・バーンスタイン/AIGグループ/フェデレーティド/バンガード/T・ロウ&プライス/ドッジ&コックス/フランクリン・テンプルトン/ブランデス・インベストメント/ジャナス/レッグ・メイソン/JPモルガン・アセットマネジメント/ブラックロック/ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント/モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント/カルパース/TIAA-CREF/チューダー・インベストメント/マニュライフ
〔欧州の投資家〕
UBSグローバル・アセット・マネジメント/クレディ・スイス/ドイツ銀行グループ/シュローダー/インベスコ/ヘンダーソン/ガートモア/モーリー・ファンドマネジメント/マン・グループ/マーティン・カリー/スコテッシュ・ウィドウズ/ベイリー・ギフォード/バークレーズ・グローバル・インベスターズ/ハーミーズ/ソシエテ・ジェネラル/パイオニア・インベストメンツ
〔アジア・中東の投資家〕
GIC/テマセク/ADIA/KIA
おわりに
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)
人気blogランキングアップのためクリックをお願いします!
<今日の独り言>
うぅぅついに16インチのブラウン管テレビが壊れてしまいました・・・。突然「ぷちっ」となって、映らなくなりました。寿命のようです。10年以上もありがとうございました!代わりに液晶テレビを買いたいと思います^_^)