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「築地魚河岸 寿司ダネ手帳 寿司を識る」という本は、築地市場発の寿司ダネの旬・味・産地を徹底ガイドしたもので、実際に明治22年創業の「築地寿司清」で握られた美しい寿司88個の写真を見ながら学ぶことができます♪
そのほか寿司ダネや築地の歴史、全国主要漁港、江戸前の定義、築地の水産中卸の構成なども分かるようになっていて、楽しく読めます^_^)
この本で紹介されている寿司ダネは以下となります。
【赤身】
・くろまぐろ〔黒鮪〕
・めばち〔目鉢〕
・みなみまぐろ〔南鮪〕
・きはだ〔黄肌〕
・まかじき〔真梶木〕
・かつお〔鰹〕
・サーモン
【光りもの】
・こはだ〔小鰭〕
・さより〔針魚〕
・きす〔鱚〕
・かすご〔春子〕
・いわし〔鰯〕
・にしん〔〕
・まあじ〔真鰺〕
・さんま〔秋刀魚〕
・さば〔鯖〕
【白身】
・ひらめ〔平目〕
・まだい〔真鯛〕
・すずき〔鱸〕
・こち〔〕
・ほうぼう〔〕
・かわはぎ〔皮剥〕
・まこがれい〔真子鰈〕
・のどぐろ〔喉黒〕
・あいなめ〔鮎並〕
・きんめだい〔金目鯛〕
・ふぐ〔河豚〕
・ぶり〔鰤〕
・しまあじ〔縞鰺〕
・ひらまさ〔平政〕
・かんぱち〔間八〕
【貝】
・あかがい〔赤貝〕
・あおやぎ〔青柳〕
・こばしら〔小柱〕
・とりがい〔鳥貝〕
・たいらがい〔平貝〕
・ほたてがい〔帆立貝〕
・みるがい〔海松貝〕
・あわび〔鮑〕
・つぶがい〔螺貝〕
・ほっきがい〔北寄貝〕
【エビ・シャコ】
・くるまえび〔車海老〕
・あまえび〔甘蝦〕
・ぼたんえび〔牡丹蝦〕
・しまえび〔縞蝦〕
・しろえび〔白蝦〕
・しゃこ〔〕
【イカ・タコ】
・あおりいか〔障泥烏賊〕
・すみいか〔墨烏賊〕
・やりいか〔槍烏賊〕
・しろいか〔白烏賊〕
・するめいか〔鯣烏賊〕
・ほたるいか〔螢烏賊〕
・みずだこ〔水蛸〕
・まだこ〔真蛸〕
【煮もの・魚卵・他】
・あなご〔穴子〕
・はまぐり〔蛤〕
・うに〔海胆〕
・いくら〔〕
・かずのこ〔数の子〕
・しらうお〔白魚〕
以下はこの本のポイント等です。
「築地魚河岸 寿司ダネ手帳 寿司を識る」という本は、寿司ダネや築地について楽しくよく分かり、とてもオススメです!
・築地のセリ場にならぶ生食用のマグロは、ホンマグロ・メバチ・ミナミマグロ・キハダの4種。世界の生食用のマグロは築地をめざすといってもいい。
1月:1月5日、身の引き締まる思いで始まる初荷。めでたい日ゆえか、高値を期待してか、この日ばかりはメディアでもおなじみの津軽海峡のクロマグロが勢ぞろいする。しかし、実をいうと津軽海峡のシーズンは終盤に入っており、1月のクロマグロといえば壱岐あたりの日本海算が主体。メバチでは紀州勝浦、キハダでは紀州勝浦や油津のものに相場をだしてもいいような上ものが見られる。
2~3月:紀州のクロマグロがポツポツと入荷するが、時化による不漁が続き、セリ場も閑散。マグロ屋には、いい月とは言えない日が続く。
4月:国産は端境期といったところで、それを補うようにオーストラリアやニュージーランドからのミナミマグロが入荷しはじめる。
5~6月:初夏の味、キハダの入荷が活発になってくる。また梅雨空を払うがごとくに突如、まとまって入荷するのが境港の巻き綱によるクロマグロだ。冬においしいメバチだが、オーストリアやニュージーランドなど南半球組にいいものが見つかる。
7~8月:ボストンのタイセイヨウクロマグロや津軽海峡のクロマグロが顔を見せるが、まだ脂ののりは薄い。
9~10月:ボストン産マグロに脂がのってくる。もっとも美味しい時期は短く、10月には終わってしまう。しかし、よくしたもので、国内のマグロが本格化してくる。
11~12月:クロマグロはもちろんのこと、四国あたりの定置網に入った下りのキハダ、三陸方面東沖のメバチなど、全体的にすばらしいものが増える。忘年会など宴会注文も多い繁忙期でもあり、マグロ屋にとってはベストシーズンといえる。
・セリが終わると、仲卸の店にマグロが届き、解体が始まる。長い包丁と数人の力を借りて向かう様子は、まさに職人技。4つ身にするまで、ものの5分でおろしてしまうのだ。頭、カマ、ヒレなどを切り落とす。このあとは特徴的なマグロ専用の包丁を使って、腹側、背側計4つの切り身にわける。さらにこれを3つにカット、頭から順に「かみ」「なか」「しも」と呼ぶ。さらに小指~人差し指4本の幅が寿司ダネ1貫の長さに当たり、これを「1たけ」という。寿司屋さんは、これをもとに「腹かみ2たけ」というふうに買う。マグロは大きな魚だけに部位によって味が異なり、値段も違う。トロと赤身がおいしそうなグラデーションの上の切り身は、クロマグロの「腹かみ」と呼ぶ部位。マグロも腹に脂肪がたまりやすいのは人間と同じだが、この部位がもっとも高級になる。逆に安いのは「しも」で、運動量が多い部分なので筋が多いのだ。ちなみにトロが多い身質はクロマグロとミナミマグロ。メバチもトロはあるが、さほど多くはない。クロマグロ、ミナミマグロが高級とされるのは、そこらに理由がある。
・クロマグロの主な産地と築地入荷の時期
産地(漁法)入荷時期
松前(一本釣り・定置網)8~11月
戸井(はえ縄)8~12月
恵山(はえ縄)8~12月
大間(はえ縄・一本釣り)8~12月
尻労(定置網)5~6月
三厩、龍飛(はえ縄・一本釣り)9~12月
小泊(はえ縄)9~12月
岩崎、深浦(定置網)6~7月
大船渡、気仙沼(一本釣り、定置網)5~7月
塩竈(巻き網)5~7月
佐渡島(定置網)5~7月
那智勝浦(はえ縄)2~6月
油津(はえ縄)3~4月
境港(巻き網)5~7月
壱岐(はえ縄・一本釣り)11~2月
沖縄(はえ縄)4~5月
・「料亭さんはマグロよりマカジキ」「暮れのセリ場は、河岸のダンナ衆が自分の正月用に落とすため、ダンナ相場と呼ぶ破天荒な値がついた」。築地では、このような過去形で語られがちなマカジキ。カジキマグロという名前は存在せずマグロとは別種の魚だが、なにやらマグロの仲間のように見なされ、マグロ人気に押され気味だ。バターソテーなどでおなじみのメカジキとは違って、身肉は淡い桜色だ。味はあっさりしているように思えるが、実は奥の深いうまみがある。マカジキといえば勇壮な伝統漁法「突きん棒漁」が有名だが、消えゆくこの漁法への郷愁とともに、近年は再認識されつつあるようだ。
・日本の太平洋側を回遊するカツオ。季節を追って、日本近海にはいくつかのカツオの漁場ができ、カツオ船はそれを追って、ほぼ年間通して操業している。水揚げするのは、基本的には漁場近くの漁港。だから、たとえば宮城県の気仙沼漁港で、宮崎県船籍のカツオ船を見るのは、珍しいことでもなんでもない。水揚げ港となるのは、水揚げだけではなく、その後のあらゆる機能がそろっていることがポイント。産地仲買の目利き、仕分けや箱詰め作業、製氷工場、そして消費市場とのパイプと運送力などだ。以下の主産地も、そうした漁港だ。
産地(ハイシーズン)
鹿児島(1月後半~10月)
宮崎・外浦・南郷(2月~6月)
和具(3月~5月)
御前崎(3月~7月)
房州勝浦(3月~7月)
銚子(7月~9月)
石巻(6月~9月)
気仙沼(6月~11月)
・サーモンの寿司ダネ用は、ノルウェーやチリを主産地とする。タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)やニジマス(スチールヘッド・トラウト)で、すべて養殖もの。脂ののったマイルドな味で、マグロを追いおとすほどの人気だ。このサーモンの寿司に先鞭をつけたのはノルウェー。養殖を国家的産業と位置づけた1980年代、輸出先のターゲットを日本とした。航空便を使って水揚げからわずか一昼夜で日本へ届く鮮度の良さをアピール、寿司への道を広げていったのだ。この日本攻略をベースに、世界へ。欧米人にとってサーモンはなじみがあり、急速に寿司ダネとして浸透していった。サーモンは世界の寿司ブームの原動力、そしてさらに世界シェアを広げようとする驚異の寿司ダネだ。
・赤ちゃん時代をシンコ、成長するにつれコハダ、ナカズミ、コノシロと名を変える。小さければ小さいほど喜ばれ、出始めのシンコ、メダカのようなサイズのそれがキロウン万円単位でも買われていく。コハダは、体長12~14センチほど。寿司に握ると、丸づけといって1尾で1貫、あるいは片身1貫となる大きさが喜ばれる。体長15センチ以上のナカズミとなると、もはや猫またぎ。
地域 (シンコ) コハダ
天草(熊本県) (7月中旬~9月)10月~6月
有明海(佐賀県) (8月~10月) 11月~6月
東京湾(千葉・神奈川県)(9月~11月) 12月~5月
三河(愛知県) (6月下旬~9月) 9月~3月
七尾(石川県) (9月~10月) 12月~3月
浜松(静岡県) (6月中旬~9月) 9月~11月
大阪 (入荷ナシ) 9月~3月
愛媛・香川県 (9月~10月) 11月~4月
・ひとくちにマアジといっても、さまざまな要素で、目利きの評価は違う。まずは回遊する、しないという生態の違い。回遊せずに湾などに棲みつくそれは、体色が黄色を帯びており、「黄アジ」と呼ばれる。「黄色アジ」とか「根付きのアジ」といわれるものも、この黄アジのこと。いっぽう回遊するマアジは体色が黒っぽいので「黒アジ」。黄アジのほうが、脂ののりがよく、評価は高いが、近年、大きく減少している。もう一つの評価ポイントは、漁法。「釣り」のほうが「巻き網」などで大量に漁獲したものより評価は上。大きな網で一網打尽、となると、身が傷むからだ。しかしこれはあくまで基本。たとえば大分県佐賀関の「関アジ」は黒アジだけど評価が高い。理由は一本釣りで獲り、出荷直前にたくみな活け締めを行い、すばらしい身質で入荷するからだ。
・江戸時代、マダイは将軍家の祝いの席に欠かせない魚であり、庶民には縁遠い高級魚。その歴史は昭和になっても続き、「ヒラメやカレイは使えたが、マダイは高くて手がでなかった」と、多くの寿司屋さんが語っている。養殖は、経済性の高い魚に対して行われるものであり、当然のごとく、マダイの養殖の研究は、海の魚ではもっとも早く、明治時代に始まっている。しかし実用化されたのは遅く、1960年代になって。広く普及したのは、80年代になってからだ。現在、全マダイ生産量の約8割が養殖。いいかえると、天然ものは2割に過ぎない。産地は、黒潮に洗われ、生け簀設置にいい入り江の多い海岸線をもつ愛媛県がダントツの1位。活漁での流通が主流で、脂がのった、締めたてのモチモチしら食感はなかなかのものだ。そして年間を通して味が変わらないというのもポイントが高い。
・東京ではワカシ、イナダ、ワラサときてブリ。成長するにつれて名前の変わる出世魚である。寿司ダネに使うのは2キロ前後のイナダクラスから。ブリと呼ばれるのは8キロ以上だ。4~5月のイナダ、5~6月のワラサ、そして秋に入って、日本海側を北海道まで北上したブリを「天上ブリ」といい、これから入荷する寒ブリのできをうらなう。そして12月、佐渡島や能登産が本格化して寒ブリのピークとなる。実際に師走に入ってのブリの腹の脂など、マグロの大トロに匹敵するほどだ。寒ブリといっていいのは、2月がギリギリ最後。春の産卵を終えたブリは、呆れるほど脂が抜けて、寒ブリ時代との違いに驚く。
・しまあじは、アジ族の超エリート。脂はあるが決してしつこくない。うまみが深く、とにかく美味しい。背は青緑、腹は黄金色。この体色をいかすため、皮はできるだけ薄く引くのがいいとされる。大きいものは1メートル以上にもなるというが、人気のサイズは50センチほどだ。幻の魚といわれて久しく、集荷力を誇る築地のセリ人も「これぞと思うヤツに会えるのは、年に数尾程度」。さらに「天然といって入荷しても養殖の生け簀からの脱走兵が多い」という状況。真の(?)天然ものは、唇が分厚く、いかにも不適な面構え。脱走兵は、生け簀周辺で暮らし、生け簀からこぼれた餌で食うには困らないので、顔つきはなんとなく優しい。しかし脱走組ですら微量で、流通しえいるほとんどは、大分県や愛媛県からの養殖もの。天然もののピンク色に比べ、脂のためにやや白っぽいが、締めたての食感はよく、高値で取引されている。
・ほたて貝は甘くジューシーでソフトな口あたり。現代人の嗜好にピタリとあって、貝柱では人気ナンバー1。しかしこの座、すんなり得たわけではない。1970年前後、北海道から築地へホタテガイの売り込みがあった。しかし当時、貝柱といえばタイラガイ。ホタテガイの魅力は理解されなかったのだ。ところが炉端焼きで殻ごと焼くスタイルがうけて大ヒット。続いてバター焼きや天ぷらにも使われ、知名度が上昇。そんな人気に後押しされるかたちで寿司ダネに使われるようになった。主産地は北海道、さらに青森県や岩手県でも養殖されており、国産だけではまかなえる優等生。本来の旬は冬とされているが、産地ごとに出荷を調整しており、入荷が絶えることはない。
・ほたて貝は殻の色で、天然か養殖かがわかる。養殖ものは、筏からつるして育てるので、2枚の殻の色は同じ。天然もの(稚貝を放流)は、海底にもぐっているほうが白っぽいので、殻の色がそれぞれ違う。そんな天然ものの漁場がオホーツク海。ときには流氷の危険にみまわれながら、白波をけたて沖合へ向かい、けた網という漁具を使って海底から引き上げる。流氷がもたらす栄養分と荒い潮にもまれて育つオホーツクのホタテガイは、なんともいえない深い甘みがある。
・伝統の産地名
【江戸前】昭和20年代、築地市場の特種物業会や東京湾の水産関係者が集まり、江戸前の線引きが行われ、千葉県の鋸山~神奈川県の観音崎を結ぶ内湾を江戸前と呼ぶことになりました。築地市場で江戸前と呼ぶ場合、今もそれが踏襲されています。
【房 州】旧国名、安房国のこと。白浜~大原に至る外房の各産地が有名
【常 磐】今の茨城県である常陸国(ひたちのくに)、宮城県南部から福島県東部にまたがる磐城国(いわきのくに)のこと。産地的には、福島県や茨城県となります。
【三 陸】太平洋側の陸奥(むつ・青森県)、陸中(岩手県)、陸前(宮城県)の3地方をいいます。
【紀 州】和歌山県南部、産地的には串本や尾鷲、田辺などになります。
【泉 州】和泉国(いずみのくに)のことで、大阪南部。産地的には岸和田が有名。
【豊 後】大分県
・築地市場で「江戸前」という言葉は、日常用語。漁場の意味で使っている。江戸、日本橋魚河岸時代からのことで、具体的な線引きまであった。明治に入って魚河岸の組合が出版した「日本橋魚市場沿革紀要」のなか、お役所へ送った文書にそれが記されている。西は「品川洲崎」東は「深川洲崎」、この間が江戸前。海岸線で10キロちょっと、ごくごく狭い海域である。やがて埋め立てや船の進歩もあって、漁場は沖へ沖へと張り出していく。江戸前といっても昔のようなわけにはいかない。そこで戦後の1953年、築地市場の寿司ダネなどを扱う仲卸の音頭取りで東京湾沿岸の水産業者が集い、新たな線引きが誕生する。西は三浦半島の観音崎灯台、東は鋸山を結ぶ線で、内湾と外湾に分け、内湾を江戸前としたのだった。なぜこうも線引きにこだわってきたのか。答は簡単、江戸前で獲れる魚介類は、重要なブランドだからだ。
良かった本まとめ(2015年下半期)
<今日の独り言>
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「築地魚河岸 寿司ダネ手帳 寿司を識る」という本は、築地市場発の寿司ダネの旬・味・産地を徹底ガイドしたもので、実際に明治22年創業の「築地寿司清」で握られた美しい寿司88個の写真を見ながら学ぶことができます♪
そのほか寿司ダネや築地の歴史、全国主要漁港、江戸前の定義、築地の水産中卸の構成なども分かるようになっていて、楽しく読めます^_^)
この本で紹介されている寿司ダネは以下となります。
【赤身】
・くろまぐろ〔黒鮪〕
・めばち〔目鉢〕
・みなみまぐろ〔南鮪〕
・きはだ〔黄肌〕
・まかじき〔真梶木〕
・かつお〔鰹〕
・サーモン
【光りもの】
・こはだ〔小鰭〕
・さより〔針魚〕
・きす〔鱚〕
・かすご〔春子〕
・いわし〔鰯〕
・にしん〔〕
・まあじ〔真鰺〕
・さんま〔秋刀魚〕
・さば〔鯖〕
【白身】
・ひらめ〔平目〕
・まだい〔真鯛〕
・すずき〔鱸〕
・こち〔〕
・ほうぼう〔〕
・かわはぎ〔皮剥〕
・まこがれい〔真子鰈〕
・のどぐろ〔喉黒〕
・あいなめ〔鮎並〕
・きんめだい〔金目鯛〕
・ふぐ〔河豚〕
・ぶり〔鰤〕
・しまあじ〔縞鰺〕
・ひらまさ〔平政〕
・かんぱち〔間八〕
【貝】
・あかがい〔赤貝〕
・あおやぎ〔青柳〕
・こばしら〔小柱〕
・とりがい〔鳥貝〕
・たいらがい〔平貝〕
・ほたてがい〔帆立貝〕
・みるがい〔海松貝〕
・あわび〔鮑〕
・つぶがい〔螺貝〕
・ほっきがい〔北寄貝〕
【エビ・シャコ】
・くるまえび〔車海老〕
・あまえび〔甘蝦〕
・ぼたんえび〔牡丹蝦〕
・しまえび〔縞蝦〕
・しろえび〔白蝦〕
・しゃこ〔〕
【イカ・タコ】
・あおりいか〔障泥烏賊〕
・すみいか〔墨烏賊〕
・やりいか〔槍烏賊〕
・しろいか〔白烏賊〕
・するめいか〔鯣烏賊〕
・ほたるいか〔螢烏賊〕
・みずだこ〔水蛸〕
・まだこ〔真蛸〕
【煮もの・魚卵・他】
・あなご〔穴子〕
・はまぐり〔蛤〕
・うに〔海胆〕
・いくら〔〕
・かずのこ〔数の子〕
・しらうお〔白魚〕
以下はこの本のポイント等です。
「築地魚河岸 寿司ダネ手帳 寿司を識る」という本は、寿司ダネや築地について楽しくよく分かり、とてもオススメです!
・築地のセリ場にならぶ生食用のマグロは、ホンマグロ・メバチ・ミナミマグロ・キハダの4種。世界の生食用のマグロは築地をめざすといってもいい。
1月:1月5日、身の引き締まる思いで始まる初荷。めでたい日ゆえか、高値を期待してか、この日ばかりはメディアでもおなじみの津軽海峡のクロマグロが勢ぞろいする。しかし、実をいうと津軽海峡のシーズンは終盤に入っており、1月のクロマグロといえば壱岐あたりの日本海算が主体。メバチでは紀州勝浦、キハダでは紀州勝浦や油津のものに相場をだしてもいいような上ものが見られる。
2~3月:紀州のクロマグロがポツポツと入荷するが、時化による不漁が続き、セリ場も閑散。マグロ屋には、いい月とは言えない日が続く。
4月:国産は端境期といったところで、それを補うようにオーストラリアやニュージーランドからのミナミマグロが入荷しはじめる。
5~6月:初夏の味、キハダの入荷が活発になってくる。また梅雨空を払うがごとくに突如、まとまって入荷するのが境港の巻き綱によるクロマグロだ。冬においしいメバチだが、オーストリアやニュージーランドなど南半球組にいいものが見つかる。
7~8月:ボストンのタイセイヨウクロマグロや津軽海峡のクロマグロが顔を見せるが、まだ脂ののりは薄い。
9~10月:ボストン産マグロに脂がのってくる。もっとも美味しい時期は短く、10月には終わってしまう。しかし、よくしたもので、国内のマグロが本格化してくる。
11~12月:クロマグロはもちろんのこと、四国あたりの定置網に入った下りのキハダ、三陸方面東沖のメバチなど、全体的にすばらしいものが増える。忘年会など宴会注文も多い繁忙期でもあり、マグロ屋にとってはベストシーズンといえる。
・セリが終わると、仲卸の店にマグロが届き、解体が始まる。長い包丁と数人の力を借りて向かう様子は、まさに職人技。4つ身にするまで、ものの5分でおろしてしまうのだ。頭、カマ、ヒレなどを切り落とす。このあとは特徴的なマグロ専用の包丁を使って、腹側、背側計4つの切り身にわける。さらにこれを3つにカット、頭から順に「かみ」「なか」「しも」と呼ぶ。さらに小指~人差し指4本の幅が寿司ダネ1貫の長さに当たり、これを「1たけ」という。寿司屋さんは、これをもとに「腹かみ2たけ」というふうに買う。マグロは大きな魚だけに部位によって味が異なり、値段も違う。トロと赤身がおいしそうなグラデーションの上の切り身は、クロマグロの「腹かみ」と呼ぶ部位。マグロも腹に脂肪がたまりやすいのは人間と同じだが、この部位がもっとも高級になる。逆に安いのは「しも」で、運動量が多い部分なので筋が多いのだ。ちなみにトロが多い身質はクロマグロとミナミマグロ。メバチもトロはあるが、さほど多くはない。クロマグロ、ミナミマグロが高級とされるのは、そこらに理由がある。
・クロマグロの主な産地と築地入荷の時期
産地(漁法)入荷時期
松前(一本釣り・定置網)8~11月
戸井(はえ縄)8~12月
恵山(はえ縄)8~12月
大間(はえ縄・一本釣り)8~12月
尻労(定置網)5~6月
三厩、龍飛(はえ縄・一本釣り)9~12月
小泊(はえ縄)9~12月
岩崎、深浦(定置網)6~7月
大船渡、気仙沼(一本釣り、定置網)5~7月
塩竈(巻き網)5~7月
佐渡島(定置網)5~7月
那智勝浦(はえ縄)2~6月
油津(はえ縄)3~4月
境港(巻き網)5~7月
壱岐(はえ縄・一本釣り)11~2月
沖縄(はえ縄)4~5月
・「料亭さんはマグロよりマカジキ」「暮れのセリ場は、河岸のダンナ衆が自分の正月用に落とすため、ダンナ相場と呼ぶ破天荒な値がついた」。築地では、このような過去形で語られがちなマカジキ。カジキマグロという名前は存在せずマグロとは別種の魚だが、なにやらマグロの仲間のように見なされ、マグロ人気に押され気味だ。バターソテーなどでおなじみのメカジキとは違って、身肉は淡い桜色だ。味はあっさりしているように思えるが、実は奥の深いうまみがある。マカジキといえば勇壮な伝統漁法「突きん棒漁」が有名だが、消えゆくこの漁法への郷愁とともに、近年は再認識されつつあるようだ。
・日本の太平洋側を回遊するカツオ。季節を追って、日本近海にはいくつかのカツオの漁場ができ、カツオ船はそれを追って、ほぼ年間通して操業している。水揚げするのは、基本的には漁場近くの漁港。だから、たとえば宮城県の気仙沼漁港で、宮崎県船籍のカツオ船を見るのは、珍しいことでもなんでもない。水揚げ港となるのは、水揚げだけではなく、その後のあらゆる機能がそろっていることがポイント。産地仲買の目利き、仕分けや箱詰め作業、製氷工場、そして消費市場とのパイプと運送力などだ。以下の主産地も、そうした漁港だ。
産地(ハイシーズン)
鹿児島(1月後半~10月)
宮崎・外浦・南郷(2月~6月)
和具(3月~5月)
御前崎(3月~7月)
房州勝浦(3月~7月)
銚子(7月~9月)
石巻(6月~9月)
気仙沼(6月~11月)
・サーモンの寿司ダネ用は、ノルウェーやチリを主産地とする。タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)やニジマス(スチールヘッド・トラウト)で、すべて養殖もの。脂ののったマイルドな味で、マグロを追いおとすほどの人気だ。このサーモンの寿司に先鞭をつけたのはノルウェー。養殖を国家的産業と位置づけた1980年代、輸出先のターゲットを日本とした。航空便を使って水揚げからわずか一昼夜で日本へ届く鮮度の良さをアピール、寿司への道を広げていったのだ。この日本攻略をベースに、世界へ。欧米人にとってサーモンはなじみがあり、急速に寿司ダネとして浸透していった。サーモンは世界の寿司ブームの原動力、そしてさらに世界シェアを広げようとする驚異の寿司ダネだ。
・赤ちゃん時代をシンコ、成長するにつれコハダ、ナカズミ、コノシロと名を変える。小さければ小さいほど喜ばれ、出始めのシンコ、メダカのようなサイズのそれがキロウン万円単位でも買われていく。コハダは、体長12~14センチほど。寿司に握ると、丸づけといって1尾で1貫、あるいは片身1貫となる大きさが喜ばれる。体長15センチ以上のナカズミとなると、もはや猫またぎ。
地域 (シンコ) コハダ
天草(熊本県) (7月中旬~9月)10月~6月
有明海(佐賀県) (8月~10月) 11月~6月
東京湾(千葉・神奈川県)(9月~11月) 12月~5月
三河(愛知県) (6月下旬~9月) 9月~3月
七尾(石川県) (9月~10月) 12月~3月
浜松(静岡県) (6月中旬~9月) 9月~11月
大阪 (入荷ナシ) 9月~3月
愛媛・香川県 (9月~10月) 11月~4月
・ひとくちにマアジといっても、さまざまな要素で、目利きの評価は違う。まずは回遊する、しないという生態の違い。回遊せずに湾などに棲みつくそれは、体色が黄色を帯びており、「黄アジ」と呼ばれる。「黄色アジ」とか「根付きのアジ」といわれるものも、この黄アジのこと。いっぽう回遊するマアジは体色が黒っぽいので「黒アジ」。黄アジのほうが、脂ののりがよく、評価は高いが、近年、大きく減少している。もう一つの評価ポイントは、漁法。「釣り」のほうが「巻き網」などで大量に漁獲したものより評価は上。大きな網で一網打尽、となると、身が傷むからだ。しかしこれはあくまで基本。たとえば大分県佐賀関の「関アジ」は黒アジだけど評価が高い。理由は一本釣りで獲り、出荷直前にたくみな活け締めを行い、すばらしい身質で入荷するからだ。
・江戸時代、マダイは将軍家の祝いの席に欠かせない魚であり、庶民には縁遠い高級魚。その歴史は昭和になっても続き、「ヒラメやカレイは使えたが、マダイは高くて手がでなかった」と、多くの寿司屋さんが語っている。養殖は、経済性の高い魚に対して行われるものであり、当然のごとく、マダイの養殖の研究は、海の魚ではもっとも早く、明治時代に始まっている。しかし実用化されたのは遅く、1960年代になって。広く普及したのは、80年代になってからだ。現在、全マダイ生産量の約8割が養殖。いいかえると、天然ものは2割に過ぎない。産地は、黒潮に洗われ、生け簀設置にいい入り江の多い海岸線をもつ愛媛県がダントツの1位。活漁での流通が主流で、脂がのった、締めたてのモチモチしら食感はなかなかのものだ。そして年間を通して味が変わらないというのもポイントが高い。
・東京ではワカシ、イナダ、ワラサときてブリ。成長するにつれて名前の変わる出世魚である。寿司ダネに使うのは2キロ前後のイナダクラスから。ブリと呼ばれるのは8キロ以上だ。4~5月のイナダ、5~6月のワラサ、そして秋に入って、日本海側を北海道まで北上したブリを「天上ブリ」といい、これから入荷する寒ブリのできをうらなう。そして12月、佐渡島や能登産が本格化して寒ブリのピークとなる。実際に師走に入ってのブリの腹の脂など、マグロの大トロに匹敵するほどだ。寒ブリといっていいのは、2月がギリギリ最後。春の産卵を終えたブリは、呆れるほど脂が抜けて、寒ブリ時代との違いに驚く。
・しまあじは、アジ族の超エリート。脂はあるが決してしつこくない。うまみが深く、とにかく美味しい。背は青緑、腹は黄金色。この体色をいかすため、皮はできるだけ薄く引くのがいいとされる。大きいものは1メートル以上にもなるというが、人気のサイズは50センチほどだ。幻の魚といわれて久しく、集荷力を誇る築地のセリ人も「これぞと思うヤツに会えるのは、年に数尾程度」。さらに「天然といって入荷しても養殖の生け簀からの脱走兵が多い」という状況。真の(?)天然ものは、唇が分厚く、いかにも不適な面構え。脱走兵は、生け簀周辺で暮らし、生け簀からこぼれた餌で食うには困らないので、顔つきはなんとなく優しい。しかし脱走組ですら微量で、流通しえいるほとんどは、大分県や愛媛県からの養殖もの。天然もののピンク色に比べ、脂のためにやや白っぽいが、締めたての食感はよく、高値で取引されている。
・ほたて貝は甘くジューシーでソフトな口あたり。現代人の嗜好にピタリとあって、貝柱では人気ナンバー1。しかしこの座、すんなり得たわけではない。1970年前後、北海道から築地へホタテガイの売り込みがあった。しかし当時、貝柱といえばタイラガイ。ホタテガイの魅力は理解されなかったのだ。ところが炉端焼きで殻ごと焼くスタイルがうけて大ヒット。続いてバター焼きや天ぷらにも使われ、知名度が上昇。そんな人気に後押しされるかたちで寿司ダネに使われるようになった。主産地は北海道、さらに青森県や岩手県でも養殖されており、国産だけではまかなえる優等生。本来の旬は冬とされているが、産地ごとに出荷を調整しており、入荷が絶えることはない。
・ほたて貝は殻の色で、天然か養殖かがわかる。養殖ものは、筏からつるして育てるので、2枚の殻の色は同じ。天然もの(稚貝を放流)は、海底にもぐっているほうが白っぽいので、殻の色がそれぞれ違う。そんな天然ものの漁場がオホーツク海。ときには流氷の危険にみまわれながら、白波をけたて沖合へ向かい、けた網という漁具を使って海底から引き上げる。流氷がもたらす栄養分と荒い潮にもまれて育つオホーツクのホタテガイは、なんともいえない深い甘みがある。
・伝統の産地名
【江戸前】昭和20年代、築地市場の特種物業会や東京湾の水産関係者が集まり、江戸前の線引きが行われ、千葉県の鋸山~神奈川県の観音崎を結ぶ内湾を江戸前と呼ぶことになりました。築地市場で江戸前と呼ぶ場合、今もそれが踏襲されています。
【房 州】旧国名、安房国のこと。白浜~大原に至る外房の各産地が有名
【常 磐】今の茨城県である常陸国(ひたちのくに)、宮城県南部から福島県東部にまたがる磐城国(いわきのくに)のこと。産地的には、福島県や茨城県となります。
【三 陸】太平洋側の陸奥(むつ・青森県)、陸中(岩手県)、陸前(宮城県)の3地方をいいます。
【紀 州】和歌山県南部、産地的には串本や尾鷲、田辺などになります。
【泉 州】和泉国(いずみのくに)のことで、大阪南部。産地的には岸和田が有名。
【豊 後】大分県
・築地市場で「江戸前」という言葉は、日常用語。漁場の意味で使っている。江戸、日本橋魚河岸時代からのことで、具体的な線引きまであった。明治に入って魚河岸の組合が出版した「日本橋魚市場沿革紀要」のなか、お役所へ送った文書にそれが記されている。西は「品川洲崎」東は「深川洲崎」、この間が江戸前。海岸線で10キロちょっと、ごくごく狭い海域である。やがて埋め立てや船の進歩もあって、漁場は沖へ沖へと張り出していく。江戸前といっても昔のようなわけにはいかない。そこで戦後の1953年、築地市場の寿司ダネなどを扱う仲卸の音頭取りで東京湾沿岸の水産業者が集い、新たな線引きが誕生する。西は三浦半島の観音崎灯台、東は鋸山を結ぶ線で、内湾と外湾に分け、内湾を江戸前としたのだった。なぜこうも線引きにこだわってきたのか。答は簡単、江戸前で獲れる魚介類は、重要なブランドだからだ。
良かった本まとめ(2015年下半期)
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