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「佐藤可士和の超整理術」という本はとてもオススメ!

2014年01月31日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「佐藤可士和の超整理術」の購入はコチラ

 「佐藤可士和の超整理術」という本は、アートディレクター/クリエイティブディレクターである著者が、その経験から「空間→情報→思考」それぞれのレベルでの整理術について、具体的に分かりやすく説明したものです。

 そして、空間を整理するにはプライオリティをつけることが大切で、プライオリティをつけるには視点の導入が必要で、視点を導入するためにはまず思考の情報化が必要とのことです。

 私自身もさっそくこの本を読んで、デスク周りやカバンなどの空間の整理を図って常にすっきりさせ、また日頃も常に目的を意識し、そして問題の本質に迫るため最適な視点を考える癖をつけたいと思いましたね。

 また視点を引いて俯瞰して客観視すること、自分の思い込みを捨てること、視点を転換し多面的にみることも大切ですね。

 また思考の整理では、自分や相手の考えを言語化し、仮説を立てて相手にぶつけてみること、他人事を自分事にして考えることも大切ということがよく分かりました。

 空間・情報・思考が整理できると素晴らしい人生になりそうですね。

 「佐藤可士和の超整理術」という本は、より良い人生にするためのヒントが満載で、そして具体的で分かりやすく、とてもオススメです!!

以下はこの本のポイント等です。

・どんなプロセスで整理を行っていけば、問題の本質をきちんと捉えて対処することができるのか。僕はたいがい、このような順序で進めています。
 1.状況把握/対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る。
 2.視点導入/情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める。
 3.課題設定/問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。
プロセスとしては、実に単純です。でも、ひとつひとつに大きな意味がある。面倒だからといって、これらを飛ばして行動に移ると、本質から程遠い、的外れな結果になってしまいます。

・「モノを絞って、すっきりと気持ちいい環境のなかで、効率的に仕事をしたい」これが僕の”空間”の整理を行ううえでの大前提になっています。整理がきちんとできれば、自分が把握していないものがいっさいない、クリアな状態になる。そうすれば仕事の効率も上がるし、リスク回避にもなるのです。片づいていて、かつどこに何があるかを完璧に把握していれば理想の状態。一見ゴチャゴチャしているようでいて、本人が把握できているのなら、まだいいほうです。最悪なのは、どこに何があるかわからないのに、作業する空間をうんと圧迫しているという状態。こうなると、作業がしにくいうえに、いざ何かを探すというだけでかなりの時間をとられてしまうし、トラブルのもとになることは明白です。自分の仕事場の状況を想像してみてください。モノが少なくすっきり片づいた机と、天板が見えないほどゴチャゴチャと散乱した状態の机。どちらの環境が快適かは、一目瞭然です。それはわかっていても、ついつい散らかしがちにしてしまうという場合は多いですよね。おそらく、仕事を優先するあまり、机周りの整理は後回しになってしまうのでしょう。でも、それでは順番が逆なのです。まず、仕事をする場所をすっきりさせることが、仕事の効率をアップさせることにつながるのです。ですから、”空間”の整理術は、年末の大掃除のような義務感や、しようがないという気持ちで取り組むのはおすすめしません。整理することは、仕事の精度アップに直結する-こうしたポジティブな目的のもとに、積極的な気持ちで取り組んでください。

・皆さんは、ふだんのオンの日には、どんなカバンを持ち歩いていますか。そして、その中身は。ちなみに、僕はたいてい手ぶらです。持ち物といえば、
 ・携帯電話
 ・自宅の鍵
 ・カードケース(中身はクレジットカード2枚、事務所のカードキー、紙幣数枚)
 ・小銭
この程度なので、分散してポケットに入れています。

・こうやって進めていったカバンのスリム化計画ですが、僕も一度にすべてを実行してしまうのは不安がありました。やはり、何かしら不具合が起こると思ったのです。そこで、まずは1週間のうち、”手ぶらの日”を何日か作って実験してみました。何か困ったことが起こるかな、とドキドキしましたが、結果的には全く困りませんでした。それどころか、うんと開放的な気分になれたのです。これは、予想外の発見でした。手ぶらになると、断然身軽になります。そうすると気分もふわっと軽くなって、無性に歩きたくなるのです。街を散歩したり、ぶらぶらしたり。重いカバンを持っていたときには思いもよらなかったほど、周りを見て楽しむゆとりが生まれました。精神的にものすごく解放されるのです。この気分を一度味わうと、どうしてもっと早く手ぶらにならなかったのだろう、と後悔したくらい。それ以来、手ぶらは僕の基本スタイルになりました。

・「机は何のための場所なのか?」そう、作業をする場所です。物置でも倉庫でもありません。ですから、基本的には天板には何も載せないことが理想なのです。机の上で省けないものといえば、電話とPCぐらいでしょうか。あとは、その都度の作業に必要なものだけを置き、作業が終わったら常にしまうことを習慣づけるのです。そうすれば、寿司屋のカウンターのように、いつもきれいでまっさらな状態が保てる。板前さんがネタを切って、握って、出し終わったら板場をさっと拭いてきれいにする、あの仕事ぶりのイメージです。そのために欠かせないのが、それぞれモノの定位置を決めておくこと。これは肝に銘じておくべきです。さらに、定位置に入りきれないくらい増えてしまった場合の、対応の仕方もポイントです。たとえば、ペンケースがいっぱいになってしまったからといって、別の引き出しにあふれたぶんを入れてしまっては、モノが増えていくばかり。別の場所に進出させるのではなく、いまある場所に収まる範囲にとどめる。これが大切です。あふれそうになったら中身を一度見直して整理し、常に定位置のキャパシティ内でやりくりするのです。

・置き場所の範囲内からはみ出しがちなモノの筆頭として、ステーショナリーが挙げられます。たとえば筆記具。まず、置き場所ですが、デスクの引き出しにペントレイがあるなら迷わずそこに。デスクの上にペンスタンドを置くのは、作業場をなるべく広く確保する必要性からもおすすめしません。それでも、気がつけばペン類はなぜか増えているもの。ですから、カバンの場合と同様、アップデートがマスト事項です。こちは毎日でなくても、月に一度くらいで十分。毎月、月初めの月曜日というように、決めておくとより確実です。あとはやはり、プライオリティをつけること。「いま本当に、仕事に必要なのはどれなのか?」と真面目に自問すると、数本程度に絞れるのではないでしょうか。

・やっかいなのが書類や資料類。ステーショナリー以上に、増えてかさばりがちな存在です。こちらも、まずは同じものを省いてひとつにすること。また、企画書などバージョンが進化していくものは、最終バージョンだけをとっておくようにします。さらに、可能なものはデジタルデータ化する。現在進行中の書類をスリム化することはもちろん、過去のプロジェクトの資料も、終了後すぐに整理することです。捨てるかしまうか判断する。しまっておくにしても、まずスリム化です。

・人の精神は、視界にすごく左右されます。多くのモノが見えていると、気が散ってしまう。いろいろなことがいっぺんにできると思っていても、結局一度にひとつのことしかできないものなのです。だから、そのひとつに集中できるように、視界をとことんすっきりさせました。キャビネットのドアパネルを開ければ、中身は一目瞭然。ひとつのモジュールの中にさらにドロワーボックスを設置したりして、定位置を細かく設定しています。使ったら必ず定位置に戻すというのも徹底しています。

・どんどん増えていくものとしては、名刺もやっかいな存在です。整理が甘いと、それこそ必要なときに見つけるのはひと苦労。アイウエオ順、業種別など、いろいろな分類が考えられますが、皆さんはどのようにファイリングしているでしょうか。僕もいろいろ試行錯誤しましたが、最近はプロジェクトごとの分類を採用しています。なぜなら、「サムライ」の仕事は、プロジェクト単位で進行しているから。常に何十個ものプロジェクトが同時進行する状態なので、スタッフもプロジェクト別に担当を持つことにしているのです。そこで、プロジェクトごとにファイルを作り、それぞれ各担当者がキープすることにしました。二穴のファイルに、資料とともに関係者名刺を入れたホルダーもまとめておくのです。僕と担当者がそれぞれもつのではなく、あくまで1つのプロジェクトは一つのファイルに統一します。オフィス内での定位置を決めているので、別々にもつ必要もないし、探すのに困ることもありません。
プロジェクトが終了したら、必要な名刺をピックアップして、マネージャーに渡します。そうすると、マネージャーがそれらをPCで業種別にデータベース化してくれる。こういう手順で、効率的に整理できるようになりました。

・データ類に加えて、メールの整理も気が抜けません。僕はメールに関しても、プロジェクトごとのフォルダを作って分類していますが、仕事のスタイルに合わせて各々で工夫すればいいと思います。大切なのは、受信メールをチェックしたら、その場で処理するということ。僕は、その日の受信ボックスは必ずゼロにしてから帰ります。これも”とりあえず”との闘い。放っておくと膨大な数になりますから、面倒でもその場で対処するしかない。分類する、捨てる、返信する。よっぽど熟考が必要なものは例外ですが、たいがい瞬時で判断できるものです。この細かい処理の積み重ねが、整理の経験値にもなるのです。

・バーチャル空間の整理に関して、僕はスタッフにも耳が痛くなるほど徹底させています。「毎週月曜日の朝は、Macの中のデータを整理すること。午前中いっぱいかかってもいいから、納得いくまですっきりさせるように」と。これも、空間の場合と同じ理屈です。忙しいから整理は後回しではなく、仕事の効率を上げるために整理をするのです。週はじめにきちんと片づいた状態になれば、週末までの1週間の進行が、断然スムーズになりますから。システムのメンテナンスをきっちりすれば、アプリケーションがさくさく動くのです。考え方を柔軟に切り替えて、ぜひ定期的に行ってみてください。

・このシステムを思い立った背景には、”オフィスにおける情報の共有化”という視点があります。そもそも、「同じモノをスタッフ全員で共有できるような仕組みを作りたい」と考えたのがきっかけなのです。ぷるプロジェクトを3人で担当することになった場合、3人それぞれが資料をもつより、ひとつにして定位置を決めてしまったほうが、量も3分の1になるし、何があるか把握しやすくなる。結果として、デスク周りの整理の場合と同様、仕事の効率化とリスク回避に確実につながると思いました。実際、システム構築後は、驚くほど空間がすっきりし、かつ誰もが目的のモノを探しやすくなりました。”情報の共有化”の効果は絶大です。

・”空間”の整理の要点を以下にまとめてみましょう。
 1.前提として”すっきりした空間を作ることで仕事の効率が上がり、リスク回避になる”というポジティブな目標をもつこと。
 2.整理とは、自分のなかの不安や”とりぜず”との闘い。それに打ち勝つためには、”捨てる”勇気が必要。捨てるモノを決めるためには、プライオリティをつけることが不可欠。厳しく自問自答して、下位のものは時間軸で区切って処分するといい。
 3.せっかく整理したものを再び増やさないためにも、定期的な見直し(アップデート)が欠かせない。メールなど、放っておくだけで増えていくものは、その場で処理することが大切。
 4.目の前の作業環境をすっきりさせておくために、モノは常に定位置に置き、使ったらすぐ戻すこと。すぐに整理できないモノの避難場所となる、フリースペースを設けておくのも便利。
 5.わかりやすく分類するために、フレームを決めてフォーマットを統一する。こうすれば、さまざまな種類のものがすっきり片づくうえに、シンプルなシステムなので把握もしやすくなる。

・伝えるということは、本当に難しい。企画書を作ったり、プレゼンやスピーチをしたりといったビジネスシーンでも、情報をどう整理するかによって、相手に伝わる精度は格段に違ってきます。その際にいちばん大切なのが、自分なりの視点を持ち込んできっちり筋を通すこと。大切な情報をしっかり見極め、情報同士の因果関係をクリアにしていくことで、進むべき道が見えてくるのです。つまり、情報の整理とは、視点を導入して問題の本質に迫ることで、真の門だ解決を行うためのものなのです。

・”空間”の整理の章で、プライオリティをつけることで本当に大事なモノが見つかると述べましたが、このプライオリティも視点がないと決まりません。空間の場合は、”どのくらいの頻度で使うか””いますぐ必要か”など、時間軸の視点で設定しました。情報の場合は、身体感覚で判断が下しにくいぶん、さらに意識的に視点をもつことが求められます。これがなかなか見つけにくいから、情報の整理は難しいのです。視点を持ち込むという感覚は、インターネットの検索エンジンを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。莫大な量のデータベースから、欲しい情報を取り出すためには、キーワードを入力する必要がある。このキーワードが、ひとつの視点なのです。キーワードの選び方や複数入れる場合の順番のつけ方など、工夫次第で欲しい情報にアクセスしやすくなります。

・本質を探るということは、一見、物事の奥深くに入り込んでいくようなイメージがあるでしょう。でも実は、どんどん引いて離れていくことだと思うのです。客観的に見つめてこそ、いままで気づかなかった真実や大事なエッセンスを発見することができる。脳科学者の茂木健一郎さの著書「「脳」整理法」に、「ディタッチメント」という言葉が出てきます。これは、あたかも”神の視点”に立つがごとく、ものすごく俯瞰して物事を見つめるということ。神のように達観した視点をもつことが、科学者の基本姿勢として非常に大切だと述べられていて、頷かされました。同じことが、”情報”の整理の場合にもいえると思ったからです。

・ビジョンにつながる確固たる視点を見つけるためには、正面からでなく、いろいろな角度から見てみることも大切です。これも、言うは易く、行うは難し。”自分の思い込みをまず捨てる”ということから始めてみてください。個人のエゴが入っていては、プロジェクト本来のビジョンから少しずつ、ずれていってしまいます。相手からもらった情報が足りないからといって、自分勝手な憶測を盛り込んでしまうと、ちぐはぐなまとまりのないイメージになってしまう。相手の立場に立ち、相手がもっている材料のなかから、魅力を最大限に引き出すという姿勢で臨まなければ、クライアントの課題を解決することはできません。とはいえ、いきなり自分を捨てて相手の立場に立つということは、なかなかできることではありません。ビジネスを介したいろいろなしがらみやパワーバランスなどがありますから、どうしても雑念が入りがちになります。ですから、まずは完全な第三者の立場になってみてはどうでしょう。親戚のおばさんとか、学生時代の同級生とか、該当の仕事とは全く関係のない第三者になったつもりで、クライアントのことを考えてみるのです。引いた立場から状況を客観視すると、思いのほか冷静になれる。結果として、相手の立場にスムーズに立てるようになれると思うのです。また、思い込みを捨てるには、あえて極論を考えてみるというのも手です。無謀なほど極端な気持ちになってみないと、自分を捨てることは難しいものです。ですから「そもそもこのプロジェクトは必要ないのではないか?」くらいの思い切った気持ちになれれば、ふっきれて視界が広がってくると思います。

・長年、アートディレクションという仕事で経験していても、視点を見つけることは往々にして難しいもの。そこで、もうひとつヒントとなるアプローチを紹介しましょう。それは、「迷ったら具体的なシーン思い浮かべてみる」ということです。つまり、さまざまなTPOを想定して、自分が取り組んでいる物事をどのように説明するかを考えてみるのです。会社でプレゼンする場合、彼女に説明する場合、取材されて答える場合・・・。このとき、ユーザーやクライアントなど、あまりに漠然とした相手を想定してはダメです。リアリティに欠けるので、それぞれが抱いている価値観の違いが把握できません。ユーザーは彼女、クライアントは××社の社長というふうに、具体的な人物像をきちんと設定することです。

・視点を引いて客観視することも、視点を転換することも、思い込みを捨てることも、すべては「多面的な視点で物事を見る」ということのバリエーションです。情報という、実体のないものを整理するために、こうした柔軟なアプローチが不可欠なのです。そして何より、目指すべきビジョン、つまり”あるべき姿”を目指して整理するという大前提があってこそ、ポジティブに、意欲的に取り組めると思うのです。その結果、伝えることの精度がぐんと上がればしめたもの。”情報”の整理のベクトルは、コミュニケーションの理想形を指し示しているのです。考えに行き詰まったり、意志の疎通が難しいと感じた場合は、とにかく視点を変えてみてください。

・「Aさんが話すとあまり理解できなかったことが、Bさんが話すとすごくよくわかった。同じ内容なのに、なぜこんなに印象が違うんだろう?」こんな経験、皆さんもあるのではないでしょうか。相手に自分の考えていることをきちんと伝えるのは、すごく難しい-今まで繰り返し述べてきたことです。これがうまくできる人というのは、”思考”の整理に非常に長けている人。つまり、自分の考えを整理して精度を上げることで、いちばん大事なことをブレずに、明確に伝えることができているのです。これがなぜ難しいのか。それはやはり、”思考”が目に見えないものだからです。”情報”は、まだテキストや画像といった第三者が認識できるものとして存在しますが、”思考”は頭の中にしかない抽象的な概念。だから、”思考”の整理は”情報”の整理より、さらに難度が高いのです。

・自分の考えだけでなく、相手の考えもきちんと整理して理解することができれば、コミュニケーションの精度も格段にアップします。つまり、抽象的だった思考が、明確な情報としてやりとりされることになる。そう、思考の整理のポイントは、思考を情報化していくことなのです。その後のプロセスは、情報の整理と同じ。ですから、思考の整理は、情報の整理のより高度な応用編といえるでしょう。

・思考を情報化するためにはどうしたらいいか。必要不可欠なのが、”無意識の意識化”というプロセスです。漠然とした状態の心理や、心の奥深くに埋もれている大切な思いなどを掘り起こして、はっきりと意識する。そうすれば、整理したり、秩序だてたりといった次の段階に進むことができます。哲学的な難解さを感じる言葉かもしれませんが、これも一種のトレーニング。経験値を積むことが、整理術の何よりの早道です。その際に、いちばん大事なことは、”言語化していくこと”です。もやもやとしていた思いを言葉にすることができれば、筋道を立てた人に伝えることができますから。言語化することで、思考は情報になるのです。

・”無意識の意識化”とは、フロイトの心理療法にも出てくる言葉です。フロイトは、”無意識”という概念を初めて理論だてて提唱した学者。心の病というのは、知らず知らずのうちに抑圧さえてきた欲望や衝動が原因だと位置付け、その感情を掘り起こして意識化することで、病の根本がわかると考えました。その根本的な問題に対峙し、克服することで抑圧が解消され、病が治るというのです。では、どうやって意識化したらいいか-フロイトが考案したのは「自由連想法」という方法です。患者自身が恐れている無意識の世界を掘り起こすのは非常に困難ですから、一種のフリートーキングを行いながら、徐々に核心に迫っていくのです。患者が心に浮かんだことを話し、治療者がそれに対して解釈を述べる。その反応によって再び別の解釈を試みる・・・ということを繰り返しているうちに、患者から強い感情が引き出せるようになっていきます。その感情こそが、無意識の世界の病因につながっているという解釈です。これはまさに、思考の整理で、”仮説を相手にぶつける”ことと同じです。「自由連想法」が心の病すべてに万能かどうかはわかりませんが、相手の無意識のなかに深く入り込んでいく方法としては、かなり効果的だと思います。他人に対して仮説をぶつけていく方法にある程度慣れたら、自分に対しても自問自答してみてください。頭の中だけで行っていては混乱しますから、やはり言葉にして書き出してみると理解しやすいでしょう。

・「他人事を自分事にする」これは思考の整理で非常に大切なポイントです。あいまいなものを情報にして、さらには問題点を見出して解決していくわけですから、自分との接点を見出さないと実感が湧かず、目指すビジョンも空々しいものになってしまう。これは、決してエゴを持ち込むことではありません。自分勝手なイメージを作り上げるのではなく、対象のなかから本質を導き出すというアプローチだからこそ、いかに自分のモチベーションを上げていくかが大事になってくるのです。ですから、対象をねじ曲げて自分に引き寄せるのではなく、対象と自分との接点に近づいていくことでリアリティが生まれるのです。

・これまで、”空間”→”情報”→”思考”というレベルごとに、僕なりの整理術を紹介してきました。身近なことから、徐々に難度を上げていきましたが、おおまかな感覚はつかめたでしょうか。各章のポイントを、改めて挙げています。
 ・空間の整理・・・整理するには、プライオリティをつけることが大切
 ・情報の整理・・・プライオリティをつけるためには、視点の導入が不可欠
 ・思考の整理・・・視点を導入するためには、まず思考の情報化を
空間から思考へとレベルが進むにつれて、難度とともに要するモチベーションも高いものになっていきました。とはいえ、どの整理の場合も、根本的に核となることは共通しているのです。それが、”視点を導入すること”です。繰り返しますが、視点の持ち込み方によて、整理の方向性は全くといっていいほど変わってきます。言い換えると、優れた視点を導入することができれば、問題解決に向けての大枠の方向性が定まるのです。まずは、視点の軸をいくつも挙げてみて、TPOに応じていちばん有効と思われるものを選んでください。

・”空間”の整理の場合は、”どのくらいの頻度で使うのか””いますぐ必要なもなかどうか”など、主に時間軸という視点でソートしましたが、”いちばん機能性の優れたものはどれか””デザインが美しいものはどれか”といった、いろいろな視点があり得ます。すべてを同じ視点で整理する必要もありません。書類は時間軸で、文房具は機能という軸で、というふうに、TPOに応じて自分がいちばん快適に過ごせるような視点を見つけてください。”情報”や”思考”の整理の場合は、さらに千差万別です。その時々の問題点によって、視点をさまざまに変えてみてください。対象のなかに必ず答えはありますから、あせらず何度も試してみることです。また、視点というのは、一度見つければそれで終わりではありません。整理の視点は、時とともにアップデートされていくものです。自分自身のライフスタイルもいずれは変化しますからプライオリティもその都度変わってくることでしょう。自らの成長とともに整理術も成長し、磨かれていくのです。これを実感するのも、整理の醍醐味といえるでしょう。

・常に心に留めておくべきことh、「何のために整理をするのか?」という目的をもつことです。整理のための整理では、何も生まれません。たとえば、”空間”の整理において、捨てることは、不安や”とりあえず”との闘いだと述べました。人間は、身体感覚で味わえないとなかなか理解できないから、”捨てる”という行為が一番ダイレクトに訴える方法だ、と。捨てる勇気をもつことで、空間も自分の気持ちも整理することができますから、ぜひ実行してほしい行為です。でも、決して”捨てる”ことが目的なのではありません。あくまで手段なのです。「何のために捨てるのか?」といえば、本当に大事なものを決めるため。そして、大事なものを、より大切に扱うためなのです。こうした目的を意識しないと、整理の方向性がブレてしまいます。さらに、
 ・定期的にアップデートをする→モノを増やさないため
 ・モノの定位置を決め、使用後はすぐに戻す→作業環境をすっきりさせるため
 ・フレームを決めてフォーマットを統一する→わかりやすく分類するため
このように、どのヒントにも、それぞれ目的があるのです。そして、これらはすべて「すっきりした空間を作ることで仕事の効率が上がり、リスク回避につながる」という、”空間”の整理全体の大きな目標につながっているのです。”情報”や”思考”の場合も同様です。
 ・視点を引いて客観視してみる
 ・自分の思い込みをまず捨てる
 ・視点を転換し、多面的に見てみる
これらは、”情報”の整理におけるポイントです。”思考”の整理では、
 ・自分や相手の考えを言語化してみる
 ・仮説を立てて、恐れず相手にぶつけてみる
 ・他人事を自分事にして考える
こうしたポイントを挙げました。”思考”の整理の目的は、”思考の情報化”を行い、頭の中の漠然とした思いをスムーズに相手とやりとりするということです。その後は、”情報”の整理と同じく、問題解決につながる視点を見つけるという目的に沿って、各々のポイントを参考にしていけばいい。そして、”情報”や”思考”の整理の最終的な目標といえば、「ビジョン=あるべき姿に近づくこと」です。”あるべき姿=理想的な作業環境”と置き換えれば”空間”の整理にも当てはまること。さまざまなポイントを使いこなすことで、理想的な視点を見つけることができれば、”あるべき姿”に向けての大きな一歩が踏み出せるのです。

・”整理をすること”と”問題解決”は、別ものだと思っていた人も多いのではないでしょうか。整理は事務的な作業、問題解決は別の次元のクリエイティブな作業だ、と。そんなことはないのです。「整理と問題解決は、同じベクトルでつながっている」ということが、各章の内容から感じてもらえたと思います。”問題解決”は、”あるべき姿を見つけること”と置き換えてもいい。あるべき姿を見つけるひとつの方法として、整理術があるのです。

<目次>
まえがき
1章 問題解決のための”超”整理術
 いい仕事に、整理術は欠かせない
 アートディレクター=ドクター
 大切なのは、相手の思いを整理すること
 本質を捉えなければ、いい結果は生み出せない
 整理術は、仕事も生活も劇的に変える!
2章 すべては整理から始まる
 問題の本質が見えないまま、対処していないか
  複雑すぎる世の中に、危機感をもって挑むべき
  その場しのぎの対処では、問題は解決しない
 プロセスに沿って、整理術を確実に身につける
  状況把握・視点導入・課題設定の順に進める
  微妙なニュアンスまで、問診で把握する
  視点を持ち込んで、問題の本質に迫る
  課題を見つければ、問題の半分は解決する
  課題=登るべき山と考え、コースを見極める
 空間から思考まで、目指すは3レベルのクリア
3章 レベル1「空間」の整理術-プライオリティをつける
 空間の整理の目的は、快適な仕事環境を作ること
  整理を徹底して、リスク回避を図る
  身体を使う作業で、整理の効果を実感
 まずは、身近なカバンの中身の整理から
  果たして、カバンの中身はすべて必要か
  スリム化を加速させた、携帯電話の進化
  ”手ぶら”がもたらした、予想外の解放感
 ”捨てる”勇気が、価値観を研ぎ澄ます
  ”捨てる”ことは、不安との闘いである
  捨てるためには、プライオリティ設定が不可欠
  捨てることは、”とりあえず”との闘いでもある
 デスク周りの最適環境を作る
  モノの定位置を決めると、把握しやすくなる
  迷ったら、機能が似ているものを比較する
  書類や資料は、最終バージョンだけとっておく
  棚のフリーペースを、一時避難場所に
  名刺整理は、アイウエオ順がいいとは限らない
 バーチャル空間も、シンプル・イズ・ベスト
  ファイルのネーミングがキモ
  PC上にもフリースペースを作る
 フレームを駆使して、オフィス環境を快適に
  バーチャル空間を転用した、オフィス空間整理術
  フレームを決めれば、全体像が把握できる
 大切なものの見極めを、身体で覚える
4章 レベル2「情報」の整理術-独自の視点を導入する
 問題の本質に迫るため、情報に視点を持ち込む
 視点導入の最終目標は、ビジョンを導き出すこと
  相手の心の中に、イメージを建築する
  理想形となる”ビジョン”を見つける
  視点が決まれば、ビジョンが見えてくる
 自分なりの視点を見つけるには
  本質を探るには、引いて見つめることが大切
  思いこみを捨てることから、視野が広がる
 視点の転換で導き出した、明治学院大学のビジョン
  見方を変えれば、マイナスもプラスになる
  ビジョンを凝縮して、シンボルマークで表現
 暗号解読のように組み立てた、国立新美術館のシンボル
  あいまいな状況から、強い視点は見つけにくい
  ”新しい”という視点で、すべてをプラスに転化
  表現の段階で、ビジョンを明確に研ぎすます
  迷ったら、具体的なシーンを思い浮かべてみる
 常にビジョンを目指す、ポジティブな姿勢が大切
第5章 レベル3「思考」の整理術-思考を情報化する
 思考を情報化すれば、コミュニケーションの精度が上がる
  自分自身を知ることは、とてつもなく難しい
  まず、考えを言語化することから始める
  仮説をぶつけて、相手の思いを確認する
  フロイトの心理療法にある”無意識の意識化”
 自己の無意識を意識化した、ドコモの携帯電話
  プロダクト完成後に、コンセプトの言語化を模索
  自分自身に仮説をぶつけて、発見したコンセプト
 自分との接点を見出した、地域産業のブランディング
  リアリティがなければ、問題意識は生まれない
  他人事を自分事にできると、リアリティが生まれる
 本質を研ぎすました、ユニクロの”あるべき姿”
  問診しながら掘り起こした、ユニクロの本質
  日本発ブランドという気概を込めたロゴデザイン
 無意識に深く踏み込んだ、ファーストリテイリングのCI
  頭の中にあるビジョンを、どうやって引き出すか
  仮説をぶつけて、クライアントの思考を探る
  ”革新”という視点を、真紅のシンボルで表現
 Tシャツの新しい買い方をデザインしたUT
  Tシャツのメディア性から生まれたビジネスモデル
  世界一のTシャツブランドを目指したシステム作り
  ペットボトルのパッケージで、問題点を付加価値に転化
 思考の整理で浮かびあがった、新しい病院の姿
  今日の医療環境が抱える、問題の本質を探る
  コンセプトは、”リハビリテーション・リゾート”
6章 整理術は、新しいアイデアの扉を開く
 最大のポイントは、視点を見つけること
 目的をもてば、テクニックも生きてくる
 答えは必ず、目の前にある!
あとがき

面白かった本まとめ(2013年下半期)

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「サラファン(神保町)」でロシア料理を堪能しました!

2014年01月29日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

食べログの神保町駅近辺で評価が高かったサラファンへ行ってきました!

 場所は神保町駅近くの駿河台下交差点から歩いてすぐのビルの地下1Fにあります。
ロシア料理の創業40年以上の老舗のようです。

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↑店構え

 階段を下りて、室内に入ると、ウェイターから段差があるので注意するように言われ、コートをかけます。
 そして部屋の奥に行くと、テーブルが手前に引かれていて、その奥に座るように促されます。
 席に座るとそのテーブルを元に戻してくれました。

 店内はカウンター席もありますが、あまり使われないようです。
二人用のテーブル席が6つあり、そこがメインのようです。
 店内は白色を基調としていて清潔で、老舗さは感じませんでしたね^_^)
とても良いことだと思います。
また、男性のコックがカウンター内に二人いて、無言で厳しくテキパキと仕事をこなしていました。
 料理への真剣さが伝わり、これは期待がもてます。
しかしなんだか、ちと恐いな~^_^;)

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↑店内

 さっそくメニューをみて、2500円の「小さな壺焼きセット」を注文しました。
3000円などのコースもありますが、店の前の黒板にもこのメニューが書かれていたので、きっとこれがオススメなのでしょう。
 ボルシチとブリンンチキピロシキ、小さな森の壺焼きとロシア紅茶がセットとなったものです。
なお、カード払いの場合はサービス料として4%プラスになるとのことです。

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↑メニュー

 さっそく綺麗な皿にたっぷり盛られた赤いボルシチが運ばれました。
真ん中に白いサワークリームがあり、これを溶かして食べてくれとのことです。

 もちろんスープはアツアツで、おぉぉぉ!
想像以上にボルシチにはコクがあっておいしい!!
これは食がずんずん進みます。
肉もかなり柔らかく、かなり煮込まれていることが分かります。
こんなに美味しいボルシチは初めてで、かなり感動しました!!

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↑ボルシチ


 そして、ピロシキが運ばれますが、カレーパンのような丸いピロシキではなく、挽き肉を中に入れて生地が折り畳まれています。
 これがまた適度に揚げられていて、中の挽き肉がアツアツで、そして良い塩加減で、最高に美味しいピロシキです。
またピロシキの中が想像以上に柔らかいです。
このピロシキの味にも感動してしまいましたね!
美味しすぎです!
粒のマスタードとも合います!
フォークとナイフで切って食べるのがもったいなく、そのままアツアツのままほおばって食べてしまいましたね^_^;)

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↑ブリンチキピロシキ

それから壺焼きが運ばれます。
ロシア料理の定番で、壷の上がパン生地で覆われているもので、それをスプーンで落としながら食べるものですね。
これまた、パンがしっとりとした良い焼き加減で、しかもほんのり甘く、このパンだけでも十分美味しいです!
中のどろどろとしてクリームスープには、細かく刻んだ鶏肉がたくさん入っていて、これもまた十分コクがあり素晴らしい味です。
あまりにも美味しく、じっくり堪能してしまいました^_^)

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↑小さな森の壷焼き

最後に、ロシア紅茶が運ばれます。
透明なガラスのコップにアツアツの紅茶が入れられていて、中にはレモンがあり、そして底には「すぐり」が入っているとのことでした。
この「すぐり」が甘~く、幸せな気分にさせます。
それでいて、レモンの酸っぱさが紅茶の美味しさをより引き立てますね。
「すぐり」が想像以上にたっぷりで、スプーンですくいながら堪能しました。
この紅茶も美味しくて感動ですね!

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↑ロシア紅茶

最後に会計はテーブルで済ませました。

サラファンは、想像以上に美味しいロシア料理を堪能でき、とてもオススメです!
今度は違う料理を堪能したいと思います。

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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サラファン

夜総合点★★★☆☆ 3.7
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手足のヒビ、アカギレに白色ワセリンがとてもオススメ!

2014年01月27日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
<月曜はお勧めなおはなし>

「白色ワセリン」の購入はコチラ

 以前このブログで紹介した「傷はぜったい消毒するな(夏井睦)」という本に白色ワセリンについて以下の記載があり、さっそく我が家で買っていたのですが、冬場に「かかと」等の白いヒビに使用すると、劇的に効果があったので、ぜひオススメしたいと思います!

 「白色ワセリンは、原油の生成過程で得られる鎖状飽和炭化水素の一種で、炭素数が16から20の混合体を指す。
ちなみに炭素数が21の炭化水素がパラフィン(石蝋)、22以上のものは潤滑油と呼ばれている。
高純度の白色ワセリンは、分子量が280前後と小さいために抗原性(アレルギーを起こす性質)を持たず、常温での反応性は乏しく、生体との反応もほとんどなく、非常に安全な物質といえる。
実際、白色ワセリンは、口から入っても目に付いても、害がないことが確認されている。
なお、白色ワセリンは「白色ワセリン」「プロペト」「Vasellin」の商品名で各社から販売されていて、ドラッグストアなどで購入できる。」

 白色ワセリンは上記の通り特に、生体との反応がなく非常に安全な物質というのが嬉しいですね。
口から入っても目に付いても害がないとは安心して使えます。

 なぜ白色ワセリンが冬場の乾燥でできる手足のヒビに効果があるのかというと、おそらく白色ワセリンが油分であることから、皮膚に塗ると保湿されて、それで皮膚が元に戻ってくるんですね。

 冬になると、特に「かかと」などが白くヒビになって、ひどくなると出血も生じて毎年悩んでいたのですが、この白色ワセリンは、安全だし、塗って2~3日でヒビがなくなり効果も非常に高くて、とてもオススメですね。

想像以上に良くて家族で重宝しています!

また、金額も500gで700円程度とはかなり安いです。
500gはかなりの量ですね。
普段携帯して持つには50g程度でよいと思います。

なお、難点としては、ワセリンが少し固めなので、親指で付けたほうが良いかもしれません。

白色ワセリンは、他の軟膏とは違って安価で、安全に冬場の手足のヒビに効果があり、とてもオススメです!


お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

<今日の独り言> 
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「勝負心(渡辺明)」という本はとてもオススメ!

2014年01月24日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「勝負心(渡辺明)」の購入はコチラ

 「勝負心」という本は、将棋棋士である渡辺明さんが書いた本です。
彼のブログはいつも見ていて、なかなか面白いですね。

 弱冠20歳で将棋界最高位である「竜王」を獲得し、しかも9連覇を果たした著者が、その連覇の状況や、さらにたくさんのタイトルを獲得している羽生善治さんとの戦い、立ちはだかる羽生世代との勝負、勝負に勝つためには不断の努力が必要なこと、勝負に勝つ心構え、プロとしての日常、コンピュータ将棋などについて楽しく分かりやすく、実例をふんだんに取り入れて説明したものです。

 本書は将棋の世界がよく分かるだけでなく、勝負に勝つ心構えやより良い人生を過ごすための秘訣についても学べ、とても参考になると思います。

 特に以下については共感しましたね。
かなり良いことが書かれています^_^)

・人間は挫折を味わってこそ成長する
・負けてこそ強くなる
・秘策はすぐ試みるべき
・いつでも真剣勝負が必要
・弱点がないのは強い
・強い棋士ほど負け将棋の内容が良い
・檜舞台こそ成長する
・事前の研究が勝負を決める
・情報に乗り遅れると負ける
・調子という概念はない、実力がすべて
・棋譜並べは本筋の感覚が磨かれるので重要
・ゲン担ぎせずに事前準備や体調管理などベストを尽くすことが重要
・形勢判断の甘さは油断につながる
・本筋、裏筋だけでなく奇想天外筋も読むべき
・メンタル面は重要
・苦しいときこそ、度胸を決めて開き直ることが大事
・勝負においてはブレることなく平常心を貫くことが大事
・後悔は時間の無駄
・自分自身で考えて結論を出すことが大事
・自分自身がそれぞれの局面をどう判断するかが重要
・仕事について何も考えない日をあえて作るのも重要
・熱意こそが才能
・勉強は裏切らない。やっただけ身につき力になる
・若くしてプロになり真剣勝負の場を経験するこることは人生にプラス
・人間は気の持ちようでいつでも進化できる。自分の限界は勝手に決めないことが重要

「勝負心」という本はとてもオススメです!

しかし勝負は厳しいとはいえ、ここまで書いたのだから竜王戦は勝って10連覇しなきゃいけなかったでしょう・・・^_^;)

以下はこの本のポイントなどです。

・夢であってほしい。そう切に願ったが、東京駅で目が覚めると紛れもなく現実であった。三連敗した事実は想像以上に厳しいものだった。しかし、この経験があったからこそ、いまの自分がいる。苦労は買ってでもすべし、とはよく言ったもので、人間は挫折を味わってこそ成長する。羽生さんや谷川浩司九段といった先輩たちも、幾度となく挫折を経験して強くなってきたのだから。将棋は負けてこそ強くなる。私の棋士人生は、当時まだ年月の浅いものだったが、三連敗を喫して剣が峰に立たされたことで、メンタル面の大事さを身をもって知る貴重な経験となったのである。

・「秘策は、最終局まで隠しておいたほうがよいのでは」と思われるかもしれない。しかし、秘策こそすぐに試みるべきものだと私は考える。せっかく温存しても、試す機会を逸する恐れがあるからだ。将棋の研究は日進月歩で進んでいる。現在有力だと思われている作戦でも、明日になれば、誰かに対策を研究され尽くし、使えなくなるかもしれない。だったら、お蔵入りになる前に出してしまったほうがよい。舞台の大小に関係なく、羽生さんとは、いつでも真剣勝負をしなければならないと思っている。

・羽生さんについては、過去の取材でもよく聞かれたのだが、「生きる教材」と答えたのは初めてかもしれない。2013年10月現在、私は竜王・棋王・王将の三冠を保持しており、なかでも竜王位は9連覇中で、永世称号の有資格者でもある。永世称号を獲得すると歴代のランキングが急激に上昇する。私のこれまで獲得した通算タイトル数は12期で、米長邦雄永世棋聖の19期や谷川浩司九段の27期よりも少ないが、今後の努力次第では、いつの日か追い越せる日がくるかもしれない。しかし、歴代一位である羽生さんの86期(2013年10月末現在)は気の遠くなる数字で、客観的に見て、追い越すことは不可能に近い。86期の羽生さんに続くのが、歴代二位である大山康晴15世名人の80期、歴代3位である中原誠16世名人の64期で、この3人が突出している。ちなみに歴代4位は谷川九段の27期で、ここに大きな開きがあるのだ。この3人のうち、大山先生は他界され、中原先生はすでに現役を引退された。唯一、羽生さんだけが現役棋士だ。

・羽生将棋の特徴について尋ねられることがあるが、いつも返答に困ってしまう。なぜならこれといった特徴がないからだ。特徴といえば、「強い」ということだが、それでは将棋を分析したことにはならない。「特徴がない」というのは、「個性がない」ということではない。「弱点がない」ということだ。棋士なら誰でも好きな戦法や苦手な戦型があるものだ。私は、序盤からいきなり戦いになるような乱戦が好きではないので、序盤は、玉を金銀で囲うことを優先する。しかし、羽生さんはどんな戦法でも指しこなすし、序盤から大乱戦になっても、一歩も引かない。まさに展開不問だ。むしろ未経験の形を楽しんでいるようにさえ感じられる。常に新しい形を積極的に追い求めてきた、その貪欲な姿勢こそ、羽生さんの強さの秘訣なのかもしれない。福永騎手が対談で「万能ということは、言い換えれば個性がないとも言える」と語っていらしたが、羽生さんにピタリと当てはまる。

・羽生さんはまさに天才肌だ。勝率が高く、技術的に優れているというのはもちろんのこと、目に見えない何かがちがう。大事な場面で、すべてを読み切らなくとも、自然に急所に手が伸びるといった印象だ。プロレベルで見ても、羽生さんだけは突出している、と言っていい。羽生さんの強さは計り知れない。私は公式戦を600局以上戦い、7割近い勝率を残してきた。そのうち約200局もの敗局があるが、そのほとんどは、自分のミスによるものと認識している。しかし、こちらが一手のミスもなく指しているというのに、気づいたら負けていた、ということが、ごく希にある。敗因が分からず、「どう指しても無理だったな」と感じる、その唯一の相手こそ、羽生さんだ。

・一流の証とは何か。それは、強い棋士ほど負け将棋の内容が良い、ということだ。それが最も当てはまるのも、羽生さんだ。勝局はもちろんのこと、敗局にも名局が多い。圧倒的な実績を誇る羽生さんが、名局賞ではなぜ敗者に回ってしまうのか。理由は、勝つときは快勝が多く、負ける時は僅差が多いからだ。苦しくても簡単には土俵を割らない底力があるからこそ、名局が生まれるのである。ここに羽生さんの凄みがある。このことは、羽生さんに勝つためには、実力以上のパフォーマンスを発揮しなければならない、ということを意味する。

・振り駒で先手番となり、迷わず「矢倉」に誘導した。難解な中盤戦を経て、戦いは終盤戦へと移った。私が形勢不利に陥ったとき、それは起こったのである。駒を持つ羽生さんの手が、突如ブルブルと震え出した。初めは、一体何が起きたのかわからなかった。次の瞬間、「負けたな」と冷静に判断している自分に気づいた。震えは、羽生さんが自分の勝ちを確信して緊張感から解き放たれた、その安堵感からきたものだったのだろう。羽生さんの手の震えは、その後も希に見られるようになった。今では、「終盤で羽生さんの手が震えだしたら、観念するしかない」と言われている。

・最近のプロの将棋は、事前の研究が勝負に占めるウェートが極めて高くなった。パソコンの導入によって公式戦の棋譜がデータで管理されるようになってから、この傾向に拍車がかかったように思う。竜王だろうが新人だろうが、前例の将棋を知っていて当たり前の時代になった。そうした過去の棋譜データをベースにして、いかにそこに自分なりのアレンジを加えるかが重要になってくる。羽生さんは廃れた作戦に目を向けて、新たな息吹を吹き込んだ。

・羽生世代の棋士の出現により、定跡の体系化が急速に進められ、システマティックに様変わりしたのである。この手にはこの手、あの手にはこの手といった具合に、序盤戦から突き詰めて研究されるようになった。まず羽生世代の兄貴分的な存在である島朗九段が棋譜をパソコンで管理するようになり、データベースが生まれた。続いて、羽生さんが執筆された「羽生の頭脳」が画期的な定跡書となり、若い世代から大きな支持を得た。この2つの功績により、現代将棋は大きく発展してきたわけである。さらに、私たちの、いわゆるパソコン世代は、指し手をより機械的に決めるようになった。そうするのは、持ち時間を節約するためである。昔は、将棋盤の前に座ってから勝負という雰囲気だったが、今は事前準備の段階で、ある程度の勝負が着いてしまう。羽生世代がかつて指したタイトル戦の棋譜を見ると、序盤のごく普通の一手に大長考をしている。当時はまだ序盤の戦術が進化する途中の段階で、一手一手を確認する意味で時間がかけられていたのである。しかし、序盤の戦術が構築された現在では、こういった長考はまず見られない。長考する必要がなくなったからだ。

・郷田九段との対戦では2011年度のA級順位戦が印象深い。ひとことで言えば労せずして勝った、あっけない将棋であった。戦いは、はじめから「角換わり腰掛け銀」の最新形の通りに進んだ。どこまで行っても研究済みの局面から外れることがなく、それは、豊島将之七段の著書(豊島将之の定跡研究)に書かれていた通りの展開だったのである。私はその本を読んで研究していた。プロなら誰でも目を通しているはずと思っていたが、一向に変化してこないので、もしやと思った。そう、郷田九段は、豊島七段の著書をチェックしていなかったのである。こうなると、間違いなく勝てる。しかし、この勝利は、自分の力というよりも、まさに労せずしてといった感じだった。6時間の持ち時間が半分以上残っていたことが、それを物語っていた。逆に言えば、研究の勝利とも言えるだろう。情報化時代に乗り遅れてしまうと、事前の準備段階で圧倒的な差をつけられてしまう。

・タイトル戦が開幕する直前には、主催紙や専門紙からインタビューの依頼を受ける。すると必ずといっていいほど、「最近の調子はいかがですか?」と聞かれるのだが、いつも返答に困ってしまう。以前は、何とか繕って形になるようにコメントしていたが、最近は面倒なので、「「調子」という概念は、私にはありません。すべて実力です」と答えるようにしている。「そもそも調子って何ですか?」と逆に質問してみたくもなる。単に勝ち星が集まれば、「調子が良い」で、負け続ければ、「調子が悪い」ということであれば、「調子」という言葉をわざわざ使う必要もないだろう。ごく希に体調が優れないという理由で、思ったような将棋が指せない、ということはある。とくに冬場は、体調の良し悪しはあると感じることもある。しかし、それを含めて、すべて実力だ、と私は考える。体調管理も、勝負に臨む際の大事な要素だ。将棋の世界では「不調も3年続けば実力」という言葉があるが、私にとっては「調子の良し悪し」などない。すべて実力だ。

・将棋の勉強法のひとつに棋譜並べがある。音楽の世界でいう楽譜のようなものだ。棋譜を見れば、どんな将棋でも盤上に再現できる。私は修行時代にトッププロ同士の棋譜を何度も将棋盤に並べた。先人のトッププロが指した一手一手の感触を、身体にしみ込ませるためである。強い人の将棋は本筋の手の連続で、指し手の数々が実に美しい。棋譜を並べることで、こうした正しい駒の方向性が自然と身に付く。この繰り返しによって、常に本筋を選ぶ感覚が磨かれるのである。

・ゲンを担ぐことは、文字通り、気休めでしかない。人によっては、ゲンを担ぐことで平常心が保てるとか、気合いが入るということがあるのかもしれない。しかし、ゲンを担ぐことにそれ以上の意味はない。重要なのは、自分のベストを尽くすことだ。私は、対局に臨むにあたって、ゲンを担ぐかわりに、次のことを心がけている。まずは、事前の研究による入念な準備。次に、対局日に向けての体調管理。最後に、対局場まで無事にたどり着くこと。この3つが重要と考える。対局が始まってしまえば、勝つも負けるも、あとはすべて実力である。

・形勢判断の甘さは、油断につながる。プロ棋士としてデビューした当時は、少し有利になるだけで、その後はどうやっても勝ちだと思って、よく考えずに、どんどん指し手を進めることが多かった。しかし、棋士として激戦を重ねていくうちに、将棋の難しさや奥の深さを痛感するようになった。大優勢と思いこんでいたのに、実は互角に近く、油断して敗れるような経験をしてきたのである。私は、中学生でプロ棋士となった。私の将棋人生は、とくに大きなカベにぶつかることもなく、まさに順風満帆だった。ところが、プロ棋士として、勝ち進むにつれて、思っていたようにことが進まなくなった。はっきり言って、これは慢心以外のなにものでもない。慢心すれば、油断が生まれ、しっぺ返しを喰らう。そういうことを次第に身をもって知るようになったのである。

・対局中に相手の次の一手を読むときに、二つだけでなく、実はさらにもう一つのパターンをも考えるようにしている。一つ目は、本筋の一手。プロなら第一感という手で、奇をてらわない正攻法の一手である。二つ目は、裏切りの一手。意表に出るような勝負手を臭わせる一手、と言えば、わかっていただけるだろうか。そして最後の三つ目は、奇想天外のリスキーな一手。誰も想像できない悪手のような危険をはらんでいる一手だ。この三つのパターンを繰り返し読んでおくことで、気持ちに余裕が生まれるのである。どんな手を指されても、どんな局面になったとしても、対応できるようになる。意外に大事なのは、第三のリスキーな手を読んでおくことだ。というのも、この手を読んでおかないと、万が一、相手がその手を繰り出してきたときに、動揺してしまうからである。待ち時間を使い切った終盤戦なら、なおのことパニックに陥ってしまうだる。こちらにとって予期せぬ展開になってしまっては、相手のペースに飲み込まれてしまい、優位に戦いを進めることはできない。どんなにメンタルが強い人でも、平常心を欠いては正しい判断ができなくなってしまう。そういう状況に陥らないためにも、「想定外」を想定しておくことが重要なのである。

・将棋は、好手を指したほうが勝つというよりも、最後にミスをしたほうが負けるゲームであり、相手の協力なくしては、局面を挽回することはできないのである。羽生さんは、34分考えた末に、結局、正着を指してこなかった。なぜだろうか。おそらく、その手は、一見すると筋の良い手ではなかったからだ。形の良さや美しさにこだわるプロゆえの盲点とも言える。実は、私のほうも、対局中はその手が良い手だということに気がつかなかった。しかし、もし気づいたとしても、絶対に動いてはいけない。内心の動揺を悟られてしまうからだ。動揺していることが相手に伝わって、それが引き金となり、正着を誘発してしまうことも大いにありうる。苦しいときこそ、場の空気を変えてはいけない。トランプのババ抜きでジョーカーを引いたとしても、平然としていなければならないのと同じだ。むしろ胸を張るぐらいがちょうど良い。

・勝負を制するために必要なのは、何と言っても実力である。しかし、人間を相手にするゆえに、メンタル面も重要となる。常に相手との駆け引きが続いていくのが、将棋の勝負だからだ。苦しいときこそ、度胸を決めて開き直ることが大事である。ある対局の終盤、私が敗勢という場面で、負けを承知で相手の玉に王手をかけた。相手にその駒を取られたら私の負け。王手に対して相手が逃げてくれれば、逆転という状況だった。勝負に負けることは辛いことだ。その分、負けを意識したときに、気持ちを整理するのは、難しい作業となる。しかし、その苦しい状況で開き直れる大胆さこそが、最後のチャンスを生み出す。大事なのは態度と姿勢だ。私は胸を張り、自信満々の手つきで、その一手を放った。するとどうだ。相手は、王手に対して逃げてくれたのである。その一手により、逆転勝利を収めることができあ。もし、私が自信なさげに王手をかけていたとしたら、相手は、逃げずに正解手を指しただろう。まさに人間同士の戦いだからこその勝負のアヤだ。

・勝負においては、ブレることなく、平常心を貫くことが最も大事だ。平常心を欠けば、迷いが生じ、実力を発揮できなくなる。ミスをしてしまった場合でも、いや、むしろそういうときこそ、平常心を保つことが大事になる。平常心を欠けば、どんな達人でも、正しい判断ができなくなってしまうからだ。

・勝負に臨むにあたっては、まずは事前準備が重要である。しかし、終わってしまったことをぐだぐだと考えたり後悔するのは時間の無駄である。対局中に自分のミスで優勢をフイにしてしまうことがある。そこで、ミスしたことを後悔するか。それとも現状を受け止めて、割り切って、次にすべきことを前向きに考えるか。それこそが、むしろ最終的に勝敗を左右する。対局中に後悔したところで、マイナスにしか働かない。後悔ばかりしていては、むしろ局面をさらに悪化させてしまうだろう。どんなに後悔しても過ぎ去った時間は元に戻らない。だとすれば、後悔は時間の無駄でしかない。もちろんミスは、事前の準備によって、極力避けるべきだ。しかし、将棋においても、日常生活においても、ミスを犯したときに、次にどう行動するかで、その人の真価が問われるのである。私はあまり過去を振り返らない。大事なのは、未来であって、現状での最善を求めることだからだ。その前向きな姿勢こそ、チャンスが巡ってきたときに、そのチャンスをしっかりと掴むことを可能にする。

・私の将棋は、決断が良い、見切りが早い、とも言われる。それは何より、終盤の勝負どころに向けて、持ち時間を温存しておくためである。嫌いな手は頭に浮かんでも、深くは読まずに切り捨ててしまうことがある。時間を有効に使うために見切るのである。また、たとえ読み切れない場面であっても、可能なかぎりの精査をしたうえでの結論であれば、いったん決めてしまった以上は、自分の判断に自信を持つようにしている。大事なのは、自分自身で考えて結論を出すことだ。失敗したとき、他人任せでは後悔してしまう。しかし、自分で決めたことであれば、あきらめるしかない。そういう経験を積み重ねることで初めて判断力や見識が身についてくるというものだ。実力は、失敗を糧に身に付くもの。失敗をどう次につなげていくかが重要だ。

・重要なのは、自分自身がその局面をどう判断するかだ。過去の棋士が勝てなかったとしても、自分なら何とかできるのではないか、と考えてみることだ。データには、単に勝敗が記されているだけである。順当勝ちであったのか、逆転勝ちであったのかは、棋譜を並べてみないとわからない。勝負は結果がすべてである。そのため、新しい手は、勝てば流行するし、負ければ自然と忘れ去られる。しかし、他人が見落とした部分にこそ、大きなヒントが隠されているものだ。また棋譜データには、デビュー間もない若手棋士のものから、タイトルホルダーのものまで、さまざまなものが混在している。若手棋士のものと、羽生さんのものとでは、当然ながら信頼度がちがう。過去のデータを参照するにしても、そこに新たな息吹を吹き込み、自分なりに加工することこそが大事なのである。そのようにして初めて自分自身の糧となるのだ。

・棋士も人間である。常に将棋のことを考えているように思われるかもしれないが、決してそうではない。もちろん毎日考えている棋士もいると聞くが、私の場合は、将棋について何も考えない日もあえてつくるようにしている。むしろそのように切り替えるほうが、必要なときに新鮮な気持ちで将棋に打ち込めるからだ。将棋のことを考えない日は、おおむね土曜と日曜。カレンダー通りであるが、中央競馬の開催日という理由もある。土日に仕事が入ることもあるが、そうでなければ、自宅で朝から趣味の競馬を堪能している。私は、年間約2千レースもの馬券をインターネットで購入する。予想が的中すれば、嬉しいし、外れれば、悔しい。全く単純な話ではあるが、そのように予想を立てて、一喜一憂することは楽しいし、良いリフレッシュにもなる。

・才能とは何か。熱意こそ、才能である。将棋で言えば、将棋の研究に時間をかけられる熱意こそ、才能である。好きなことであれば、子どもは、親から言われなくとも、みずから進んで取り組み、どんどん吸収し、力をつけていく。プロ棋士になってからは、日々の研究がもつ意味は、以前とは異なるものとなったが、プロ棋士の実力も、日々の研究に対する熱意にもとづくことに変わりない。その意味では、誰にでもチャンスはある。しかし、熱意を持ち続けることは、そう簡単なことではない。基本的に棋士は、日々、一人で研究を行う。一人で気楽だ、ということはある。しかし、一人で研究を続けるのは、かなり苦痛な作業だ。さぼろうと思えばいくらでもさぼれるからである。まさに自分との戦いだ。「1日何時間、将棋の勉強をしているか?」と聞かれるが、それなりに時間をかけてきたつもりだ。熱意では誰にも負けないという自負もある。その自信が、ここぞという場面で心の支えになるのである。

・同級生が日頃から学業に励んでいるのを脇に見ながら、ひたすら将棋の勉強に明け暮れた。その結果、中学生棋士になることができたのである。このとき、勉強は裏切らない。やっただけ必ず身につき、力になる、ということを実感したのである。この経験は大きかった。高校に進学すると、それなりに忙しくなった。進学校なので、以前よりも学業に比重を置く必要に迫られたのだが、それにしたがって、将棋の成績は落ちてしまった。しかし、何も心配することはなかった。将棋の勉強をしなければ、苦戦するのも当然だ。今は、高校生活を大事にしよう。長い棋士としての人生を考えれば、この高校3年間は、貴重なものとなるかもしれない。将棋に打ち込むのは、高校を卒業してからでも遅くはない。そう考えたのである。高校を卒業して、再び将棋の猛勉強を始めた。結果はすぐに表れた。19歳で初めてタイトル戦(王座戦)の舞台に立つことができた。初の檜舞台は、惜敗したが、翌年20歳の冬には、二度目のタイトル戦となった竜王戦で、念願の初戴冠を果たせたのである。

・中学3年で3段リーグに参加するようになってから、本格的な勉強を始めた。朝起きて1時間勉強してから学校に行き、夕方帰宅した後は、夕食と風呂以外の時間は、すべて将棋盤に向かった。中学生棋士になるために、相応の努力をしたのである。若くしてプロになることは、棋士人生にとって、間違いなくプラスだ。伸び盛りの若いときにプロの真剣勝負の場を経験することには、何にも優る意義がある。私も含めてタイトルを手にした棋士は、皆、おおむね20歳前後で初戴冠を果たしている。その意味では、20歳前後で将来が、ある程度、見えてしまう厳しい世界なのである。棋士として、プロになるには、若ければ若いほどよい。もちろん、20代でプロになる棋士もいるが、いずれにせよ、プロになってから10年の時点で、どのポジションにいるかによって、その棋士の将来は、ある程度見えてくる。

・福永騎手がこう語ってくれたのである。「自分の限界を勝手に決めていたが、人間は、気の持ちようで進化できる。伸びしろは増えるものだ」2010年頃から福永騎手は、改めて自分の騎乗フォームを見直したそうである。そのために、専門のコーチをつけた。しかも、そのコーチは、動作解析の専門家で、馬に乗った経験のない人だった、というから驚く。その甲斐あって、リーディングジョッキーに上り詰めたそうだ。


<目次>
まえがき
第1章 永世竜王への道のり
 1分33秒の大逆転
 永世竜王をめぐる戦い
 フランスでの競馬観戦
 将棋観を全否定された思い
 将棋は負けてこそ強くなる
 秘策は温存せずにすぐに使う
 いよいよ最終決戦
 読み筋が合う
 羽生さんとはいつでも真剣勝負
 翌朝の記事で初めて実感が湧く
第2章 羽生さんという棋士
 羽生さんは「生きる教材」
 万能だからこそ特徴がない
 役者がちがった初対局
 強い人ほど負け将棋の内容が良い
 羽生さんならではの感覚
 初の大舞台でカド番に追い込む
 「羽生を震えさせた」
 羽生さんに勝ってこそ真の竜王
 竜王戦で羽生さんと戦えた幸せ
 史上初の三冠対決で得た経験
 羽生さんの偉業について
第3章 羽生世代との戦い
 昭和57年組の活躍
 羽生世代の将棋観
 タイトル戦での苦労
 草履履き間違え事件
 女将の挨拶中に有馬記念を観戦
 読み筋が合わない佐藤康光九段
 移動のバスで競馬談義
 有言実行で竜王三連覇
 丸山九段との研究合戦
 後頭部に冷却シート
 郷田棋王に勝ち初の三冠
 繊細な一面を見た
第4章 すべて実力-将棋にツキは関係ない
 偶然的要素の少ない勝負
 淡々と勝負に臨む
 「調子」という概念はない
 「指運」も実力
 10秒でも読む
 不断の努力によって磨かれる「勘」
 競馬も読み
 ゲンは担がない
 勝負を決める事前準備
 振り駒-先手と後手のちがい
 タイトル戦に関する谷川理論
 米長哲学について
第5章 読みと見切り-勝負を制する心構え
 将棋の読み
 一手後の局面は闇
 奥の深い形勢判断
 「想定外」を想定する
 三手目で相手の実力が分かる
 人間相手の勝負
 苦しい状況で開き直れる大胆さ
 平常心を保つ
 後悔は時間の無駄
 ミスを防ぐ精神的余裕
 机上のメモでリスク回避
 見切りの大事さ
 悪手は相手がとがめてこそ悪手
第6章 コンピュータが将棋を変える?
 驚異的なコンピュータ将棋ソフトの実力
 負けても不思議ではない
 フェアな勝負ではない
 棋士とコンピュータのちがい
 電子機器の取り扱い
 コンピュータとの共存
 データの正しい活用法
第7章 プロ棋士として生きる
 プロ棋士にとっての日常
 将棋のことを考えない日もつくる
 休むことも仕事
 楽しいと感じることがない対局
 三段と四段の大きな境目
 熱意こそ才能
 中学生棋士として
 20歳で未来が見える厳しい世界
 持続力が第一人者の条件
第8章 永世竜王としての
 トッププロとしての悩み
 憧れだけでは勝てない
 棋士としての礼儀
 タイトル戦での立ち居振る舞い
 常にある危機感
 失冠しても保たれた信用
 名人位に対する執着はない
 永世称号と引き際の美学
巻末付録
 年譜
 年度別勝率
 第17期(2004年度)竜王戦 決勝トーナメント表
 竜王戦 勝敗表
 竜王戦以外のタイトル戦 勝敗表
 渡辺明・羽生善治 全対戦成績

面白かった本まとめ(2013年下半期)

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セイロンドロップ(東京 水道橋)でディナーセットを楽しみました!

2014年01月22日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 食べログで高評価で、スリランカ直輸入の紅茶が評判の東京の水道橋駅から徒歩約3分のところにあるセイロンドロップへ行ってきました。
 お店は神保町駅と水道橋駅の間で、白山通りから10mほど入った左側にあります。

1img_2158
↑店構え

 店内は、カウンターとテーブル席があり総数20人ほどが入るこじんまりとしたお店ですが、白色を基調としていて、新しく綺麗で好感が持てます。
店長はヴェル・カルナモルティさんで、料理も作りますが、こんなに綺麗な店づくりをするとは素晴らしいと思いましたね。
絵や時計もお洒落です。
料理もきっと美味しいだろうと想像させられます。
また、棚にはセイロンティの茶葉が置かれていて、茶葉の販売もしているようです。

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↑店内

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↑店内

 水と紙のおてふきが運ばれ、さっそくメニューを見ます。
軽食とディナーのメニューがあるとのことでした。
ティールームのお店ですが、お腹が減っていたし、ディナーセットがあって嬉しかったですね。

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↑ディナーセットのメニュー

1500円の紅茶付きのディナーセットを注文します。
ライスかパンが付き、紅茶も選べます。
肉か魚を選べ、今日は魚がスズキとのことで、ここは健康的に魚を選びました^_^)
紅茶はオーソドックスにHOTのオリジナルブレンドを選びました。

2000円のディナーセットだとオードブルがプラスされます。

 店内のメニューを見ると、ハンドメイド(手作り)のスコーンやケーキとのティーセットもありましたね。
こちらも美味しそうです。

5img_2161
↑ティーセットのメニュー


 しばらくしてサラダが運ばれました。
メニューにはこのサラダについては特に書かれていなかったですが、嬉しいハプニングですね。
たっぷりのレタスにドレッシングがかけられ、そして薄く切られたリンゴが添えられていたのは珍しいですね。
甘いリンゴがドレッシングとも合い素晴らしいです!
おいしいです!
お皿も綺麗なのが嬉しかったですね。

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↑サラダ

 そして、メインのスズキがライスと共に運ばれます。
 スズキは骨付きで3つもあり、パプリカと薄いポテトと共に、たっぷりで少し辛みのある赤いソースに囲まれています。
 スズキがほどよく調理され、ソースと合い、さすが美味しいです!
スズキには背骨があって少し食べにくいのが残念ですが、辛みのあるソースが美味しく、ライスとも合いますね。
こりゃぁ美味しいです!
ちと辛いですがソースはスプーンで平らげてしまいました^_^;)
 
7img_2166
↑魚料理

 そして、最後にスリランカ紅茶が運ばれますが、アツアツでほんのり甘みがあり、美味しい!!
この紅茶の美味しさには特に驚きましたね!
さすが本場の味です!
この紅茶は特に素晴らしいと思いました!
今度はジンジャーティーを楽しんでみようかなと思います。

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↑オリジナルブレンド ホットティー

 セイロンドロップは想像以上に美味しい料理と紅茶を楽しめ、とてもオススメです!
今度はオードブルも楽しんでみたいと思います。


美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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セイロンドロップ

夜総合点★★★☆☆ 3.6
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「LOTTORP(IKEA)」という目覚まし時計はとてもオススメ!

2014年01月20日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
「LOTTORP」の購入はコチラ

千葉県船橋市にあるIKEAに行った際に、「LOTTORP」という目覚ましが、なんと299円という格安な値段で売っていたので、買ってみました^_^)

Aimg_1753
↑LOTTORP

299円という破格値には本当に驚きましたね^_^;)

しかし、そんな格安なお値段にも関わらず、以下の4つの機能があるという秀れものです。

<機能>
1.カレンダー機能
2.温度
3.タイマー
4.アラーム

温度が分かるというのは一風変わっていますね^_^;)

そして特筆なのは、その4つの機能の切り替えを簡単にできるということです!

普通の腕時計等では、切り替えはボタンを押すことによって行うと思いますが、なんとこの「LOTTORP」は、転がすだけで機能が変わるのです!

 この「LOTTORP」は正面が正方形で直方体なのですが、画面の周りには、時計や砂時計、温度計マーク等があり、それぞれを上にすると、切り替わるというものです。

ちなみに、温度計マークを上にすると、以下のように液晶画面が数秒間青色になって、温度を示しました。
温度は摂氏と華氏の切り替えができ、その表示可能温度は「摂氏0~50℃」「華氏32~122°F」となります。

Cimg_1755
↑温度計


また、砂時計マークを上にすると、タイマーとなり液晶画面が数秒間緑色になります。
タイマーは99分まで設定でき、1分間鳴ります。

Dimg_1756
↑タイマー


そして時計(アラーム)マークを上にすると、目覚まし時計で液晶画面が数秒間水色になります。
アラームは45秒鳴ります。

Bimg_1757
↑アラーム

なお、カレンダーモードでは、液晶画面が数秒間赤色になり、西暦、年、月、時、分、曜日が表示されます。
時刻表示は12時間表示になります。

なお説明書は、日本語・英語・スウェーデン語の表記でした。

Eimg_1748
↑説明書

たった、299円で4つの機能があり、使い方は簡単で、それぞれの機能を使うには転がすだけでよく、しかも液晶画面はそれぞれの機能毎にカラフルに変わって楽しく、「LOTTORP」はとてもオススメですね!!

なお、Amazonで買うと、お値段は高いようですね。
IKEAに行くと安く買えるようです。

難点はちょっと目覚ましの音量が小さいかなという点だけですね。
「LOTTORP」はとてもオススメです!

お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

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「マネーの正体(吉田繁治)」という本はとてもオススメ!

2014年01月17日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>


「マネーの正体(吉田繁治)」の購入はコチラ

 「マネーの正体(吉田繁治)」という本を読みましたが、この本はお金の本質を学ぶ意味ではイチ押しでオススメな本ですね!

 この本は現在流通している「お金」とは何かについて、わかりやすく丁寧に説明したものです。

 具体的には、信用貨幣の根源、中央銀行が独占するお金の発行、発行益(シーニョレッジ)、信用乗数、そして2019年のBISのバーゼルⅢによる銀行の資本規制の強化(8%→10.5%)とその影響、経済成長、ゴールド(金)とFRBの戦い、デリバティブの影響、日本の今後の財政、今後の金融資産の防衛等について分かりやすく説明があります。

 マネーに関して私自身疑問に思っていたことについても明確に書かれていましたし、知らなかったことや、関心を持ったことも数多く書かれてていて、かなり考えさせられそしてとても勉強になりました!

 またこの本は2012年に発行されたのですが、もっと早く読めばよかったなぁと反省しましたね。

 というのはこの本が執筆された当時は1ドル80円で、2013年から円安に向かうだろうと書かれていて、まさにその通りとなっていて、データに基づいているとはいえ、その眼力は凄いと思います。

 また今後については日米欧と金融緩和が進むなかで実質的にお金の価値は下がっていて、日本が財政破綻に向かえばもっと円安になるし、金(ゴールド)が莫大に発掘されない限り、金(ゴールド)を長期的に持っていたほうが良いのかなと思いましたね。

「マネーの正体(吉田繁治)」という本は、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・①08年からの米国のサブプライム・ローン危機、②そして1000兆円の住宅ローン債権の下落では、潜在的に500兆円くらいが失われているはずです。住宅価格が半分になっているからです。経済規模(GDP)が、14兆ドル(1120兆円と日本の2.2倍(1ドル80円で計算))の米国とほぼおなじ欧州も、1000兆円の住宅ローンがあるでしょう。欧州の潜在損も、南欧を中心に500兆円はあると推計できます。米欧の住宅ローン関連だけで、1000兆円の潜在損が、金融機関のバランス・シートに隠れているはずです。これが米欧の中央銀行が、500兆円のマネーを刷って、銀行に貸し、国債を買った理由でもあります。事実、米国のQE3では、FRBが、売買市場が消えているMBS(不動産ローン証券)を、全額無制限で買うと表明しています(12年9月14日)。なお、米国の住宅ローンでは、担保の住宅を手放せば、ローンの残債を支払う義務からも解放されます(1930年代の大恐慌のときつくられた制度)。このため、いったん住宅価格が下がると、売り物件が増え(抵当流れ:フォアクロージャー)、もっと下がる傾向を示します。このため、米欧では住宅価格の下落はそのまま金融機関の損になります。この点、住宅を手放しても残債がどこまでも個人追う日本とは異なります。AMEXの使用額無制限のクレジット・カードでも住宅が買えたのが米国です。

・ゴールド(金)は、ほぼ2000年からドルの反対通貨と認識されるようになって、高騰しました。FRBがつくられた1913年以降、ドルが過剰発行されたからこそ、金が上がっています。金の高騰の原因は、ドルの過剰発行(紙幣価値の低下)であり、単純です。

・2012年7月末の、日銀のマネー供給の総額は、全体で146兆円です。1998年の日本の銀行危機以後、銀行への資金供給によって約100兆円膨らんでいます。日本の金融機関の、バブル崩壊後の、銀行が抱えた担保不足の不良債権は、金融庁によって約100兆円とされました。この不良債権額に相当する分が、日銀から銀行部門に供給されています。日銀の印刷マネーの貸付によって、銀行の破産と預金のカットが防がれたと言っていい。信用乗数(12.5倍)が高まらない原因も、銀行に不良債権と、潜在的な不良債権が残っているからです。マネーはじゃぶじゃぶに供給したと言われながら、バブル期のようには世帯や企業にマネーがあふれないのは、銀行部門の潜在的な不良債権のためです。不良債権の上にかぶさった過剰流動性は、銀行システムのなかだけのことです。海外では、米国FRBが、07年の3.2倍の2.8兆ドル、欧州ECBでは2.6倍の3.1兆ユーロです。スイスも、ユーロからの買いで高騰するスイスフランをおさえる介入のため、中央銀行が4925億フラン(41兆円)に、マネー供給を4.1倍に増やしています。

・現在、1000兆円の国債残高で、1年に40兆円から50兆円の新規国債を発行せねばならない財務省の心理も同じです。日本は金利が2%上がって3%台になると、18世紀のジョン・ローが活躍したフランス政府のように利払いができず、国家破産に向かうからです。このため財務省は、消費税を10%にあげることで、税収のほぼ12兆円から13兆円の増加を図り、毎年40兆円から50兆円の新規国債発行を、30兆円から40兆円に下げて、国債の信用危機を避けようとしています。

・中央銀行は、自分が発行する紙幣で自己増資もできるため破産しません。国家も、「政府紙幣」を発行できる信用があれば、国家が、中央銀行や徳川幕府と同じように「シーニョレッジ」の利益を、国民の金融資産からかすめとって支払いにあてることができるので、国債の利払いがいくあっても破産はしません。ただし政府紙幣が多額なときは、半年から3年内には国民が受ける物価のインフレが起こります。中央銀行のマネー発行でも同じです。インフレは、その国の通貨価値の下落です。その通貨は外為市場で売られ、金利は上がって通貨安になります。インフレは通貨の信用が壊れることです。なお通貨とは、他国のお金との外為交換という意味でのお金です。

・BIS(国際決済銀行)は2012年からはじめて2019年には、08年以降、巨大な不良債権を抱え続けている世界の銀行に対し、バーゼルⅢ(自己資本比率10.5%)を課す予定です。このため信用不安から銀行の増資(世界で400兆円規模)ができないと、マネー・サプライ量(M3)で20~30%の縮小が想定されます。バーゼルⅢが実行されたあとの世界経済では、マネー・サプライ量の減少から、デフレ型の不況と信用危機が続く可能性が高いと見ています。金融資産が増えているため、デフレとインフレは紙一重になっています。なぜ、バーゼルⅢが実行予定なのか、不明です。公式には「世界金融の正常化」のためですが、バーゼルⅢを実行すると日本の銀行への1998年以降のバーゼルⅡ(自己資本比率の下限8%)の適用に似て、世界の金融危機は高まります。米欧の主要銀行の、本当の自己資本比率(合計自己資本は公称200兆円)は、リスク資産額(約4000から5000兆円)に対し、4%から6%しかないからです。これは、1929年から30年代前半に、米国FRBが、株価と不動産の暴落による不良債権で破産状態の銀行に、マネーを供給しなかったため実体経済が大恐慌(米国に失業率25%:GDPは50%に縮小)におちいった歴史に似ています。

・ドイツがもっていたユーロへの狙いは、日本に円をアジアの基軸通貨とする意思があるのなら、想像できるはずです。アジアが円を使うなら、日本は、あたかも金細工師のようにシーニョレッジとしての通貨発行益をタダで獲得できるからです。日銀が通貨を増発すれば、それで輸入商品が、日本に手に入れることができます。ただし、現在の日本にはこの意思も力もありません。英国ポンドは、小さな島国であっても、19世紀の基軸通貨でした。第二次世界大戦をはさむ20世紀の約50年で、次第に米ドルに替わっていったのです。

・2000年からのユーロ統一通貨は、米ドルに、基軸通貨特権を、独占させないことが真の目的でした。このため、南欧債での損害に対し、2012年8月までに3兆ユーロの紙幣を印刷しても、南欧をユーロから切り離さないというドイツとEU当局の姿勢が出ているのです。ドイツは、現在、自分の金融資産を注ぎ込んでも、南欧を救済しようとしています。2012年9月初旬に、ECBは、「PIIGS債を無限に買い取る」と言明していました。なおユーロの仕組み言えば、フランクフルトにあるECB本店(ドイツ)だけが、ユーロ印刷の権限を持っています。ギリシャやスペインにあるのはECBの支店です。支店は、ユーロを印刷できず、本店から借りるだけです。

・FRBへの資本への出資者は、これも不思議なことに米国政府ではなく、伝統の長い民間銀行です。FRB設立の経緯と本当の事業目的は、謎めいています。出資者の民間銀行の株主と、その株主への資金提供者をたどれば、確かに、英国債を売買してきたロスチャイルド家や、石油閥のロックフェラー家に行き着きます。

・イタリアの14世紀から16世紀(ルネサンス期)までの、フィレンツェ(トスカーナ公国)の政治と金融を全部支配していた、ゴールドのメジチ家のようなものが、ロスチャイルド家でしょう。マネーを貸し付けることによって相手を支配できるからです。お金がないか、借金超過なら、自分の意思で行動する自由がないからです。借金は、人から、行動の自由を奪います。

・米国FRBの資本は、民間銀行の持ち株を経て、確かに、ロスチャイルド家につながっています。しかしマネー印刷や金融政策は、FRBの株主ではなく、FRSの理事会が決めています。その前議長がグリーンスパン、現議長がバーナンキです。FRSは、任期14年の理事9人(空席もある)によって構成されています。FRBの株主(民間銀行)は、9人の理事のうち6名を選任できます。少し複雑ですが、FRSの議長は、株主ではない米国大統領が指名し、議会の承認を得て就任します。株主の意向は、理事の選任を通じて反映できますが、FRSの政策決定は、世界からモニターのなかにもあるため、金融政策は隠れた株主であるロスチャイルド家の意思である、とまでは言えないと感じています。その点で、ロスチャイルド陰謀説に加担しません。ただしFRBの本当のバランス・シートに、公表される数値以外に、隠れたドル印刷があるとすれば、若干は、話は別になります。FRBが、秘密裏にマネーを銀行や政府に出していると主張するのは、共和党の下院議員ロン・ポールです。こうしたことは、自分がとる金融政策を、あらかじめ言う義務がない中央銀行が行うことがあります。2012年6月の事例では、ECBが、ギリシャ政府と銀行に対し、公表する金額とは違うユーロを、隠れて供給していることが明らかになっています。

・BISは、国際金融マフィアの総本山であり、米国、英国、ユーロ(17カ国)、日本を含む各国政府の上にあります。マフィア(固有の倫理と論理をもつ集団の意味)というのは、当方の用語ではない。国際金融では普通に言われることです。BISも公的な機関ではなく、私的な金融資本だからです。米国のFRSには米国政府が関与していますが、BISに対してはどこの政府も関与できません。BISは、各国の中央銀行から預金を預かって、中央銀行やIMFに貸付けをしています。BISの資本はベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、英国、日本という6カ国の中央銀行が各1万6000株を出資し、米国の3つの民間銀行(JPモルガン、ファースト・ナショナル・バンク・オブ・NY、ファースト・ナショナル・バンク・オブ・シカゴ)の3銀行が、1万6000株ずつ合計で4万8000株を持ちます。BISの資本は、事実上、米国の民間3銀行が支配しているとも言えます。

・BISの役員と職員(約600名)には、外交官特権とおなじ「治外法権」が与えられ、金融国スイスの法も課税も及びません。各国の為替の最終決済ができないと、金融は動くことができません。仮にドル・円交換停止になったときを想像すれば、日本経済は奈落に落ちるのでわかります。BISが、よもやこれを発動することはありませんが、発動する権限はもっています。戦争となると、別でしょう。2012年に米国政府が、米銀やスイスの銀行へのイラン所有の預金に対し、封鎖(引き出し禁止)を命じ、日本を含む世界に協調を要請したようなことです(これが経済封鎖です)。商取引に必要なマネーをおさえれば、経済を封鎖できます。

・バーゼルⅢの自己資本比率10.5%が適用されると、世界の民間マネー・サプライは、「8.0%/10.5%=76%」へと、24%も減らざるを得ません。金額でいえば驚愕します。世界のマネー・サプライはGDP(5000兆円)の約3倍の1京5000兆円です。1京5000兆円の24%は、3600兆円分に相当するリスク資産(貸付金と有価証券)を、銀行が減らさねばならない。これは、強烈なデフレ型恐慌を招きます。日本の銀行も同じです。

・BISのバーゼルⅢ(2019年から適用予定)は、国債もリスク資産と見るような変更も含んでいます。国債がリスク資産とされれば、銀行が保有国債を売らねばならず、明確に政府の財政破産が起こります。

・21世紀に増える、物的な商品ではないサービス産業は、個人の知識と技術によるものであり、会社の組織的な知識・技術(例えば量産工場)ではないことです。不動産担保のない個人事業(1億2000万人)に、米国では、エンジェル投資家やファンドによって、資本が供給されています。米国は、1990年代からの情報とサービス業時代とともに、個人事業の時代になっています。日本も、同じ方向しかない。根本を言えば、個人化した情報システムが事業の設備です。パソコンとインターネットが促すのは、過去の、大規模な設備が必要だった加工機械(大資本)とは違う産業の革命です。サービス業も、まとめて言えば知識産業です。

・不動産が担保になって平均年率12%で値上がりしていた時代(1990年まで)は、日本経済は、企業融資の増加があり、成長していました。我が国の信用創造の制度は、金本位や信用貨幣ではなく、不動産本位でした。不動産本位から脱却せねば、21世紀の日本の実質経済成長と個人所得(=GDP)の増加はありません。断言できることです。

・人口減と高齢化で、全国の空き家は17%(住宅ストック5759万戸のうち757万戸:08年総務省)に増えています。2003年から100万戸も増加しました。高齢化と地域の人口減が、住宅への需要を減らしたからです。日本全国でいえば、30年後に現状の人口を維持(または若干の増加)するのは、東京、神奈川、沖縄、滋賀の4県だけです。その他の県は人口減です。このことは、不動産の値上がりがないため、不動産担保の融資では企業にマネーが増加供給されず経済成長ができないということです。

・1991年から2012年までの21年間、主に、ゼネコンや下請け企業群の損失補填や負債の返済に使われたため、建設業の、600万人の正社員や臨時雇用の賃金が上がる乗数効果は低く、その後のGDPを増やすことがなかった公共事業と公共投資が、650兆円です。その借金が政府に、1000兆円の国債と短期借入金の残として残っています。信用貨幣による信用乗数から、ここまでわかります。

・21世紀は、個人事業が全国に増え、数人の文殊の知恵型の個人事業が、経済を発展させる時代です。日本の30歳代、40歳代、50歳代のほぼ5%の人(250万人)には、ノウハウはあります。資本がないだけです。250万人のミニ企業予備群に、事業計画の審査をし、政府が100兆円を費やせば1社あたり2億5000万円です。日本には米国のような、個人金融資産が多額なエンジェル投資家がいないので、政府と銀行がこの役割を果たす必要があります。技術資源は、大組織からのリストラを受けた人や、早期退職制度で辞職した個人が中国、韓国、アジアの技術顧問になっているくらいで、まだ十分に残っています。しかしあと10年も後になると、65歳や70歳を超えて難しくなります。必要なのは、ノウハウをもち成長の可能性があるミニ企業への真正の、政府や自治体の資本での「投資銀行」です。現在、土地担保主義の日本にはこれがない。ここが、経済成長がない理由で最大の要因です。地方自治体も、20世紀型の空きだらけの無駄な工場団地、流通団地ではなく、21世紀型の個人事業の集合ビル、集合地帯を安い地代でつくる支援をすることです。販売では、インターネットで10億人の世界がマーケットになります。21世紀は、生産地はどこであってもいいのです。

・現在、成長できる企業寿命は10年と短い。30年以上続く会社は10%(25万社)、10年付近でしかないグループが50%(125万社)、10年以内に消える会社が40%(75万社)ということです(推計)。このため1990年代から、生涯賃金が2倍くらい高く、年金と福祉も厚い公務員人気が高いのです。

・過去を調べると国際的な金融の大きな変化は、多くが8月15日を中心に起こります。理由は、8月は、米欧のファンド・マネジャーが長期バカンスでリゾート地にいて、緊急の売買に遅れるからです。政府や中央銀行が相場を動かしやすくなるからです。15日は、第二次世界大戦終結のシンボルの日です。

・金の現物価格を決めているロンドン市場に言及します。金を売買する銀行がブリオン・バンクです。ブリオンは金の延べ棒の意味です。金は、ドル、ユーロ、円、人民元と同様、通貨と考えられています。ブリオン・バンクは欧州に多数です。日本でも1978年の金自由化以来、銀行で金現物を取り扱っています。日本の場合、銀行法によって貴金属取引の範囲が限定されブリオン・バンクはない。売買の代役は、商社が果たしています。国際的な金現物の取引における指標価格は、午前と午後の2回、ロンドン金市場(黄金の間)でフィクシング(値決め)されます。フィクシングにあたっている07年現在のメンバーは、①デル・バンコ系のスコシア・モカッタ銀行(ここがメインです)、②バークレイズ、③ドイツ銀行、④HSBC、⑤ソシエテ・ジェネラルの5社です。なお、金証券の売買である先物市場ではNYが中心です。現在、金でも差金決済の先物市場が、現物市場より何倍も大きくなっています。この先物市場(COMEX)は、欧州に金取引を独占させないため、米国がつくったものです。

・1999年、欧州15カ国の中央銀行(EU加盟国)がワシントンに集まり、不思議な決定が行われます。向こう5年間、中央銀行の金売却を400tまでに制限するという条約(ワシントン条約)です。1980年には、イランのイスラム革命の後、米銀へのドル預金を米政府に封鎖された中東の買いを原因に、1オンス850ドルまで高騰した金価格は、80年から90年代の20年間、欧州の中央銀行の協調による金売却で、1990年代は252ドルの底値をつけるくらい下がっていたからです。再び、金が高騰することはないと中央銀行が考えたためでしょう。ところがこの1999年の売却制限を機に、金価格は330ドルへ上昇したのです。奇妙なことに、ワシントン条約の最初の起草には、FRBは、日銀と同様に参加していません。欧州の中央銀行間の条約だったのです。参加15カ国の金保有は、1万5994tです。なおFRBと日銀は、このワシントン条約に従うという参加でした。ワシントン条約の条項は以下です。
1.金は今後も、世界各国の重要な準備資産であることを確認する。
2.署名した中央銀行は、決定済みの売却を除いて、売り手として参加しないこと
3.決定済みの金売却h、今後5年間にわたり協調プログラムのもとで実施されること。年間の売却量は400t以下、5年間の合計売却量は2000tを超えないこと(2000tには、売却決定済みの1715tが含まれている)
4.署名した中央銀行は金の貸出(リース)と、金のデリバティブ取引を拡大しないこと
5.協定は、5年後に見直されること
6.IMF、BIS、米国FRB、日本も同意を表明

・金の売却を制限するワシントン条約は、金が高騰したあとも2004年、2009年と2回更新され、現在の有効期限は2014年末です。これは、FRBを筆頭とする米欧の中央銀行の金がなくなっていることを証明するものに思えます。金が十分あるなら、史上最大の2000年代の高騰に対し、基軸通貨を発行するFRBが売りに出て、価格を下げるはずだからです。金価格は米ドルに対して1600ドル~1700ドル付近であり、1980年の最高値850ドルの2倍に高騰したからです。需要では、投資用が40%のシェアに増えています。推測では、1980年から1999年の20年、一貫して金現物を買い占めたのは、イタリアが本拠のデル・バンコ系のスコシア・モカッタ銀行とされています。なおデル・バンコは、BISの大株主です。もしデル・バンコなら、買い占めてきた金の5倍への高騰で現在、世界中で最大の純資産(最大資本)の銀行です。古来、長期投資の方法は、「羊は太らせて食え」です。

・金価格は、短期では資源と同じように、ヘッジ・ファンドによる先物の投機買いやオプションでの買い、あるいは先物売りやオプションの売りで動きます。ただし、ヘッジ・ファンドの売買は、基本が裁定売買(ヘッジ)であり、資源と同じ仮需です。金価格が下がるときは、ヘッジ・ファンドが他の証券や資源で損をし、投資家に対する3ヶ月サイクルの決算報告で利益が出ているものの、換金売りを迫られたときです。ヘッジ・ファンドも銀行と同じように損をすれば、投資の引き揚げが起こるからです。短期で上がるのは、その逆です。2008年以降、次第に、「ゴールドは、価値を下げる米ドルの反通貨」と認識されるように変わっています。このため、米ドルが上がるときは下がり、ドルが下がるときは金が上がる逆傾向を示しています。世界の準備通貨になっているのは、基軸通貨のドルです。中国を含む新興国の中央銀行には、価値を下げる米ドルの代わりにゴールドを買い増しする動きがあります。ここまで示せば十分でしょう。中期(3年スパン)で言えば、金価格はスイス・フランと同様に上昇するでしょう。短期では価格騰落を繰り返します。投資でいい方法は、買って忘れることです。そして毎月上がっても下がっても、可能な一定額を買い続ける定期積み立ての方法です。こうした投資は、失っても惜しくないマネーで行うことです。

・財政破産は、官僚経済の破産です。街と命を一瞬で消した3.11の津波のように恐れる必要はない。財政破産は、徳川幕府が明治維新に、敗戦が戦後になったような変化です。明治維新では、廃藩置県で幕府(中央政府)、大名(地方自治体)と、武士(官僚)が領土を失いました。ただし現代では、年金、医療の福祉の、ほぼ30%の必要額削減になるのが、痛いことです。しかし純金融資産を持たず、現在の社会福祉制度が続けば一人あたり1200万円の損をする30歳代、1660万円が損になる20歳代、4580万円がマイナスになる19歳以下、つまり合計5581万人の人たちにとって、現在の福祉と金融資産が約30%ご破産になるのは希望を与えることかもしれません。財政破産の結果は、政府が、払える範囲でしか払えなくなるということです。少なくとも30兆円くらいの支出を減らす必要があり、これが、年金と医療の福祉の30%削減と公務員人件費の30%カットです。財政破産になると、1513兆円の個人金融資産も、その実質額が30%は減る方向に向かいます。

・国家財政の破産がないとすれば、世界の金利は、2%台以上に上がることは想定できません。今後は、一時的、短期的(半年内)には、3%になることがあっても、それ以上になると、日米欧同時の、財政破産だからです。財政破産の可能性が100%ないのはドイツとスイスだけです。世界は、平均でGDPの3倍の負債(1京5000兆円)をかかえているからです。しかしドイツ債はユーロを解体しないかぎり、PIIGS債に引きずられたユーロ安があるため、選択肢にはなりません。今後の、個人金融資産の運用では、増やすのではなく、防衛を目的とすべきです。

<目次>

第1章 「お金」の実質と名目の価値
 1.「お金」とは何か
 2.将来への期待おいう不安定なものが、資産価格を決めてきた 今後も同じである
 3.金融危機後の世界は同時にマネタイゼーションだが、今はインフレはない
第2章 マネーの発行は、なぜ「秘密」と思われてきたのか
 1.金属貨幣の発行と、国家が得るシーニョレッジ
 2.「準備銀行制度」の発祥は、ベネチアの金細工師から
 3.持ち手にとっての金融資産、つまり金融機関にとってマネー・ストックがGDPの3倍と大きくなっていることが有む問題
 4.世界の総負債は1京5000兆円(GDPの3倍)だから、金融危機は連続する
第3章 中央銀行のマネー発行と、銀行システムによる信用乗数の効果がもたらすもの
 1.現金性があるマネーの範囲と経済成長
 2.中央銀行という紙幣の発行システムのはじまり
 3.日銀の設立と紙幣の発行
 4.紙幣の発行と、日銀と各国の中央銀行が得ているシーニョレッジ
 5.日銀券は、日銀の負債というパズルを解く
 6.シーニョレッジの発生を否定する日銀と学者たち 理由は何か?
 7.世界のGDPの3倍の金融資産という、新しい要素を考える
 8.基軸通貨を増発するFRB 当惑するパズルを解く
 9.BIS(国際決済銀行) 各国の中央銀行に君臨するスーパー・パワー
第4章 信用乗数と経済成長、人々の所得が増えるのはなぜか?
 1.信用乗数とは何か、経済と個人所得に何をもたらすのか?
 2.90年代以降のわが国の銀行融資の問題 有効な投資への貸付がファイナンス
 3.バブル経済崩壊後22年・・・日本経済の根底にあること
 4.所得が増える経済成長は創造的破壊がないと、いつまでも生まれない
 5.知識産業化とともに個人化する企業 今後の日本経済のために
第5章 ゴールドとFRBの40年戦争と最終勝者
 1.基軸通貨ドルの成立から
 2.ドルと金の戦争の歴史
 3.ワシントン条約での金の売却制限
第6章 21世紀の新しいマネー巨大デリバティブはどこへ向かうのか?
 1.5京円に膨らんだデリバティブの問題と行く末
 2.金融資産の未来価値を確定しようとする試みがデリバティブであるが
 3.デリバティブ証券の作成方法
   事例MBS(不動産ローンの、返済金と金利を担保にした証券)
 4.ヘッジ・ファンドの運用結果を考える この結果は、なんとしたことだ!
第7章 われわれのお金はどこへ、どう流れているのか
 1.世帯の金融資産、1513兆円とは言うが
 2.わが国の資金循環表で見る、マネー全体の流れ
 3.日本は対外純債権を263兆円もつから、ドル債を売れば国家財政は支えることができるという論について
 4.国家の財政を破産させないための、政府紙幣の発行はどうか?
終章 金融資産の防衛
 1.運用の前提になること
 2.今後の運用で肝心になる「実質実効利回り(金利)」という視点
 3.各国の通貨は各国のマクロ経済と、マネーの動きから見てどうなるか
 4.株式という選択肢
 5.資源とゴールドの価格
おわりに


面白かった本まとめ(2013年下半期)

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三芳家(成田山 参道)で甘味を楽しみました!

2014年01月15日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 成田山の参道で、竹林に囲まれて水を張った庭が素敵な和空間カフェ三芳家があったので、その紹介をしたいと思います。

 前週このブログで紹介したうなぎ屋の「川豊」の隣にあり、成田詣での後に行ってみました。

 お店は、細い道の先にあるので、見過ごさないように注意しなければなりません。

1img_1593
↑店の入口の細い道

 そして細い道を抜けると、素敵な空間が広がっていて、とても驚きました!
 参道の喧噪とはかけ離れて、植木や水面がきれいで、和風の大きな赤い傘の下で食事もでき、室内の食事場所の奥には竹林があります。
浅いながらも池があるというのは、情緒があり良いと思いましたね。
また、緑が多いというのは、癒されてとても良いです。

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↑お店の庭

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↑店内の奥の竹林

4img_1600
↑店内から庭

周りの景色を楽しみながら座り、メニューを見ます。

5img_1594
↑メニュー

「白玉入り田舎しるこ」530円と「ピーナッツあべかわもち」750円、「あんみつ」630円を注文します。
甘味にはほうじ茶が付いているのが嬉しいですね。
また+350円で甘味に抹茶・煎茶・コーヒー・リンゴジュースを追加することができ、コーヒーを追加しました。

ピーナッツはこの辺りの名産なんですね。
そういえば他のお店では「ぴーなっつ最中」も売っていました。

しばらくして注文したものが運ばれますが、なんとカメラのバッテリー切れで、肝心の「あんみつ」と「コーヒー」が写真撮影できない!!

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↑白玉入り田舎しるこ

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↑ピーナッツあべかわもち

しかしながらアツアツの「しるこ」は甘くて美味しく、漬け物があるのには驚きましたが、これも美味しいです。
妙に漬け物が美味しいですね。
そして、「ピーナッツあべかわもち」が結構ボリュームたっぷり!
ピーナッツソースが甘くて美味しいです。
器も美しく上質で良いですね!

それから、成田市長が突然、我々のために挨拶に来たのには驚きました!
市長自ら観光に力を入れているんですね。

 成田山の参道にある三芳家は、静かできれいな和風庭園の中で、美味しい甘味や飲み物をいただけ、とてもオススメです!!

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

<今日の独り言>
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三芳家

昼総合点★★★☆☆ 3.7
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関連ランキング:甘味処 | 成田駅京成成田駅



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「OLEBY」(IKEA)というセンサー付きLEDライトはとてもオススメ!

2014年01月13日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
<月曜はお勧めなおはなし>

「OLEBY」の購入はコチラ

 千葉県船橋市にあるIKEA(イケア)に行ったのですが、センサー付きLEDライトが2個で何と599円という激安な値段で売っていたので、さっそく買ってみました^_^)

1img_1746
↑OLEBY

 このセンサー付きLEDライトは、ワードローブや押し入れの中など、薄暗い所を照らすのに最適なライトです。

 単4電池3本を使用するので、100Vコンセント等につなぐ必要がないというのは嬉しいですね。
 中心の白い大きな「円」部分がライト部分で、LEDが4つ入っています。
そして端に白く丸く少し出っ張りのある部分がセンサーです。

さっそく電池を入れると、結構まぶしい!!
想像以上に明るくてビックリ!
LEDなので小電力で明るく、電池が長持ちするというのは嬉しいですね。

2img_1761
↑OLEBYが光る

 説明書を見ると、文字がまったくないというのには驚きました^_^)
文字がないので、世界各国で問題なく売れるんですね。
ナルホドと感心しました。
また、分からなければIKEAに電話しろという絵が書いてあるのにも笑ってしまいましたね^_^)

3img_1749
↑説明書

4img_1750
↑説明書

 取り付けは簡単で、付属の両面テープを裏面に貼り、壁に取り付けるだけです。
 もしくは、ネジ穴があるので、ネジで止めることもできます。

 電池はどうやって交換すれば良いのだろうと思いましたが、「ふた」と「本体」は少し強力な磁石でくっついているだけなので、簡単に取り外すことができます。
他の一般的な装置と違ってネジで「ふた」を取り外さなくて良いのはとても便利です!楽です!
 
 また、このセンサー付きライトは、壁の横に取り付けるのが良いようですが、我が家の物置には天井に両面テープで取り付けてみました。
 磁石は結構強くて、落ちる心配がなくて良かったですね。

 そして物置の扉を開けて、手をかざしてみると、反応よくライトが点きます!!
おぉぉぉ感動!!
こんなに安いのでセンサーの感度が心配だったのですが、この反応の良さには驚きましたね。
十分な性能です!
また想像以上に明るいです!
今まで昼間でも物置が暗くて困っていたので、これは助かります。

それから扉を閉めると、約30秒後に自動的に消えましたね。
十分で適度な点灯時間だと思います。

 この「OLEBY」というセンサー付きLEDライトは、家庭の色々な薄暗い場所で活躍できそうだし、取り付けは簡単で、1つ当たり299円と格安ですし、とてもオススメですね!!

夜間の防犯用に家の外側でも使えるんじゃないかな~とも思いますね。

IKEAに行った際には、この「OLEBY」をぜひ手に取ってみてください!

お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

<今日の独り言> 
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「戦国時代の大誤解(鈴木眞哉)」という本はとてもオススメ!

2014年01月10日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「戦国時代の大誤解」の購入はコチラ

 「戦国時代の大誤解」という本は、ちまたで信じられている戦国時代の通説について疑い、戦国時代の真実に迫ったものです。
例えば本書では以下の記述があり、どれも興味深く読めましたね。

・斎藤道三は油は売っておらず、しかも父親と二代がかりの国盗りだった
・上杉謙信は清廉無私で正義感にあふれた勇将ではない
・織田信長は無神論者ではなかった
・明智光秀はしたたかで有能な戦国人、領主としても評判が良い
・賤ヶ岳の戦いは柴田方が負けたから前田利家が撤退したのではなく、利家が撤退したから柴田方が総崩れとなった
・徳川家康は幼いころ人質に出されて苦労したわけではない
・桶狭間の戦いは奇襲ではなかった
・今川義元の西進は上洛が目的ではなかった
・豊臣秀吉は墨俣に築砦していない
・三方原の戦いは徳川家康が積極果敢に打って出たわけではない
・武田家に騎馬隊はなかった
・長篠の戦いは騎馬vs鉄砲の戦いではなかった
・織田信長は鉄船を作ってはいなかった
・本能寺の変は明智光秀の単独犯行
・徳川家康は野戦の名手ではない
・上洛、天下取りを目指した大名はほとんどいなかった
・1543年に種子島に鉄砲伝来したわけではない
・日本馬は小さかったし、騎馬ではなく輸送手段が目的
・弓矢が威力を発揮していた
・槍は突くものではなく打ち叩くもの
・刀は両手で持つものではなく、片手で持つものだった

 特に、「武田家に騎馬隊はなかった」や、「信長は鉄船を造っていなかった」、「秀吉は墨俣に築砦していなかった」、「刀は両手ではなく片手で持つもの」などは、「へ~」と思いましたね。

また、今川義元の西進は上洛が目的ではなかったというのはそうだろうなぁとは思っていましたね。

 「戦国時代の大誤解」という本は、真の戦国時代を理解する上で、とてもオススメな本です!

以下はこの本のポイント等です。

・経歴が怪しい人の極めつきは、<国盗り物語>の斎藤道三(利政)だろう。道三が油売りをしながら、都から美濃に流れてきて、ついに一国を奪ってしまうという話は、江戸時代からよく知られていた。ところが、地元で研究が進められるうちに、道三は油など売っていないということがわかってきた。彼の<国盗り>も、一代だけの事業ではなく、父親と二代がかりであったことが明らかになった。実はこうしたことを書いた文献も江戸時代からあったのだが、なぜか注目されることがなかった。近年、それを裏付ける確かな古文書等が見つかって、だんだん動かせない事実となったのである。

・腹黒く計算高い謀将・信玄に対して、清廉無私で正義感にあふれた勇将・謙信というイメージは、いまだに大人たちのあいだにも共有されているはずである。しかし、実在の謙信は、けっこうきわどいことをやっている。家督を奪うために兄を殺したという話は冤罪だが、姉婿を疑って謀殺させたというのは、真実のようである。領土の争いにしても、決して義侠心といったきれいごとだけで説明できるものではなく、信玄との戦いは、自存のためにもやらねばならないものだった。関東に出兵したり、越中・能登に向かったりしたのは、本人の野望と無関係ではない。

・織田信長は無神論者だったなどというのも、誤解の例である。そう言って、信長の近代人性を強調したいのかもしれないが、これは宣教師のルイス・フロイスの書いたものを、いいかげんに解釈していることによる。フロイスは、信長の無神論的な言動は、禅宗の教えに従ったものだと明記しているのである。たしかに、禅宗にはそうした一面がある。信長関係の史料を見れば容易にわかることだが、彼も自分に縁のある神社などは大切にしているし、寺社に祈祷を依頼したりもしている。安土城内にもわざわざお寺を建てているが、フロイスによると、本人が神様となって拝まれるつもりだったのだという。これがほんとうなら、そんな無神論者がいるものではない。

・信長の業績についても、間違った解釈が多い。たとえば教科書などでは、信長といえば合い言葉のように「楽市・楽座令」が出てくる。たしかに、信長がそういうものを出したのは事実だが、別に彼が創始したわけでもなんでもない。

・明智光秀の人柄について、同時代人としてもっとも詳しい証言を残したのは、宣教師のルイス・フロイスである。「裏切りや密会を好み、刑を科するに残酷で、独裁的でもあったが、己を偽装するのに抜け目がなく、戦争においては謀略を得意とし、忍耐力に富み、計略と策略の達人であった。また築城のことに造詣が深く、優れた建築手腕の持ち主で、選り抜かれた戦いに熟練の士を使いこなしていた」と「日本史」で書いている。この光秀評は、その末路も承知したうえで悪意をこめて記しているから、こういう表現になっているが、そういう偏見を外して読み直せば、また違う解釈になる。光秀というのは、一筋縄ではいかない、したたかで有能な戦国人らしい戦国人だったのである。これなら秀吉はもちろん、信長にだって優に対抗できるだろう。

・明智光秀がなんで謀反など起こしたのかについては、昔からいろいろな説があるが、本当のところは本人に聞いてみなければわからない。ただ、彼には黒幕がいたとか、共謀者がいたとかいう説には、いずれも根拠がない。また、光秀は成算もなしに立ち上がったように言われることが多いが、当時の状況を見れば、必ずしも無謀な試みだったというわけではない。領主としての光秀は、なかなか評判がよかったようだ。彼は近江の一部と丹波を所領としていたが、その丹波の福知山には、光秀をまつった神社がある。江戸時代からあるものだが、それ以前から旧領民たちは、”これはお稲荷様でございます”とかなんとか言って、こっそりまつり続けていたらしいのである。

・本当は、多少の小競り合いはあって、前田利家の部下に戦死者も出ている。だから戦火を交えなかったわけではないが、それ以上におかしいのは、利家は別に柴田側が負けたから撤退したわけではないことである。利家がさっさと撤退してしまったから、柴田側は総崩れとなったのだ。本末転倒というのは、こういうことである。負けた勝家は、敗走中に利家のいた越前府中城に寄ったが、一言も彼を責めず、このうえは秀吉を頼んで家を全うしろと繰り返し言い残して去った。居城に帰ると、利家の入れていた人質も送り返してよこした。勝家は、昔から大衆的人気の乏しい人だが、人質にしてあった故主の側室まで磔にした秀吉などに比べたら、はるかに立派である。同時に利家という人には、何か他人に恨まれにくいようなところがあったのかもしれない。戦後、利家は、それまでの能登一国を安堵されただけでなく、新たに加賀の二郡を与えられた。負けた側にいて、こんなに厚遇された例はない。それだけ利家の<裏切り>の価値は高かったということであって、秀吉の天下をつくった功績の何割かは、利家のものといえるだろう。そういうこともあったし、若いころからのなじみでもある利家は、身寄りも少ない秀吉にとっては頼りがいのある人間だった。それで死ぬときには、彼に後事を託していった。利家のほうも、そのつもりでいたが、秀吉の死後半年あまりで本人も死んでしまった。もう少し生きていたら、秀吉の息子・秀頼を関白にして頭にいただく<前田幕府>みたいなものができたかもしれない。そうなっていたら、日本の歴史に江戸時代などはなかっただろう。

・関ヶ原の戦いのとき、家康に従って東国にいた山内一豊に奥さんが使いを送り、家康に味方するようすすめたというのは事実であろう。一豊は、奥さんの判断を信じて、書状の封を切らずに家康に提出した。さらに居城も提供すると申し出たので、家康の覚えはめでたかった。関ヶ原の本戦では、布陣の関係もあって格別の戦功がなかったにも関わらず、土佐一国を与えられたのは、そのためだといえる。これこそ、<内助の功>というものだが、それは東軍が勝ったがゆえの結果論にすぎない。この戦いの勝敗については、彼女などの知らない要因がいくらもあった。最近の研究を踏まえて考えると、西軍にも十分勝ち目はあったといえる。そうなっていたら、一豊は、小賢しい奥さんの言うことを信じたばかりに、遠江掛川6万石を棒に振ったマヌケな男として後世に記憶されていただろう。

・三河の松平家に生まれた家康は、隣に駿河の今川という大勢力があったため、幼いころから人質に出されて、たいへん苦労したということになっている。だが実際は、尾張の織田信秀(信長の父)に押されていた家康の父親が、今川家に応援を求めたところ、それなら証人(人質)を出してくれと言われたたけのことである。これは当時としては、ごく当たり前の慣行で、いやなら織田家に潰されたままである。父親の死後も今川家にいたが、当時の家康は、当主を失った松平家唯一の男性であった。それで今川義元は、その成人を待って家督を保証した扱いをしたもので、一種の「御恩」なのだという。義元の姪を娶らせたのも、今川の一門扱いをしたもので、こんな人質があるものではないというのが、新行さんの指摘である。家康は義元の死後、息子の今川氏真と戦って今川領の遠江を奪い取っている。これはだれが見ても、恩義を忘れた裏切り行為というほかはない。それをごまかしたいから、人質とされていじめられたなどという話を流布させたのだろう。

・一般に言われているように信長が家康の子である信康を殺せと指示したわけではなく、家康から相談を受けた信長が、家康の思うとおりにせよと答えたまでであるという。これは「当代記」という相当に信頼性の高い史料を踏まえたものであり、傾聴すべき指摘といえる。なお、家康が信長の意向を聞いたのは、信康がその娘婿だったからである。家康にしても、やみくもに息子とその母親である正妻を片づけたわけではなく、そうせざるをえない事情はあっただろう。この当時、家康は遠江浜松、信康は三河岡崎にいたが、信康を取り巻く勢力が大きくなりすぎたのかもしれない。この時代には親子の対立など珍しくないし、本人たちにその気はなくても、周りがそうしてしまうこともあった。いずれにしても、本当の理由は出すわけにいかないから、信長の指示でそうなったということにしてしまったのだろう。江戸時代になって、家康が神様になると、ますます妻子殺しなど言えないから、すべて信長にかぶせて、彼が悪かったということにした。世間も、あの横暴な信長なら、そのくらいのことはやるだろうと納得した。見に覚えのない非難を浴びた信長こそ、いい面の皮というものだ。

・通説では、上洛を目指して進撃してきた駿河の今川義元の大軍を
永禄3年(1560)5月19日、織田信長がわずかな人数で奇襲をかけて討ち取ったということになっている。つまり、このお話は、義元の上洛と信長の奇襲という2本の大きな柱から成り立っているのだが、義元が上洛を志して動いたという点からしてまず怪しい。戦国大名といえば、だれでも彼でも都に旗を立てることを考えていたように言われているが、それは事実ではない。ことに今川義元の場合には、本人に上洛志向があったかどうかは別として、この時点での上洛などありえなかった。義元は公称4万、実質2.5万くらいの人数で出ていったとされるが、京都までの間には、信長のほかにも立ちふさがる大名が何人もいる。また、畿内とその周辺は、実力者の三好長慶がしっかり押さえている。それらとまともに戦って撃破するには、この程度の人数では、とうてい無理である。ほんとうに上洛するつもりなら、あらかじめ根回しをして、各地の勢力と提携しておかねばならないが、義元はまったくそういうことをしていない。そのため、義元の上洛という話は、以前から疑われているところがあった。義元の目的は、さしあたり信長を打ち破って、尾張を取るためだったろうと言っている。しかし、実際問題としては、それでもまだ<重荷>だっただろう。信長の奇襲については、近年までだれも疑う人はいなかった。ところが藤本正行さんが、この奇襲説に異議を唱えた。藤本説の骨格は、ある意味で単純明快で、信頼できそうな史料に、まったく裏付けがないということである。もう少し具体的にいうと、これまでの桶狭間の物語というのは、江戸時代の初期に小瀬甫庵という作家が書いた「信長記」という書物に基づいていた。この「信長記」というのは、信長の旧臣・太田牛一という人の書いた「信長公記」を下敷きにして、その通俗版のようなかたちでつくられたものである。ところが、その「信長公記」には、義元が上洛を志していたとか、信長が奇襲をかけたとかいうことは、いっさい出ていない。それどころか、信長は今川勢に真正面から攻撃を仕掛けたとある。たまたまそれが当たったから義元を討ち取れたということである。義元が西進した目的は上洛などではなく、藤本さん流にいえば、戦国大名どうしのありふれた国境紛争にすぎなかった。そうであれば信長としても玉砕覚悟でかかってゆく必要など何もなく、なんとか今川勢を追い返してしまえば足りた。また、この時代に総大将が戦場で討死した事例などめったになかったことは当時の常識であるから、最初からそんな確率の低いことを狙って一発勝負の大バクチを打つことなどありえない。「信長公記」を読めばよくわかるが、信長は攻撃を仕掛けたとき、今川義元がどっkにいるかさえ、つかんでいなかった。ただ、彼には彼なりの計算があって、前夜からの戦いで疲れている今川軍の一部を自分の新鋭の兵力で叩けば、どうにかなると考えていたようである。実際にそのつもりで行動しているが、それは彼の勘違いだった。しかし、その勘違いが結果的に大当たりとなったのだから、世の中はわからない。そう言われても、2.5万もの今川勢が、2千くらいの織田勢に簡単に負けてしまうものかと思われる方も多いだろう。だが、遠路はるばるやってきた今川勢は、たくさんの補給要員なども必要であり、軍勢の半ば以上は非戦闘員だったと思われる。一方、居城の清須からまっすぐやってきた信長勢は、今川勢にくらべて戦闘員の比率がずっと高かったはずである。しかも、信長のほうは一団となっていたのに対して、義元のほうは各所に兵力を分散させていた。そのため、両者が桶狭間付近で衝突したときには、びっくりするほどの格差はなかったであろう。あとは成り行きというものである。

・三方原の戦いでの武田信玄に対する徳川家康は、積極果敢に打って出たわけでもなく、無謀だったわけでもない。野次馬気分で勝手に飛び出してしまった部下たちを引き戻そうと苦労しているうちに、自らも戦闘に巻き込まれてしまったということである。それが三方原の戦いの真相だった。ちなみに、家康は大阪夏の陣のとき、息子の義直の部隊の動きが気に入らないというので、義直につけてあった成瀬正成に使いをやって”腰抜けめ”と罵ったことがある。言われた正成も負けてはおらず、”そういう大御所(家康)だって、信玄にはたびたび腰が抜けたではありませんか”と言い返した。真実は、そんなところだろう。

・武田方には騎馬隊などといえるようなものは、そもそもなかった。この時代には、馬に乗れる人間そのものが限られていた。武田家の例でいえば、戦闘員に対する比率は1割未満というところだったが、これはほかの家も似たり寄ったりということである。そうした騎馬武者は、それぞれが負担する軍役に応じて、あちこちから二騎、三騎と集まってくるのだが、当然のことながら、共同生活も共通訓練も経ていない。集団行動など、とうてい無理である。しかも、馬に乗ってくるのは主人か将校クラスの者たちであるから、彼らだけひとまとめにしてしまったら、兵士たちを指揮する者がいなくなってしまう。

・長篠合戦が騎馬vs鉄砲の戦いだったかのような話の元をつくったのは、桶狭間や墨俣一夜城の箇所で取り上げた小瀬甫庵である。これをほかの軍記などが受け継ぎ、陸軍参謀本部なども採用した。それに近代ヨーロッパの戦術の知識などを加えて、都合よく練り上げられたのが、いまも定番的に流されているようなお話なのである。それでは現実の長篠の戦いは、どういうものであったかというと、ひと口で形容すれば、それは「攻城戦」であった。それも大軍の織田・徳川方が堅固な陣地を構えて立てこもり、小勢の武田方が、それを真っ向から攻撃するかたちであった。そうなった理由はもちろんあるが、このようなかたちになっては、小勢のほうが不利になったのは当たり前である。

・織田信長が天正6年(1578年)に鉄船(鉄板で装甲した船)をつくったという話は、ほとんど定説化しているといえる。学者は物書きの人たちがしきりにそういうことを言い、想像図なども流されている。これだけ言うからには、定めし立派な根拠があるのだろうと思いたくなるが、それがそういうわけでもない。信長関係の史料として、真っ先にあげられる「信長公記」には、信長が伊勢の九鬼嘉隆に大船6艘をつくらせ、滝川一益にも白船1艘をつくらせたとあるだけである。著者の太田牛一は、おそらく実物を見たことがあると思うのだが、装甲のことなどには、いっさいふれていないのである。宣教師のオルガンチノは、わざわざ堺まで見にいって船にも上がってみたらしいが、装甲についてはなにも述べていない。彼が力をこめて言っているのは、もっぱら搭載されていた大砲のことだけである。大船の建造にあたった九鬼家の家譜も同様で、火砲の威力については記しているが、装甲に関しては何の記述もない。それではみなさん何を根拠に鉄船々々と言っているのかというと、奈良多聞院の英俊という坊さんの日記である。そこに「鉄ノ船也」とあるのを、唯一絶対の証拠として、そういう主張を展開しているのである。もちろん、それが信じられるならそれでよいが、英俊は、オルガンチノのように船を実見しているわけではない。だれかから聞かされたたけである。こういうのは裁判でも、直接見聞したことより証拠としての価値は低い。実は、これから十数年後に豊臣秀吉は、ほんとうに鉄張りの船を造っている。だから、そういう発想は信長時代からあって、珍しくもないことだから関係者はだれも言及しなかったのだろうという見方はあるかもしれない。しかし、それは少しうがちすぎというものだろう。そんなものはなかったから書かなかったというほうが常識にかなっている。

・天正10年(1582年)6月2日朝、京都市内に泊まっていた織田信長は、家臣・明智光秀の反乱で殺された。これがいわゆる「本能寺の変」というものだが、それは長らく光秀の<単独犯行>と理解され、疑う者はいなかった。ところが近年になると、じつは光秀には、背後で彼を操った黒幕がいたとか、共謀した者がいたとかいう説が次々と現れた。いまでは、その種の説が何十通りもあって、従来の単独犯行説を圧倒する勢いである。テレビドラマや歴史番組でも、そうした視点で本能寺の変を扱っているものが多いが、こうした説は、すべて空中楼閣にすぎない。

・徳川家康が野戦の名手だったというのは、後世つくられた<神話>のようなものである。大きな野戦で家康が快勝した事例というのは、長久手の戦い<1584>くらしかない。このときは敵の失策に助けられた面はあるが、確かにめざましい勝ち方をしている。それ以外は、長篠の戦い<(1575)はもちろん、姉川の戦い(1570)にしても、家康の手腕といえるかどうかは怪しいところがある。逆に、三方原の戦い(1572)では、武田信玄に滅多打ちにされて、大敗北を喫している。それでも、この戦いの場合、兵力が違っていたという言い訳の余地があるが、大阪夏の陣(1615)は、そうはいえまい。何倍もの兵力を集めたうえで野戦に持ち込みながら、真田幸村たちに、本陣まで引っかきまわされて、危うく命を落とすところだった。

・関ヶ原の戦いで、大垣城に集まっていた西軍が関ヶ原に転進したのは、にわかの思いつきでも、まして家康の計略に引っかかったからでもなく、予定の行動であった。三成たちは、あらかじめ野戦築城を施していて、そこに東軍を引きつけて戦ったのである。このとき実際に戦闘に参加した兵力は、西軍が正味3万3000くらいだったのに対し、東軍は7万5000以上いたにも関わらず、西軍の戦線を突破できず、膠着状態に陥ってしまった。長篠の戦いのとき、織田・徳川側の野戦陣地を突破できなかった武田勢は、敗退せざるをえなかったが、同じことが関ヶ原でも起ころうとしていた。もちろん、織田・徳川軍の立場にあるのが三成たち西軍で、武田軍の立場にあるのが家康率いる東軍である。こうした東軍の窮状を救ったのは、西軍に裏切り者が出たことであった。具体的にいうと、小早川秀秋が、突然、西軍を背後から襲ったのである。秀秋に引きずられて裏切った連中もいたから、寝返り組は、かれこれ2万にも及んだ。これで形勢は一挙に逆転した。これほど鮮明なかたちではないが、毛利一族の吉川一族の吉川広家の不戦傍観というのも、勝敗を左右する大きな要因になった。彼は自隊だけではなく、事情を知らない毛利の本隊などを含む約2万8000を釘づけにしてしまった。賤ケ岳の前田利家がそうだったように、戦うべき者が戦わないというのは、消極的な裏切りにほかならない。実は秀秋の寝返りも、広家の不戦傍観も、あらかじめ家康側との密約があってのものだった。それでそういう手を打っておいた家康公はさすがにエライと<家康信者>の人たちは褒めちぎる。だが、ここで考えていただきたいのは、いくら約束したからといって、裏切りが確実に実行される保証など何もないということである。現実にも、秀秋は午前8時ころ始まった戦闘が正午に及んでも、なかなか決心がつかなかった。広家にしたところで、事情を知らない連中をいつまでも引き止めておけるものではない。もし秀秋が裏切るのをやめて、西軍のために戦っていたら、西軍有利は動かなくなるから、広家も傍観は続けられなくなる。仮に、彼ががんばったところで、ほかの連中は勝利の分け前にあずかるべく駆け出してしまうに決まっている。逆に、広家が押さえていた2万8000が早々と参戦していたら、これまた西軍の勝ちは見えたようなものだから、秀秋も裏切りなどやめて、勝ち馬に乗ろうとしたに決まっている。ということで、家康が謀略をめぐらしたのは事実にちがいないが、それは不確定要素だらけの話だった。そんな危ないことをアテにしなければならなかったのだとしたら、勝つべくして勝ったなどと言えるものではない。家康本人だって、そのくらいわかっていただろう。

・鉄砲が、天文12年(1543)はじめて大隅種子島に伝来したというのは、定説中の定説といったようなもので、教科書から歴史事典の類まで、必ずそう書いてある。もし試験の答案にこれと違うことを書いたら、間違いなく零点をつけられるだろう。それでも最近は反対説も出てきて、不動の定説もかなり怪しくなってきたが、もともと、かなり異論はあった。ただ、天文12年伝来という思いこみがあまりにも強すぎたうえに、そういう異論を唱えている文献の多くが江戸時代のものであったため、まともに相手にされることがなかったのである。しかし、同時代の史料のなかにも、注目すべきものはいくつかある。たとえば、応仁の乱の始まる前年の文正元年(1466)7月、足利将軍を訪れた琉球(沖縄)の人が、退出の際に「鉄放」を放って京都の人を驚かせたと相国寺の坊さんの日記に出ている。また応仁2年(1468)11月、東軍の陣営で「火槍」を見たことが別の坊さんの日記にある。それらにいう「鉄放」「火槍」は、種子島に伝来したとされる火縄銃とは違って、もう少し原始的な手砲のようなものだったかもしれないが、鉄砲の一種であったことは間違いない。

・一般的に馬がどの程度の大きさだったかは、いろいろな記録からも推測できるし、発掘された骨によって確認することもできる。それらによれば、古代から江戸時代まで、日本の馬が一貫して小さかったことは明らかである。大阪府四条畷市で発掘された5世紀後半のものとみられる馬骨は、体高約125センチだった。これは一体だけだが、かつて神奈川県鎌倉市の海岸から、鎌倉幕府滅亡の際(1333)に埋められたと見られるたくさんの馬骨が発掘されたことがある。それらを平均すると、129.5センチ程度だった。戦国時代のものとしては、山梨県甲府市の武田の居館址から出たものが120センチ程度、千葉市の生実城址から見つかったものが、130~140センチ程度である。丁重に埋葬されていたところから見ても、当時としては立派な部類だったのだろうという。文献資料から見ても、こうした数値は変わらない。豊前中津の小笠原家に仕えた人が、戦国から江戸初期にかけての同家の関係者や諸侯の乗馬など50頭あまりについて記したものがある。それによると、標準的なところは129~133センチ程度である。今日の分類では、体高147センチ以下はポニーの扱いであるから、戦国時代の馬は、ほとんどがポニーの部類だったことになる。

・馬が役に立ったのは、戦闘手段としてもより、むしろ人や者を運ぶ輸送手段としてであった。そのことは、江戸時代の学者もとっくに指摘している。武田居館址から出た馬骨は、前脚の筋肉が発達していて、重量物を背にして斜面を上り下りしていたことがうかがえるという。<武田の騎馬軍団>なおは根拠のない話だが、武田信玄がほんとうに騎馬に期待したとすれば、戦場での働きよりも山国の険路に耐える持久力だったともいえそうである。

・戦国時代の始まりとされる応仁・文明の乱(1467~77)から島原の乱(1637~38)までの史料約220点より、延べ1729人の負傷者(一部、死因の明確な戦死者を含む)を拾いだした。それらの負傷原因を多い順に並べると、矢傷38.6%、鉄砲傷22.2%、槍傷20.8%、石・つぶて傷11.3%となる。持ち出された武器の絶対数ではダントツの刀による傷などはわずか4.5%、薙刀傷などまで合わせてみても、刀剣類による傷は約7%にしかならない。これだけ見ても弓の有用性の大きさがわかるが、鉄砲が普及する以前は、もっとすごかった。鉄砲普及前の期間だけをとれば、矢傷は60.8%にも及んでいる。いかに戦国時代の戦場で弓が猛威を振るっていたかは明らかである。ついでにいうと、鉄砲導入後の期間では、鉄砲傷43.6%、矢傷17.2%となるから、主役の座を鉄砲に譲ったことがわかる。それでも刀剣類の傷9.3%よりまだずっと多く、槍傷の21.3%に続いている。

・今日の常識では槍はもっぱら突くもので、刀は両手で握って振り回すものということになっている。だが、これは江戸の太平時の槍術や剣術が植え付けた感覚で、戦国時代の常識では、そういうことにはなっていなかった。江戸時代の槍術では、左足を前にした左構えになるのがふつうである。ところが戦国時代かあるような古い流派には、しばしば右足前の右構えになるものがある。これはどういうことでしょうと、かつて武術家で時代考証家の名和弓雄さんにお尋ねしてみたことがある。名和さんのお答えは明快で、突くだけではなく、打ち叩くことも考えていた時代には、右構えにしたほうが便利だから、当然、それが基本になったのだという。

・宮本武蔵は戦国合戦も体験した人だが、「五輪書」のなかで、槍・薙刀のような大きな武器はやむをえないが、刀・脇差などは、いずれも片手で持つべきものだという主張を展開している。刀を両手でもってはよろしくない場面を武蔵は列挙する。場上のとき、駆け走るとき、沼・深田・石原・険しい坂道などにさしかかったとき、人混みに入ったとき、左手に弓・槍などの武器を持ったとき、いずれも片手で刀を使わざるをえない。これだけ都合のよくないケースがある以上、はじめから両手で柄を握らせるような他流の行き方は「実の道」ではないというのが武蔵の主張である。どうしても片手で打ち殺しにくいなら両手で使うのもよろしいが、片手打ちこそ基本なのであり、自分が二刀流を提唱しているのも、片手打ちに習熟させるためであるとまで彼は言っている。逐一チェックするまでもなう、武蔵の言っているところは、戦国の常識に合致していと見てよいだろう。槍の場合と同様、この常識も太平の時代には忘れられていたが、幕末維新の動乱で、また復活した。

<目次>
はじめに
第1章 怪しい人たち
 1 存在が怪しい人
 2 出自が怪しい人
 3 経歴が怪しい人
 4 名前が怪しい人
 5 風貌が怪しい人
 6 性格が怪しい人
 7 評価が怪しい人
 8 文字どおり怪しい人
第2章 歪められたヒーローたち
 1 上杉謙信(1530~1578)
 2 山中鹿介(1545?~1578)
 3 織田信長(1534~1582)
 4 明智光秀(?~1582)
 5 豊臣秀吉(1537~1598)
 6 前田利家(1537~1599)
 7 山内一豊(1546?~1605)
 8 徳川家康(1542~1616)
 9 伊達正宗(1567~1636)
10 宮本武蔵(1584~1645)
第3章 ウソっぱちの名場面
 1 桶狭間の奇襲戦
 2 川中島の一騎打ち
 3 墨俣の一夜城
 4 三方原の戦いと家康神話
 5 騎馬VS鉄砲・長篠の戦い
 6 信長の鉄船
 7 高松城の水攻め
 8 「敵は本能寺にあり」と「是非に及ばず」
 9 天王山と洞ヶ峠
10 石垣山の一夜城
11 勝つべくして勝った(?)関ヶ原の戦い
第4章 おかしな風景
 1 そうそう天下取りなど望まなかった戦国大名
 2 金銭を軽蔑しなかった戦国の武士たち
 3 「二君に仕えず」という観念はなかった
 4 百姓=農民ではない
 5 めったに使われなかった実名
 6 種子島に初伝したわけではない(?)鉄砲
 7 竹槍・むしろ旗で一向一揆が勝てたはずがない
 8 戦国の馬はみなポニーだった?
 9 山城から平城への変化は鉄砲のせい?
10 武士たちの食事は質より量
第5章 不思議な合戦シーン
 1 敵はもとより味方すら把握できなかったらしい
 2 じつは長いあいだ戦場で威力を発揮していた弓矢
 3 槍は振りまわすもの、刀は片手で扱うもの
 4 鎧武者のチャンバラなどそうそうない
 5 石をなめてはいけない
 6 馬上の槍働きはとても不自由
 7 甲冑着けて遠路の行軍?
 8 びっしり並んで鉄砲を撃つことなどできたのか?
おわりに

面白かった本まとめ(2013年下半期)

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川豊(成田山 参道)でうな重を堪能しました!

2014年01月08日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 初めて成田山へ電車を使って行ったのですが、その参道がきれいにお店も充実していて、そしてうなぎ屋が多いのには驚きましたね。

 成田に流れる利根川水系は、天然うなぎの宝庫のため、昔からうなぎ屋が多いようです。

 その中でも、特に行列を作っていた「川豊本店」へ行ってきました!

1img_1489
↑川豊本店の店構え

 かなり有名なお店のようで、TBSテレビの「朝ズバ」でも紹介され、そしていろんな雑誌にも掲載されているようです。

2img_1517
↑川豊を取り上げたメディア

 そして、一番驚いたのは、店先で生きたうなぎをさばいていたことですね!
かなり手際がよく、素早く身を開いて、肝を取り、背骨も外します。
一人がさばき、3人が身を串に通していました。
うなぎをさばくより、身を串に通す方が大変そうでしたね。
それにしてもうなぎをさばく手際が良いので、思わずずっと眺めてしまいました!
さすが、その道45年を超える熟練職人です。
なお女性はこのシーンを見るのは控えたほうが良いかもしれません^_^;)

また肝は「きも吸い」に利用し、背骨は揚げて食べるので、かなり効率的ですね^_^)

目の前で生きたうなぎをさばいているので、新鮮さを感じますし、偽装を心配せずに、安心して食べられるのは良いと思いました!

3img_1491
↑うなぎを4人でさばく

4img_1496
↑うなぎのさばき

かなり混んでいて、2階に案内されますが、急角度の階段には驚きました。
ビニール袋に靴を入れて、一緒に持って上がります。
1階はテーブル席で、2階は畳に座る座敷ですね。
かなり回転は速いので、1階のテーブル席で待つ方も多いようでした。
足が不自由な方は1階がオススメですね。
2階は想像以上に清潔感があり、特に窓は古い形式ですがきれいで良かったです。

5img_1500
↑2階の様子

 それからこのお店は基本的には前払い制です。
1階で食券を買います。
「うな重」が2200円というのはかなり良心的なお店だと思います。
そして「きも吸い」が100円というのも良心的!
他のうなぎ屋よりもお値段は良心的なようです。
ちなみに「上うな重」が2800円、「特上うな重」が3800円、「鯉のあらい」が840円、「鯉こく」が680円、「ほね煎餅」が420円でした。
ここはオーソドックスに、「うな重」2200円、「きも吸い」100円を注文しました。

6img_1510
↑メニュー

そしてしばらくして、「うな重」と「きも吸い」、「お新香」が運ばれます!

7img_1507
↑うな重など

「うな重」のふたを開けると、ほかほかのうな重が現れました!
卓上にある「山椒」を振りかけて食べますが、ホカホカ柔らかいうなぎがほんのり甘いタレと合いおいしい!!
タレは、100年以上継ぎ足し続けたものとのことで、さすがです!
これは美味しいですね!
「きも吸い」もアツアツで、肝も柔らかく、出汁が効いていて美味しい!!
十分うな重ときも吸いを堪能しました!

それから、卓上にはアンケート用紙があり、改善に取り組む姿勢には好感が持てましたね。
きっとこれからもっと良いお店になっていくのでしょう。

「川豊」のウナ重は、新鮮なウナギをリーズナブルに美味しく堪能でき、とてもオススメです!

なお、この川豊の隣も「菊屋」といううなぎ屋で、国産うなぎ使用が売りであの映画監督のスピルバーグや俳優のトム・クルーズも食べに来たようです。
そして菊屋の反対側は「三芳家」で、ここではきれいな庭を堪能しながら甘味ゆっくりを楽しめたので、次回紹介したいと思います。


美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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川豊 本店

昼総合点★★★☆☆ 3.8
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関連ランキング:うなぎ | 成田駅京成成田駅



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Canon インクジェット複合機 PIXUS MG3530は安価なプリンターでとてもオススメ!

2014年01月06日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
<月曜はお勧めなおはなし>

「Canon インクジェット複合機 PIXUS MG3530」の購入はコチラ

 我が家のCanonのプリンターがついに壊れてしまったので、Canon インクジェット複合機 PIXUS MG3530を購入しました!
Amazonでは今のところ送料無料で6,054円で売っていてかなり安価です。
プリンターが6,054円という安さとは驚きましたね!
6,054円ですよ!

 もちろんCanon製品の中では廉価版のようですが、Wi-Fi対応でスマホやタブレットから印刷を簡単に行えるという高機能もあり、またプリント解像度もカラーで4800×1200あり、十分に使えます。
もちろん複合機なので、スキャナーとしても利用できます。

 そのほか以下の機能もあり結構優れものですね!
特にインクカートリッジが今まで使っていた8種類ではなく2種類で済み、交換が楽というのは嬉しかったです。
両面印刷も嬉しいですね。

・電源スイッチオンですぐに使える「クイックスタート」
・パソコンでプリントボタンを押すとスイッチが入る「自動電源ON」
・ワンタッチで交換できる「一体型インクカートリッジ」(カラー用と黒色用の2つ)
・用紙のセットやインク交換がスムーズな「前面給紙」
・オモテとウラをまとめてプリントできる「自動両面プリント」
・夜間でも静かにプリントできる「サイレントモード」

 ただ、そのプリンター本体の安さの理由は、プリンタインクで儲けるというビジネスモデルのためです。
Amazonでは約30%引きで大容量インクカートリッジを売っていて、それぞれカラーと黒色で約2000円強となります。
インクカートリッジ2回分でプリンターが買えるという状況です^_^;)
しかしながら写真1枚20円以下のコストのようなので、そんなに暴利をむさぼっているわけではないと思います。

Canon インクジェット複合機 PIXUS MG3530は、安価に簡単に品質の良いプリンターを利用でき、とてもオススメですね!

【仕様】
・プリント解像度:4800×1200
・対応インク:BC-340BK(ブラック)/BC-341(3色カラー一体型インク)
・印刷サイズ:最大A4
・給紙方法:前面給紙
・自動両面印刷:○
・スキャナー機能:○
・対応OS ・[Windows] 8 / 7 / Vista(SP1/SP2) / XP(SP3、64bit非対応) ・[Mac OS X] 10.6.8~
・ネットワーク:無線
・インターフェース :USB
・外形寸法(幅×高さ×奥行) : 449 × 152 × 304mm
・重量 : 約 5.4kg


お勧めなお話(2013年下半期)
自動車保険を安く!

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「頭のいい子が育つパパの習慣(清水克彦)」という本はとてもオススメです!

2014年01月03日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「頭のいい子が育つパパの習慣」の購入はコチラ

「頭のいい子が育つパパの習慣」という本は、ラジオ局の文化放送プロデューサーが、その自分の子育てや、小・中学校受験の現状取材、大学生に時事問題を教える経験から、子供を伸ばすのは父親次第と強く確信するようになり、それら子供を伸ばす父親の60の習慣について分かりやすくまとめたものです。

 それらの効果についてデータも明らかにしていて、そしてどれも納得できる内容で、素晴らしい本だと思いますね。
 私もすぐ色々と実践しています^_^)

 特に次の項目は大切だと思いましたね。

・週に3回は家族で夕食を共にして会話をすること
・前進したことを褒める
・プラス思考で子供を見つめる
・本棚を置き、本を置いて読ませる
・子どもの前で本を読み、辞書を引く
・父子で将来の夢を語る
・常に「どう思う?」と聞いて考えさせる
・食事の品数を増やす
・朝型生活にする
・アウトドア志向
・約束は守る
・叱る→褒めるの順
・テレビはあまり見ない
・夫婦の会話は1日1時間以上必要
・過去の自分と子供は別人と考える
・我が子だけが持っている感性を見出す
・父親もいい習慣を持つこと


「頭のいい子が育つパパの習慣」という本はとてもオススメです!
以下はこの本のポイント等です。

・かつてテレビドラマでは、家族で食卓を囲むシーンが度々見られたものだが、親子でときには口喧嘩しながらでも、いろいろな話をしつつ食卓を囲む習慣が、子どもの学力をアップさせるのである。例年、東京大学への合格者が全国トップを誇る開成学園の加藤丈夫理事長は、「子どもの学力を伸ばすには家族の対話が不可欠です。それには父親が定時に会社を出て家庭に帰ることです。開成中学や開成高校に入って伸びる子どもは、父親ときちんと対話の時間が確保されている家庭のお子さんです。」と述べている。また、百ます計算で知られる立命館小学校副好調の蔭山英男氏も、「夜7時の食卓を囲んだ家族団らんのひとときを週に1回でも取り戻してほしいです。小学校を卒業し中学に入っても学力が伸びていく子どもは、父親の支えがある子どもが多いのです」と語っている。これは、難関中学に子どもを合格させた多くの家庭でも実践していたことだ。仕事に追われる父親が毎日、夜7時までに帰宅することは難しいかもしれないが、週に最低一度は早めに帰宅し、息子や娘と話をしながら夕食をとってほしい。そうすれば、土日と合わせて週に3回は、子どもと夕食をとれることになる。

・テレビを見ながら食事するという習慣がなくなれば、子どもは自然と話をするようになる。元来、子どもは話したがり屋で、今日学校であったこと、先生のこと、友だちのこと、給食のことなどを父親にも聞いてほしいと思っている。子どもが話を始めたら、父親は、「へえ、そんなことがあったの?」「それで、○○ちゃんはどうしたの?」「それはよく頑張ったね」などと相槌を打って、子どもを乗せてあげることが大切だ。それらをきちんと聞いてあげることができる父親には、さらに、学校で起きた嫌いなことや悩み事なども相談してくるようになる。そうはいっても、仕事の都合で平日に一度も夕食の時間に間に合わない父親もいるだろう。そんなときは、お風呂の中で子どもの話を聞いてあげよう。お風呂はもっともリラックスする空間だ。しかも母親がいないので、(お父さんだけに話したい)と思っている内容も話してくるケースが多い。バスタイムは、コミュニケーションだけでなくスキンシップもはかれて一石二鳥の時間になる。

・仕事の話は家庭にどんどん持ち込むように心がけている。なぜなら、今日、会社であった出来事や見聞きしたニュースを子どもに話して聞かせることが、子どもの視野を広げたり、職業観を植え付けることにつながるからだ。難関中学に子どもを合格させた家庭の中に、製薬会社に勤務する父親がいた。彼は、機会があるごとに食卓やファミリーレストランなどで、製薬業界のことや医療の現場の話などを小学生の息子と娘に、低学年の頃から話して聞かせたという。「こういう薬が国で認められると、これだけの人が助かる」といった話から、「この間、ちょっと面白いお医者さんに会ってね・・・」といった話まで、子どもに事細かく説明してきた。中学受験という短期的な目標のためではなく、長男・長女を、社会問題化しているニートやフリーターにしないためだ。その結果、息子は「苦しんでいる人を助ける仕事に就きたい」と語るようになった。娘も「お医者さんになりたい」と具体的に職業名まで挙げて夢を語るようになったという。将来はこうなりたいというモチベーションが高まれば、勉強への意欲も湧く。

・挑戦してみることは楽しい、勉強することは面白い、得をする、ということを教えることが先だ。「理科のテストで7番?すごいじゃないか。じゃあ次は何番になりたい?」「明日、リレーの選手決めか?ライバルは誰だ?どうすれば勝てると思う?」こういった会話なら、子どもの心も弾む。「英語が話せるとね、世界中でお友達ができうよ」「算数ってゲームみたいだよね。全部正解したらすごく気持ちいいよ」このように、なかなか勉強に取りかかろうとしない子どもには、「勉強=面白い」というイメージづけをしてあげることが大切だ。試験やスポーツの大会当日でも、「頑張れ!」ではなく、「楽しんでこいよ」「思いきりやっておいで」と声をかけたほうが結果は吉と出る。カツを入れたいなら、「一番をとってこい!」のほうが気合いが入るというものである。

・父親であるあなたが職場でもっとも喜びを感じるのはどんなときだろうか?業績がアップし上司から評価されたとき、あるいは、取引先や顧客など外部の人間から感謝されたときではないだろうか?子どもも同じだ。子どもが一番喜ぶのは、親に評価されたときだ。「よくやったね」「えらいね」「頑張ったね」とほめられることが、子どもの心をもっとも躍動させる。「理科のテストで7番だったよ」と言われ、前回の8番よりアップしていたなら、「よくやった。ひとつ上がったな」とほめてあげよう。リレーの選手決めで見事、クラス代表を射止めて帰宅すれば、「すごいじゃないか」と絶賛してあげよう。そうすることで、子どもは、(よし、次はひとつでも順位を上げてやる)(本番の運動会ではお父さんにいいとこ見せてやろう)と張り切るに違いない。もし逆のパターンでも叱責は禁物だ。前回、クラスで6番だった理科のテストが7番に下がったとしても、「ダメじゃないか」「何やってんだ」ではなく、「どうして下がったんだと思う?」「じゃあ次はどうしたいのかな?」といった聞き方をしてみるといい。リレーの選手決めで落選しうなだれて帰宅した場合でも、「次点だったんだろ?よくやったじゃないか」と労をねぎらい、「来年に向けてお父さんとスタートやコーナリングの練習をするか?」と、子どもの自信回復につながる話し方をしよう。

・○子どもの人格を否定する叱り方はしない
○兄弟姉妹と比較するのはやめよう
○プラス思考で子どもを見つめよう
○結果だけでなくプロセスや内容を具体的にほめよう
○叱りたいとき、親自身がひと呼吸置く

・「家族で将来の夢について語り合い、あわせて短期的な目標を作ってみるといいと思います。お父さん、お母さん、長男、長女など別々にです。そうすると、家族の対話の材料になりますし、それぞれのモチベーションが違ってきます」何も難しい話ではない。正月や七夕などの行事に便乗し、家族で5年先、10年先に実現したい夢を書き出してみる。あるいは、月初めや年度初めに、「今月の目標」「今年のテーマ」を作って、冷蔵庫に磁石でポンと貼り付けておけばOKだ。

・以下は頭のよくなる家の概要である。
○小学生ともなれば、ちゃんとした子ども部屋が必要だという概念は捨てる
○中学受験をする家庭でも受験勉強は家族の生活と切り離したほうがいいという先入観も捨てる
○食卓を大きめのものにしたり、リビングのソファーセットを子どもの勉強を想定したものに変える
○本棚は食卓のそばかリビングに置く
○パソコンコーナーもリビングに設ける
○すでに子ども部屋があり机などが完備されていても、そこは寝室として利用する程度にする。
○子ども部屋にカギはもちろん、ドアもつけない。いつも親の気配が感じられるようにしておく
○子ども部屋を設けるなら、狭い部屋にするとか、テレビやパソコンなどを置かないなど、子どもがそこに長時間いないよう工夫をする

・これまで本棚といえば、子ども部屋に置くことが常識だった。しかし、先に紹介したモデルハウス「頭のよくなる家」では、リビングはもちろん、玄関やトイレにまで本棚が設置されていた。これは、私が取材した家庭でもそうだが、普段から目につきやすいところに本棚を配置し、そこに家族それぞれが好きな本を入れることによって、家族の対話を促進しようという狙いがあるからだ。何も大きな本棚は必要ない。食卓やリビングに置くなら半間程度の本棚。玄関やトイレの中なら、市販されている卓上用のブックスタンドか飾り棚程度のものでいい。

・読みきかせこそが、ふたつの学力のうち、「目に見えない学力」の素地を作る上で、何よりも効果的な方法だと考えている。聞きながら考えるので思考力が身につく。本の文体から表現方法も学べる。風景や登場人物の顔を思い浮かべ、目に見えない世界を頭の中に描くので想像力が養われ、話に聞き入るという集中力もつく。この読み聞かせは、父親でも母親でも構わないが、父親が読み聞かせれば、母親が読み聞かせる3倍の効果があると私は思っている。幼い頃から常にそばにいた母親と違い、父親の声は新鮮だ。子どもの注目度が違ってくる。子どもは、父親が仕事で疲れて帰宅していることを理解しているので、そんな父親が読み聞かせをしてくれたことに、自分への強い愛情を感じる。また、父親による読み聞かせは、本のバリエーションを広げる。子どもは主人公への同一化が激しいので、船が難破して誰も住んでいない島に流されたり、主人公が撃たれたりするようなストーリーの本は、怖くて耐えられない可能性がある。そんなとき、子どもの目か見て強い存在の父親がそばで読み聞かせてくれれば、母親に読んでもらうときとは違ったジャンルの本にも耳を傾けるようになる。

・理科は子どもに実体験があればあるほど興味が湧いてくる科目だ。たとえば昆虫の飼育である。カブトムシやクワガタ、チョウやコオロギなどを実際に飼ってみれば、なぜ体が固い羽で覆われているのか、えさはどのようにして食べるのかなど、さまざまな疑問の答えが見つかる。植物は水を与えなければ枯れるし、与えすぎても枯れる。種類によっては追肥や消毒も必要になるので、何かをきちんと育てれば、植物の仕組みを理解することができる。花にはおしべとめしべがあることから始まり、花粉やつぼみの様子など観察する材料に事欠かないし、季節感や美しいものを愛でる気持ちも養われる。自宅以外でも、自治体の広報誌を見れば、「親子で化学実験教室に参加してみよう」「さつまいもを栽培してみよう」などと銘打った参加費無料の催しや廉価なイベントがたくさんあるので、父子で参加してみることをおすすめしたい。理科は主要4科目の中で、子どもにもっとも感動と驚きを与える教科である。

・私がおすすめしたいのが、父親が主体となって、子どもが小学生の頃から、日本と世界について基礎的な知識を自然のうちに身につけさせておくということだ。その手っ取り早い方法が、食卓やリビングに地図帳を置くということである。地図からはいりろなものを読みとることができる。日本という国は以外と小さな島国であること。北朝鮮がいかに近い位置に存在するかということ。アフリカの砂漠の多さやアメリカの大きさなど、知らず知らずのうちに学べるので効果は大きい。さらに効果を高めたければ、地球儀をテレビの近くに置いておくことだ。

・このほか、食卓やリビングに年表を置いておくのも効果的だ。テレビ番組の中には、大河ドラマをはじめ、バラエティ番組でも歴史上の人物が登場するものが多いので、「年表が手近なところにあれば、どの時代の人か調べることができ、重宝する。

・私の場合、最初のうちは、娘と一緒になって考えてみる。「○○ちゃんは、どこまで考えた?」などと、娘の理解度をみながら「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤してみる。そして、「こういうふうに考えればいいんじゃないの?」とヒントを与えることにしている。多くの場合、これで娘は、「あっ、そうか」と理解し、最後には正答を導き出すことに成功している。しかし、娘ができるはずの問題まで私に頼ってくるときは、「自分でやってみなさい」と突き放すことにしている。「子育ての基本は、独立して生きる力を育てること」これは、慶応義塾の安西祐一郎塾長が掲げる教育論だが、子どもの勉強をみてあげることひとつをとっても、全部教えたり、逆に突き放してしまうのは論外で、やがて独力で人生を切り開いていける人間に育てるために、ある程度までは子どもに考えさせ、どうしても行き詰まってしまった場合のみ、手を差し伸べるというのがベストなのではないかと思う。

・首都圏屈指の難関中学に子どもが合格した家庭でも、「あなたはどう思う?」という問いかけを習慣として続けてきた家庭は多い。読み聞かせは思考力や表現力、それに想像力や集中力といった「見えない学力」を養うと述べたが、日頃の親子の対話の中で、子どもに考えさせる機会を数多く設けてあげることも、子どもを伸ばすことにつながるのである。

・受験対策が追い込みに入る小学6年生になるまでは、サッカーやピアノに熱中していたり、鉄道や日本の歴史、昆虫や天体など、何かひとつかふたつ、のめりこむものを持っている子どもたちだった。今をときめくメジャーリーガーたちも、少年期には野球以外に没頭できる趣味を持っていた。イチローは将棋、松坂大輔や井口資仁はパズルだが、彼らの父親はそれをやめさせることはなかったという。この「熱中する」「のめりこむ」という姿勢が探求心をかきたて、集中力を育み、難関中学に合格する学力、世界に通用するアスリートになる力を育むのである。母親もそうだが、父親も加わって、「子どもが好きなことは何か」「何に興味を持っているか」を見いだし、もっと熱中するように支援してあげてほしい。

・一食あたり多くの種類の食品を摂取している生徒の方が成績は上がるということになる。一食あたり12品目以上摂取している子どもの偏差値は60を超え、4品目未満の子どもは50を切ってしまっている。見方を変えれば、いい加減な食生活を送っている子どもは学力が低下し、多くの食材をバランスよくとっている子どもは、成績がアップするということである。これは、贅沢におかずを用意しろという意味ではない。おかずの皿数は少なくとも、肉や魚、卵、海藻、様々な野菜、果物・・・など、食材の品目を増やすことが、子どもに活力与え、子どもの学力を伸ばすことに結びつくのである。

・夜更かしで睡眠時間が足りない子どもの成績は芳しくない。7~9時間睡眠を確保することが、最も学習には適していることがわかる。

「最低でも登校の1時間前には起きて、しっかり朝ご飯を食べ、排便も済ませて・・・というのが理想です。極端に言えば、学力を伸ばす秘訣は、「早寝早起き朝ご飯」ですね」ここでも、父親が朝早く起きてしっかり朝ご飯を食べる習慣をつけることが大事になってくる。父親が食卓に座れば子どもも座る。もりもり食べれば、やはり子どもも、もりもり食べようとするものだ。子どもを伸ばしたいと思えば、「早寝早起き朝ごはん」が基本だが、そうさせるには、まず父親が「早く寝て早めに起き、朝はもりもりごはんを食べる」という習慣を定着させてほしいと思う。

・全国の難関中学には、どの学校でも実施している夏季の林間学校などのほかに、東京・巣鴨中の大菩薩峠越え強歩大会や駒場東邦中の信州霧が峰高原でのフィールドワーク、そして、大阪の大阪星光学院中の黒姫登山合宿などに代表されるように、アウトドア体験を年間行事に盛り込んでいる学校が多い。こうした学校では、子どものアウトドア体験が、広い視野と考える力、それに体力を養う絶好の場だと考えているのだ。この考え方を家庭にも応用してみたいところだ。手っとり早いところでは、自宅の庭やマンションのベランダで食事をしてみる。少し足を延ばして、お花見のように、それぞれの地域で代表的な公園でお弁当を広げてみる。そこで、「今度はもうちょっと遠出してみようか」「本格的にアウトドア体験をしてみるか」という話になれば、次はバンガローなどの宿泊施設が完備されたところで、バーベキューやハイキングなどを楽しんでみればいいのだ。

・子どもと対話が一番弾むのは、食事をしているときと、共同作業をしているときだ。「子どもを伸ばしたいと思えば、父子でする共同作業の機会を多く持ってほしい」と語る。共同作業は、家族のコミュニケーションを豊かにし、思考力や集中力といった「目に見えない学力」を育むからである。たとえば夕食作りだ。子どもは男女を問わず、料理をするのが好きだ。粉をこねたり材料を切ったり、ほとんどの子どもが目を輝かせて取り組むものである。母親とキッチンに立つのでも構わないが、一般的に母親よりも料理をする機会が少ない父親が、土曜日か日曜日の休日、子どもといっしょに夕食作りをすると、子どもは伸びる。なにより対話が増える。

・「お前は○○だが、△△だ」と言われた場合、一般的には前半に出てきた「○○」よりも、後半に出てきた「△△」のほうが頭に残るものだ。これを子育てに応用してみよう。「叱る」→「ほめる」の順で、子どもにどこがいけなかったかを教え、さらに改善しようと思えるようにフォローするということである。「約束を守らない人間は友達ができなくなるんだよ。お前は今までお父さんとの約束をちゃんと守ってきた子じゃないか」「ゲームをするなら勉強を済ませてからにしなさい。やるべきことをしっかりやるというのがお前のいいところだろ?それさえ済めば15分間だけゲームしていいから」といった具合に、言葉の前半で諭し、後半で子どもの長所やほめるべき点を見つけてフォローする方法を採り入れてみよう。もし、叱る側の父親の気持ちにさらに余裕があれば、「ほめる」→「叱る」→「ほめる」、もしくは「フォローする」といったサンドイッチ型で子どもを諭すのがもっとも効果的だと思う。もちろん、どんなふうに叱る場合でも、「子どもの人格を否定する叱り方はしない」「圧迫感を与える叱り方は避ける」「兄弟姉妹と比較しない」といった配慮は必要になる。

・子どもの学力を伸ばすことに成功した家庭では、テレビをリビングの中心に置くような生活をしてこなかったということになる。現代の生活で、まったくテレビをつけないという生活は考えられない。かといって、ずっとテレビをつけているような家庭、とりわけ、テレビに子どもの相手をさせているような家庭では子どもを伸ばすことは難しくなる。「家庭でテレビを二時間以上見る子どもの学力は保証しません」これは、カリスマ教育者として注目を集める杉並区立和田中学校の藤原和博校長の言葉である。「子どもの学力が低下したのは「ゆとり教育」が原因ではありません。テレビの見過ぎ、ゲームのやり過ぎなどによる睡眠不足が原因です。テレビやゲームなど、いわゆるディスプレイを見る時間を1日2時間以内にすれば、学力は1年で向上します。立命館小学校副校長の蔭山英男氏もまったく同じ考えだ。

・教育情報企業ベネッセの調査によれば、子どもがテレビを見ている時間は、1日平均で4時間に達している。これを1年に換算すれば、実に1400時間もテレビを見ている計算になる。1日平均3時間の子どもでも、視聴時間は年間に1000時間を軽く超えてしまうことになる。これに対して、小学校での主要科目の授業時間は、年間で390時間しかない。中学校でも英語を加えた主要5科目の授業時間は、年間で400時間にとどまっている。学力を鍛える授業時間が400時間しかないのに対し、テレビを見る時間が1000時間を超えていると、子どもは授業で受けるよりもテレビから強く影響を受けてしまうことになる。言うまでもなくテレビは受け身のメディアだ。映し出される映像を眺めているだけなので、脳はほとんど動作しない。特に脳の中で言語的知能や論理数学的知能、社会的知能や感情的知能をつかさどる「前頭連合野」が沈黙したまま、刺激的な内容だけがインプットされるため、長時間、テレビを見ている子どもの学力は伸びなくなってしまうのだ。

・直接、自分の目で見ることによって、娘はかなり日本の歴史や時事問題、それに地域の催しなどに興味を持つようになってきた。それが、先に述べた、読み書き計算など「目に見える学力」の向上にすぐに結びつくわけではないが、体験しことについて父子で対話を重ねていくうちに、思考力や表現力といった「見えない学力」が伸びてきたと手応えを感じている。是非、テレビや新聞、ラジオなどで見聞きしたものの中から、父親自身が(ちょっと見てみたいな)と思う場所に、子どもを誘って連れて行ってほしいと思う。ただ、度が過ぎて、1日に何カ所もはしごするのはよくない。子どもにとってはどれも印象が薄いままに終わってしまうので、あまり欲張らない方が賢明だ。

・父親自身、今が不遇の時期であっても愚痴はほどほどにして、子どもには勉強した先にある明るい未来を語り、敬愛される人間であってほしい。そして、父親の言葉を信じて机に向かっている子どもを見ながら、父親自身も「どうせ」「今さら」「もう遅い」といった言葉とは決別し、5年先、10年先の自分に夢を馳せてみてはいかがだろうか。

・どんなに疲れて帰宅しても、本業のラジオ局の仕事とは別に、毎日必ずパソコンに向かう姿や、やっとの思いで書き上げた原稿が、出版社であっけなくボツにされたりする現状もそのまま見せている。その結果今では娘も、私が好きなテレビのスポーツ中継やドラマなどを我慢し、将来の夢に向けてパソコンを叩いていることを理解しているし、出版社に持ち込んで次々とボツにされても、数ヶ月後には必ずものにしている現状などを把握できるようになってきた。「あきらめなければ、いつか必ず夢はかなう」「継続こそ力なり」「努力なくして成功なし」といったことを、私が口にしなくても、日頃の家庭生活の中からつかんでくれたように感じる。我が家では、私が率先して努力したり我慢しているところを見せるようにしているが、他に、父親がどのようにして今の生活を築き上げたのか、子どもの頃はどんな努力をしたのか、そして、どれだけ苦しい受験勉強をしてきたのかなど、過去に自分が頑張った体験談を話して聞かせるのもいい。職場で若い部下に過去の栄光を延々と語る人は敬遠されがちだが、家庭で子どもに話す場合は別だ。子どもは本来、親が大好きなものである。父親にしろ、母親にしろ、その子ども時代はどうだったのか、何に興味を持ち、どんな生活を送っていたのか、知りたいと思うものだ。中でも、もっとも身近な社会人である父親の過去の話は、目を輝かせて聞きたがるものである。父親が、過去の失敗談なども交えながら、自分がどう生きてきたかを話して聞かせるこおは、子どもに(じゃあ僕も努力してみよう)(私も我慢してみよう)と思わせる効果を生むのだ。

・サンプルは100と少ないが、子どもの学力を伸ばすことに一定の成果を挙げた家庭では、1時間程度の会話時間を確保していたことが見てとれるはずだ。一方、中学受験で失敗した家庭はどうだったのだろうか。残念な結果に終わったため、調査に協力してくえる家庭が少なく、わずか14家族への聞き取り調査でしかないが、平日の夫婦の会話時間は約35分と、合格させた家庭よりは、かなり少ないことがわかった。夫婦の会話が少ない原因はさまざま考えられる。仕事が多忙であるとか、職種的にすれ違いの生活を送っているなど、家庭ごとに事情はあるだろう。しかし、子どもを伸ばしたいと考えるなら、夫婦間でじっくり子どもについて話をする時間は確保してほしい。子育ては、夫婦が同じ教育観に立つことからスタートする。

・父親が別に高学歴でなくとも、そして何の取り柄がなくても、子どもは成績が優秀だったり、スポーツや芸術に秀でていたりす可能性は多々ある。だから、(どうせうちの子はダメだろう)などと思ってはいけない。むしろ父親は、(ひょっとしたら)(もしかすると)(まかりまちがうと)といったスタンスで、自分の過去は度外視して、子どもを観察してみることだ。プロゴルファーの丸山茂樹選手の父親、護さんは、茂樹少年が3歳の頃、おもちゃとして買い与えたゴルフクラブを器用に使いこなしたことから、ゴルファーとしての素質を感じたという。その後も護さんは、茂樹少年が、体を動かすことが好きで、ゴルフの真似ごとを楽しそうにしているのを見て、(この子をプロゴルファーに)と確信したと語っている。

・子どもの長所を見いだし、社会人になった子どもの姿を想像するのと同時に、父親自身も、「夢への時間割」を生きてほしいと思っている。時間とは、今をどう生きるかの積み重ねである。いつも「時間がない」「忙しい」などとぼやきながら、時間に追われ、目の前の仕事をこなしているだけの人は、自分自身の生き方を大切にしていない人だ。私が言う「夢への時間割」は、「時間=人生」とするなら、夢や目標を持って、それに向かって生きていくという意味である。人生80年とすれば、人生は約70万時間ある。30歳の人なら約44万時間、40歳の人でも35万時間もの人生が残されている。それを漫然と過ごすか、そうでないかで、父親自身の将来はもちろん、寝食を共にする家族のムードも大きく変わってくる。(自分はどういう生き方をしたいのか)(妻や子どものために、何をしてやりたいのか)このように心に問いかけ、何に向かって生きていくのか、はっきりさせてみよう。それが父親にとって当面の目指すべき「ゴール」とするなら、「ゴール」にたどり着くために何をどうすればいいのかを考え、ひとつずつ達成していけばいいのである。「夢への時間割」を生きるようになった父親は、おのずと時間の使い方に気を配るようになる。

・難関中学に子どもを合格させた家庭を取材して思うことは、(父親が、一人の人間として、当たり前の生活を続けてきた家庭の子どもは強い)ということである。これは、個人の学歴や年収、社会人としての経歴などとはまたく関係ない。夜更かしをしない、休日だからといって昼間で寝たりしないといった規則正しい生活を送っている人。暴飲暴食や偏食、食べ物の好き嫌いを極力控え、日頃から自身の健康管理に気を配っている人。そして、周囲の人間とのコミュニケーションを楽しみ、家族を愛し、他人にも優しい接し方ができる人。さらには、世の中の動きや季節の移ろいに敏感で、読書や人的交流によって自分を高めようと考えていたり、体を動かすことも面倒くさがらずやっているような人である。これらが習慣にんている父親がいる家庭の子どもは、早寝早起きの生活が確立され、バランスよく食事をとり、両親や兄弟姉妹をはじめ、学校や塾の友だち、先生らとも良好な人間関係を築くことができるようになる。また、父親の影響で、テレビなどで報道されるニュースに注意を払ったり、父親と出かけた公園やスタジアム、美術館や博物館、それに旅行先やアウトドアのキャンプ地などで、さまざまなものに興味を持つようにもなる。

・本編では、「子どもを伸ばすのは父親しだい」という観点から、子どもと対話する習慣、子どもに対して過干渉にならない程度に見つめる習慣、規則正しい生活をする習慣、そして、世の中の出来事を話して聞かせたり、父親自身が夢を持ち、新しいものに挑戦していく姿勢が大切だと述べてきた。それを見事に10カ条で表している学校が東京にある。居酒屋「和民」などの経営で知られ、また、政府の教育再生会議のメンバーにも名を連ねた渡邉美樹氏が理事長を務める郁文館夢学園だ。
 1 笑顔で元気よく挨拶のできる礼儀正しい人となれ
 2 「我以外皆、師なり」の心を持つ謙虚な人となれ
 3 自ら学び、自ら律し、自ら歩む自立の人となれ
 4 日々前進を試みる挑戦の人となれ
 5 他人の喜び、悲しみを共有できる思いやりの人となれ
 6 約束を守り、嘘をつかぬ誠実な人となれ
 7 不正義を許さぬ勇気の人となれ
 8 正しいと思い決めたことは、あきらめずに最後までやり遂げる忍耐強き人となれ
 9 美しきものに感激できる正直の人となれ
10 成功の後に感謝できる素直な人となれ


<目次>
まえがき~子どもを伸ばすのは父親しだい
第1章 父親が定時に帰ると、子どもの学力はアップする
 1 週に3回は家族で夕食をとろう
 2 お風呂の中で学校の話を聞こう
 3 仕事の話を食卓に持ち込もう
 4 子どもに「頑張れ!」と言わない
 5 前進したことをほめよう
 6 「うちの子はできる」と思うことから始めよう
 7 父子で将来の夢を語ろう
 8 子どもの前で本を読もう、辞書を引こう
 9 子どもと一緒に散歩をしよう
10 職場から子どもに電話をかけよう
11 子どものために会社を休もう
12 父親はサルからゾウになろう
第2章 父親は子どもの能力を引き出すプロデューサー
13 勉強は食卓でやらせよう
14 立派な子ども部屋を用意しない
15 子どもが小学生になったらリフォームしよう
16 本棚には家族の好きな本を置こう
17 父親の読み聞かせは母親の3倍の効果
18 どこでも算数、どこでも理科・社会
19 リビングに地球儀と年表を置こう
20 壁にぶつかった子どもに手を貸さない
21 子どもに「どう思う?」と聞こう
22 サッカーやピアノの大会に毎回は行かない
23 社会のルールや厳しさを教えよう
24 子どもが熱中できるものを伸ばそう
第3章 頭のいい子が育つ生活習慣
25 夕食の品数を増やしてもらおう
26 率先して「コ食」を避けよう
27 朝型生活に変えよう
28 朝食をしっかりとろう
29 子どもと一緒にメタボリック対策
30 アウトドア志向でいこう
31 約束は小さなことでも守ろう
32 お金の使い方を教えるには父親が我慢すること
33 父親が「オアシス」言葉の達人になれ!
34 親子とキッチンに立ち、娘と洗車をしよう
35 説教するときは「叱る」→「ほめる」の順
36 大事なことは家族会議を開いて決めよう
第4章 父親は社会を教えるニュースキャスター
37 「ノーテレビデー」をつくろう
38 親が「Vチップ」の役割を果たそう
39 テレビニュースから被害者の感情を学ばせよう
40 父子で新聞を読もう
41 ラジオニュースを聴こう
42 子どもを我が家の気象予報士にしよう
43 「週刊こどもニュース」のキャスターになろう
44 みのもんたを目指そう!
45 やじうま根性を持ち続けよう
46 パソコンの利用の仕方を教えよう
47 携帯電話のルールを明文化しよう
48 ジャーナリストや医者の感覚を持たせよう
第5章 下流親から抜け出そう
49 給食代を感謝して払おう
50 「どうせ」「今さら」を言わないようにしよう
51 何事もまず父親がチャレンジしよう
52 悩んでいるところを子どもに見せよう
53 夫婦の会話が一日1時間以上ありますか?
54 過去の自分と子どもは別人だと考える
55 我が子だけが持っている感性を見出そう
56 27歳になったときの子どもの姿を想像しよう
57 父親自身が「夢への時間割」を生きよう
58 親の年収と子どもの学力は関係ない
59 ミスや失敗をごまかさに
60 父親のいい週刊が子どもを伸ばす
あとがき
参考文献


面白かった本まとめ(2013年下半期)

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ふりこ茶房(軽井沢)はとてもオススメ!

2014年01月01日 01時00分00秒 | 外食
<水曜は食べ物のおはなし>

 4年ぶりに軽井沢に訪れ、以前このブログで紹介したバオバブというお店に行ってみると「ふりこ茶房」という店名に変わっていて驚きました!

1img_1449
↑ふりこ茶房の店構え

 さっそく、店主に店名を変えた理由を訊ねてみると、開店30年を期に、店主が還暦の60歳を迎えたこともあって、2年前に店名を変えたとのことでした。
 開店したときは、違う店名で、開店12年目に「ばおばぶ」に変更し、そして開店30年目に「ふりこ茶房」に店名を変えたようです。
店内には「振り子の時計」があるので、それにちなんで店名を付けたようです。
次の店名は一体どうなるんでしょうか?

 店内は、4年前とほぼ変わらず、清潔に保たれていました。
かなり昔の雑誌があるのも変わりません。

2img_1458
↑店内

窓の外の風景は、真っ赤に染めた紅葉が美しかったですね。
近くに池があるのですが、沼ではなく人工の池とのことで、非常時の潅漑用水に使っているとのことでした。

3img_1450
↑窓の外の紅葉

メニューを見て注文します。

4img_1451
↑メニュー

抹茶甘味添650円と、ピザトースト600円を注文します。
しばらくして、抹茶甘味添えが運ばれますが、器に入った緑色の抹茶が美しい!
そして甘味にはモミジの葉っぱが添えられていて風情がありますね~^_^)

5img_1459
↑抹茶甘味添

もちろん抹茶は美味しく、そして甘味は固さがありますが甘くてこれも旨いです!
このセットは上品で上質で感動しましたね!

それから連れにピザトーストが運ばれますが、大きい!!

6img_1462
↑ピザトースト

トーストの周りはチーズが揚げられているようで、少しかじりますが美味しい!
もちろんピザトーストもアツアツで美味しいです。

 しばらく食事を楽しみ、食事の後は近くを散策してみますが、池の底にもモミジの葉っぱが敷き詰められていて美しい!
池の表面だけでなく、底にも敷き詰められているのには驚きました!

7img_1463
↑池の底と浮かんだモミジの葉っぱ

そして地面にもモミジの葉っぱが辺り一面に敷き詰められています。
美しいですね~

8img_1464
↑地面のモミジの葉っぱ

「ふりこ茶房」はゆったりとした自然の中で、美味しいものを頂け、とてもオススメです!!

美味しかったものまとめ(2013年下半期)

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ふりこ茶房

昼総合点★★★☆☆ 3.5
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