いいね~おいしいね~

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かのと山荘(千葉市若葉区大宮町)の懐石料理はオススメ!

2014年04月30日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 とあるクレジットカードの会報誌に日本庭園があって懐石料理を楽しめるお店が紹介されていて良さそうだったので、千葉市若葉区大宮町にある「かのと山荘」へ行ってみました!

 場所は、千葉東金有料道路の大宮インター下車1分のところにあり、東京から車で45分のところにあります。

奥の駐車場に車を停めて店に入ることにしますが、木の門があり、階段を上って行きますが、雨模様のためか、階段に藁?が敷かれているのには驚きましたね。
嬉しい心遣いです。

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↑奥の駐車場からの門

 そして、池がある庭園を通って店に入りますが、和服を着た女性が迎えてくれ、それから男性が丁寧に部屋を案内してくれます。
このお店はすべて個室のようです。
 個室の窓からは、美しい庭園が見えます!
雨模様だったのに、晴れてきたのは嬉しかったですね。

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↑個室からの庭園

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↑個室からの庭園

 部屋の中には掛け軸と花もありました。

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↑部屋の中

それから、後で部屋から備え付けのスリッパを履いて、庭へ出てみたのですが、水琴窟(すいきんくつ)がありました。
そこに置いてある竹を窟に差し込み、耳を近づけると、「ピチャーン!」と高い音が聞こえます^_^)
何だか心地良く癒されますね。
水琴窟は、地中に埋めた水がめに、水滴が落ちる音を反響させた仕掛けとのことで、1597年頃、建築家でもあり作庭家でもある天才的茶人、小堀遠州が考案したとのことです。
面白いですね。

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↑水琴窟

 メニューとしては、昼懐石は5,500円からですが平日は4,000円のミニ懐石もあります。
これら懐石料理は毎月メニューが変わるようです。

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↑メニュー

 事前に電話予約で、オススメの平日限定ミニ懐石の「花かご」(4,000円(サービス料抜き・税抜き))を予約していたので、すぐに料理が運ばれます。

先付として、わらびの白酢掛けが運ばれますが、わらびが想像以上に柔らかくそしてさっぱりとして美味しい!!
また器も美しいです。
そして、前菜も運ばれます。
合鴨や魚、うど、まぐろのテリーヌ?で、これらも上質な感じで、そして美しいですね~。
さすがです!

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↑先付と前菜

そして、造りが運ばれ、鯛・マグロ・サーモンの刺身も柔らかくて美味しい!
鮮度の良さを感じます。

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↑造り

そして、朴葉包み焼きには驚きました!
かなり焼かれた大きな葉っぱ?にくるまれた鰆が、かなり脂が乗っていて、これが旨い!
包み焼きで、こんなに脂が乗っているとは驚きましたね。

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↑朴葉包み焼き

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↑朴葉包み焼きの鰆

そして、みちのく清流鶏と春野菜の炊き合わせが運ばれます。
春野菜のふきや筍があるのが嬉しいだけでなく、清流鶏の団子とともに出汁の利いたスープがマッチしてとても美味しいです!
出汁の良さを感じますね!
そして器もアツアツなのが嬉しかったです。

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↑みちのく清流鶏と春野菜の炊き合わせ

それから天ぷらが運ばれます。
「たらの芽」「うるい」「ふきのとう」など春の山菜と「松葉蟹しんじょう」が薄くサクサクと揚げられていて、桜塩ととても合います!
この天ぷらも美味しすぎる!

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↑春の山菜天ぷら

そして、食事となり「さくら海老炊き込みご飯」「浅利味噌汁」「香の物」が運ばれます。
ピンク色のさくら海老炊き込みご飯は、明るくてそして春らしくて素晴らしいですね!
さくら海老の炊き込みご飯とは驚きました。
とても良いと思います。
もちろん味噌汁も出汁が効いていて美味しいですね~。

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↑食事

それから水菓子として、グレープフルーツゼリーとイチゴ、キウイが運ばれました。

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↑水菓子

「かのと山荘」は日本庭園を楽しみながら、四季に応じた美味しい懐石料理を楽しめて、とてもオススメです!
秋は特に紅葉が美しそうでしたね!
また、「水琴窟(すいきんくつ)」はぜひ楽しんで頂ければと思います。

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

<今日の独り言>
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かのと山荘

昼総合点★★★☆☆ 3.6
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「鋸山 日本寺(千葉県安房郡)」はとてもオススメ!

2014年04月28日 01時00分00秒 | イベント・外出
<月曜はお勧めなおはなし>

 房総半島南西側にある「鋸山 日本寺」へ行って来ました!

 「鋸山 日本寺」は、約1300年前の神亀2年(725年)6月8日に開山された関東最古の勅願所です。
 日本寺は開山当時、七堂十二院百坊を完備する国内有数の規模を誇り、良弁、空海、慈覚といった名僧が留錫(りゅうしゃく)したと記録され、良弁僧正は木彫りの大黒尊天を彫り、弘法大師(空海)は100日間護摩を焚いて石像の大黒尊天を彫り、慈覚大師は仁王門の金剛力士像を作ったと伝えられています。

 現在では、「鋸山 日本寺」には、奈良の大仏よりも大きい日本一の大きさを誇る江戸時代に原型が造られた「大仏」(御本尊)や昭和41年に造られた「百尺観音」、1500体もの石仏の「東海千五百羅漢道」があるだけでなく、断崖からの「地獄のぞき」、常陸から駿河まで関東の十国を一望できる「十州一覧台」で景色を楽しむことができます。
どれも、想像以上に感動しましたし、気が良い場所だなぁと嬉しかったですね。
とてもオススメな場所です!

 アクセス方法としては、以下の3つがあります。
久里浜・東京湾フェリーの金谷港からも近くなんですね。
船旅も面白いかと思います。
車で安く済ましたい場合は、有料道路やロープウェイを利用しない東口無料駐車場がオススメかと思います。

【フェリー】
久里浜・東京湾フェリー(35分) 金谷港(片道大人720円)→ ロープウェイ(山麓駅 → 鋸山頂展望台(往復900円))

【電車】
JR「東京」駅より内房線「浜金谷」駅(ロープウェイ利用時)、もしくは「保田」駅(表参道から行く場合)下車

【自動車】
館山自動車道(富津金谷もしくは鋸南保田)
・登山自動車道(駐車料金含む有料道路1000円)→山頂駐車場
・登山自動車道(駐車料金含む有料道路1000円)→大仏口駐車場
・鋸山ロープウェー山麓駅駐車場(ロープウェー往復900円(駐車料金含む))
・東口無料駐車場

我々は、車で東口無料駐車場から入りました。
観光バスが停まり、外国人旅行客も多く、驚きましたね。
かなり人気なスポットのようです。

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↑東口駐車場

それから階段を上って、東口管理所で拝観料大人600円、小人400円を支払って入ります。
東口管理所には、芸能人の野々村真さんの写真などもありましたね。
そして、その前に「鋸山日本寺」の大きな案内図もありました。
まずは近くの大仏広場へ行き、それから山頂展望台を目指すこととなります。

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↑駐車場からの階段

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↑案内図

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↑東口管理所

大仏前は広場となっているのですが、大仏の巨大さには驚きましたね!
高さが31mもあり日本一の大きさには圧倒されました!

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↑日本一の大仏

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↑大仏の説明

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↑横から見た大仏

 この大仏の原型は天明3年(1783年)に3年を費やして完成したとのことですが、江戸時代末期に自然の風食による崩壊があり荒廃していたようです。
 昭和44年(1969年)に4年を費やして復元したとのことです。
この大仏は、宇宙全体が蓮華蔵世界たる浄土であることを現したもので、世界平和、万世太平の大象徴とのことです。
確かに蓮の中にあり、周りにも仏様があり、宇宙全体を感じます。
また、東方浄瑠璃世界の教主で、瑠璃光を以て衆生の病苦を救い、病苦を救う医薬の仏様で、左手にあるのは薬壺とのことです。
 源頼朝は石橋山の戦いに敗れた後、房州に逃れ再起を図った折にこの日本寺で武運を祈願し、自ら蘇鉄を手植えし、現在も大蘇鉄として境内に残っているようです。
 頼朝は鎌倉幕府を開くとすぐに荒廃していた日本寺の全山修工に力を尽くし、養和元年(1181年) 薬師本殿を再建したとのことです。
なお、夏目漱石や正岡子規など文人も数多くこの鋸山を訪れ、彼らの作品に残されているようです。
確かに素晴らしい場所だと思います。

それから、山頂展望台を目指し、ひたすら階段を上ります。
かなり階段が長く大変です。

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↑延々と続く階段

途中に手彫り?の二天門(通天閣)があり、凄いと思いましたね。

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↑通天閣

そして、ようやく「山頂展望台」に到着し、険しい山肌をよじ登って「地獄のぞき」へ行きます。

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↑「地獄のぞき」への険しい山肌

「地獄のぞき」から下をのぞくと、石切り場が広がり、足がすくみます!
高さ100mあるので、結構高い!

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↑「地獄のぞき」から下をのぞく

しかも、奥の方からその「地獄のぞき」を見ると、なんと崖から突き出した展望台ではありませんか!
怖ろしい!
でもまあ面白いですね。

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↑崖から突き出した「地獄のぞき」

それから、階段を降りて、映画インディジョーンズのような切り立った場所を歩きます。
その先には先ほどの「地獄のぞき」が見えます。

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↑映画インディジョーンズのような場所

すると、巨大な百尺観音があって、その大きさにはとても驚きましたね!
石切り場跡に、平面的ではありますが高さ百尺(30.3m)の神秘的?な巨大観音があります。
陸上、会場、空の交通の守り本尊とのことです。

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↑百尺観音

それから、西口管理所の方へ歩き、それからまた階段を上ると、「十州一覧台」があります。
「十州」とは、常陸から駿河まで関東の十国を一望できることから、その名が付いた展望台で、ここから筑波山や伊豆半島、富士山も見ることができるようです。
この展望台からは、金谷港が眼下に広がり、遠くには三浦半島が見え、そして「とんび」が飛んでいて、素晴らしい景色でしたね!
金谷港からはフェリーが出航して白波を立て、内房線の電車がゆっくり動いているのをのんびり見るのも、なんだか癒されました。
とても絶景で感動しましたね。

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↑十州一覧台からの景色

それから、名工・大野甚五郎が安永8年(1779年)から門弟27名とともに生涯をかけて約21年彫り続けた1553体もの石仏が並ぶ「東海千五百羅漢道」も想像以上に良かったですね。
聖徳太子もあります。
特に「奥の院無漏窟」が素晴らしかったですね。

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↑聖徳太子

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↑奥の院無漏窟

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↑日牌堂

 「鋸山 日本寺」は、日本一の大きさの「大仏」や「百尺観音」、1500体もの石仏の「東海千五百羅漢道」、断崖からの「地獄のぞき」、「十州一覧台」で景色を想像以上に楽しめ、とてもオススメです!


お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

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「好きなことだけして生きていけ(千田琢哉)」という本はとてもオススメ!

2014年04月25日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「好きなことだけして生きていけ」の購入はコチラ

 「好きなことだけして生きていけ」という本は、サラリーマン時代に3000人以上の経営者と付き合ってきた著者が、好きなことだけをしながら桁違いの成功を収めている人が数多くいたことに驚き、彼らの習慣を真似すればいいと考え、それを実践して成功した経験から、それら成功のポイントを分かりやすく50個にまとめたものとなります。

 とにかく分かりやすい言葉で、短い文章でまとめてあるおで、読みやすいですね。

 特に以下については共感を持ちました。
・好き嫌いをハッキリさせること
・やらない後悔をしないこと
・やりたいことは貫く
・幼少の頃から好きなことをすること
・撤退する決断のほうが大事
・読書は大切
・スピードが大切
・勧誘や強要には拒否
・テレビや新聞は見ない
・先方からお誘いがあった場合のみ成功者と会う
・言い訳はダメ
・活躍できる場を見つけ、そこで暴れること
・整理は大切
・人脈を増やせばいいというものではない
・普段は一人で自分を磨いていると運命の人と出逢える
・時間厳守
・親を含めた先祖に感謝すること
・お客様が喜ぶサービスを提供することが大切
・ノウハウを提供して儲ける
・好きなことをすれば笑顔が広がり正のスパイラルになる

 「好きなことだけして生きていけ」という本は、人生をより良くするヒントが満載で、読みやすく、そしてとても勇気づけられ、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・転職を繰り返す人は珍しくなかった。それでも、彼ら彼女らが転職を後悔しているとは、私には到底思えなかった。「転職したらどうなるのだろう・・・」と想像を膨らませるだけで一生を終えるよりも、実際に転職して自分自身で確認できるほうが幅広い人生を味わえるからだ。自分で自分の人生を生きている人間は、「やらなかった後悔」ではなく、「やっちゃった後悔」をする。死に際に「やっちゃった後悔」をする人が、幸せな人生を謳歌した人なのだ。

・現在好きなことで人生を埋め尽くしている成功者たちは、四面楚歌の状態で、100人中99人の意見を却下して自分を貫いた人たちなのだ。100人中99人に反対されてでも自分の好きなことを選んだとすれば、それがあなたの本当に好きなことなのだ。四面楚歌の状態は、好きなことをやる資格があるか否かの神様から与えられたチェックテストなのだ。退屈な人生の群れから抜け出す瞬間の賛同者はたった一人、自分だけ。この緊張感を楽しめた人間だけが、大好きなことで人生を埋め尽くせる。まあ100人中1人といっても、日本だけで100万人も仲間がいるのだが。

・自分が好きなことをしているか否かは、仕事のやり方をみていればよくわかる。大好きなことを仕事にしている人は、すぐにやってしまうから締め切りを大幅に”前倒し”してしまうのだ。まるで空腹状態のライオンが獲物を貪るように、あっと言う間に仕事を平らげる。すべてにおいて”前倒し”だから、スケジュールはいつも白紙で自由でのびのびと人生を謳歌している。嫌いなことを仕事にしている人は、つい後回しにしがちだから、締め切りギリギリに仕上げようと”後倒し”にする。いつも締め切りギリギリで仕事を片づけていると、いずれどこかで調子が狂った際に締め切りを守れなくなる。”後倒し”人生の集大成は、すべての締め切りを守れなくなって信頼を失墜させることだ。

・むしろ、即動くことよりも即撤退する決断力のほうが、継続的な成功のためには必要なのだ。なぜなら大成功した利益よりも、大失敗した損失のほうがいつも大きいからだ。損失はできる限り最小限に抑えるべきだ。特に軍を動かしたり会社組織を動かしたりする場合、どんなに成功を重ねても、たった1回の大失敗で致命的になることも多い。大失敗を招くのは、小さな失敗のうちに撤退しないからだ。

・運命の本は、常にあなたが読書していなければ出逢えない。私の周囲の長期的な成功者たちは、全員読書家だった。読書によって成功までの時間を大幅にショートカットし続けていた。

・私が食わず嫌いに挑戦する際のプロセスはこんなものだった。
1.つべこべいわず、早く取りかかってしまう。
 早く取りかかることによって、早く結論が出るから時間の節約になる。頭で納得できなかったことも、動けば納得できる。
2.自分で決めた期間内に、周囲の倍のスピードで成長するように取り組む。
 スピード成長にこだわるのは、そのほうが頭を使えて楽しいからだ。楽しくすれば、自然に長続きする。
3.周囲の倍のスピードで成長が見られなければ、即辞める。
 倍のスピードで成長できないことは、たいした才能ではないから時間の無駄だ。倍のスピードで成長できる分野に時間を費やしたほうが、私は楽しい。

・あなたの周囲で、頼んでもいないのに勧誘したり、強要したりする人がいたら、それはすべて偽物だ。これだけ覚えておけば、詐欺にかかることはない。他人に自分の価値観を強要する人は、自分が好きなことをやっていない人だ。自分が好きなことをやっていないから、心が荒んでいる。荒んだ心のバランスを取るために、周囲に不幸をまき散らして紛らわす。自分と同じように心が荒んだ人間を増やすことによって、安心しようとするのだ。好きなことをやっていないから、嫌いなことをがまんしてやっている。「だからあなたも一緒にがまんしなさい」というわけである。こんな「がまんクラブ」に入会したら、今度は脱会するのが大変だ。「がまんクラブ」の特徴は、一度入会させたメンバーを退会させるのにペナルティを科していることだ。

・好きなことをやりながら生きていくためには、先に成功している人から応援してもらう必要がある。応援してもらわずに成功するのは不可能だ。大切なことは、応援してくれる成功者に嫌われないことだ。実力はあるのに、組織で干されてしまってうだつの上がらない人生で幕を閉じる人は、応援してくれる人がいなかったからだ。ただし、みんなに好かれる必要など毛頭ない。どこか一人の成功者に好かれれば御の字だ。成功者が嫌いな相手は、時間の大切さをわかっていない人間だ。そもそも成功者は時給が高い。成功者の時給は、一般のサラリーマンの数十倍、数百倍はザラである。そんな成功者たちが、時間を軽くみる相手を好きになるはずがない。

・成功者と会うのは、先方からお誘いがあった場合に限ると考えておけば間違いない。つまり、最初は誰かの紹介がなければ、会うのは失礼だということだ。誰かの紹介で会ってもらえることになったら、それはこれから付き合えるか否かの面接だと考えればいい。面接に受かれば次も声がかかるが、落ちれば二度と声はかからない。メール社会になって、面談の価値は急上昇した。気安く「会ってください」というのが、ますます失礼になってきている。

・言い訳の話術が磨かれるたびに、行動力が鈍っていく。言い訳のカラクリはとてもシンプルで、自分が負けた理由を言葉巧みに正当化しているだけだ。負けた結果から目を背け、自分で自分を慰める。周囲からみたらとても滑稽であり、まともな人なら誰も応援しようとは思わない。本来悔しさをバネにして自分を磨くチャンスなのに、口からエネルギーを発散してしまうのだからもったいない話だ。本当に心から好きなことをやっている人間は、言い訳なんてしない。それどころか、ここぞとばかりに言い訳を飲み込んで、即行動に移す。言い訳を飲み込むということは、精神的なカンフル剤を飲み込むということだ。精神的なカンフル剤を飲み込めば、モチベーションアップして好きなことを磨いていける。その結果、好きなことがますます好きになる。

・「そうはいっても現実は・・・」といってくる連中から、私は次第に距離を置くようになった。別に悪気はなかったが、パターンが読めてしまうような退屈な人間と一緒にいるのが単に苦痛だったのだ。距離を置いてしばらくすると、驚くべきことが起こった。退屈な人間と距離を置いた途端に、出逢う人すべてが好きなことで成功した人たちばかりになったのだ。どこから聞きつけたのか、向こうから声をかけられることも多くなった。今から振り返ると退屈な人間と群がっていたから、夢を実現した成功者たちは私に声をかけてくれなかったのだ。いくら「私は違う」と言い張っても、群がっていたら同じ穴のムジナと判断される。究極は、目があった瞬間に退屈な人間から避けられるくらいでちょうどいい。

・サラリーマンで本社に残ることにこだわる人がいるが、窓際社員でしがみつくより、子会社でも孫会社でも役職をつけてもらって移籍したほうがいい。新天地で実績を残すか、それが無理なら独立開業に向けて準備を整えることもできるはずだ。もう先が見えているのであれば、社内ベンチャーなっでひと暴れするのもいい。あなたは補欠人生を歩むために、この世に生まれてきたのではないはずだ。

・高級ブランドショップには物が少ない。商品が贅沢なスペースに優雅に陳列されている。そこに集う人たちも、立ち居振る舞いが上品で、お金をたくさん運んでくる。整理すればするほどに、成功は近づいてくるのだ。カッコいいお金持ちの家には物が少ない。お洒落な物が、贅沢なスペースで優雅に並べられている。大好きな物だけを買い、大好きな物だけを残す。結果として大好きな物以外は部屋に存在しない。24時間365日大好きな物に囲まれていると、それだけで心が豊かになる。

・連日あちこちで人と会ってばかりいる人は、どんどん人脈の質が劣化していくことに気づくべきだ。だいたい人と会ってばかりいる名刺コレクターは、話がつまらないのだ。誰一人として深い関係を築けず、話がすべて聞きかじりの寄せ集めだ。年齢とともに自分から会いにいくのではなく、相手から会いに来てもらえるような存在にならなければ、あなたは魅力不足だということだ。魅力は一人の時間を大切にした人だけが身につけることができる。今、目の前で会っている人を大切にし、一人の時間で人から学んだことを何度も反芻する。一人の時間を捻出したければ、好きなことを貫くことだ。好きなことを貫けば、人脈はガラガラと音を立てながら変わっていくだろう。

・普段は、一人で頑張って自分を磨いている。それは運命の人に出逢った時に、一瞬でご縁を創り出すためだ。もちろん、初期の頃は思いがけない出逢いがご縁になったり、嫌っていた者同士が、思いがけずいいご縁に発展したりすることもあるだろう。だが自分を磨いていれば、運命のご縁は直感でわかるようになるのだ。

・群がって騒いでいるような人間に、白馬に乗った王子様が現れるはずがない。白雪姫もシンデレラも、幸運をつかんだ女性はご縁を大切にしたが孤独だった。小人たちや動物たちとのご縁を大切にしていたから、奇跡が起こった。孤独の時間に自分を磨いていたから、奇跡は起こったのだ。

・長期的な成功者が常軌を逸するほど時間厳守にこだわるのは、命を重んじるからだ。人間は生まれた瞬間から死に向かって生きており、お互いに会うという行為すら寿命のお裾分けになる。寿命のお裾分けの時間に平気で遅刻するということは、相手の命を軽くみている証拠だ。たとえ言動が丁寧だとしても、「所詮あなたの命なんてたいしたことないでしょ?」と見下しているのだ。ひるがえって、あなたはどうだろうか。仕事で5分遅刻の常習犯になってはいないだろうか。会議の終了時間を平気で延長してはいないだろうか。デートの待ち合わせに平気で遅刻してはいないだろうか。これらの原因の原因であう真因をさかのぼっていいくと、相手の命を軽くみていたことに気づかされる。もちろんそんな相手と一緒に時間を過ごすことは、人生最大の無駄だ。あなたが遅刻しないのはもちろんのこと、遅刻する人に巻き込まれないことだ。遅刻の常習犯なのにいい人ぶっているのは、100%詐欺師だと考えていい。

・私がサラリーマン時代に直感したのは、独立して最初の壁は、雑用の山をいかに早く片づけられるかにかかっているということだった。好きなことに専念できる日が一日でも早くやってくるように、できる限り雑用には時間を割きたくなかった。だからこそ、サラリーマン時代は雑用のチャンピオンを目指した。人の嫌がる雑用こそ命がけで打ち込み、質とスピードで周囲をあっと驚かせた。最初に入社した会社では、暇さえあれば経理部に入り浸って、帳簿のつけ方やさまざまな書類の研究をした。「営業部の人間がなんでこんなに経理に熱心なの?」と、気味悪がられた。転職した会社では、全書類を通して部署を横断的に眺めることができた。雑用に精通した結果、独立4日目には事業を軌道に乗せることができた。

・今では、先祖に感謝することが本物の成功者になるための必須条件だと確信している。あなたの一番身近な先祖は誰だろうか。両親だ。まず両親に感謝することが、先祖に感謝することのスタートになる。両親に感謝できる人は、他のすべての人に感謝できる。会社や仲間に感謝できない人は、本当は両親にすら感謝していないのだ。そのくらい、両親に心から感謝することはやさしいようで、難しい。感謝の反対は、「あたりまえ」だ。両親に今日まで育ててもらったことを「あたりまえ」だと思っているのは、感謝とは対極の行為となる。両親が自分を育てたのは「あたりまえ」と思っている人間は、上司や仲間にも「あたりまえ」と思っている。先祖に感謝できない人は、師匠にもお客様にも感謝できない人だ。身近な人に感謝できる人が、すべての人に感謝できる人なのだ。

・競争相手がいないくらいマイナーな土俵で突き抜けてから、得意分野を拡げていけ!

・利益を出す最大の目的は、お客様により喜んでもらえるサービスを提供していくためなのだ。その手段のひとつとして、従業員のボーナスをアップさせるという選択肢も存在するというのにすぎない。メーカーが研究開発や新商品開発に膨大な投資をし続けているのは、それが存在のために不可欠だからだ。作家もさまざまな経験や知恵を、日常生活で仕入れ続けなければ、とたんにネタが尽きてしまう。印税で稼いだ分をそのまま自分の頭脳に投資し続けなければ、一瞬で読者に見放される。好きなことを死ぬまでやり続けるためには、好きなことにずっと投資し続けることが最高の貯金であり、財テクなのだ。

・せっかく好きなことで一度成功したのに、現在低迷しているというのなら、成功したプロセスをノウハウとして提供することはできないか考えてみよう。ノウハウを提供するなんて、王道ではないと感じる人もいるかもしれない。だが人はいずれプレイヤーを退き、ノウハウを提供する側に回らねばならないのだ。

・大好きなことをやっている人は、心の底から笑顔になることができる。本当に幸せな人は卑屈にニヤニヤしないし、卑屈に大袈裟なつくり笑いをしたりもしない。ごく自然にしているだけで周囲が幸せ菌に感染しそうなくらい、心地よいオーラを発しているのだ。ポーカーフェイスなのに、口角は自然に上がっている。究極は、怒っていても口角は自然に上がっている。結果として人も集まってくるし、人がお金を運んでくる。放っておくと、あちこちから永遠に集まってくる。人は誰でも好きな人にだけお金を払いたいからだ。幸せのすべての根源は、本人が本音で好きなことをやっているか否かだ。好きなことに没頭すれば、好きな人と出逢い、好きな人と幸せになれる。一度これを経験すれば、あなたは大好きなことをして生きる人生の虜になるだろう。

<目次>
プロローグ
 01 好きなことで成功している人に出逢って、打ちのめされよう。
Part1 君のやりたいことは、本当に好きなことなのか
 02 好きなことをやっていると、月曜の朝が待ち遠しくなる。
 03 「好きなこと」の最大の敵は、「別にどっちでも」。
 04 親の期待に応えることが、好きなことではない。
 05 四面楚歌の状態は、好きなことのチェックテスト。
 06 好きなことは、修行そのものが楽しい。
 07 つい前倒ししてしまうことが、好きなこと。
 08 本当に好きなことをやっている人は、落ち着いている。
 09 「好きなことを取るか、お金を取るか」の議論は、無駄。
Part2 成功者は、いかにして好きなことを見つけてきたのか
 10 母親のひと言は、以外に本質を衝いている。
 11 好きなことの片鱗は、小学生の頃にすでにやっている。
 12 「まるで子どものようだ」といわれることが、好きなこと。
 13 あえて大嫌いなことを続けてみる時期も必要。
 14 「やりたい!」と思ったら、もう動いている。
 15 「これはあかん!」と思ったら、撤退が猛烈に速い。
 16 ドロップアウトしてもふて腐れない人に、扉が開く。
 17 たくさん本を読んでいる人は、好きなことを早く思い出せる。
Part3 それを仕事にしても好きでいられるか
 18 人は、好きなことを仕事にするために生まれてきた。
 19 「趣味だから楽しいだけ」とうのは、趣味を仕事にしたことがない人。
 20 仕事にしても好きなことが、本当に好きなこと。
 21 好きなことを仕事にすると、人生を通じて深め続けられる。
 22 他人から与えられた目標に、勝手に上乗せしたくなることが好きなこと。
 23 仕事を好きになるコツは、スピードアップすること。
 24 仕事を好きになったプロセスに、好きなことのヒントが詰まっている。
 25 子どもにとって最高の教育は、あなたが好きな仕事をすること。
Part4 今すぐやめたい無駄な習慣
 26 好きなことをしている人は、強要しない。
 27 帰宅してすぐに、なんとなくテレビのリモコンに触れない。
 28 読みもしないのに、世間体で新聞を購読しない。
 29 むやみやたらに、「会ってください」と連呼しない。
 30 言い訳は行動力を鈍らせるだけのものだ。
 31 「そうはいっても現実は・・・」と騒いでいる協会から、イチ抜ける。
 32 ”補欠の先輩”になったら、潔く去る。
 33 人生最悪の失敗は、嫌いなことで成功すること。
Part5 今すぐはじめたい成功習慣
 34 「それはありえない」ではなく「なるほど」。
 35 大好きな物以外は、全部捨てる。
 36 好きなことを貫くと、人脈も入れ替わる。
 37 ご縁を大切にしながら、一人でがんばる人に奇跡が起こる。
 38 常軌を逸するほど、時間厳守にこだわる。
 39 サラリーマン時代に、雑用のチャンピオンになる。
 40 静と動で、人生のバランスを取る。
 41 先祖に感謝する。
Part6 「好きなこと」を「お金」に変える技術
 42 好きな分野を細分化すると、得意分野に巡り逢う。
 43 好きなことで稼いだお金は、さらに好きなことに投資する。
 44 好きなこと磨きのプロセスで得たノウハウを公開する。
 45 ノウハウ公開では、出し惜しみしない。
 46 ノウハウ公開の値段は、相場は無視していい。
 47 実用的でない仕事のほうが、年収は高い。
 48 今、やっている仕事が、次の仕事のマーケティング。
 49 一度の人生を大海で勝負したいなら、やっぱり独立しかない。
エピローグ
 50 好きなことで好きな人を一度でも笑顔にすると、虜になる。


面白かった本まとめ(2013年下半期)

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「ソウルフード インディア(東京 水道橋)」でのカレーはとてもオススメ!

2014年04月23日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 食べログで水道橋駅近辺で高評価だった「ソウルフード インディア」へ行ってきました!

 場所は都営三田線水道橋駅A6出口から徒歩3分ほどで、東京ドームが近くに見えますね。

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↑店構え

 店内はカウンターが5席ほどで、二人のテーブル席が8つほどでしょうか。奥の薄型液晶テレビでは、インド映画?が上映されていましたね。
マイケルジャクソンのようにみんなで踊っています^_^)
というか、マイケルジャクソンがこれらインド映画を真似したんですよね・・・。

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↑店内

メニューを見ると、ディナーセット1630円がオススメなようなので、それを注文します。
この日の日替わりカレーは、マイルドなマッシュルームカレーということなのでそれを選び、ナンかライスを選べるので、ナンを注文します。
ドリンクは、果汁100%ジュースのオレンジジュースを選びます。
それから、プラス350円でタンドリーチキンが追加できるのでそれも頼みました。

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↑ディナーセットのメニュー

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↑インドカリーのメニュー

さっそく、サラダと、パパドと呼ばれる豆のチップスと、オレンジジュースが運ばれます。

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↑サラダとパパド、オレンジジュース

パパドが焼きたてで、パリッとして美味しいです。

 そして、マッシュルームカレーとナンが運ばれますが、ナンがでかすぎてビックリ!!
テーブルの幅以上にある大きさで、こんなに大きなナンは初めてですね!
しかも、アツアツで、ほんのり甘く柔らかくて美味しい!
このナンの巨大さには、心底驚きましたが、嬉しいですね^_^)
カレーもマイルドでGoodです!

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↑マッシュルームカレーとナン

そして、焼きたてアツアツのタンドリーチキンが運ばれますが、緑色のバジルソースがあるのには驚きました!
しかし、想像以上に辛くてビックリ!
最近辛いのがダメになっていて、このタンドリーチキンの辛さには少し参ってしまいました^_^;)
でも柔らかく焼けていて美味しいです。

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↑タンドリーチキン

 それから、店員のインド人の方が気軽に明るく優しく、バジルは辛くないですかと話しかけてくれて、嬉しかったですね。
もちろん「辛いです~」と笑って応えました・・・^_^;)

「ソウルフード インディア」は、巨大なナンとともに美味しいカレーを堪能でき、とてもオススメです!
ぜひこの巨大なナンを楽しんでください!

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

<今日の独り言>
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ソウルフードインディア 水道橋店

夜総合点★★★☆☆ 3.9
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関連ランキング:インド料理 | 水道橋駅後楽園駅本郷三丁目駅

 

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「銭別銀行 とりだし君」はとてもオススメ!

2014年04月21日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
<月曜はお勧めなおはなし>

「銭別銀行 とりだし君」の購入はコチラ

 「銭別銀行 とりだし君」という貯金箱を購入しました!

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↑銭別銀行 とりだし君

上の方にある投入口から500円玉、100円玉、50円玉、10円玉、5円玉、1円玉を入れると自動的にコインを選別して貯金できるというスグレモノです!

 それぞれのコインの大きさを識別して振り分けていますね。
透明なプラスチックなので、その振り分けを見ることができて、とても面白いです。
もちろん電池不要です!

 普通の貯金箱だと、それぞれのコインが何枚あるか分からないので総額が分からず不便でしたが、この貯金箱ならそれぞれのコインが何枚ある大体分かるので、とても便利です!
それぞれのコインに対して枚数の目盛りが付いているので、どのくらい貯金されているか分かるのです。
それぞれ40枚~50枚の目盛りがあります。

 それから、もちろん貯めているコインを取り出すことも可能です!
取り出し口をそれぞれのコインに合わせて、レバーを引くと、1枚ずつ取り出すことができます。
とても簡単です!

子供がとても楽しく貯金ができ、とても良いと思います。
とてもオススメです!

なお、不安定な場所だと、振り分けがうまくいかない場合がありますので、固定された場所に置くことをオススメします。

お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

<今日の独り言> 
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「リストラなしの「年輪経営」(塚越寛)」という本はとてもオススメ!

2014年04月18日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「リストラなしの「年輪経営」」の購入はコチラ

 「リストラなしの「年輪経営」」という本は、伊那食品工業株式会社の社長や会長に就任し、相場商品だった寒天の安定供給体制を確立し、医薬・バイオ・介護食などに新たな市場を開拓した功績が認められて1996年に黄綬褒章を受賞し、1958年の会社設立から48年間連続の増収増員増益を達成した塚越寛さんが書いたものです。

 本書では、会社経営とは社員を大切にし、それを通じて社会に貢献することが目的であり、そのためにはいい時も悪い時も無理をせず、低成長を志して自然体の経営をすること、すなわち木の年輪のように少しずつではあるけど前年より確実に成長することが大切ということについて書かれています。

 そのほか具体的には以下について書かれています。
どれも心にしみいる内容でした。

・経営とは会社の数字と社員の幸せのバランスをとること
・二宮尊徳の言葉(遠きをはかる者は富む)を経営戦略の柱としてきた
・ブームに乗って売り上げが上がったが、ブームが終わった後の後遺症を脱するには数年かかった
・会社はまず社員を幸せにするためにある
・人の犠牲の上にたった利益は利益ではない
・会社は製造・販売・開発・財務などそれぞれの筋肉がバランスよく強くなることが重要
・利益は社員の幸せを増やすために使うべき
・安売りは消費者のためにはならない
・ブランド化して適正な利益を確保することが大切
・信頼される商品を提供してファンをつくることが大切
・コスト削減、リストラが目的の会社は問題
・ケチは悪循環の始まり
・社員のモチベーションを上げるのはお金や地位ではなくて、去年より良くなった、去年より幸せだと感じること
・仕入先は安易に変えない
・商品が良いものであるだけではなく、商売の相手先との信頼関係が大切
・仕入先に不当な値引きは要求しないし、不当な値引きを要求する売り先とは取引をやめる
・過度な値引きや過剰なサービスは商売を疲弊させる
・新しい商品を開発して自ら市場を創り出すと安売り競争にさらされず適正な利益を確保できる
・自前設備が競争力を生んだ
・株式上場は株主の利益が最優先となり社員を犠牲にしてしまう
・いい商品であれば時間をかければ必ず受け入れられる
・トレンド軸ではなく、人間が本来あるべき姿に向かっていこうとする進歩軸に乗ることが重要
・海外で仕事をする場合はできるだけ多くの人と会い、信用できる人を見つけることが大切
・言葉遣いを良くする、丁寧な挨拶、掃除を徹底が大切
・会社経営の要諦はファンづくり
・掃除をすることは商売繁盛のコツ
・やる気になって知恵を出すことが大切
・社員を守るための投資を惜しんではならない
・幸せになるには人から感謝されること
・人に迷惑をかけないことが大切
・残された人生に限りがあると考え大切に生きることが重要
・仕事が苦しければ苦しいほど達成したときの感動は大きい
・整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5Sが大切
・社員を採用するときに強調力が大切
・知識・経験のうえに知恵を生むことが大切
・あてにしていなかった物を偶然に見つけだすセレンディピティが大切
・逆境が人間としての基礎を築く
・日本は観光立国が発展させる一つのポイント
・観光には見るもの・買うもの・美味しいもの・学び・癒しが必要
・会社を永続させるには常に改革が必要

 本書の字はかなり大きく読みやすく、そんなに文字量は多くないのですが、内容に無駄がなく心にしみいり、よくまとまっているのには、とても驚きましたね。
良書だと思いますので、とてもオススメです!

なお、この会社が運営する「かんてんぱぱガーデン」は自然を生かした公園で、年間30万人も訪れるようなので、ぜひ行ってみたいと思いましたね。

 「リストラなしの「年輪経営」」という本はとてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・会社ですから、売上げが伸びなくては経営が成り立ちません。利益が出ないようでは、会社の存続さえ危うくなります。私も、売上げや利益の大切さは、良く分かっているつもりです。しかし、売上げや利益が増えることを目的にすると、社員の幸せが二の次にされてしまいます。早い話が、利益を増やすためには、人件費や福利厚生費、さらには地域貢献やメセナ活動などを減らすことが有効と考えられてしまうわけです。これでは本末転倒だろう、と私には映ります。経営とは「会社の数字」と「社員の幸せ」のバランスをとることだと思います。このバランスこそ、経営者が最も求められるものです。ところが、最近の企業経営では「会社の数字」の方に重きが行き過ぎて、バランスが崩れているのではないでしょうか。

・私は二宮尊徳の次の言葉を「経営戦略」の柱としてきました。今なお少しも古びていません。
 遠きをはかる者は富み
 近くをはかる者は貧す
 それ遠きをはかる者は百年のために
 杉苗を植う
 まして春まきて秋実る物においてをや
 故に富有り
 近くをはかる者は
 春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
 唯眼前の利に迷うてまかずして取り
 植えずして刈り取る事のみ眼につく
 故に貧窮す
二宮尊徳

・会社ですから、山あり谷ありです。しかし、いい時も悪い時も無理をせず、低成長を志して、自然体の経営に努めてきました。私はこの経営のやり方を「年輪経営」と呼んでいます。木の年輪のように少しずつではありますが、前年より確実に成長していく。この年輪のような経営こそ、私の理想とするところです。年輪は、その年の天候によって大きく育つこともあれば、小さいこともあります。しかし、前の年よりは、確実に広がっている。年輪の幅は狭くとも、確実に広がっていくことが大切なのです。年輪の幅は、若い木ほど大きく育ちます。年数が経ってくると、幅自体は小さくなります。それが自然です。会社もそうあるのが自然だと思います。会社も若いうちは、成長の度合いが大きいものです。年数を経てくると成長の割合は下がってきますが、幹(会社)自体が大きくなっているので、成長の絶対量は増えているものです。また、木々は無理に成長しようとはしません。年輪は幅の広いところほど弱いものです。逆に、狭い部分は堅くて強いものです。こうしたところにも、見習うべき点があります。実は、年輪経営にとって、最大の敵は「急成長」なのです。

・2005年、伊那食品工業はそれまでやったことのなかった昼夜兼行態勢で寒天の増産に取り組みました。その結果、この年の売上げは前年比40%増となりました。かつてない伸び率に、私は喜びではなく懸念を感じていました。案の定、寒天ブームが一段落した2006年からは、売上げが減少に転じました。利益も前年を下回りました。過大な設備投資などはしていなかったので、通常の生産体制に戻すだけで、大きな痛手は受けなかったのですが、それでもこの後遺症から脱するには数年かかりました。

・ブームに巻き込まれたら、どうしたら良いでしょうか。孤塁を守って、知らんふりをしているわけにもいきません。私は「ブームで得た利益は、自分の力で儲けたものではないから、人様から一時的に預かっているもの」と考えました。一時預かっているものですから、将来必ず出て行くものというわけです。逆に、何かの事情で、自分の過ちではなくて損をした場合は、こう考えるようにしていいます。「自分の力でなくて損をしたら、自分の罪じゃなくて損をしたら、それは人様に預けてあると思え」。年輪経営を理想にして、「遠きをはかる」商売をコツコツと続けていれば、いずれ必ず帳尻は合ってくるものだと思っています。

・私は、会社はまず社員を幸せにするためにあると考えています。売上げを増やすのも、利益を上げるのも、社員を幸せにするための手段に過ぎません。年輪経営は、「売上げも利益も前年を上回ればいい」ことが目安です。大幅な売上げ増、利益増は、求めていません。何かのチャンスがあって、無理をすれば一年でできることも、自然体で二年、三年と時間をかけて達成していきます。その方が、会社を永続させることにもつながるわけです。私は、会社が成長するということは、社員が「あっ、前より快適になったな、前より幸せになったな」と実感できることだと考えています。

・私は「人の犠牲の上にたった利益は利益ではない」と自らを戒めています。例えば、仕入先に無理を言って、納入してもらう商品の価格を低く抑えることはしません。商品は適正な価格で買いますが、仕入先が原価割れになるような無茶な要求はしないということです。商売の基本は、「売り手」と「買い手」が対等であることです。私たちも利益も得ますが、相手も利益を得られないといけないわけです。自社の利益を優先して考えれば、相手先を搾りに搾るということになるかも知れませんが、そんな関係は長続きしません。当社は、「利益」ではなく、「永続」に価値を見出そうとする企業です。だから一時の利益のために、良好な仕入先を失うような愚かな真似を犯したくありません。私たちが商品を販売する場合でも、適正な価格で購入して頂けるようにお願いします。もし、あまりに無理なことを要求されたら、取引きできないことを伝えています。

・筋肉質の会社というのは、パワーがあるということです。しかし、腕の筋肉だけ強いとか、足の筋肉だけ強いというのでは、バランスが取れていません。会社も、製造、販売、開発、財務など、それぞれの筋肉がバランスよく強くなっていることが必要です。さらに、健康な体は血液の巡りが良く、神経も末端まで発達しているものです。血液の巡りがいいというのは、会社で言えば、社内の指揮命令系統が整っていて、情報や指示が素早く回ることでしょう。神経が発達しているというのは、社員みんなが世の中の変化に対して敏感で、素早く対応できることを意味します。先見性があると表現してもいいかもしれません。

・私は利益を「社員の幸せ」を増やすために、使おうと考えています。単純に、給料を上げればいいというものではありません。一時的に大盤振る舞いしても、会社が続いていかないようでは元も子もありません。毎年、少しずつでも給料が上がっていくことで、社員の幸せ感も増していくものです。ここ10年間、毎年10億円以上続けてきた投資にしても、生産設備の増強だけに費やしてきたわけではありません。社員の職場環境を良くしようとして本社敷地の公園化、社屋の拡充なdに、また福利厚生の充実に、かなりの額を振り向けました。社員たちに「去年より快適な会社、仕事場になった」と感じてもらいたいからです。他の経営者からは「もっと工場とか機械に投資すればいいのに」と見られているかもしれません。しかし、私は手狭になったので、新しい社屋を建てたり、敷地内の公園の整備に努めました。社員旅行も40年前から、会社が補助を出して隔年で海外旅行を実施してきました。さらに、地域貢献として、歩道橋を設けて通学路としたり、公道が利用できるにもかかわらず、混雑を避けるために脇に私道を作ったりしました。他にも、伝統芸能である「能と狂言」を地元で楽しんでもらうための「伊那能」や、小沢征爾氏が指揮する「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」などに協賛を続けています。最近は全国から140校が集まる屈指の大会となった「春の高校伊那駅伝」に、まだマイナーな大会だった1992年から協賛してきました。

・「いい会社」をつくるための10箇条
 1 常にいい製品をつくる。
 2 売れるからといってつくり過ぎない、売り過ぎない。
 3 できるだけ定価販売を心がけ、値引きをしない。
 4 お客様の立場に立ったものづくりとサービスを心がける。
 5 美しい工場・店舗・庭づくりをする。
 6 上品なパッケージ、センスのいい広告を行う。
 7 メセナ活動とボランティア等の社会貢献を行う。
 8 仕入先を大切にする
 9 経営理念を全員が理解し、企業イメージを高める。
 10 以上のことを確実に実行し、継続する。

・世の中を見渡すと、激安、安売り王、価格破壊といった言葉が氾濫しています。安売りだ、安売りだという商売は、本当に消費者のためになっているのでしょうか。モノを買う消費者も、一方では商品の供給会社の従業員であるわけです。適正価格での販売こそ、供給会社の利益を生み、その社員の購買力を高める源泉となります。販売業者も供給業者も適正な利益を上げ、その利益が会社を大きくすることだけに使われるのではなく、社員に適正配分されれば、GDPの6割を占める国民消費が盛んになるのは当然です。そう考えれば、国民消費を盛んにし、景気を良くするためには、適正な利益の確保とその配分が重要になってくるわけです。ブランド化を目指すことは適正な利益を確保することにつながります。そして、企業永続の鍵にもなります。言い換えれば、ブランド化つまり「信頼される商品を提供して、ファンをつくる」ことが、企業経営そのものなのです。

・私は、「ケチは悪循環の始まり」と言っています。人件費や福利厚生費をケチるとどうなるか。社員のやる気は低下するでしょう。社員のやる気が低下すれば、会社の活力が落ちます。下手をすれば、事故が増えるかもしれません。それは業績の悪化という結果につながります。また、給料が下がるようなことがあれば、どうでしょう。社員たちは財布の口を堅く閉めて、モノを買わなくなります。消費が落ち込んでいきます。日本のGDPの6割を消費が占めているわけですから、消費の落ち込みは日本経済の減退を進めます。当然、回りまわって、自分の会社の業績にも悪影響を及ぼすことでしょう。それまで行っていたメセナ活動や地域貢献を取り止めれば、それに関わっていた人たちの活動を縮小することとなり、やはり経済の悪化につながります。このように、自分の会社の経費をケチれば、いろいろな面から経済全体が後退し、ひいては自分の会社の業績の悪化につながります。そうなれば、会社はますます経費削減に励み、さらにケチになるわけです。もっとケチになれば、経済はもっと悪くなる。すると会社ももっと苦しくなる。つまり、悪循環に陥るわけです。自分の会社だけケチっても全体に影響はなく、他社が使ってくれるとみんな思っていることが、問題なのです。

・個人を特別に評価する成果主義や能力給の制度を導入すると、目先に表れる数字にだけ関心がいってしまいます。社員同士の協調よりも、自分の成績が大事になるわけです。極端な場合は、となりの社員の成績不振を喜んだりします。成績の悪い年長者を軽んじるような風潮も生まれます。これでは、社内の「和」は保てません。なにも会社を仲良しクラブにしろと言っているわけではありません。むしろ、会社の真の成長を求めて、いつも侃々諤々の議論が巻き起こっている方が望ましい。ただし、会社というのは、社内一丸となって事に当たる時が、いちばん力が発揮できます。そうした「一丸となって頑張る」力を、成果主義や能力給は削ぎかねません。

・若い人が望んでいるのは、穏やかな人間関係の中で、自由にのびのびと仕事ができる職場です。これは甘えを許すこととは違います。自分で自分を律しながら、常に向上心を持ち、新たな目標に挑戦していかなければ、会社にとって必要な人材とは認められません。管理されるよりも、もっと難しいことなのです。よほど高いモチベーションを持たない限り、実行できないでしょう。私は、社員のモチベーションを上げるのは、お金や地位ではなくて、「働いて、去年より良くなった、去年より幸せだ」と感じられることだと思います。去年よりも今年、今年より来年の方が、幸せ感が増してくるような会社。そんな会社にいれば、自然とモチベーションは上がってきます。

・私が仕入先を安易に変えないことにしたのは、老舗企業の経営に学んだことです。100年、200年と続く老舗には、それだけの多くの知恵があります。幾つもの尊敬できる老舗企業から、真の老舗になるための条件を、私なりり5つ導き出させてもらいました。以下のようなものです。
 1 無理な成長はしない。
 2 安いというだけで仕入先を変えない。
 3 人員整理をしない。
 4 新しくより良い生産方法や材料を常に取り入れていく。
 5 どうしたらお客様に喜んで頂けるかという思いを常に持ち続ける。

・商売の取引きにおいては、商品が良いものであるということは基本です。しかし、商品が良いだけではダメなのです。こう話すと、多くの方が「次は価格でしょう」と考えるようですが、私は価格より大切なものがあると信じています。それは、商売をさせて頂く相手先との信頼関係です。価格は安いけれど信頼関係のない相手先と、価格は少し高いけれど信頼関係のある相手先を考えた場合、私は信頼関係のある相手先を選びます。価格よりは信頼が大切だと思うからです。老舗企業が、簡単には仕入先を変えないのも、こうした理由があるからではないでしょうか。では、信頼関係はどうやって築けばいいのでしょうか。もちろん、相手の人格や気持ちを理解することは必要です。でも、ただ親しいだけでは、信頼関係ができているとは言えません。大切なのは、商売や経営の面で、正しい理念で結ばれていることだと思います。正しい理念を共有しているということです。それがあって初めて、商売上の信頼関係が築けたと言えると思います。

・私は当社の営業マンたちには、「理不尽な要求や屈辱的な取引を強要されるようならば、大きな商いであっても、きっぱりと断っていい」と言ってあります。かつて大口のお得意様だった会社の仕入れ担当者が替わり、前任者の時より価格を下げるように要求されたことがありました。新しい担当者は自分の成績を上げるために、値引きを強要している様子でした。その会社とは、かなり大きな商売をさせて頂いたのですが、その時は、取引を止めざるを得ないと判断しました。「買ってあげるんだから、俺たちの方が偉いんだ」というような態度は間違っています。自戒も込めて繰り返しますが、商売は売り手と買い手が対等なものです。ともに繁栄していくのが、正しいあり方だと思います。買い手がバイイングパワーにものを言わせるような取引は、長い目で見れば上手くいきません。

・過度な値引きや過剰なサービスなどは、商売を疲弊させます。最初は飛びついたお客様も、だんだんと慣れてきて、より「過激なもの」を望むようになります。「過激さ」には当然、限界があります。「過激さ」の果てには、会社の消滅が待っているだけです。当面は苦しくても、「良いものを適正な値段で売る」ことが、将来的には一番特になります。まさに「遠きをはかる」経営です。

・当社の強みは、新しい商品をかいはつして、自ら市場を創り出すところにあります。そこでは、当社の製品が高いシェアを持てるわけです。無益な安売り競争にさらされることもありません。これが適正な利益を確保できることにつながります。もうひとつ、当社の強みがあります。それは、工場に設置する生産機械をかなりの程度まで、自社でつくってきたということです。これによって、オリジナルな生産設備が多くできました。そのため、当社でヒット商品が生まれても、他社は簡単には真似ができなかったようです。さらに、機械工作の部門を持ったことで、機械のメンテナンス力も上がりました。故障してもすぐ直せます。改善も容易です。このため、工場の稼働率もたかくなりました。

・上場会社が、株主の利益を重視することは当たり前です。しかし、最近の傾向を見ると、あまりにアメリカ的な「株主の利益最優先」の考え方が、株式市場を覆っています。社員の幸せより、株主の利益を優先させるために、社員の給料よりも、株主への配当を重視することになりがちです。リストラなどは、その最たるものでしょう。リストラ策を打ち出すと、株価が上がったりします。こrは、社員を犠牲にして、株主や投資家たちの利益を守ろうとする以外のなにものでもありません。

・自分の勤めている会社が、研究開発型の企業目指しているということは、社員のモチベーションアップにもつながります。新しい技術や商品を生み出して、社会に貢献していく姿勢は、末広がりの明るい将来を感じさせるものです。既存市場で「取った、取られた」のシェア争いを演じているより、新しい市場を開拓できるような商品を生み出し、それによってシェアを獲得していくという経営姿勢は、社員に希望を抱かせると思います。

・世の中にあろうがなかろうが、世の中で売れていようが売れていまいが、そんなことには関係なく「自分たちがいいと思うものをつくろう」という姿勢を、私は貫きたいと考えています。もちろん、期待はずれの商品を出てきます。でも、不思議なことに、それほど気にはかかりません。思うに、これまで市場ゼロのところからコツコツと開拓してきたので、「いい商品」であれば時間をかければ必ず受け入れられると、体験的にしみついているのでしょう。マーケット・リサーチというのは、既に過去になったものを調査しているわけです。その類のリサーチというのは結果を数字で表しますが、この数字自体が過去のものと言えます。まさに、数字を追っている人は、過去の方ばかりを見ている人なのです。それでは「いい商品」は生み出せません。「いい商品」とは、「これは人びとの役に立つな」「これは人々を幸せにするな」と感じられるものです。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、「人間のあるべき姿」を追っている商品だと、私は理解しています。人間の進歩していく方向に沿った商品ということです。こうした商品は、いずれ必ず花開きます。

・経営戦略を立てる時に、私は「進歩軸」と「トレンド軸」という2つの座標軸から判断することにしています。「進歩軸」とは、人間が過去から現在、そして未来へと進歩していく方向を示すものです。人間は紆余曲折しながらも、大きな流れとしては「幸せ」や「理想」に近づこうと進歩しています。世の中がよくなっていこうとする、人間が本来あるべき姿に向かっていこうとする、その時に辿るのが「進歩軸」です。ですから、「進歩軸」は過去から未来に貫く縦の時間軸になります。「トレンド軸」は、その時どきの流行を示すものです。「進歩軸」に直角に交わるイメージとなります。その時代時代で流行るものが、「トレンド軸」に乗っているわけです。流行は振り子のように振れます。だから、世の中の関心は「トレンド軸」の上を行ったり来たりします。例えば、商品を開発する場合も、この「進歩軸」と「トレンド軸」を意識することが大切です。流行は大切ですが、それを追い回しすぎると、振り子が戻った時に痛い目に遭います。それよりも、「進歩軸」に沿ったような商品をじっくりと育てることを心掛けてきました。人間が幸福になるような方向の商品であれば、いつかは報われるものです。最近の流行で言えば、「地球環境に優しい商品」があります。流行りのように見えるので、「トレンド軸」に乗っているように思われますが、根底には「人類の末永い幸福のため」という命題が横たわっており、「進歩軸」に合った商品群といえます。

・インドネシアに初めて出向いた時も、ほとんど報酬も受けずに、海藻の養殖から指導しました。そうして信用を得られるようになると、海外の経営者たちもだんだんと寒天の製造技術だけでなく、経営指導も受け入れてくれるようになりました。私の言うことは、日本でやっていることと同じです。会社の敷地には木を植えなさい、社員を大切にしなさい、と話しました。木を植えることは、環境への意識を高めることに役立ちます。一方、社員を大切にすることは、インドネシアの企業ではあまり一般的ではなかったようです。というの、インドネシアでは労働力がありあまっている状態だからです。それでも私は口をすっぱくして「社員は大切にしろよ。それが経営のコツだから」と言い続けました。ある時、インドネシアで暴動が起きて、日頃ひどい扱いを受けていた労働者たちが、会社を襲うという事態が発生しました。ところが、私が指導していた会社では、そういう暴動は起きなかったのです。後で、そこの経営者からは大変感謝されました。

・海外に進出する場合、大切なのは「どこそこの原料が安い」「あそこの土地は広い」「ここの人件費は低くできる」といったことではありません。いかに「信用」できる人を見つけ、その人と手を組めるかどうかです。ですから、私は海外で仕事をする場合、できるだけ多くの人と会い、そのなかで「信用」できる人を見つけることから始めることにしています。

・中小企業でもすぐにできることは、たくさんあります。言葉遣いを良くする、丁寧な挨拶を心がける、掃除を徹底させる-これなら、お金もかけずに、今すぐにできるでしょう。「そんなこと」と、バカにしてはいけません。こうしたことが、ファンづくりにつながるのです。

・会社経営の要諦は「ファンづくり」にあると言えます。いかにして、ファンを増やしていくか。経営者は、そのことに腐心しなければなりません。マス媒体を使った広告宣伝などを見て、当社の製品を買ってくれたお客様は、大切なお客様ではありますが、まだファンではありません。そこから、もう一歩進んでファンになって頂く努力をする、それが経営なのです。お客様だけではありません。仕入れ先や得意先、地域の人たちにもファンになって頂きたいと考えています。

・どんなに大きなビジネスでも、最後は一人対一人です。この一人を大切にできないようでは、いずれその会社は衰退していくことでしょう。一人ひとりのお客様を大切にし、ファンになって頂く。そうすれば、そのファンの方が当社のことを周りの人たちに伝えてくれまs。それは、マス媒体の宣伝より遙かに効果的です。そうしてネズミ算式に、ファンが広がっていけば、そのほうが「会社の素粒子」は増えていきます。社員一人ひとりが一日に何人のファンをつくれるのかーkのことが会社の命運を握っているのです。そして、いかにそれを継続できるか、が大切です。

・どんな中小企業でも、個人事業でも、やる気になれば今すぐできて、効果抜群なのが(といっても、少し長い目で見てのことですが)、掃除です。たかが掃除と、バカにしてはいけません。掃除をすることは、商売繁盛のコツなのです。きれいなところ、美しい場所に、人は集まってきます。人が集まってくるということは、そこに価値が生まれるということです。掃除が行き届き、木や花が植えてある会社は、それだけでイメージアップに貢献します。それこそ、商売の基本でしょう。私は「掃除はもの言わぬ営業マン」と言っています。

・みなさんも、いろいろな会社に伺うことがあると思います。そんな折りに、掃除が行き届いているかどうか、観察することは有意義です。やはり、きれいにしている会社は信頼できます。

・人間はやる気になって知恵を出し、体を動かせば、2倍、3倍の能力を発揮します。機械の稼働率を上げたり、新しい機械を入れたりするより、よほど効果的です。当社にいる400人の社員が2倍働くようになれば、800人の社員を抱えているのと同じです。生産性は、飛躍的に向上します。資金が乏しい時期を過ごしたお陰で、私は「最大の生産性向上策は、社員のやる気アップだ」という確信を得ました。新しい機械やITを入れるよりは、社員のモチベーションアップの方が大きな力になります。

・「目の玉が飛び出る」ほど高い新型プレス機を導入して、その後どうなったのか。まず、安全性は確保できました。加えて、生産性も大幅に向上しました。何よりも、社員が喜んでくれて、やる気がアップしたのです。それによって、会社の経営にもプラスに働きました。結果として、この決断は大成功でした。そして、私は大きなことを学びました。「社員をケガから守りたい」という動機が正しかったから、好い結果につながったということです。動機が善であれば上手くいく-これが私の信念になりました。社員を守るための投資を惜しんではならないと確信したのです。

・人が幸せになる一番の方法は、大きな会社をつくることではありません。お金を儲けることでもありません。それは、人から感謝されることです。人のために何かして喜ばれると、すごく幸せな気分になるでしょう。そのことを仏教では「利他」と言います。幸せになりたかったら人に感謝されることをしなさい、ということです。私は半世紀に亘って会社を経営してきましたが、人のためになることをして損をしたことは一つもありません。むしろ、もっと大きくなって自分のところに返ってきます。これは経験から、確信をもって言えることです。

・私が言う「立派」とは、人に迷惑をかけないということです。迷惑をかける人は、「悪い人」になります。人や社会に迷惑をかけない人が、「立派な人」です。ただし、この「立派」には、三段階あります。まず「小さな立派」ということがあります。これは、単に人に迷惑をかけないことです。「中くらいの立派」は、少しでも人の役に立つことを意味します。迷惑をかけないだけでなく、何かちょっとでもいいから良いことをすることです。家族のため、友だちのために何か役立つことをしても良いのでしょう。一番立派な「大きな立派」は、大勢の人、社会の役に立つことです。家族や友人以外の知らない人も含めた大勢の人に対して、良い行いをするわけです。この「大きな立派」を心がけている人には、大きな幸せがもたらされるに違いありません。

・「いいか、この100年カレンダーをよく見てみろ。この中に、君たちの命日が必ずある。私のは、カレンダーの上の方だろう。君たちは、中ほどだ。でも、必ずこの中にある」いきなり命日の話をされて、新入社員たちも面食らいます。若いときには死をさほど意識しません。だから、時間はタップリあると思っています。しかし、100年カレンダーを見せることで、人生は限りあるものだということを肌で感じとらせるわけです。いくら若くても、残された時間には限りがあります。だから、生きているうちに、頭を使って、体を使って、やれるだけのことをやらなければ損でしょう。そして、自分が幸せになりたいと思ったら、人に喜んでもらうようなことをしなさい、と話します。前に述べた「利他」の心を持つということです。

・今の世の中は「楽したら得」という風潮が蔓延しています。しかし、これは間違いです。仕事が苦しければ苦しいほど、それを達成した時の感動は大きいものです。人の役に立って感謝されることほど喜びを感じることはありません。一度しかない人生で、こうした感動や喜びを味わわないのは、大きな損をしていることに他なりません。研修ではさらに「教育勅語」を学びます。戦後民主主義教育の中で、「教育勅語」は否定されましたが、私は人間の守るべき規範として大切な内容が盛り込まれていると考えています。親孝行、兄弟の友愛、夫婦の和、人格の向上、博愛の心など、日本の伝統的道徳が表れています。これを若いうちに学ぶことは、有益だと思います。

・当社では、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」という「基本の5S」を、新入社員に徹底的に叩き込みます。いずれも体を使って行うことです。

・社員を採用する時に、私が最も重視するのは「協調力」です。どんなに優れた能力を持っていても、どんなに高い学歴を持っていても、この協調力が欠けているような人間は採用しません。協調力というのは、周りを思いやる気持ち、支え合おうという精神です。ですから、協調力のある人間は日常の注意力が高いはずです。気配りも、その一つです。朝、元気に「おはようございます」と言われれば、誰でも気持ちがいいでしょう。ちょっとした休みに、冗談を言って周りを和ませるのも大切なことです。自ら進んで掃除をするのも、協調力の表れです。このように一見仕事とは関係ない行いでも、当社では評価することになっています。

・机上で学んだだけの知識では、実際の仕事では役立ちません。知識は知識でしかないのです。必要なのは、知恵です。知恵とは、知識+経験です。知識と経験が一緒になって発酵しないと知恵は生まれません。同じ経験をしても、注意力がある人は、多くの知恵を得ます。だから、注意力が大切なわけです。

・当社の研究開発部門の壁には「セレンディピティ」という言葉が掲げられています。あてにしていなかった物を偶然に見つけ出す才能、言わば「掘り出し上手」という意味です。開発能力の核心をついていると思い、大切にしています。この「セレンディピティ」は研究開発部門のスタッフだけでなく、どんな社員にも持ってもらいたい能力です。社員一人ひとりが「セレンディピティ」を発揮すれば、会社は宝の山となります。周りのことを思いやり、その中で小さなことに気づくことで、「セレンディピティ」は発揮されるのです。

・辛く苦しい日々を過ごしましたが、悪いことばかりではなかったと思います。あの逆境は、私に人間としての基礎を築いてくれたのです。貧しさ、辛さ、苦しさ、悲しさというものは、人を育てます。ひどい境遇を体験したからこそ、人の痛みや苦しみが理解できるのです。人の情けも身にしみて分かるようになるし、ささやかでも希望を持つことの大切さも分かるようになりました。これは理屈ではありません。経験しないと、分からないことです。幼い頃、貧しさや病苦を味わったお陰で、私は「人間を大切にする経営をしよう」という強い決意が持てました。伊那食品工業も創業してしばらくは貧乏な会社でした。その中でも、仲間を大切に、取引先に迷惑をかけないように、と懸命に努力したものです。少し余裕が持てたからといって、自分だけがいい思いをして、かつてお世話になった方がたや社員たちを置き去りにするようなことは、決してやるまいと心に決めています。肺結核から立ち直った時、私は「もう何も贅沢は言わない。ただ一生懸命に生きます」と誓いました。伊那食品工業に入社して、土日もなく毎日十数時間働きました。苦労とは思いません。働けるだけで幸せだったからです。今はモノが豊富になり、物質的な苦労は少なくなりました。ですから、若い人は自ら求めて、苦労を背負うことが必要です。困難を自ら求め、逆境を切り開く体験は、きっと人間を強く大きくしてくれることでしょう。

・多くの日本企業がこの間、生産基地を中国に求めました。それらの企業の売り上げは伸びたでしょうし、利益も上がったでしょう。しかし、生産基地を中国に移したことで、日本では失業者が増えました。これでは、国民は豊かになるはずがありません

・日本はこれから、どうすればいいのでしょうか。私が考える一つには、観光立国があります。「モノづくり大国」から、「観光大国」へ。これが、今後日本が生きていく一つの方向ではないでしょうか。

・観光を実現するには、5つの要素が必要です。第一に、見るに堪えるものがなくてはなりません。第二に、買う楽しみがなければなりません。第三に、美味しい食べ物がなければなりません。第四に、学びがなければなりません。第五に、癒しがなけれがなりません。この5つが揃えば、素晴らしい観光が実現すると思います。日本国中の企業が、こうした観光を志せば、見事な観光大国が生まれると思います。

・会社を永続させるためには、常に改革し続ける必要があります。新しい経営手法、新しい商品、新しい技術、新しいサービスと、どんな部門であっても、改革の波を絶やさないように心がけることです。

<目次>
はじめに
第1章 「年輪経営」を志せば、会社は永続する
 会社は社員を幸せにするためにある
 「良い会社」ではなく、「いい会社」を目指そう
 経営とは「遠きをはかる」こと
 急成長は敵、目指すべきは「年輪経営」
 ブームで得た利益は、一時的な預かりものと思え
 社員が「前より幸せになった」と実感できることが成長
 人の犠牲の上にたった利益は、利益ではない
 利益は健康な体から出るウンチである
 利益それ自体に価値はない、どう使うかが大事
 「苔むす会社」を目指して・・・
 「いい会社」をつくるための10箇条
第二章 「社員が幸せになる」会社づくり
 人件費はコストではなく、会社の目的そのものである
 法人税だけが税金ではない
 年功序列制度で社内の「和」を保つ
 最大の効率化は幸せ感が生むモチベーション
 安いからといって、仕入先を変えない
 信頼関係は契約書より大切
 身の丈に合わない商売はしない
 たくさん売るより、きちんと売る
 利益の源は新製品で市場を創造し、シェアを高くすること
 性善説に基づくと経営コストは安くなる
 株式上場はしない、決算は3年に1回くらいでいい
 マーケット・リサーチで「いい商品」は生み出せない
 経営戦略は「進歩軸」と「トレンド軸」を見極めて
 安い労働力を目当てにした海外進出はしない
 「社会主義には信用という概念がない」と見切る
第三章 今できる小さなことから始める
 「遠きをはかり」、今すぐできることから始める
 会社経営の要諦は「ファンづくり」にあり
 掃除はもの言わぬ営業マン
 当社のトイレには一滴のしずくも落ちていない
 小さな楽しみをつくって、社員のやる気をアップさせる
 社員旅行が楽しい会社は結束力がある
 社員の健康を守るための投資は惜しまない
 経営とはみんなのパワーを結集するゲーム
第四章 経営者は教育者でなければならない
 幸せになりたかったら、人から感謝されることをやる
 「立派」とは、人に迷惑をかけないこと
 新入社員研修は、100年カレンダーから始まる
 採用で最も重視するのは「強調力」
 「コンプライアンス」という言葉は大嫌い
 逆境は人を育てる
 企業価値を測る物差しは「社員の幸せ度」
 「凡事継続」のためには、常に改革を心がける
おわりに


面白かった本まとめ(2013年下半期)

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「寿司政(東京 九段下)」のお寿司はとてもオススメ!

2014年04月16日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 1861年(文政元年)創業の東京の九段下にある「寿司政」が、食べログでの評価が高く、しかも山口瞳や開高健などの文人が馴染みにしていたお店と聞いて、さっそく行ってみました!

 場所は、東京メトロ九段下駅6番出口を出た先を右に曲がってすぐ、左側にあります。
 小じんまりとしたお店ですが、店構えから清潔感が漂っていて、高級感を感じます。
暖簾が老舗を感じてとても良いですね。
 ちなみに、初代は日本橋で店を開いていたようで、それから神田、九段下と移転してきたようです。

1img_3253
↑店構え

 平日の11時30分頃に行ったのですが、すでに店の前には行列が出来ていたのには驚きました!
大人気なお店のようです。

 まあこの日は桜が満開で、近くの千鳥ヶ淵や靖国神社が盛況だったということもあるのでしょう。
 そのため、お店では平日に1900円ほどで提供しているランチはお休みとのことで、3000円の梅からとのことでした。
 お寿司かチラシ寿司を選べ、梅のお寿司を二人で注文します。

 店内は7人ほどのカウンター席と、4人掛けのテーブル席が3つほどありました。
少しせまいです^_^;)
 とにかくテーブルの木が白く1枚板できれいで、とても清潔感がありますね。
 壁には作家の山口瞳のサインなどが飾られていました。

 そして、すぐに寿司が握られて運ばれます。
卓上には小皿と醤油もありますが、お寿司には軽く醤油が塗られていてるので、そのまま食べることができます。

2img_3245
↑小肌、中トロなど

 さっそく小肌を食べてみますが、おぉぉ結構酢が効いている!
しかも結構身が絞まっていて、これは旨いです!
これにはとてお感動しましたね!
中トロも柔らかくさすが旨い!!
シャリがしっかりして、そして酢が効いていてとても旨いです!

 そして小さな腕に入った味噌汁が運ばれますが、青海苔が入り出汁が利いていてこれも美味しい!
毎度のことながら、寿司屋の味噌汁は美味しいです^_^)

3img_3246
↑味噌汁

 そしてホタテ、赤身マグロ、エビが運ばれますが、これらも身が柔らかく、ネタが濃厚で鮮度の良さと上質さを感じ、素晴らしいです!

4img_3248
↑ホタテ、赤身、エビ

 それからイクラ、穴子、玉子が運ばれますが、イクラが濃厚で、そして穴子が小骨がなく甘みがあってとても柔らかくこれも素晴らしいです!
この穴子にも感動しましたね!

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↑イクラ、穴子、玉子

そして最後に巻物が出てきて終わりです。

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↑巻物

「寿司政」は上質なお寿司を上質なお店で堪能でき、とてもオススメです!!
さすが文人が馴染みのお店ですね!

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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九段下 寿司政

昼総合点★★★★ 4.3
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関連ランキング:寿司 | 九段下駅神保町駅竹橋駅




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盆栽美術館「春花園」はとてもオススメ!

2014年04月14日 01時00分00秒 | イベント・外出
<月曜はお勧めなおはなし>

 このブログで紹介した「一流の人に学ぶ人生で自分の才能を花開かせる方法(小林國雄)」という本に感動したため、その著者が運営する盆栽美術館「春花園」へ行って来ました!

場所は 東京都江戸川区にあり、最寄駅はJR総武線小岩駅もしくは都営新宿線瑞江駅で、そこからバスとなります。
駐車場は3台分ほどありました。

1img_3184
↑盆栽美術館「春花園」の外壁

 門の中に入って、すぐ右側で入館料を支払います。
大人一人800円でお茶付きです。(抹茶ではなく普通の緑茶ですので安心してください^_^;))
小学生は半額の400円でした。

 敷地内には、さすがたくさんの盆栽が置かれていて圧巻でした!
3月下旬だったのですが、ちょうど桜も満開で良かったですね^_^)
とにかく、とても良い気が充満していて、清清しくて素晴らしいです。
パワースポットですね。
しかも、案内の方が優しくて素晴らしい!

2img_3185
↑たくさんの盆栽

ちょうど3組の客が集まったようで、美術館内を案内してくれることになりました。
かなり若くスマートな男性の案内ですが、とても優しく、そして分かりやすく説明してくれます。

 盆栽は床の間(とこのま)に飾る時は、3点セットとのことでした。
「盆栽」と「掛け軸」、そして「小物?」の3点が必ずあるとのことです。
勉強になります^_^)
もちろんその3点には関係性があるようでした。
そして、盆栽は正座して座った時に、美しく見えるように置かれているとのことでした。

3img_3186
↑盆栽のある床の間

4img_3190
↑盆栽のある床の間

この盆栽は、赤松と石が絡めてあり、なかなか風情があります。

5img_3192
↑赤松と石

 盆栽は、木を曲げて枝ぶりの見栄えをよくするのがポイントとのことです。
何もしなければ、枝などが上に広がるだけなので、小さく収めるために木を曲げるのです。
そして知らなかったのですが、盆栽にはなるべく水や肥料を与えず、枯れる寸前のギリギリのところで育てるのがポイントのようで、それで木の幹などに風合いが出るようです。
人間と同じで苦労をすると良い味が出るようです^_^;)
また、白い部分は枯れている部分で、その部分とのシンフォニーが良いようです。
盆栽は木の葉っぱを見るのではなく、木の中心の幹の風合いを見るのがポイントで、だから幹の部分は見えるように葉は切られるようです。
それから確かこの木で樹齢が300年もあるようです。
300年とは凄い!
水や栄養をあまり与えないので、このくらいの大きさにしかならないようです。
逆に水を多く与えると、あっという間に大きくなってしまうようです。
なお、日本の盆栽はこのくらいの大きさが好まれ、中国の方は木から大きな気をもらうのが目的のため盆栽は小さくても1.5mはあり、かなりの大きさになるようです。
盆栽には国民性の違いがあるんですね。
今や、盆栽は世界的に注目されているようです。

6img_3197
↑盆栽のある床の間

それから、茶室もありました。
よく茶会もここで開かれるようです。

7img_3202
↑茶室

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↑茶室の盆栽

それから、赤い葉の盆栽も美しかったですね。
バックが白色なので赤色が映えます!
亀の置物もポイントのようです。

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↑赤い葉の盆栽

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↑盆栽3点セット

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↑盆栽3点セット

それから、しだれ桜の盆栽も美しかったです。

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↑しだれ桜の盆栽

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↑石と絡まる盆栽

それから、2階に上がり、盆栽を入れる鉢がたくさん置かれていました。
以下の写真の上の段の一番左の鉢は2.5億円もすると聞いてビックリ!
盗まれると大変ではないですか?と伺うと、盗まれてもこの鉢は春花園にあった鉢というのはすぐ分かるので、泥棒はすぐ捕まってしまうようです。
なるほど・・・・
それから、樹齢が長い素晴らしい盆栽は、それなりの鉢に入れないと合わないようです。
鉢も何年も使うと、それなりの風合いが出るようです。

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↑盆栽を入れる鉢

それから、敷地内には、可愛くておとなしい「黒ちゃん」という犬がいて、なでることができたのは嬉しかったし、カナリアもいい声を出していました^_^)

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↑可愛い犬

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↑カナリア

そして、館長の小林國雄さんが、この盆栽の世界に入るきっかけとなった「奥の巨松」があったのは嬉しかったですね!
この盆栽の樹齢は1000年もあり、館長がこの盆栽の素晴らしさに感動して、この世界に入ったようです。
そして、ついにかなり年月をかけてこの盆栽を手に入れることができたようです。
かなりのお値段だったとは思います。
しかし、この「奥の巨松」は枯れそうになり、一旦土に植え替えて、そして何とか最近回復してきたとのことです。
それにしても、さすがこの「奥の巨松」は存在感があります。

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↑奥の巨松

それから変わった盆栽もありましたね。
ぶどうのようにしだれていて、美しいです。

17img_3227
↑変わった盆栽

 そして、お茶の時間となり、そこへ館長の小林國雄さんが笑顔で顔を出されたのは嬉しかったですね。
本を読んで感動してここへ来たと話をすると、とても喜んでくれ、「一代でここを築いた」と感慨深げでしたので、「本でそれを読んで涙しました」と話をすると、「丹頂草(たんちょうそう)」を手渡しで頂けたのはとても驚きましたね。
とても嬉しかったです^_^)
また、若いお兄ちゃんが鉢も500円で用意してくれ、そして苔もきれいに植えてくれたのは嬉しかったです。
とても花も美しく、気に入って部屋で飾っています。

18img_3237
↑頂いた丹頂草

盆栽美術館「春花園」はとても気がよいパワースポットで、そしてたくさんの盆栽を楽しめ、説明を受けることができ、また盆栽を買うこともでき、とてもオススメです!

お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

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「マネーと経済 これからの5年(吉田繁治)」という本はとてもオススメ!

2014年04月11日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「マネーと経済 これからの5年」の購入はコチラ

 以前このブログで「マネーの正体」という本を紹介しましたが、その後の著書がこの「マネーと経済 これからの5年」という本となります。

 本書では、まず日本国債の発行や金利・価格などの仕組みについて説明があり、そしてその国債の増加原因、ファイナンスの移り変わりについて説明があります。
 90年代までは経済対策としての公共投資、00年代からは高齢化で増えた社会保障費が国債の増加原因となっているんですね。

 社会保障費の増加は、団塊の世代の人々が生涯を終える2035年ころまで必然的に続くようで、この人口構成ではこれから結構問題だと思います。

 そして1998年までは5000万世帯の家計の資金余剰(年間平均40兆円)が銀行預金・生命保険・年金基金の増加につながり、この平均40兆円で国債発行等がファイナンスされていたようです。

 しかし1998年以降は世帯の所得が減ったことと高齢化により世帯貯蓄の増加は半分以下に減ったため国債発行等にファイナンスされなくなり、その代わりに法人部門が設備投資を減らして資金余剰に変わったため、その法人の資金余剰が国債をファイナンスしているようです。

 ところが、2010年代は国民(世帯+企業)の貯蓄増だけでは、40兆~50兆円規模の新規国債が引き受けきれなくなり、対外的な経常収支の黒字も10兆円減ったため、1年に20兆円規模で日銀がマネーを増発する手段で引き受けざるを得なくなったようです。
これがいわゆるアベノミクスの日銀による異次元緩和ですね。

 また、ドル債を買うことによる円安政策は、輸出企業には大きな利益を生み出しますが、実は企業数で約80%を占める内需企業にとっては、輸入代金の増加により利益が減るため、日本全体としては問題のようです。
 そもそも我々一般庶民にとっては、円安による物価高は堪りませんね。

 このような状況で、日本経済を良くするにはGDPを成長させることが重要で、そのためには技術革新による生産性向上と新鋭の設備投資による成長戦略による生産性向上が必要となりますが、それを促すために異次元の投資減税を実施するというのは良い提言と思いましたね。

また、土地も減価償却できるようにし、個人には更なる住宅ローン減税をすると更にGDPが上がると思いました。

 とにかく、働く人6000万人の生産性を高くし、その結果企業収益が増えて賃金が上がり、賃金が上がった結果、消費や貯蓄が増えるという正のスパイラルにすべきだと思いましたね。

「マネーと経済 これからの5年(吉田繁治)」という本は、国債の現状や日本を良くするための提言など日本経済のことがよく分かりとてもオススメです!

今後の投資の参考にもなると思います。

以下はこの本のポイント等です。

・2009年度以降、政府の一般会計から支出する社会保障関係費が17兆円付近へと、その前より6兆円から8兆円も増えています。原因は、2008年から団塊の世代が次々に60歳を超えてきたことです。定年の60歳を超えると、ほぼ30%の人が退職します。70%は再雇用されますが、平均賃金は60歳以前の半分に下がります。65歳になると、会社役員や自営業を除くおよそ全員が退職し、夫婦二人の世帯年収が250万円付近の年金生活に入ります。退職金を受け取ったあとの65歳以上の世帯では、金融資産の70%を占める預貯金は夫婦で2200万円平均で、年間60万円を取り崩して生活費に充てます。世帯主が65歳になって、完全退職し年金を受け取り始める世帯は2013年以降の5年間、毎年100万世帯も増えます。このため国全体の預貯金(現金性の金融資産)は増えなくなります。以上のことから、今後は世帯の預貯金の増加が、毎年40兆円は増える国債のファイナンスの原資になることはないのです。世帯の預貯金の増加が、増発国債のファイナンスの原資になっていたのは、15年前の90年代までです。00年代は設備投資を抑えた企業の預金増加(平均20兆円)が世帯の貯蓄だけでは不足する国債をファイナンスしていきました。10年代の、特に2012年からは預貯金や生命保険の増加をあまり期待できません。このため、増加国債のファイナンスの主力は日銀の引き受けに向かいます。金額ではほぼ20兆円が国民の貯蓄増では不足するため、日銀がマネーを増発して、印刷マネーでファイナンスすることにならざるを得ないのです。一方で、社会保障費でもっとも大きな年金の支給が増えていきます。また60歳以上になると、医療費が、病院にかからない人も含めた平均で一人当たり60万円/年に増えます。このため2030年ころまで1年に3兆円の社会保障費が増え続けます。

・90年からの資産バブル崩壊(土地で1500兆円、株で200兆円)から来た不況対策として、政府が毎年平均40兆円の公共事業を行った。国債残は、400兆円増えた。00年代は、社会保障費が増加した。小泉改革で公共事業を減らした代わりに、地方交付税が増えた。このため一般会計の国債発行は、毎年30兆~40兆円くらいの平均で増えてきた。2008年に60歳を超え、2013年には65歳を超えた団塊の世代に対する社会保障費給付と、70歳胃序の世代の介護費が増える。2010年代は財政赤字の主因が社会保障費になる。00年代の小泉改革で10~15兆円減らし、政府支出を一段下げた公共投資のようには、社会保障は減らせない。むしろ高齢化要因で、109兆円(13年3月期)の支出が毎年3兆円は増える。保険料収入は60兆円に過ぎず、12年度でも49兆円は政府負担になっている。この政府負担は①年金、医療、介護費への給付を減らすか、②増税するかを行わず現在の傾向のままなら、財政赤字が毎年3兆円は増える要因になる。政府が増税と社会保障費の削減を行おうとしても不人気な政策なので、政党がそれを政策化することは難しい。これも対策不実行と同じになる。

・企業の営業キャッシュフローが銀行への預金の増加になった額(20~30兆円)に相当する分も、政府は国債を銀行や生命保険に売って使ってきました。00年代に設備投資を抑えてきた結果、企業の現預金の残高は225兆円に増えています。借入金は326兆円です。なお企業の海外直接投資は89兆円です。海外への設備投資は増やしても、国内投資は抑えてきたのです。企業が設備投資を設備の劣化分(減価償却費)以内に抑え続けてきたことが、我が国がこの20年余の経済成長(GDPの増加率)が低い最大の原因です。GDPは民間企業の設備投資が減価償却費を上回るようでないと成長しないからです。今後、GDPの成長戦略をとるとき、もっとも肝心なことがこれです。経産省が実施した生産用の機械・設備の調査では工場が使う機械のうち、導入後20年以上が29%、15年以上が41%、10年以上が57%と過半になっていると知り、驚愕します。わが国の工場や企業では新しい設備がなく、機械が古ぼけています。これはかつての英国や米国のような感じです。企業が設備投資を抑えた1998年からの15年間で、新しい生産性の高い設備・機械があるのは中国や韓国になってしまったのです。設備を最新のものに更新し増やさないと、日本の生産力は落ちていきます。輸出での中国、韓国、台湾との競争負けも起こってしまいます。これこそが日本経済の将来のために、もっとも憂うべきことです。どうすればいいのか?企業が濃くないに設備投資を大きく増やすことを誘導する①投資減税、②法人税減税、③官の規制の撤廃を行うことです。企業は国内投資が海外に比べ、総合的に考えて有利になれば、国内に投資します。

・数千億円や数兆円単位という巨大な利益を狙う米国系の大手ヘッジファンドの中に、日本国債先物の大量売りや空売り、プット・オプションを仕掛けることをもくろんでいるところが出てきたことは知っています。ヘッジファンドに国債の先物売り、売りオプション、あるいは空売りによる巨大利益の材料を与えることは本書の目的ではない。国民の過半の人に悲惨な生活を強いて、世帯の金融資産を半分に減らす政府財政の破産を防ぐことが本書の目的です。国債や株の相場が下がったときに利益が出る先物売りは3月、6月、9月、12月という3ヶ月後の限月(契約日)までに相場が下がれば、その下げの分が利益になります。売りオプションや空売りも同じです。もし英米系ヘッジファンドが日本国債の先物売り・売りオプション・空売りを仕掛けて、実際に相場が下がり、100兆円の利益が出たと仮定すると、100兆円の利益に見合う損失は売りの相手になった日本の金融機関が被ります。1990年からの日本の株価のバブル崩壊のとき、米国系投資銀行とヘッジファンドが仕掛け、巨大利益をあげたことと同じです。株の下落で損をしたのは日本人でした。

・財務省は野田内閣のとき、2011年10月31日に7兆円の大きなドル買い・円売り介入を実行しています。2011年10月中旬の1ドル75円という史上もっとも高い円高のため、輸出する企業は悲鳴をあげていたからです。7兆円の大規模介入で5時間後に円は4円下落し、1ドルが79円になりました。その後1ドル75円は2度となかった。高くても1ドル78円でした。平均は1ドル80円です。以上の経験から、「1円の円安には1.5兆円のドル買い・円売り介入」と財務省は知っているはずです。われわれもこれを記憶しておくと、円・ドル相場の動きから資金の動きを推量できます。

・企業や世帯への貸し出しには審査や書類作成の経費が1%はかかります。銀行の営業経費は資金額の約1%です。長期貸し付けなら、回収のリスクを融資額の1%は見なければなりません。合わせた業務経費は2%になるでしょう。このため預金を預かって、あるいは保険金を預かって融資するという金融機関の本来の活動は、融資金利が1.3%では「利益採算」にのらないのです。信用度の高い上場企業は1.3%以下の金利を要求し、融資競争になります。一方、高い金利の融資を受け入れる企業は危ない。このため00年代の金融機関は、赤字になる貸し出しの増加は図らなかったのです。1%台の貸し付け金利では企業融資の拡大ができないという問題を、今後も日本は抱え続けます。金利が2%台後半から3%台でなければ融資採算が赤字になり、金融機関側から見た貸し出しの推進が進まないからです。

・1%台になっている低金利にはディレンマがあります。金利は低い。つまり資金のコストは低い。しかし貸して1%の回収リスクを見込めば、貸す側が赤字になるということです。金利が低すぎて銀行の業務費用(1%)と回収リスク(1%)をはるかに下回ってしまうのです。このため金融機関は、融資するより金利はゼロ%台や1%台と低くても確実な利回りがある国債を買って運用しました。これも仕方のないことです。銀行は合理的に行動しています。ただし銀行が融資を増やし、それを企業が借りて、設備投資を増やすようにならないと、GDPは絶対に成長はしません。

・長期国債の金利が1.5%や0.8%と低いとはいえ、調達コストである預金金利はほぼゼロなので利ざやの利益は大きい。このため金融機関は業務経費がほとんどかからず、自己資本を減らす貸倒引当金の積み立てもいらない安全資産である国債の買いと保有に奔走しました。リスクのある株を売り続けて、利益が出ず回収リスクも高い企業融資は総額で減らし続けたのです。政府が大量に国債を発行し続けても日銀が金利を下げる誘導したので、金融機関は国債を競って買っていたのです。政府が大きな額の国債を発行できたのは、一般に言われるように世帯貯蓄が多いからではありません。その証拠に世帯は買おうと思えばいくらでも買える国債を買っていず、預金しています。国債を買ったのは金融機関です。買った理由は国債がもっとも利益があがると判断したからです。財務省が国債買いを促したことは事実です。しかし金融機関はいつでも自己判断で売ることができます。5大都銀グループはすでに2010年から国債を売越し、その保有高は13年4月だけでも11.7兆円減って96兆円になっています。そして2012年4月、5月には金融機関は国債を売越しています。そこで20兆円買い越したのが日銀です。

・地銀の最大手横浜銀行は、保有する5年以上の中長期債を「すべて」売ったと寺澤頭取が言っています。金利上昇で下落リスクが大きいのは、中長期債の満期5年以上のものだからです。寺澤頭取は財務省で理財局の局長だった人です。金融も財務省の護送船団ではなくなっています。これには心底、驚きました。国債の発行責任者だった元財務省官僚が先駆けて国債を売ったからです。これを裏書きするように理財局の現役担当は「国債発行は綱渡り」と述べます。10年前だったら考えられないことが、国債市場で起こっています。三菱UFJ、みずほ、三井住友の三大メガバングは13年の4月と5月に20兆円もの国債を売って、保有残を90兆円に減らしています。2013年は銀行が大量に国債を売る初年度になるでしょう。

・金融機関が日銀の当座預金にお金を預けておくと、08年からの特例の「補完当座預金制度」として金利が0.1%つきます。この特例金利の制度は経済マスコミの多くには知られていません。日銀の当座預金が83兆円(13年6月)と異常に大きく「ぶた積み」されている理由は当座預金の0.1%の金利があるからです。なぜ日銀はこれをやめないのか。この特別制度は、日銀が国債を買って金融機関に流動性を与えながらも、当座預金に残せば金利をつけるということでした。リーマンショック後の緊急対策だった制度をその後5年も続けているのは、金融機関から国債を低い金利でスムーズに買うためです。短期債を売った金融機関はあたかも3ヶ月国債を持っているのと同じ金利が得られるからです。この制度は実体経済にマネー供給を行うためには廃止すべきものです。日銀当座の準備預金は83兆円もある必要はなく、本来は5兆円規模でいいはずです。事実、1990年代の日銀当座預金が約5兆円だったのです。0.1%付利の制度を続ければ、日銀の国債買いによって増発されたマネーのうち78兆円が日銀に準備預金として留まるという金融引き締めになってしまいます。日銀が預金準備率を銀行預金の10%に引き上げたのと同じ残高だからです。78兆円は政府の一般会計の80%にも当たる巨額なマネーです。

・まず日銀が異次元緩和を推進し、長期債を大量に買い続けたときに、国債市場で起こる変化です。日銀が長期債を大量に買うことによって価格が上がり、その利回りが1%を割るようになると、長期安定保有者(生命保険184兆円、公的年金68兆円、農林系と共済保険68兆円、地銀・第二地銀・信金36兆円:合計356兆円)にとって、長期保有が採算上、赤字になるという変化が起こります。赤字の資金運用はできない。となると、株式市場から株を売って退出を続けたように、国債市場から退出するか、あるいは少数が国債先物やオプションの売買で価格差から生じるキャピタル・ゲインを狙う短期所有者に転じるかです。金利が低くなった長期債の長期保有者が大きく減ってしまい、長期保有者が持つ長期債356兆円が売られて流動化することに向かいます。これは国債の金利高騰につながっていきます。以上はどうやっても避けねばなりません。このためには異次元緩和は妥当な金額、言い換えれば70兆円ではなく、年間20兆円の買いに戻し、長期金利を1~2%で維持せねばならないということです。

・中国のGDPの成長率の一段の低下は、1年や2年の短期ではすみません。どの国でもGDPは生産性の面でいえば、「一人当たり全要素生産性×労働人口」です。全要素生産性は最大でも1年に2~3%しか上昇しません。中国の生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は、2015年の10億人が頂点です。1980年から2015年までは合計4億人(毎年1150万人)も増え、多くは内陸部から出稼ぎ工員の増加となってGDPの急増を支えてきました。これが10億人を頂点に2020年は9億9000万人、30年9億7000万人、40年9億人と減っていき、急速な高齢化が生じます。中国がGDPで2桁付近の高い成長をする時代は、ほぼ2013年で終わりました。これは断言です。25歳以下の年齢が大きく減って、65歳以上が増えるからです。また中国の特殊事情を言えば、完全退職年齢の平均が53歳(02年~07年平均)と極めて低いことです。比較すれば、インドネシア55歳、インド59歳、欧州61歳、米国64歳、日本68歳ですう。これも中国の高齢化を他国より10年くらい早める要素です。

・日本の輸出額は、08年の93兆円から13年3月時点で73兆円に減っています。逆に増えたのが輸入です。主因は資源・エネルギー価格の高騰です。このため、ついに日本は2011年から貿易赤字になっています(11年7兆円:12年11兆円)。対外純投資(296兆円:12年末)から生じる所得、配当、金利の黒字が15兆円(2013年3月:総平均利回りは5%)あるので、経常収支としては4兆円の黒字です。しかし貿易では11兆円の赤字です。20%の円安なら、金額が増えてきた輸入(名目79兆円:2012年暦年)が95兆円にふくらみます。円安では、わが国の貿易が黒字にはらないという構造変化が起こっています。日本は貿易黒字大国という通説は変更せねばならないでしょう。

・経済学でいう全要素生産性は企業でいえば一人当たりの生産性です。企業の人的生産性を上げるには、5000万人を雇用する260万社の、新しい設備投資額が減価償却費を上回ることが必要です。ビンテージ化し陳腐化した設備・機械での生産性は低いままだからです。老朽化した設備のままなら家電で起こったように、韓国や中国のもっとも新しい機械を使う新鋭工場の高い生産性に負けてしまいます。以上から政府はわが国経済の成長のために、2000年代に70兆円台、60兆円台へと減っている企業の国内設備投資(13年3月は61兆円)を80兆円以上に向かい大きく増やすことを、他の何より優先して支援する政策をとらねばなりません。

・国内からの売買が少ないため、日本の株式市場は海外投資家が価格を支配できるマーケットです。外国人の売買が1回転する平均期間を計算すると、四半期の決算に符号する13週です。8週から10週の期間は買い越して株価を上げ(PERを18倍付近まで)、次の2週から4週は売って、利益を確定するのが共通の行動です。今後も繰り返すお定まりのこのパターンは株式投資をしている人にとっては記憶に値するでしょう。

・20%円が下がることは、国富の観点では、日本の富の20%の減少です。円預金で考えれば分かるでしょう。円そのものは名目金額は同じです。しかし国際的な基準通貨では円の価値が20%下がり、購買力が20%減っています。ドル預金なら、20%も円換算の預金が増えたことになります。米国はわが国と対照的に、恒常的な経常収支の赤字国です。このためドル安は米国経済に対し、物価を上げるという悪い影響を及ぼします。米国では総体的に言ってドル安を好みません。日本では、為替差益で利益が増える輸出大手企業をマスコミが大きく取り上げるため「円安=国益」という錯覚があります。しかし国全体で言えば、本当は「円高が国益」です。自国通貨がとめどもなく安くなったときを想定すれば、通貨の弱さがもたらす負担が痛みとなって分かります。日本国全体の金融資産と所得にとって、自国通貨は高いほうがいいからです。

・円安が原因になる物価上昇では、海外への支払いも増加するコスト・プッシュ型です。このため企業数で約80%(200万社)の、内需企業の収益の増加にはなりません。物価上昇分の支払い増は、世帯が負担するしかない。そしてそれは輸入代金の増加として、海外に13兆円が流出します。内需企業も利益は増えません。230万社ある内需企業の利益が減るため、80%にあたる4000万世帯の将来の賃金上昇もないのです。

・政府・日銀は異次元緩和を大きく実行すればするほど、やめる時期が極めて難しくなります。実際に金利上昇という副作用が生じる前に縮小せねばならない。1ヶ月に10兆円枠としている国債買い切りを8兆円、6兆円、4兆円、3兆円、2兆円と減らし、かつての年間20兆円枠に戻すことです。同時に異次元の投資減税と住宅ローン減税を打ち出し、減ってきた民間投資と住宅購入を増やすための強力な支援策を打ち出すべきです。現在のような円安策で外需増をあてにした輸出振興は、けっしてGDP成長ではない。本来あるべきなのは、内需型での長期成長です。省庁は、従来から自分たちが関与できる公共投資には熱心でした。200兆円の国土強靱化政策を自民党は持っています。しかしすでに公共投資という方法では、今後のGDPの波及的な成長はありません。この政策は10年で10兆円、合計100兆円の最低限必要な規模に縮小せねばならない。代わりに政府は、企業と世帯が豊かになるための支援策にマネーを使うべきです。260万社の民間企業が設備投資を増やして、5000万世帯が住宅ローン減税によって住宅を買い、資産で豊かになる経済を目指さねばならない。世帯を豊かにするための、政府支援政策でなければならない。GDPの成長とは働く人6000万人の生産性が高くなり、その結果、企業収益が増えて賃金が上がり、賃金が上がった結果、消費や貯蓄が増えることでなければならない。生産性を上げるには、企業による新鋭の設備投資と技術革新が必要です。ところが日本はほぼ20年、設備投資を減らし続けています。民間の設備投資を増やすしか生産性を上げる方法はない。そしてこの内需型の実質GDPの成長こそが、政府の財政破産も防ぐ方法になります。

<目次>

はじめに
第1章 GDPの2.4倍、1121兆円の政府負債、そして国債の発行と需要
(1)国債の発行、および金利と価格
 にもかかわらず、平穏に見える債券市場
(2)国債市場での金利の調整は価格で行われる
 期待金利と国債価格
(3)超低金利の国債は、下落リスクが大きくなった
 国債の残高の大きさと、期待金利の上昇の問題
 異次元緩和は、2013年の秋か冬までに、大幅な修正が必要
(4)2000年代以降の国債の増加原因は社会保障費
 政府債務の増加の主因は90年代までは公共投資だったが、00年代から社会保障費になった
 政府支出増加の主因は団塊世代1000万人(5年間)の社会保障費の増加
(5)大量の国債のファイナンスの構造
 00年以降、非金融法人の資金余剰が国債の50%以上をファイナンスしている
 企業の新しい設備投資がないと、実質GDPは(絶対に)成長には向かわない
第2章 わが国の資金循環、つまりお金の流れの全容
(1)2013年3月までのわが国資金循環
 純資産と純負債のまとめ
(2)2012年11月からの政府のドル買い・円売り
 推計30兆円の米国財政支援のドル債買いと、円安のための円売り
 1円の円安に必要な「ドル買い・円売り」は1.5兆円
 円安がアベノミクスの第1弾だった
 将来予想純益の倍率で決まる株価
第3章 国債は、誰が、どう買ってきたのか?
(1)国債の保有グループ別主体の国債保有の傾向とファイナンスの資金源
 長期債の鍵は生命保険の運用
(2)実証 2012年後半から日本国債の買い受けと保有の構造に急に生じてきた変化
 2010年代からの国債のファイナンスにおける重要な変化
 2010年代 まだ潜在的であるが重大な変化が起こる10年
(3)2010年代 社会保障費の保険料での不足49兆円が増える
 必要な社会保障財源と言われるものがこれ
 ここまでの短いレビュー
(4)2010年代 日銀の国債買い切りがないと、国債がファイナンスできないという問題
第4章 政府の国債と、中央銀行の通貨の本質
(1)改めて言いますが、国債は将来世代が負担するべき負債
 国債の残高を増やせる政府の財政信用
 国の財政信用における、経常収支の黒字という要素
(2)不換紙幣も国債と同じように政府の国民に対する負債
 政府紙幣とは
第5章 インフレ・ターゲット2%の政策
(1)なぜ「日銀による異次元緩和」になったのか
 デフレ論争でのマネタリズム
(2)科学ではないのが、経済学の法則
(3)昨年比20%の円安が原因の悪い物価上昇になる
(4)阿倍政権はマネー・サプライの6%増を日銀に迫った
(5)日本経済は2つの実験を2013年と14年に行うことになった
 実験1はマネー・サプライの70兆円増加があるかどうか
 実験2は増えたマネー・サプライが商品購入の増加に向かい、物価を2%上げるかどうか
 具体数字でマネー・サプライの1年6%増を見れば、非現実な感じがする
第6章 異次元緩和の実行がもたらした国債市場の不安定と、混乱の意味を解く
(1)異次元緩和の実行による国債市場の混乱
 最初は2013年4月5日だった
 知られていない国債市場 国債の価格と日本の金利を決める市場
(2)金融機関を8類型に分けた国債保有とその特性
(3)国債はかつて金融機関に大きな利益をもたらしてきた
 150兆円(30%)も減った企業融資
 企業融資を減らし、増えた預金で国債買いをするのが金融機関にとって合理的な行動だった
 結論(1)有利だった国債買い
 結論(2)2013年からの問題
(4)4月、5月の国債市場の一見、異常に思えた動きとその意味
 ファンド・マネジャーの13年5月の心理
 もっとも肝心なことは、ここ
 インフレとは
第7章 これから2年、異次元緩和のなかで国債市場はどう向かうか
(1)異次元緩和実行後の、国債市場の展開予想
 日銀が長期債を買い、長期金利が下がるのが異次元緩和
 日銀の買いより金融機関の売りが超過し、日銀の狙いと逆に上がった国債金利が意味する重大なこと
 異次元緩和の中での長期の安定保有者の変化の可能性(本当は必然)
(2)国債の利回りと保有者の立証
 期限別国債の残高とイールドカーブのフラット化の危険
(3)異次元緩和で変化してしまう国債市場
 インフレを起こすか、あるいは緊縮策をとって財政の再建
(4)いずれは必ず行わねばならない出口政策の問題
 出口政策の前提
 必ず実行せねばならなくなる出口政策
(5)財政信用とは何か
第8章 財政破産を避けるために必要な日銀の政策修正
(1)GDPとは何か
 必要な260万社の新規設備投資
(2)異次元緩和によるインフレ目標2%がもたらす問題
(3)政府による円安という政策の利益と損失
 中国の貿易収支の黒字減少とドル国債の売り
 通貨の増発の本質と日本の米国債買い30兆円
(4)物価の期待上昇と期待長期金利の上昇は、危険な水域に向かう
(5)2つのシナリオ
(6)長期国債の短期化と短期国債の金利高騰 イールドカーブのフラット化
(7)2016年までの国の一般会計の赤字の計算
第9章 異次元緩和の修正と、本筋の成長政策
(1)異次元緩和に必要な修正
(2)成長戦略の本筋は、民間設備投資と住宅の増加を果たす異次元の投資減税
おわりに

面白かった本まとめ(2013年下半期)

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レストランツムラ(東京 春日)の洋食はとてもオススメ!

2014年04月09日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

食べログの評価が高かったので、都営三田線春日駅近くにあるレストランツムラへ行って来ました。

場所は都営三田線春日駅A6番出口前の道を右に2~3分ほど歩いた左側にあります。

1img_3118
↑店構え

 店内は、洋食屋らしく洋風で明るく清潔感と高級感があり、白い壁にはピカソの絵が飾られていて、BGMが静かに流れています。
洋食が旨そうな雰囲気です^_^)

2img_3123
↑店内

 さっそくメニューを見ますが、どれを選ぶか非常~に悩みます。
大山地鶏や霧島豚、煮込みハンバーグが気になりますが、ここはやはり洋食といえばオムライスでしょう!
ということで特製オムライス1300円を注文しました。
セットで、スープとライスと言ってしまいましたが^_^;)、オムライスとライスがかぶるので、サラダ200円とスープ200円を注文しました。

3img_3120
↑メニュー

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↑メニュー

5img_3122
↑メニュー

すぐに、スープとサラダが運ばれます。
200円の割には、スープのミネストローネは具だくさんだし、サラダもボリュームがあります!
スープは想像以上にアツアツで、これは身体も温まり嬉しいですね!
さすがに味もよく美味しいです!
そして、サラダは新鮮なたっぷりの野菜に、ドレッシングが十分かけられ、スイスイ食が進みます!
このボリューム感もたまりません!

6img_3124
↑スープとサラダ

そして、しばらくして特製オムライスが運ばれます!
真っ白な大きなお皿に、たっぷりデミグラスソースが広がり、その上にたっぷりケチャップのチキンライスが乗り、そしてその上にラグビーボールのような形になった大きく綺麗な卵が乗せられています。
おぉぉぉぉ!!卵がとても美しいです!
素晴らしい出来ですね!
この美しさにはとても感動しました!

7img_3126
↑特製オムライス

それからゆっくりと、その卵の真ん中左側からゆっくりとナイフを入れると、トロトロ柔らかな中身があふれてきます!
このトロトロさも美しい!!
ワンダフォーですね!

8img_3127
↑特製オムライスでナイフを入れたところ

このトロトロ柔らか卵はもちろんチキンライス及び濃厚なデミグラスソースとマッチしてとても美味しいです!
とても嬉しいです!感動ですね!
次々と口に入れてしまいますが、幸せなひとときです。
チキンライスの鶏肉もしっかりとした歯ごたえがあり美味しいです!
これは大山鶏なのかな?
ただ若干デミグラスソースに焦げを感じたのは残念ですが、いやいやそれでも十分な美味しさです!

レストランツムラは、上質な洋食を綺麗な空間で堪能でき、とてもオススメですね!
今度は煮込みハンバーグを食べてみたいかなぁと思います^_^)

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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レストランツムラ

夜総合点★★★☆☆ 3.8
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関連ランキング:洋食 | 春日駅後楽園駅本郷三丁目駅



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「晴雨予報グラス」はとてもオススメ!

2014年04月07日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
<月曜はお勧めなおはなし>

「晴雨予報グラス」の購入はコチラ

 何度もこのブログで紹介している日本科学未来館に行った際に、「晴雨予報グラス1260円」が売っていたので、買ってみました!

 晴雨予報グラスとは、ガリレオの弟子トリチェリが17世紀に発明した水銀気圧計の原理を水に変えて応用したものといわれるゲーテのバロメーターを元に作られたものとのことです。

 なんだかよく分かりませんが^_^;)、この晴雨予報グラスは地球儀の形に細い管が取り付けられたガラス製のもので、高気圧が近づき気圧が高くなれば細い管の水面が気圧に押されて下に下がり、天気は「晴れ」と予想できるものです。

 逆に、低気圧や台風が近づき気圧が低くなれば細い管の水面が上昇するので、天気は雨などと予想できるというものです。

 一般的に気圧が上がると天気はよくなり、気圧が下がれば雲ができて天気は悪くなるので、本品は簡単な晴雨計として機能します。

 セットの仕方は簡単で、チューブと注入器を使って水をこのガラスの地球儀に入れるだけです。
二人でセットすると楽ですね。
色紅を使って色をつけると見やすいようですが、水だけでも十分です。

 さっそく使ってみると、水面が下の方でした。

1img_3072
↑水面が下の方

確かにその日は快晴で、翌日も快晴でしたね。
翌日に見ると、水面がかなり上に上がっているのには驚きました。
確かに天気予報では、その翌日の夕方に少し雨が降るようで、天気は下り坂でしたね。

2img_3115
↑水面が上の方

けっこう気圧の変化にしたがって、敏感に水面が上下するようです。

 なお、たまたま今回はうまくいったのですが、うまく水面が標準位置にならない場合は水位を調整したほうがよいようです。

 また、悪天候が予想される場合や、直射日光があたって内部の空気の温度が上がると管から水が噴き出すことがあるので、皿などの容器の上に本品は置いた方がよいようです。

なお、標準となる大気圧は1気圧=1013hPa(ヘクトパスカル)と定義されます。

 「晴雨予報グラス」は、気圧の変化がすぐに分かり、自宅で簡単に天気予報ができて、とてもオススメです!!

お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

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「一流の人に学ぶ人生で自分の才能を花開かせる方法(小林國雄)」という本はとてもオススメ!

2014年04月04日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「一流の人に学ぶ人生で自分の才能を花開かせる方法」の購入はコチラ

 「一流の人に学ぶ人生で自分の才能を花開かせる方法」という本は、盆栽作家で、「春花園BONSAI美術館」館長で、プロ作家の最高峰・日本盆栽作風展の内閣総理大臣賞を4度受賞した小林國雄さんが書いたものです。

 その盆栽作家としての経験から、世界中でブームになっている盆栽についてだけでなく、人生をよりよく生きる秘訣についてなど、その人生経験を踏まえて分かりやすく書かれています。

具体的には以下などとなります。

・芸術は余韻、余白と色気が必要
・若いうちに感性を磨くことが必要
・うまくなるには好きになること
・人の育て方はほめることが一番
・将来性は少しくらい「とろい」ほうがいい
・人生の目的を持つことが大切
・師匠以上の努力が必要
・何でも吸収して血肉にすること
・死ぬ気になればなんでもできる
・捨てる神あれば拾う神あり
・女親が過保護にした子どもは精神的に弱い
・知恵を働かせることが大切
・目配り・気配り・心配りが重要
・目的意識を持って将来に向かって前に進むことが大事
・疑問を持て!考える力を身につけろ!深く考えろ!
・誰でもものは見ているが、それが何なのかを見抜けなければだめ
・頭がいいより木訥で愚直で一所懸命やる子のほうが時間がかかるけど成功することが多い
・職人としての本物を追求するなどの純粋さが必要
・人生の幸福とは、仕事とよき伴侶の2つを得ること

 「一流の人に学ぶ人生で自分の才能を花開かせる方法」という本は、人生をよりよく生きる秘訣が満載でとてもオススメです!

 以下はこの本のポイントなどです。

・私は53歳の時、2002年春、東京は江戸川区に盆栽美術館「春花園BONSAI美術館」をオープンした。庭園、茶室など何回かい分けて作ったものだが、10億円かけた数寄屋建築様式の豪華な美術館だよ。庭園や美術館を造るまえに、京都に6年のあいだに何度も通っていろんな庭や建築を参考にした。庭園は竜安寺の庭などを参考にした。美術館の入口の屋根は檜皮葺にして、月日とともに、朽ちた味わいが出るようにした。盆栽というのは床の間に置いて観賞するものだから、盆栽を飾るためだけの床の間には思い切りカネをかけた。無窮庵と名付けた茶室もしつらえたし、屋久杉の一枚板を天井板に張ったりもしている。屋久杉はあまりにも大きいので夜中に運んでもらいましたね。鉢だって千鉢ぐらいはあるから、半端な数ではに。盆栽に関するありとあらゆる資料も徹底的に集めたので、本気で盆栽をやりたい、勉強したいっていう人にとっては、たいへん価値のあるものだと思うよ。千鉢の盆栽がある庭と美術館を合わせると800坪。もちろん主役である盆栽は一鉢1500万円、800万円という、日本でも指折りの見る人に感動を与えるようなお宝のような素晴らしい盆栽もある。鉢のコレクションも半端ではないし、盆栽に関する資料も手あたり次第に集めました。カネなくなっちゃったから庭造りはほとんど自分でやった。築山を造って、水を流して、茶室から水のせせらぎの音が聞こえるようにした。堀を造ったり、門も造った。池も自分で掘って、今は鯉を放している。錦鯉は外国人が喜ぶからね。

・同じ鉢植えだけれども、草花は寿命が短くて、長くても1年でしょう。種をまいて半年から1年、1年草はその1年で終わってしまう。その1年で、葉っぱや花がきれいで、実が可愛いなど、華美できれないわば表面的なものを短い期間に観賞するものなんだ。それに対して、盆栽は300年から500年、樹齢が比べものにならないほど長い。しかも、表面的な美しさよりも、長い年月を生きてきた内面の厳しさ、美しさ、生命を表現しているのです。アートなんですよ。盆栽の魅力はその生命を表現することができること。たとえば「修羅」を見せること。幹の一部が骨のように白く死んでしまっても(これを盆栽では舎利と言います)、しかし皮一枚だけで、じっと生き残って生命をつないでいる。それでこの木が何度も修羅場をくぐったことを表現している。しかも厳しい木の先には青々とした葉が茂っている。この死と生命力。しかもそれが長い時代を超えて生き延びている。これが1本の木で表現されているということに盆栽の芸術性がある。しかも、盆栽は今現在も生きているので、常に形を変えていく。完成形というのは一瞬でしかない。盆栽というのはそういう宿命を帯びている。はかなく「刹那」であるからこその美しさは他のどんな芸術にも及ばない。我々はその一瞬を全力で見届けなければならない。

・盆栽に限らないけど、すべての芸術は余韻、余白と色気がないとだめだと思う。理論的にかちっと固くするんじゃだめ。そういうきれいな盆栽というのは几帳面にきちっとやれば誰でもできる。それを超えたところの色気が神髄なんだ。もちろん盆栽は作り物だから、最初は作為で作る。ただ、ここは人間が作りました、という欲が出てくると、どんなに自然に見えてもいやらしくなる。その欲が見えなくなるようになれば、味が出てくるだろう。盆栽の魅力は時間経過による雅趣や風韻なんだ。作為が見えていやらしかった部分も、時間が経てば雨風にさらされて風化して作為が消えていく。刃物のあとが消えてくると、自然になってくるんだ。そこまで行くと最高なんだ。無作為の作為だね。

・若い時期はなんでも吸収できる素直で柔らかな感受性を持っている時期。これは年を取るとともに衰えていくものです。そのいちばんいい時期に、大学生活で感受性を無駄に消費してしまっている。確かに大学で知識を学ぶことはできるでしょう。でも、その時期に、もっとも大切な感性を磨くことを逃しているんじゃないかな。知識なんてのは大学行かなくても、大学出たあとでもいくらでも学ぶことができる。でも、10代後半から20代前半の若い頃は、何でも吸収できる時期なんだ。そのせっかくの時期に、大切なものを吸収できていない。大切なものというんは、ものの本質を見抜く力のこと。ものの本質というのは頭じゃ見抜けないんだ。それこそ感性というものが必要なんで、それを磨くのは若ければ若いほどいい。盆栽作家でも大工でも、職人にはその感性が必要なんだ。

・盆栽だけじゃない、何でも同じで、うまくなりたいなら、その対象を好きにならなきゃならないってことだね。しかも中途半端じゃだめ。心の底から好きにならないと。ほかのものを一切捨ててその好きなものに没入するくらいじゃないと、本当にいいものはできない。私なんか、盆栽が大好きだから、今でも毎日13時間、15時間働いているんだ。それが全然苦にならないし、ストレスもたまらない。好きなことやっててストレスたまるわけないだろ。仕事がおもしろくてたまらないし、樹をいじることが楽しくてたまらないんだ。好きこそものの上手なれ、っていうことわざがあるじゃない、あれはまさに至言だね。

・客引き技というのは、明らかに切れば形がよくなるんだけど切らずにわざと残しておいて、お客さんに取らせる枝のこと。つまり、お客さんがこの技はいらないじゃないかと言ってくるのを待ってる枝のこと。そういわれたらすかさず、「さすがですね、お客さん、これを取れば景色が大きくなるよ、いやあお客さんはさすが目が利くねえ」と、思い切りヨイショしてやる。そうするとお客さんはいい気持ちになって、満足してその樹を買ってくれるというわけだ。一つだけ欠点を残しておいてやる、そういう商売の駆け引きなんかも教えてやるんだ。こんなこと教える親方なんかいないよ。

・多くの職人は弟子に対して、見込みのある子は厳しくするけど、見込みのない子はやさしくするね。いわゆるほめて育てる。人間というのは、どういう形にしろ、ほめられるというのはうれしいし、励みになるよね。そういうものなんだ、私だってそうなんだから、修行中の若い連中なんかもっとそうだろう。だから、できるだけほめるようにしてる。人の育て方はほめることが一番だよね。海軍の大将の山本五十六が人を育てるにはやって見せて、やらせて見てほめてやらねば人は動かじと言っている。ほめるところがなくても、なんとか見つけてやる。盆栽だって同じなんだ。いいところを見つけて、伸ばしていくんだから。最初からいい枝振りがあるんじゃなくて、いい枝の形になるところを発見して、そこを大事に育ててやる。それが作家の腕。盆栽をぐるっと回してみて、その樹がいちばんよく見えるところを引き出してやるのが仕事なんだ。人間も同じ。いいところを引き出して、その人にあった役割を与える。それによって伸びていくんだね。

・新しく入ってきた子がものになるかどうかっていうのは、最初の印象である程度わかるね。あんまり調子がいいのはだめだね。少しくらいとろいほうがいい。調子がよくてはしっこい目先の事しか見えない子はすぐやめちゃうからね。へりくつ言ったり、偉そうに能書きたれたり、言い訳したり、小利口なのが一番だめなんだ。わかった気になるというのがいけないんだよ。こりゃだめだ、絶対ものにならない、というくらいとろくて、勘が悪くてどうしようもないという子はふんばるからね。自分ができがわるいということを知ってるから、そうだとわかっているから、絶対にやめない。ばかならばかのほうがいいんだ。この世界で自分がばかだってことに気づいてないばかはどうしようもないんだけど、自分はばかなんだとわかっている子は伸びるよ。向上心というものがあるから、少しずつだけど確実に伸びていくんだ。

・そのつらさを我慢できるか、我慢できずに逃げ出すか、それは修行期間であっても目的があるかないかの違いだろうと思うね。つまり、盆栽であれば、いい盆栽を作りたいとか、有名な盆栽作家になりたい、という目的だね。でも、それも結構だが、修行している身にとっては、まったく具体性を持たない、はるか遠くの目的じゃない。そんなあやふやなものを目指すと、やっぱり現実の目の前のつらさから逃げ出したくなっちゃうだろう。それより、私なんかはもっと目の前にある目標を提示してあげる。盆栽はお金になる、ということだ。

・総理大臣賞を取ったのも、多分師匠についた経験がないから、師匠についている他の人たちと違った感性が盆栽に現れていたからかもしれないね。師匠につくと、どうしても師匠のまねから入るからね。師匠と作風が似てしまうのは仕方ない。師匠を超えるためには師匠以上の努力が必要なんだ。私の場合、その師匠がいなかったから、自由に作ることができたんだろうね。それが審査員の目にとまったんだろう。あれは誰のだ。と、木村さんが私が出展した盆栽に注目してくれたんだ。俺のだよ、といってもなかなか信用してくれなかったね。木村正彦さんというのは、世界の木村と呼ばれるほどの優秀な人。その木村さんも私と同じ一位の盆栽を出品して勝負していたんですよ。総理大臣賞を狙っていたその名人を差し置いて総理大臣賞をもらったのだから、この道でやっていけると思ったのは当然だと思うね。

・この人から、人間が生きるのはどういうことかというのを教わったね。その人が私に言ったのは、私は何でも吸収して血肉にしてしまうんだという。人は食べたものしか味がわからない。この鉢が、盆栽がどういう価値を持っているものなのか、自分でお金を出して買ってみて初めてわかるんだよ、ということを教えてくれたね。
人多き人の中にも人ぞなし、人になせ人人になれ人
上杉鷹山が作った道歌とされるものだが、世の中に人はたくさんいるけれども、本物の人は少ない、という意味。だから、人物に会った時はその機を放さず、自分の成長につなげるようにしろ、ということだね。こういうのをさらっと言える教養とか知識はすごいな、と思ったもの。そのほかにも、私が出会った人はたくさんいて、それぞれ人生において大切なことを教えてくれた。このように私は本物の人にたくさん巡り会うことができたから、成長することができたんだと思う。

・自分は何もしてないのに、勝手に誤解して勝手にいやがらせをするような腐った組織に頭を下げるなど、考えるのもいやだった。だけど、にっちもさっちもいかなくなるほど追い込まれて、電車に飛び込んで死んじゃおうかなと思ったこともあったね。ほんとに弟子に吹田君なんかは心配して私を探し回ってくれたほどなんだ。それを止めたのは女房です。死ぬなんてのはいつでもできる、敵討ちしてから死んでも遅くはないんだよ、って励ましてくれた。確かに死ぬ気になればなんでもできる。私もあいつらにできないことをやってから死んでやろうと思い直したんだ。女房の一言がなければ、私は立ち直れなかったかもしれない。それくらい女房には感謝してもしたりない。まさにその裁判中お時期に、「春花園BONSAI美術館」を作ろうと思ったんだ。

・捨てる神あれば拾う神あり、というのは本当で、私の苦境を見かねたお客さんのプロゴルファーの片山康さんが、東京MXテレビで盆栽番組を創ってくれたんだ。そこで毎週1回、2年間、盆栽の講座番組を続けることで、知名度も上がり、再評価してもらうことができた。視聴率もよかったからね。テレビとかは盆栽協会関係ないからね。彼らの力も及ばないわけよ。こういう救いの手が伸びたのも、私はお客さんを大事にしていたからね、そのつながりが、巡りめぐって私の苦境を救ってくれることになったんだろうね。なにはともあれ復活です。盆栽協会と関係のないところで、小林國雄という盆栽作家がいるということを、国内だけでなく、海外でも人気が出てきたわけだ。それに加えて、春花園という盆栽美術館を持っていということでも話題を呼び、盆栽を知らない人にも広く関心を持ってもらえるようになっていった。

・特に女親が過保護にした子どもは精神的に弱い。親の責任だね。可愛ければ可愛いほど、親が突き放さなければだめなんだけど、三つ子の魂百までで、その突き放す時期を逸すると、もうだめ。盆栽も苗木のうちはよく曲がるけれども、太くなったら曲げられなくなる。無理に曲げるとおれてしまう。野菜でも果物でも霜や雪の下で育った植物はとても甘味があっておいしいね。人間も苦労していない人は深味がないね。

・盆栽だって工夫次第なんだよ。1年間5000本とか新芽を挿せばいい。1000本でもいいよ、それが1年たてば育つし、毎年続けて5年続ければ、最初の挿し木は大きくなって売れるようになる。次の年も売れるものに育つ。そうやって私も始めたものさ。最初はゼロでも5年たてばそれだけの儲けになる。最初から盆栽があるなんて思っちゃだめだ。時間をかけて無から有を生み出すんですよ。私もそうやってきた。日本人の一番すばらしいところは知恵。資源もない、力もないところにまじめに勤勉に知恵を働かせてきたから世界の大国に名を連ねることができた。ノーベル賞も知恵を重ねてきたからこそたくさん取れた。お金がなければ知恵を働かせろ。そうして儲けたお金でもっともっと上を目指すんだ。そのためにもっともっと知恵を出さなければならない。

・大切なのは、私が弟子に事あるごとにいっている、「目配りと気配りと心配りをする」ということだ。そうすれば、お金はちゃんとかせげるんだが、そのことに気づいていない。お金というのは手段なんだ。それ自体が目的じゃない。目的を達するための手段として、どうやってお金を稼ぐか、ということを考えなければならない。

・目的を達成するためにはどうすればいいかと考えること、そして考えて行動に移すこと。目的意識を持って将来に向かって前に進む、そういうことが大事なんだ。職人はだいたい頭よくないから、体動かすんだ。働くことで早く目的に近づくことができる。考えるというのも働きながら考えるということなんだよ。その積み重ねなんだ。そうすると、1たす1は3にも5にもなっていく。そうして新しいものが見つかっていく。不思議なんだけどそれが真実なんだ。京セラの稲盛和夫さんが仕事が人間を育てていくと言っているのは本当だね。

・私は弟子たちにいつもいってるんだ。「疑問を持て!考える力を身につけろ!深く考えろ!」ってね。何も難しいことを考えろって言ってるわけじゃない。どうしてあのお客さんは来てくれなくなったのか、どうしてこの木は高価なのか、どうしてこの木は元気がないのか、どうしてこの木は売れないのか。いつもどうしてどうして考えるくせをつけ、考える力を身につけると、すごく伸びる。技術というのは形として覚えるのは簡単だ。その技術を生かすのが考える力で、これを身につけると、技術はどんどんうまくなる。言われたことだけやっていると技術は伸びない。自分のものにならないんだ。自分で考えて、悩み抜いて出した答えは自分のものになる。消化できるんだ。

・柳宗悦の「茶と美」という本がある。その中に誰でもものは見ているが、それが何なのかを見抜けなければだめだということが書いてある。それは盆栽だけでなく、どの道でも同じだけど、対象が本当に好きじゃないと上達しないということだね。これは野球の選手でもゴルフでも絵でもなんでも同じなんで、好きになるというのが一番上達の早道だといえる。本当に好きで、一所懸命にやっていれば、必ずものが見えてくる。ものが見えてくれば、必ず上達するものなんです。好きこそものの上手なれということわざがあるでしょう。まさにそれなんだよ。

・親方としてはどの子もみんな伸びていってほしいわけよ。育てるほうとしては、わけへだてなく育てたいと思っているんだけど、ただ、早い人もいれば遅い人もいる。世間の常識とはずれているかもしれないけど、一所懸命にやっている子もいる。なまじ頭がいいより、木訥で愚直で、一所懸命やる子のほうが、時間はかかるけれども、あとで成功することが多いね。そういう子はこの道しかないと自分で決めているから、精神的に強いんだろう。途中でうちをやめて、親が食わしてくれるという子も多いんだけど、そういうのはだめだなあ。たとえば名誉がほしいとか、あの樹に惚れ込んで、あの樹がほしいとか、作風展で賞を取りたいとか、そういう強烈な欲があればいいんだけど、それもない。向上心がないと、先に進めないよ。私は自分とかかわった人はみんな幸せになって欲しいんだ。

・教えたいのは、職人の純粋さね。お金がほしいとか、有名になりたいとか、動機はなんでもいいんだけど、その根底には純粋なものがなければならない。純粋に盆栽が好きだとか、本物を追求していきたいという思いがなければ職人とはいえないよ。それが職人のプライドなんだ。

・周りの人によって支えられていることを忘れてはいけないんだ。城山三郎さんの「人生の流儀」という本の中に、<~人生の幸福なんて、案外、簡単なもの。「仕事とよき伴侶」の二つを手に入れさえすればいい~>という言葉があるけど、まさにその通りだと思うね。

・盆栽というのは、鉢と樹と台とのバランスが重要で、これを三位一体というんだけど、ここまで気を遣っている盆栽家は少ない。どうしても樹だけに集中しがなんだが、樹を支える鉢、それに添える台が悪ければ、盆栽全体が貧相になってしまう。世界中で盆栽は人気になっていて、技術的には進んだが、盆栽を飾る、見せる、その世界を構築するという点ではまだまだ。特に外国人の愛好家には日本のわびさびの世界はわかりにくい。言葉で説明するのが難しいじゃない。だからこそ写真に残しておきたいんだ。盆栽というのは完成がない。完璧なものができたと思っても、1年経ってしまえば伸びちゃって形が変わってしまうでしょ。生き物なのだから、絵とか彫刻とかの、いったん完成したら未来永劫同じ形になる種類の芸術とはならない。そのため、小林國雄の作風が芸術品として完璧になった瞬間を切り取って写真に残しておくことが重要なんだ。

<目次>
まえがき
第1章 BONSAIブームで世界中から講演依頼が殺到
 盆栽はいま世界的なブーム。海外ではアートとしてとらえられている
 ヨーロッパには日本の伝統文化BONSAIを受け入れる土壌がある
 外国人の弟子が世界中で小林流の盆栽を広めている
 世界中から盆栽の講演依頼が殺到。日本の文化を広めるのが今の私の目的
 10億円かけて「春花園BONSAI美術館」を作る。米女優キャメロン・ディアスも来てくれた
 世界一の盆栽作家を目標にしてきた。盆栽界から追放されそうになってもはいあがってきた
 長い時間を生きてきた生命に対する畏敬の気持ち、自然をどう表現するかが盆栽の醍醐味
 もっといいものにしたい、もっと、もっとというどん欲さが見る人を感動させる
第2章 「奇跡の木」との出会いで受けた「感動」が盆栽作家になる原点
 奇跡の木との衝撃の出会いで盆栽作家を志す
 私の人生を変えた盆栽「奥の巨松」をやっと手に入れる
 盆栽というアートは時間とともに形を変えていく「生き物」である
 きれいに見せようという”欲”が見えるといやらしくなる
 盆栽の良し悪しを決める品格を作り出すのは「作り手」の品格だ
 中国人は大きな樹から溢れるエネルギーを吸収したいらしい
 わびさびという「見えないもの」を盆栽で伝えるためには幅広い教養が必要
 技術は一所懸命やりさえすれば誰でも身につけられる。その先をめざすのが私の使命
 盆栽は時間を超越する技術-これが「盆栽は超芸術」と言われる所以
 盆栽が非常に盛んなヨーロッパの愛好家には日本人と近い感性を感じる
 日本の盆栽界は衰退の一途だけど、富士山みたいに広げないとファンは広がらない
第3章 不器用な人ほど一流になれる~誰でも心の底から好きなものにとことん打ち込めば、きっと花は咲く~
 大学を出たっていうだけで一人前だと勘違いするぐらいなら行かないほうがいい
 感受性の豊かな時期に職人の感性を磨くことを逃しているのはもったいない
 職人に必要な「感性」がないと人を感動させる作品は作れない
 私の一番弟子はどうしようもない不良だった。でも「感性」があったから一人前になれた
 不器用な子ほど必死になって吸収しようとするから成功する
 盆栽が好きになった子はものになる。自分から学んだことしか身に付かない
 長く弟子を育てるなかで学んだのは適材適所で人を生かすということ
 徒弟制度は親方の生き方まで見せるという点で大きな意味がある
 日本人と外国人の弟子に違いはない。どちらも自分の息子だと思ってる
 弟子にはどこでも連れてって本物をいっぱいみせてやる
 孫は中学くらいから外国に出したい。グローバル時代に通用する「感性」を磨かせたい
 いままで70人の弟子をとったけど半分は厳しさに耐えられず辞めていった
 商売がうまいということは人の心がわかるということ
 頭がいいということと知恵があるということは違うんあね
 素直で誰からでも吸収してきたから盆栽作家の最高峰の賞を4回も獲れた
 人の育て方はほめて育てるのが一番だね。ほめるところは見つけ出す!
 本音では厳しく育てたい。でも厳しくしたら弟子の将来にも責任を持たなければならない
 この世界では自分はばかなんだってわかっている子が伸びる
 弟子には私のやることを全力で盗めって言ってる。本気の気概を見せてほしい
 盆栽は大きな夢のある商売。やり方次第では今でも儲けることはできる
 盆栽で儲けたい、それでいいんだよ。目的があれば前向きに仕事をするんだ
 ”教祖”になれば儲かる。どうしたらいいか、盆栽界のトップを狙えばいい
 挑戦を続ける気持ちを持ち続ければ道は開ける
第4章 死ぬほどの苦しみから生還して得た大切なもの
 盆栽作家を志して12年目に最高の総理大臣賞を受賞
 絵の師匠とジャンボ尾崎との出会いは私の人生を変えた
 自分でお金を出して買ってみて初めて価値がわかる
 展覧会に出せば賞を取れるという得意の絶頂
 得意から一転、奈落の底へ。トラブルに巻き込まれてまったく賞がとれなくなる
 盆栽を枯らしたことに不誠実な対応をする盆栽協会にお客さんが訴訟を起こす
 裁判は泥沼化。二審で敗訴。お客さんは控訴を取りやめる
 お客さんに裁判をけしかけた裏切り者にされ、窮地に追い込まれる
 「死ぬのはいつでもできるでしょ」「敵を討ちなさい」女房のこの一言で美術館を作る
 負けてたまるかの反逆精神で復活!テレビの盆栽講座のシリーズのチャンスをつかむ
 盆栽界もねたみうらみの世界。嫌がらせを受けるもまたも女房の一言に助けられる
第5章 仕事で気配り、目配りができれば自然と技術も上達していく
 外国からくる弟子は明確な目的を持ってる。日本人の弟子は意欲が薄いね
 なぜ、もっと先輩や上司とコミュニケーションを取らないのか。もったいない!
 盆栽には瓶にためた雨水をやる。「もったいない」という気持ちを理解してもらいたいから
 なぜ学校では競争から目をそらす教育をしているのか
 日本人は自分たちを金持ちだと思ってるかも知れないけど世界から見たら小さい
 盆栽も若いうちはよく曲がるけれど太くなったらもう曲げられない
 何事もゼロからはじめるという発想に立てば、知恵と工夫でお金を稼ぐしかない
 お金がないというなら挿し木しろって言うんだ。なぜ工夫しないのか
 目配り気配り心配りでお金はちゃんと稼げる。でもお金は目的を達成する手段に過ぎない
 絶対に妥協しないプロとしての持を持っているジャンボ尾崎に教わったこと
 最初の弟子にはいろいろ苦労させられたけど人生の勉強したのもこの子のおかげだね
 盆栽のおもしろさは自分でわからないと長続きしないし、伸びない
 自分で考えないとなにひとつ目的は達成しない
 職人が一人前になる最低条件は親方の技術を盗むってことだ
 弟子にはもっと前へ前へと出てってもらいたい。俺を利用してのし上がって欲しいんだよ
 樹を枯らさなけりゃいい職人にはならない。私も1億円は枯らした
 価値を見抜くレベルを上げるには買ったら売ってさらに価値の高いものを買うことが大事
 なぜあのお客さんは来なくなった?そういう考えるくせをつけると仕事は伸びる
 半端者だった私がこの道でやってこれたのは盆栽で一流になってやろうと思ったから
 一流の人はお客さんと交渉するにしたって「情熱」の温度が違うんだね
 若い人の壁として立ちはだかってやろうとも考えてるんだ
 弟子はみんな独立して生活していって欲しい
 職人の純粋なプライドだけは失っちゃだめ
あとがき

面白かった本まとめ(2013年下半期)

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「中国ラーメン 揚州商人」はオススメ!

2014年04月02日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 千葉県市川市の京葉道路の原木インター近くにある「中国ラーメン 揚州商人」は、中国風?の一風変わった店舗で、しかも客がいつも多く入っていて気になっていたので、行ってみました。

1img_3065
↑店構え

 このお店は駐車場があり10台以上停められるのは嬉しいですね。
店内も中国風で、壁などには中国語で書かれていますが、メニューは日本語です^_^;)
かなり人気店のようで、席につくまでに10分ほど待ち、その間にメニューを見ます。

2img_3054
↑店内

 それから席に案内されますが、この「中国ラーメン 揚州商人」は中国の揚州から日本に渡ってきて、親子三代で築き上げたようで、その口上書が壁にありました。
「中国ラーメン 揚州商人」はチェーン店のようです。

3img_3047
↑口上書

 基本的にラーメンのお店のようで、たくさんの種類のラーメンがありますが、餃子やチャーハンだけでなく中華料理のコースも2000円からありましたね。
どのラーメンを選ぶかかなり悩みますが、今回は3人で以下を注文しました。

・海鮮煮込みラーメン1,080円
・プレミアムスーラータンメン1,180円
・塩中国チャーシューメン960円
・餃子6個+ライスセット420円
・夢ごこち杏仁豆腐380円
・ゴマ団子3個300円

 しばらくするとラーメンなどが運ばれますが、かなり大振りな器です!
そして、どれも具がたっぷり入っていて、そして上質さを感じます!
さすがこれが人気の理由ですね。
しかも、食べ進めるとどんどん味わいが深くなってきます^_^)

 なお、麺は一部「刀切麺」か「柳麺」を選べます。
「刀切麺」が太くて良さそうでしたね。
「柳麺」は細いのでかなり柔らかくなるため、固めが好きな方は「刀切麺」を選んだ方がよいと思います。

4img_3051
↑海鮮煮込みラーメン

 特に「海鮮煮込みラーメン」は、きれいに切れ目を入れたイカやエビがたっぷり入っていて、麺も含めてかなりの量で、これは体が温まります!
ただ、麺が柔らかすぎたのが少し残念でした。
写真を撮るのを忘れましたが、餃子も大振りで、皮も少し厚めで美味しかったですね!

5img_3049
↑プレミアムスーラータンメン

6img_3048
↑塩中国チャーシューメン

 それから「夢ごこち杏仁豆腐」もかなり大振りで、ひし形に切られているのが美しい!!

7img_3052
↑夢ごこち杏仁豆腐

そして「ゴマ団子」は、中が想像以上に熱くて驚きました!
生地はモチモチとして中の餡はとても甘く美味しかったです。

8img_3053
↑ゴマ団子

「中国ラーメン 揚州商人」は、上質な具がたくさん入った美味しいラーメンを頂け、とてもオススメです!


美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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揚州商人 市川二俣店

夜総合点★★★☆☆ 3.1
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