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「ビールの科学(渡淳二)」という本はとてもオススメ!

2015年07月31日 01時00分00秒 | 
「ビールの科学(渡淳二)」の購入はコチラ

 「ビールの科学」という本は、サッポロビールの研究所員と商品・技術開発部のメンバーにより、ビールの歴史・文化・法律・技術・科学・飲み方・健康・関連する料理などについてまとめられたものです。

 著者によると、2009年に初版がブルーバックスにより発行されていますが、2015年になっても売れ続けていて版を重ねていて、ロングセラーのようです。

 この一冊でビールについて様々なことが楽しくまとめられていて、とても良いと思います。

 特に以下についてはナルホドと思いましたね。
・黒ビールは黒麦芽やカラメル麦芽を使っているので黒い
・紀元前5000年以上前にイラク北部でビールが造られたという記録がある
・ビールは通貨や給料の役割も果たしたことがある
・ベルギービールは個性的でワインやシャンパンのようなものもある
・ビールの定義は国や地域によって大きく異なる
・瓶ビールと缶ビールの中身は同じ
・ビールは日光や高温にさらすとダメ
・古代のビールは麦芽の成分や酵母そのものが豊富に入っている栄養ビールと推察

「ビールの科学」という本は、ビールについて歴史や技術、美味しい飲み方など学ぶことができ、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・「ビール」の語源は、ラテン語の「ビベル」(飲み物)から来たという説と、ゲルマン語の「ベオレ」(穀物)に由来するという説の2つが有力視されています。ラテン語説によるならば、まさに「飲み物」そのものの意味を持つほど、昔から人々の生活に密着していたのでしょう。ちなみに日本では、江戸時代、幕府の医官とオランダ商館長との問答を記した書物に「名はヒイルと申候」という記述が出てきます。これが日本最初のものではないかとされています。

・通常の澄み切った色のビールと違って、黒ビールは濃厚な色をしています。これは色素を添加して色を付けるのではありません。原料に黒麦芽やカラメル麦芽という色麦芽を用いているのです。色麦芽は、大麦から麦芽をつくる際に、より焦がした工程を経てつくられます。ちょうど、コーヒー豆を深煎りするのを想像してもらっていいかもしれません。こうして、あの独特の香りと色や味の深みが生まれるのです。

・紀元前5000年以上前に、現在のイラク北部のチグリス、ユーフラテス両河の沿岸域のシュメールやアッシリア地方でビールを造っていたという記録があります。また紀元前3000年頃の人類最古の史上の事実として、穀物の栽培とビール醸造とが古代バビロニアのくさび形文字の記録に残っており、当時のビール造りの様子を知ることができます。その概要を示すと次のようになります。
①原料の麦を発芽させて「麦のもやし」をつくり、それを乾燥した後に粉にする。
②できた粉を練ってパンを焼く(ビール・ブレッドと呼びます)
③できたパンを砕き、熱水を加えて混ぜ合わせ、固形物をふるいでこし、取り除く
④上澄みを壷に入れ、その液体に自然発酵を行わせ、ビールができあがる。

・古代バビロニアからやや遅れてですが、古代エジプトにおいても紀元前2000年頃からビール醸造の記録がほぼ完全に壁画や人形によって残されており、当時の醸造方法は古くから詳細に知られています。古代エジプトにおけるビール造りは、種々の根拠からシュメールやバビロニアからの移入であると推論されています。通説では、ビール・ブレッドを用いる古代バビロニアとほぼ同様な技術でビールを醸造したと考えられてきました。しかし近年、古代エジプトにおけるビールの製造技術に関して、サワーパン生地(乳酸発酵のパン)やナツメヤシ(デーツ)の発酵液を用いて酵母の純粋培養に近い操作を行っていたという新説が出されました。微生物の知識がない時代に、かなり高度な酵母管理技術を駆使していたという新説です。また、古代エジプト人は特にビールの清澄化に苦心し、清澄材として赤色粘土の粉末を使用していました。このことは洗練された味づくりの点で大変興味深いことです。清澄化することで澱が取り除かれ、液体としての飲み安さの点で意味があったのかもしれませんが、香味の点でもすっきりした洗練されたものであったと推察されます。ビールのバリエーションも多く、発酵後すぐに飲むビールだけでなく、特別の壷に入れて長期熟成させたビール、弱アルコール、強アルコールのビールなどもあったと言います。その他、古代バビロニアのビールと同様、種々の香り付けのハーブやスパイスが添加されていたようで、ナツメヤシ、蜂蜜、ベニバナ、ルピナスなどを使うことによって香味の変化やアクセントがつけられ、風味も格段に多様化し、人々の嗜好を満たしていたのでしょう。古代エジプトでは巨大なピラミッドが建造されましたが、炎天下で巨石を運ぶのは大変な労働でした。ビールはまさに喉の乾きや疲れを癒し、栄養補給や疲労回復のための「栄養ドリンク」の役割を果たしていたと考えられています。精密にろ過されていないので、麦や酵母の成分そのmのを多く含み、透明な現代のビールに比べて滋養に富んだ、まさに、「液体のパン」であったと言えます。古代バビロニアや古代エジプト時代の人々は、現代人よもはるかにビールとの関係が深く、ビールは日々の糧としてだけではなく、通貨や給料の役割も果たし、寺院への供え物にも使われていました。ビールという穀物飲料がこれほど生活に密着した時代はなかったのではないでしょうか。

・1516年にバイエルン(ドイツ南部)の王であったウィルヘルム4世によって出され、現在もドイツで守られている有名な法律に「ビール純粋令」があります。それは「ビールは、大麦、ホップ、及び水だけを使って醸造せよ」というものであり、それ以降、完全にグルートは駆逐されました。この純粋令は、世界初の食品・飲料の法律と言われており、品質を守るために画期的なものであると評価できます。歴史的な背景もありますが、このような品質に対する強いこだわりも「ドイツがビールの本場」と言わしめるゆえんでしょう。ちなみに、小麦が純粋令に入っていないのは、パンなどの食料としてへの用途への影響を考慮したためだと言われています。

・現在世界で最も多く醸造され飲まれているビールの種類は「ピルスナー」というタイプで、淡黄色でホップの効いた、すっきりとしたキレ味のある、爽やかな香味が特徴です。では、このピルスナーがビールの本場と言われるドイツ発かというと、実はそうではありません。1838年、ボヘミア(現在のチェコ)にあるピルゼンという町では、ビール醸造が非常に出来の悪い状態となり、飲用に堪えない多くのビールを廃棄することになりました。これを機会に、新工場の建設と革新的な技術者の招聘を行うことになったのです。そして1842年、バイエルンから技術者を招いて新たに醸造が始められました。当時はミュンヘンで飲まれている下面発酵で色の濃い、しっかりした重厚な味わいのビールを造るつもりだったのですが、なんと、できあがったものは黄金色で泡の白いビールでした。全く予想していなかったビールです。1842年10月4日にこのビールが披露されたとき、まずグラスに注がれたビールの色を見て皆驚きました。さらに、すっきりとしたキレ味のある喉ごしに加え、それまでピルゼンで造られていたビールとは比較にならないうまさにまた驚いたのです。こうしてピルゼンでは、新しくできたビールの量産に取りかかることになりました。これが現在最も多く飲まれているピルスナータイプのビールが誕生に至ったストーリーであり、その呼び名も地名のピルゼンに由来しているのです。

・ベルギービールは、通常の日本のビールにもっぱらなじんだ人が飲むと、「これがビールなのか」と衝撃を受けるでしょう。ワインやシャンアンと言ってもいいほどのものもあります。ベルギービールは世界のビールの中でも極めて個性的で魅力があり、今後のビールの多様化の流れの中で評価はさらに高まるでしょう。

・大麦はイネ科オオムギ属に属し、世界中の広い地域で栽培されていますが、ビール醸造用の品種が登場してきたのは19世紀の欧州においてです。その後、ビール麦にふさわしいようにさらに育種が行われ、それらが世界各地へと伝わり、また、現地に適した優良な品種が育成されてきました。大麦は穀粒の実り方によって、穀粒が2列の二条大麦と6列の六条大麦に分けられます。二条大麦は六条大麦の4列が退化したもので、一粒の大きさにおいて優位にあります。ビール醸造では、アルコールをできるだけ多くつくり、かつビールらしいスッキリ感を得るために、デンプンが多く、タンパク質が少なく、酵素力の強い大麦が選ばれる傾向にあり、特に二条大麦はビール用として数多くの品種が育種されてきました。ビール大麦の主要な生産地はヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアであり、国内では、北海道、関東、九州北部などでつくられていますが、国内のビール会社の麦芽使用量のうち国産が占める割合はわずか1割程度です。

・ビールになくてはならない特有の苦みと爽やかな香りとを与える原料がホップです。一般にはあまり目にすることのないホップは、ビール醸造のためにのみ生産されているといっても過言ではありません。中世以前にはホップ以外の薬草や香草も使われていましたが、ビールの品質を高めるにはホップが最も適していることが次第に広まり、16世紀にはその地位を確立することになりました。

・ビールの定義は国や地域によって大きく異なります。日本での酒税法によるビールの定義は、「麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもので、麦芽の一部を麦・米・トウモロコシ・コーンスターチ等の政令で定められる物品を副原料として、麦芽の量の半分以下で使うことができる」というものです。従って、副原料を麦芽の半分を超えて使用した場合や、ベルギービールのように、チェリーやカシスなどの果実、コリアンダーやオレンジピールのようなスパイス、その他ハーブなどのような、政令で定められていない原料を使用した場合は、ベルギーではビールであっても、日本ではビールと呼べません。

・グラスに注がれた際、見た目でビールらしさを演出してくれる泡は、ビールの重要な品質特性の一つです。泡の役割は大きく2つに分けられます。まず一つ目は、「グラスに注がれたビールが本来のおいしさを十分に発揮できる状態であるかを示すバロメーターの役割」です。例えば、泡立ちが悪ければ、ビールを冷やし過ぎたかグラスの洗浄が十分でなかったかなどがわかります。逆に、静かにグラスに注いでも泡だらけであったら、冷えていんか、飲む直前に乱暴に取り扱って衝撃を与えたりしたかなどがわかります。このように、泡の状態に注目することで、ビールの保管や取り扱い方法、グラスの洗浄状態、そして注ぎ方が適切であるかを推し量ることができます。つまり、泡はビール本来のおいしさを演出するさまざまな条件についての大切な「証人」であるとも言えるのです。ビールをおいしい状態で飲めたかどうかは、飲んだ後にグラス内面へ付着した泡の状態を見ればわかります。ビールを一口飲む毎にグラスの内面に「レーシング」という泡の輪がクッキリとできます。その泡の輪を数えることにより何回でグラスを飲み干したかがわかるようであれば、そのビール本来のおいしさを堪能できた証拠でもあます。

・グラスの形もビールの泡の形成に大きく影響します。その基本的な形は、ビアホールのジョッキに見られるように美しく緩やかな曲線を持った円筒形で、底に適度な丸みを有するものです。この形状のグラスだと、注がれたビールが底に当たってちょうど円を描くように下から上へと滑らかに対流することで、きめの細かい泡が形成されます。グラスの理想は直径1に対して高さが1.8~2.2くらいの比率を持ったものがベストと言われています。この比率より大きすぎても小さすぎても、きれいな泡は形成されません。直径に対する高さの比率が大きすぎるグラスでは、背が高すぎることで注ぐ際の衝撃が大きくなるために泡が適正量より多くなってしまいますし、逆に比率が小さすぎるグラスでは炭酸ガスが抜けやすいため泡が粗くなりやすくなります。また、ラッパのようにグラスの先が開いているものも炭酸ガスが抜けやすく粗い泡となって泡持ちも悪くなりますし、底が角張っているグラスでは炭酸ガスがグラスの上方へ抜けにくいため、炭酸がきつくなって重い味として感じることもあるので、ビール本来のスッキリとした味を楽しむことができなくなります。

・ビール注ぎ名人が、ビール注ぎに最も重要だと考えていのは、サーバーから最初に出たビールがジョッキの底に叩きつけられてできた泡だといいます。この泡をジョッキの縁まで持ち上げていくというのが理想です。ジョッキはできるだけ垂直に立てサーバーから出てくるビールが底に直接当たるようにして安定した泡をつくります。最初の泡が大切なのです。ジョッキの底に泡をつくったら、その泡を持ち上げていきます。ジョッキを少しだけ傾けて、サーバーから出てくるビールをジョッキの壁に当てるようにしながらきめ細かな泡を形成させます。この段階で名人はジョッキの姿勢を微妙に調節することで、ビールが流れ込む速度を変えてきれいな泡を形成させます。次にジョッキを垂直に戻しながら最初にジョッキの底につくった泡をそのまま持ち上げ、ジョッキの縁まで盛り上げるように泡の蓋をつくります。大ジョッキの場合、約5秒程度で注ぎ終わります。極論すれば5秒の間にジョッキの姿勢をいかに調節するかというところが勝負です。ジョッキを立てれば立てるほど泡が立つのは当然ですが、ただ泡ができればいいのではありません。サーバーから出てくるビールの勢いを受け止める際に、名人はその微妙な加減を調節することで、きめ細かいシルキーな泡をつくりだしています。

・ご家庭で適正量の泡をつくるには「3度注ぎ」がおすすめです。
①グラスはなるべくテーブルに置いた状態で注ぎます。グラスを手に持った状態では、注ぎ口の方向にグラスを斜めにされる傾向がありますが、それではグラスの底面にビールの流れを当てることが困難になります。グラスを手に持つ場合でも必ず垂直にしておかなければなりません。1度目の注ぎでは、グラスの底面めがけて、ビールに少し勢いをつけて注ぎます。ビールが適度に泡立ったら一旦注ぎを止めます。この時に形成された泡が蓋の役目を果たします。
②2度目の注ぎは、あまり泡立てないようにゆっくりと注ぎます。1度目の注ぎで形成された泡の蓋がそのままグラスの上へ押し上げられるようにすることがコツです。泡の蓋がグラスの縁に達する直前で注ぎを止め、泡の形成を落ち着かせます。
③そして仕上げとなる3度目の注ぎで、グラスの縁に泡を盛り上げるように静かに注いで完成させます。ビールに占める泡の比率が30%程度となるように、1度目から3度目を通じて注ぎの緩急をうまく調節してください。

・缶の場合は瓶と比較して1~2℃程度低めの温度とすること、そしてスピードをゆっくり目に加減して注ぐことです。泡の状態を目で確かめながらきめ細かい泡がグラスの3割程度を占めるように泡を形成させることが、おいしいビールの条件になります。

・ビールは日光にさらされると「日光臭」という不快な臭いがついてしまいます。これは日光の特定の波長がビールの苦み成分を分解することで発生するものです。この「日光臭」は、瓶ビールを直射日光下に放置した場合、短時間でも生じてしまいます。これを防ぐには、瓶ビールを日光にさらさないことに尽きます。茶色や緑色の瓶は、この特定の波長をある程度遮断する効果がありますが、直射日光にさらされてはひとたまりもありません。ぜひともビールは冷暗所に保管してください。

・ビールにとっては温度変化も大敵です。冷やしすぎにご注意という話を紹介しましたが、高温が大敵であることは言うまでもありません。ビールを高温にさらすと風味を損ねるばかりか濁りや沈殿を生じる原因にもなります。さらには、夏場の車のトランクの中など思わぬ高温になってしまうような状況では、瓶や缶の内圧を上昇させ容器が破裂する危険もありますので、ご注意ください。

・ビールの炭酸ガスは泡や味に大きく関与しています。もし、飲む前にビールが振動や衝撃を受けてしまうと、たとえ上手な注ぎ方をしても、炭酸ガスの抜けが速くなり、ビール本来のきれいな泡や爽快な味を楽しめなくなってしまいます。ビールは、それほどまでにデリケートな製品であると言えます。ビールをおいしく味わうためにも振動や衝撃には十分気をつけて取り扱ってください。

・ビールをおいしく飲むための基本的条件が整えば、あとは口にするだけです。丁寧に準備されたビールをおいしく味わってもらうためにも「掟」があります。
①まず、背筋を伸ばしてビールを口に持っていきます。ビール特有の喉ごしを体感するために喉から胃袋のラインができるだけ直線となるように心がけてください。背筋を曲げていては、せっかくの喉ごしが体感できません。
②上唇で泡を押さえ泡の下のビールを飲みましょう。せっかく3度注ぎで適正量の泡を形成したのに、その泡を飲んで減らしてしまっては台無しです。この泡はグラスを空にするペースを知らせてくれる大切なものです。
③等間隔の時間で同じ分量だけ前記の飲み方を繰り返すことで、等間隔のキレイな「レーシング」がつくられます。この「レーシング」が形成されていれば、今までにご紹介したおいしいビールの飲み方について「免許皆伝」と言っても過言ではありません。
最後に、もう一点注意しなければならないことがあります。
④グラスへの注ぎ足しは厳禁です。泡をつくる際に大切なことは、注ぐ時のグラスは必ず空となっていることです。一度グラスに注がれたビールは、炭酸ガスが刻一刻と失われ、泡も少しずつ消えていきます。この状態に新たなビールを注ぐことは、ビール本来の炭酸ガスや泡の力を薄め、爽快感を損なうことになるのです。

・古代のビールは現代のビールと違って麦汁ろ過やビールろ過といった固形分を分離する工程がほとんどなく、発酵終了後の上澄み液を飲んでいたと考えられています。そのため、麦芽の成分や酵母そのものが豊富に入っている「栄養」ビールであったと推察できます。麦芽や酵母には、食物繊維、タンパク質、アミノ酸、炭水化物などの栄養成分や、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラル、ビタミンB1、ビオチン、葉酸などビタミン類が多く含まれていて、当時のビールは栄養豊富な「液体のパン」であったと言えましょう。

・紀元前3000年頃よあり後の時代には、ビールはその栄養価が着目され、古代エジプトやバビロニアで、すでに流行病の予防や治療薬として使用されていたと言われています。あっシリアのアッシュールバニパル王が収集した粘土板のコレクションの中に、「ビールとともに服用」といった記載のある処方箋が見つかっています。また、医学の始祖といわれる古代ギリシャのヒポクラテスの処方箋に、発疹性の病人に発芽した大麦の煎汁を飲ませて、排尿量を増加させるという記述もあります。中世ヨーロッパでは、キリスト教の普及っともに、教会や修道院でビール造りが盛んになりましたが、16世紀になってホップが本格的に普及するまでは、種々の薬草やハーブが使われていました。中世の経済発展とともにビールも一般の人に普及して行き、嗜好品としてだけでなく、栄養補給や医薬品としても用いられていたようです。15世紀から17世紀頃のコロンブスやマゼランで知られる大航海時代には、船にビールを積み込んで脚気の防止に努めていたと言われていますが、これはビールにビタミンB1が比較的豊富に含まれているためだったと考えられています。また、1620年にイギリスからアメリカに辿り着いた清教徒が乗ったメイフラワー号には、400樽ものビールが積み込まれていました。当時船上では肉やビスケットなどの食事とともに飲まれ、ビタミンやミネラル補給の役割を果たしていたのです。積み荷として、食べ物より重要視されていたほどです。さらに、ビールは水と比べて腐りにくいため、大航海時代に船上に積み込まれ飲料として利用されていました。こうして船によってもたらされたことで、北アメリカにビールが伝わるきっかけとなったのです。

・一気飲みだけでなく、未成年者にとってはたとえ少量でもアルコールを常用すること自体が問題です。それは、アルコールの代謝能力が不十分であることから、体への影響も大きいためで、肝臓障害、膵炎のほか、脳の萎縮、成長阻害、性線機能障害(生理不順、インポテンツ)などが、比較的少量の酒でも起こりやすいことが知られています。

・適正飲酒の10箇条
 1 談笑し、楽しく飲むのが基本です
 2 食べながら 適量範囲でゆっくりと
 3 強い酒 薄めて飲むのがオススメです
 4 つくろうよ 週に二日は休肝日
 5 やめようよ きりなく長い飲み続け
 6 許さない 他人への無理強い・イッキ飲み
 7 アルコール 薬と一緒は危険です
 8 飲まないで妊娠中と授乳期は
 9 飲酒後の運動・入浴 要注意
10 肝臓など定期検査を忘れずに

良かった本まとめ(2015年上半期)

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THE FRENCH KITCHEN(グランドハイアット東京)での食事はとてもオススメ!

2015年07月29日 01時00分00秒 | 外食
 東京の六本木ヒルズにあるグランドハイアット東京というホテルで一度食事をしたいと思っていましたが、その機会があったので行ってみました!

 六本木に到着して少し迷いましたが、無事グランドハイアット東京のTHE FRENCH KITCHENに到着し、さっそく受付をして店内を案内されます。

 かなり店内は広く、てくてく歩きます^_^)
そして天井が高く、大きな木もあり、清潔でピカピカと掃除が行き届いていて、とても気持ちよい空間が広がっていましたね。

お店の方も礼儀正しく、好感が持てます。
電話で予約する時からも気持ちよい対応です。
良いお店は予約時から違うなぁと思いますね。


↑店内


↑店内

今回はちょっとしたコースがあらかじめ決まっていて、以下のメニューとなります。

飲み物はシャンパンを選びました。

・スモークサーモンとディルクリーム ブリオッシュを添えて
・鯛のポワレ キヌアとスチームベジタブル ブールブランソース
・信玄鶏胸肉のロースト 大麦 アーティチョークそら豆のリゾット チキンソース
・フレンチキッチン特製デザート3種
・コーヒーまたは紅茶

さっそく、シャンパンの銘柄を確認してグラスに注がれ、またパンも運ばれます。
もちろんシャンパンは甘いながらも口の中で炭酸がはじけ口の中がさっぱりします。
パンは硬めですが、バターと合いさすがの味です。


↑シャンパンとパン

そして、前菜が運ばれますが、ピンク色のスモークサーモンが光っていて美しい!
緑色のサラダもよい色合いです。
ディルクリームとサーモンと、その焼かれたパンと一緒に食べた方が良いといわれるので、キャビア?と共に一緒に食べます!
特にサーモンの鮮度の良さを感じ、クリームと合いますね!
これは美味しいです!


↑スモークサーモンとディルクリーム ブリオッシュを添えて

次に、鯛のポワレが運ばれます
これも、程良いポワレ加減で、鯛の白身が柔らかく、そして皮はパリッとしていて美味しい!
ソースも良いですね。


↑鯛のポワレ キヌアとスチームベジタブル ブールブランソース

そして、メインの信玄鶏が運ばれますが、ローストが絶妙の焼き加減で柔らかい!
さすがだなぁと思います。
そしてこれが結構ボリューム満点!
結構な量です。
塩味がかなり控えめなので、テーブルの上にある塩・白胡椒で味を調えます!
この塩胡椒も、ローストに合いますね!


↑信玄鶏胸肉のロースト 大麦 アーティチョークそら豆のリゾット チキンソース

そして、驚いたのがデザートのケーキが3種もあるということ。
3種類味を楽しめるというのは嬉しいですね!
これらのケーキは質の良さを感じ、美味しかったですね!
コーヒーもさすがしっかりとした風味を出していました。


↑フレンチキッチン特製デザート3種とコーヒー

そのあと、少し読書を楽しんだのですが、気持ちよくコーヒーのお代わりも出していただき、さすがのホスピタリティだなぁとも思いました。


グランドハイアット東京のTHE FRENCH KITCHENでの食事は、広く綺麗な空間で美味しい料理をホスピタリティあるサービスで楽しめ、とてもオススメです!


美味しかったものまとめ(2015年上半期)

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フレンチ キッチンフレンチ / 六本木駅麻布十番駅乃木坂駅

夜総合点★★★★ 4.2


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エアウィーヴ(airweave)「四季布団 和匠」はとてもオススメ!

2015年07月27日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
「エアウィーヴ 四季布団」の購入はコチラ

 テレビ番組のガイアの夜明けで紹介され、テニスの錦織圭選手やアイススケートの浅田真央ちゃんも使っていることで有名なマットレスパッドや布団の「エアウィーヴ(airweave)」を買ってみました!

 買ったのは「四季布団 和匠」という布団ですが、結論から言うと、素晴らしい!!
さっそく試してみた初日は、30cmほど空中に浮いているような寝心地で快眠!
次の日からはさすがに空中に浮く感じはなくなりましたが、とても快適で、寝るのが楽しみな毎日となりました^_^)
特に腰に良いようですね!
 このエアウィーヴを使い始めてしばらく経ってから普通の布団がある実家に帰って2泊したのですが、慣れない布団で寝苦しく、しかもその3~4日後には「ぎっくり腰」になってしまう次第で、整骨院の先生からは「布団を替えたりしませんでしたか?」と言われ、「あぁぁぁこのせいか!!」と思った次第です。

 テニスの錦織選手も、腰の重さがなくなり、ぐっすり眠れるようになったようです。
そのほかこのエアウィーブを使用している有名人としては、以下の方がいらっしゃるようです。
結構使っているんですね。

・歌舞伎俳優 坂東玉三郎
・スキージャンプ選手 高梨沙羅
・卓球選手 石川佳純
・プロゴルファー ポーラ・クリーマー
・プロゴルファー バッバ・ワトソン
・プロゴルファー 宮里美香
・プロゴルファー 樋口久子
・国際ジャーナリスト 蟹瀬誠一

また、エアウィーブは以下の一流ホテルや旅館、スクール等にも使われているとのことです。
かなり人気なようです。

・JAL国際線「JAL SKY SUITE777」ファーストクラス・ビジネスクラス
・石川県和倉温泉「加賀屋」
・クルーズトレイン「ななつ星in九州」
・プライベートリゾート 天空の森
・銀鱗荘
・パリ国立オペラ座バレエ学校
・英国ロイヤルバレエスクール
・米フロリダ州「IMGアカデミー」
・宝塚歌劇団
・フォーシーズンズホテル丸の内 東京
・奈良ホテル

このエアウィーヴの4つの特長は以下の通りです。
(1)復元性(体重を押し返す力)が高いので、睡眠時の寝返りが楽
(2)優れた体圧分散で体に負担がかからない
(3)通気性抜群で夏は蒸れにくい、そして冬は空気断熱で暖かい
(4)エアウィーヴ素材まで水で洗えて清潔で、カビ・ダニの心配が不要

個人的には、(1)(2)がエアウィーヴの大きな特長だと思いますが、特に(4)の水で洗えて清潔で、カビ・ダニの心配が不要というのが一番嬉しいですね。

エアウィーヴのラインナップは、大きく以下の2種類に分かれ、全部で6種類となります。
(そのほか子供用に1種類あります)

<1>ベッドやマットレス、敷き布団の上に重ねるマットレスパッド(4種類)
<2>床や畳に直接敷く布団タイプ(2種類)

 私の場合は、ベッドではないので、直接床に敷く布団にしました。
布団は2種類あり、「エアウィーヴ四季布団」と「エアウィーヴ四季布団 和匠」で、「エアウィーヴ四季布団 和匠」は、肩は柔らかめに、腰は固めにアレンジして腰の沈み込みを軽減したもので、また寝返りや横寝の時に肩が楽に回るものです。

 日本橋高島屋で、実際に横になって試してみたのですが、「エアウィーヴ四季布団 和匠」が寝心地が良かったのでこれにしました!
また、メッシュ地の夏面、裏はキルト地の冬面と、夏・冬それぞれで使えるのが嬉しいですね。

また、サイズは以下の5種類があり、私は身長が高いのでシングルロングにしました。

・シングル     幅103×長さ198×厚さ8cm
・シングルロング 幅103×長さ213×厚さ8cm
・セミダブル    幅123×長さ198×厚さ8cm
・ダブル      幅143×長さ198×厚さ8cm
・クイーン     幅163cm×長さ198×厚さ8cm

快適な睡眠のために、エアウィーヴはとてもオススメです!!



お勧めなお話(2015年上半期)
自動車保険を安く!

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「「バカな」と「なるほど」(吉原英樹)」という本はとてもオススメ!

2015年07月24日 01時00分00秒 | 
「「バカな」と「なるほど」」の購入はコチラ


 「「バカな」と「なるほど」」という本は、実は1988年に発行された本で、1991年から絶版となっていたものですが、楠木健さんの「ストーリーとしての競争戦略」という本などでこの本が評価されたりして23年ぶりの復刊の運びとなったようです。

 成功している企業について研究してみると、戦略・組織・人事・工場マネジメント・マーケティングなど経営の仕方が、一見したところ非常識と思えることが少なくないようです。

 「そんなバカな」と思わずいいたくなりますが、経営者や実務担当者から説明を受けると、理屈が通っており、「なるほど」と納得せざるをえないことがよくあるようです。

 このようにして、著者は「バカな」と「なるほど」の二つの特徴を同時にもつことが、経営で成功するための秘訣ではないかと考えるようになり、本書が作られました。

 具体的に当時の会社の実例も豊富に取り上げられ、経営で成功するポイントとしてこれらは現代にも通じる内容だと思います。

具体的に本書では以下などについて書かれています。

・創造的戦略の発送法
・べき論ではなく予測論
・戦略を効果的に社内に伝える方法
・マイナス情報が重要
・企業変身が重要
・2年交代の人事要員
・リーダーシップ
・キープヤングの人事
・女性の重要性
・人づくりは人選びが重要
・日常業務が革新を駆逐しがち
・多角化のキーファクター
・海外進出のポイント
・技術力について
・失敗のマネジメント


「「バカな」と「なるほど」」という本は、復刊本ですが、現在でも会社経営で成功するポイントがよくまとめられていて、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です

・「バカな」戦略の場合、模倣が遅れやすい。競争会社は「バカな」「あんなことをしたらおしまいだ」などと思っているから、じっとみている。その間、「バカな」戦略の企業は、足元を固め、創業者利潤を享受できる。やがてそのうちに、他社がその「バカな」戦略の成功に気づく。しかし、どう考えてもおかしいということで、なかなか模倣しようとはしない。戦略の成功が明々白々の状態になり、その戦略の有効性を否定しようにも否定できなくなってはじめて、競争会社のマネがはじまるのである。新しい戦略を打ち出したとき、他社からバカよばわりされたり、軽蔑されたら、そのときは内心「しめた」と思っていただきたい。その戦略は、成功条件のうちの一つ、それも重要なほうの条件を備えているからである。

・答えをみながら戦略の答案を書くという創造的戦略の発想法を実践するためには、まずなによりも外への関心をもちつづけることが大切である。自分の会社のなかに閉じこまらない。自分の業界に注意を限定しない。他の業界につねに注目を怠らない。アメリカ、ヨーロッパ、あるいはそれ以外の多くの国々につねに注意を向ける。こういう外への関心をつねにいだき続けることが、創造的戦略の発想法のためには不可欠である。平安堂の平野社長はいう。「自分の業界の人とはあまりつきあわないようにしています。ベンチャー企業の経営者などさまざまな業界の優れた経営者の人たちとは、こちらから進んで会うようにしています」。

・先見力を強める一つの方法は、べき論にたたずに予測論にたって世の中の変化、時代の流れを読む努力をすることである。自分都合主義の立場から世の中の流れを読むのではなく、第三者的な冷静な目で、常識的に時代の流れを読もうと努力するならば、世の中の変化、時代の流れは案外容易に読めるものである。政治家や教育者は、べき論の立場にたって大いに議論してもらってよいが、経営者は、べき論でなく予測論の立場から時代の流れを読み、経営にあたるべきだと思われる。

・コンピュータ、宇宙通信、あるいはパソコンの現代において、情報は非人間的な、技術的な、無機的なものと思いがちである。しかし、実は情報とは情けに報いてくれるもの、つまり、人間的、心理的、情緒的なものである。このことを経営者は忘れてはならない。

・経営者がマイナス情報をほんとうに手に入れたいならば、マイナス情報に情けをかけてやらなければならない。マイナス情報が自分のところに届いたならば、それを届けてくれた部下に、にこにこしながら「よく届けてくれた。よい情報を届けてくれた」といって接しなければならない。たとえ、心の中では怒っていても。

・従業員は、みんな、意気揚々と始めた新事業が期待に反して大赤字をだすなど苦境に直面すると、元気をなくしてしまう。トップの顔色をみる。そのとき、社長など経営者は内心ではしまったと思っても、その内心の不安を顔にだしてはならない。従業員や社外の取引関係者に対するときには、自信満々の態度で接しなければならない。たとえ、その自信がカラ元気に支えられた自信であっても。新事業を軌道に乗せるまでの苦難期におけるトップのリーダーシップは、しばしばカラ元気のリーダーシップを必要とするのである。

・経営者の方にお尋ねしたい。あなたの部屋の書架に女性誌が何冊ありますか。もし一冊もないようであれば、早速何冊か定期購読してほしい。女性の心理をつかみ、女性化の流れを理解するためには、最小限、役員室に女性誌を何冊かおき、ときどきページをくって写真を眺めたり、気に入った記事を拾い読みすることが必要である。現代は女性の時代である。その女性の時代において、消費者としての女性の購買心理を的確につかみ、また、働き手としての女性を動機づけ、能力をフルに発揮させるためには、このようなつまらないと思えることでもしなければならないのである。

・望ましい社員をつくりたいと思うならば、今ある社員をそういう社員につくり変えることに努力するよりも、むしろ、望ましい社員像に合致する人間を選んで、そういう人間からなる社員集団をつくりあげる努力のほうが大切と思われるのである。

・企画のグレシャムの法則によると、企業において革新のための計画業務が日常業務のために駆逐されてしまうのは、次の3つの理由のためである。日常業務のほうが革新のための計画業務に比べて、納期がはっきりしており、評価との結びつき方が直接的で明確であり、注意の焦点が明確なためあれこれ迷わずにすぐに着手できる。したがって、計画のグレシャムの法則に打ち勝つためには、革新のための計画業務を納期・評価・注意の焦点の3つの点で工夫をこらさなければならない。いつまでにしなければならないという締切期限ないし納期を明確にする。これが第一であえる。次に、その締切期限に間に合わなかったとき、いかなる評価を下すかをあらかじめ明確にしておくことである。さらに、注意の焦点もできるだけはっきりさせるようにしなければならない。3つの対策の中では、締切期限の明示と厳守がとくに重要である。創造的なアイデアを考え出し、それを一つの計画にまとめあげる仕事は、時間の制約にしばられずに、十分に時間をかけるほうがよいと思われるかもしれない。しかs、事実はどうも逆で、せっぱつまった状態で、短時間に一気にするほうが、よい結果が出るようである。忙しいときほど、タイムプレッシャーが強いときほど、人間は良質のアイデアを数多く考え出すようである。経営者が革新のための計画の立案作業を企画室の者や部下に命じるときには、締切期限を明示してタイムプレッシャーをかけるようにしなければならない。次に、仕事にあたる者を選ぶときは、忙しい人を選ぶべきである。

・若手に今のやり方に変えて新しいやり方を考えさせると、必ず今のやり方よりも良いやり方を考え出してくれるという。優秀な若手に新しいことを考えさせると、今のやり方より悪くなるはずはないというのである。同じやり方を長く続けているときには、管理者型の社員が幅をきかし、新しいことに挑戦するのが好きな事業家型の社員が片隅に追いやられてしまう。悪貨が良貨を駆逐するのである。このような事態を防ぐためにも、経営者は革新を制度化して、とにかく変えてみるべきである。

・事業は特殊化と差別化に尽きる。特殊需要を従来より重視していく。自分の長所を鍛え、他社が諦めるくらいにまで強くする。

・企業変身で難しいのは、既存事業にいかに捨て石の役割を立派に演じてもらうかである。これはトップのリーダーシップの試金石の一つでもある。ハーバード大学のハマーメッシュという若手の教授がその著書のなかで次のようなことを述べている。「アメリカではPPM、つまり事業には①負け犬、②問題児、③金のなる木、④花形の4つがあり、負け犬はやめて、金のなる木のヒト・モノ・カネを花形と問題児にうまく振り分けてまわしていく、ということがいわれているが、まず負け犬をやめることが難しい。それ以上に難しいのは、金のなる木から資金を将来の花形とか問題児に移すことである。なぜなら、自分たちには明日はないと宣告された瞬間にその部門がガタガタになり、生み出すと予想されていた金も生み出せなくなるからである。かといってだますわけにもいかない。既存の事業に捨て石の役割を立派にやってもらうことは実に難しい。これはPPMの実際上のもっとも難しい経営課題である。

・重要なのは、現在の経営資源をベースにして多角化の事業分野を考えるとき、5年、10年先にどういう経営資源がたまるか、そしてそれと現在の経営資源を合計したらどういう分野へ出られるか、こういうことを考えて現在の多角化の分野を決めることである。将棋でいえば、一手先を考えながら現在の手を打つことである。いいかえるなら、相当有望な事業分野でも、将来発展性のある分野につながるようなものでないとその分野に出ることは望ましくない、ということである。つまり、経営を方向と流れでみるわけである。現時点では必ずしもそれほど魅力はないし、問題が大きく困難だが、しかし流れに乗ったら長期的に非常に魅力がある、という事業なら、あえてトライしてもいいのではないか、というのがこの発想である。

・多角化戦略をたてる場合、他社と同じやり方をしていたのでは大きな成功は望めない。他社と違うこと、それでいて納得できるだけの論理性の裏付けがあること、このことが必要である。それには創造的思考が要求されるのである。

・企業を大きく変身さえる場合、ボトムアップではまず不可能である。また、部課長が中心になって創造的なことをやるというミドルアップにも限界がある。やはりトップがリーダーシップを発揮することが不可欠である。

・各業界には、慣行があり、業界の常識がある。三社は、その業界の常識とは違う独自な戦略、つまり非常識は戦略を実行して脱成熟化に成功しているのである。非常識な戦略は、大きく二つに分けることができる。第一は、他社が憧れる非常識な戦略である。もう一つは、他社から軽蔑され、バカにされる戦略である。他社が憧れ尊敬するような戦略の場合、非常識な戦略によって成功すると、他社がすぐにまねをして参入してくる。創業者利益をほとんど出せないうちに、激しい競争が始まってしまう。他社が軽蔑し、バカにする戦略の場合は、実際に成功するのをみてからでないと、他社はまねをして参入してこない。その間に、創業者利益をあげることができる。また、業界のなかで相当の地位を築き上げることも可能である。同じ非常識な戦略であっても、尊敬される戦略よりも軽蔑され、バカにされる戦略のほうが、戦略としては優れているのである。

・製品と技術が世界的レベルにあって、さまざまな海外進出のハンデをはねのけるだけの強さをもっている企業こそが成功している。世界に通用する製品と技術は、国内で不断の努力によって培われるもので、したがって、国内経営こそが海外進出の成功の鍵を握っているといえる。技術優位の海外進出の勧めというのが、私の各社の事例研究からの結論である。

・過去において4年に1回の割合で予期せざる出来事が生じていたとすると、おそらく今後も4年に1回くらいの頻度で、予期せざる大きな出来事が起こると考えるのが順当であろう。そのため、計画の2倍から3倍の金、人、時間を準備して、海外進出をするのが賢明だということになる。余裕が大切な理由は、もう一つある。それは、余裕が失敗を防ぐからである。余裕があるときには、冷静沈着に考えて、対応策をあみだすことができる。また、余裕があるときには、じっと耐えて時間稼ぎをすることもできる。中長期的には、見通しは明るい、しかし、短期的には、非常に暗い、そういうときには、ただじっと耐えることが必要である。

・中堅企業が海外進出を成功させるには、キーファクターとして、3つを指摘した。海外雄飛の夢、技術力、余裕の3つである。ここで視点を変えて、海外進出で避けるべきこと、してはならないことについて簡単に触れてみたい。第一は、円高だからといってあわてて海外に出ていくこと、これは避けなければならない。海外生産を成功させるためには、トップ自らが、グローバルに経営を考える姿勢を長年にわたってもち、そしてその下で技術力、その他経営資源を普段から海外進出のときに備えて鍛え、高度化しておかなければならない。海外雄飛の夢は、ときには少年時代から育んできたものである。技術力と余裕は、長年にわたって日本国内の経営で鍛え、高度化し、そして蓄積してできあがるものである。避けるべき第二のことは、人件費の差、為替レートの差、政府の優遇策をあてにして海外に出ていくことである。これらはプラスアルファーの要因として受け止めなければならないものである。日本ケーブル・システムの寺浦社長は、アメリカでの現地生産の苦心を回顧して、次のようにいう。「円高が進行して、アメリカでの現地生産は有利だろうとみなさん方はいわれますが、実際に現地生産を始めてみますと、為替レートの差なんか、あっと言う間に吹っ飛ぶほど様々な問題が起きてきます。ですから為替レートの差をあてにしてアメリカに出ていくことは、大変危険です」。また、現地企業によって簡単にまねられる製品で進出することも、避けるべきである。当初は成功してもすぐに類似製品が市場に出回り、価格競争が始まり、あげくのはては安売り合戦である。インドネシアで明和グラビヤ化学が痛い経験をしている。

・サービス産業で成功するためには、商売の繁閑に合わせて、勤務時間を柔軟に変えることができなければならない。忙しいときには、朝早くから夜遅くまで働く。反対に暇なときには、思い切って仕事を休む。このような柔軟な勤務体制を実行できるようでなければならない。

・3Mの新製品開発の成功の背後には、実は巧妙な失敗のマネジメントがある。その失敗のマネジメントは、次の3つの特徴をもっている。第一の特徴は、新製品開発の成功率を10%程度に低く抑えていることである。新製品開発のうち9割は、失敗するのである。成功率がこのように低く、失敗率が高いことが、なぜよいのであろうか。10のうち9つまでが失敗するから、失敗しても当たり前である。新製品開発に挑戦して失敗しても、別に恥ずかしくない。そのため、社内で次々新製品開発に挑戦する人が出てくる。仮に、成功率が9割で失敗率が1割の状況を考えてみよう。このときには、成功するのが当たり前で、失敗すれば顔を上げて会社の中を歩けなくなってしまう。みんな慎重になって、新製品開発に挑戦しなくなる。高い成功率は、新製品開発の挑戦にマイナスに作用するのである。二つ目の特徴は、失敗者の処遇である。3Mにおいては、新製品開発に挑戦した人たちは、仮にその新製品開発で失敗しても少なくとも元の地位と同等のポストに戻れる。そのため、次々と新製品開発にチャレンジする人が出てくるのである。三つ目の特徴は、撤退の基準が明確になっていることである。三年間の累積赤字が200万ドルを超えると、自動的に新製品は打ち切られる。この明確な撤退基準のために、企業としては、新製品に安心して資金を出すことができる。ずるずると新製品開発が続き、赤字がどんどん膨らんでいくという事態を防止できるからである。

良かった本まとめ(2015年上半期)

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御花(福岡県柳川市)の「料亭 集景亭」でのランチや松濤園の庭はとてもオススメ!

2015年07月22日 01時00分00秒 | 外食
 福岡県柳川市の川下りを楽しんだ後、そのすぐ近くにある「御花」でランチを楽しみました!

 平日訪れたのですが、レストランは満席とのことで、近くにある「料亭 集景亭」を案内されて行ってみました。
個室ではなくダイニングを利用します。

 部屋はさすが明るくて綺麗で、掃除が行き届いていて、ゆったりとした空間で料理を楽しめます。
窓からは緑が美しいですね!


↑店内


↑窓の景色

さっそくメニューをみて、柳川名物のウナギのセイロ蒸しを食べたかったので、松(4050円(税抜))を注文します。
口底という有明海で獲れる魚の唐揚げがあるのもうれしいです。
連れはミニ会席 花みずき(2500円(税抜))を注文しました。


↑メニュー


↑メニュー

小鉢が運ばれ、すぐに「口底の唐揚げ」が運ばれます。
口底がきれいに反っているのには驚きましたね!
まあヒラメほように口が底にあるので、口底という名前なんですね。
地元では「くっぞこ」と呼ぶようです。
白身がホカホカで柔らかく、さすが良い揚げ加減です。
旨い!


↑小鉢


↑口底の唐揚げ

そしてウナギのセイロ蒸し・肝吸・香の物が運ばれます!

ウナギのセイロ蒸しは、丁寧に蒸しているようで、身がとても柔らかく、甘みがあり、そして光沢があるのには驚きましたね!
毎年食べている久留米市のウナギのセイロとはまた違う趣です。
また肝吸もアツアツで旨い!


↑ウナギのセイロ蒸し・肝吸・香の物


それから、「ミニ会席 花みずき」も上品で美味しそうでしたね。
結構品数もありました。


↑ミニ会席 花みずき


↑ミニ会席 花みずき


↑ミニ会席 花みずき


↑ミニ会席 花みずき


↑ミニ会席 花みずき


↑ミニ会席 花みずきのぼたもち

ちなみに、柳川藩初代藩主立花宗重の正室のまるい形をしたお墓は「ぼたもちさん」と呼ばれ、親しまれているようで、それをちなんでこのデザートは「ぼたもち」のようです。


それから、隣接している松濤園(大人500円)にも行ってみました。
宮城県の松島を模して造った庭とのことで、美しい島々が見えます。
かなり緑が美しく、綺麗な庭でゆったりくつろげましたね^_^)
とても静かで癒されました。


↑松濤園

 御花の「料亭 集景亭」では綺麗でゆったりとした空間で柳川名物のウナギのセイロを楽しめ、また松濤園の庭は緑が美しく癒され、とてもオススメです!

美味しかったものまとめ(2015年上半期)

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御花懐石・会席料理 / 西鉄柳川駅矢加部駅徳益駅

昼総合点★★★★ 4.2

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TUMI BRAVO 22318 「モントレー」スリング(肩かけバッグ) はとてもオススメ!

2015年07月20日 01時00分00秒 | 良い物・サービス
「TUMI BRAVO 22318 「モントレー」スリング 」の購入はコチラ

 街で機動的な肩かけバッグをした方をよく見かけ、とても便利そうなので欲しいなぁと思っていたのですが、日本橋高島屋のTUMIのお店で「TUMI BRAVO 22318 「モントレー」スリング」を見つけ、とても気に入ったので紹介したいと思います。

 私が買ったのは、青色(ブルー)の「TUMI BRAVO 22318 「モントレー」スリング」で、 タテ37cmxヨコ22cmで、自転車乗りにも使える大きさの便利な肩かけバッグです。

 左右どちらの肩に掛けても身体にフィットするよう、背面ストラップのフックを止める金具は左右両側にあり、どちらかにフックをかけることとなります。

 そしてバッグの収納は、4つのファスナーを使うこととなります。

 真ん中のフロントは大きく縦ファスナーによる開閉で、収納したアイテムを探しやすく、アイテムの出し入れにとても便利ですね。

その裏側には大きく横ファスナーにより開閉ができ、iPadなどタブレットが収納できます。

 そして少し小さな左右ファスナーポケットのうち右側の撥水加工のポケットには、濡れたペットボトルや折り畳み傘を入れても防水されるもので、これは素晴らしいと思いましたね!

 暑い日に冷たいペットボトルには水滴が付いてしまいますが、それを気にせず入れることができるのは嬉しいです。
また、濡れた折り畳み傘をいれても良いです。

それからもう一つの反対側のファスナーポケットには、ペンホルダーや鍵等を付けるフックもあり便利です。
スマホやそのバッテリーも入る大きさなのは嬉しいですね。

最近休日には、便利なのでこの「TUMI BRAVO 22318 「モントレー」スリング」バッグを持って、自転車乗りや散歩を楽しんでいます!
結構本も数冊入るので、とても便利ですね。

「TUMI BRAVO 22318 「モントレー」スリング」はとてもオススメです!

<仕様>
タテ37cmxヨコ22cmxマチ9cm
重量:740g
タブレット収納可
ペンホルダー付き
フック付き
ネームホルダー付き


お勧めなお話(2015年上半期)
自動車保険を安く!

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「良い習慣 悪い習慣(シュレミー・ディーン)」という本はとてもオススメ!

2015年07月17日 01時00分00秒 | 
「良い習慣 悪い習慣」の購入はコチラ

「良い習慣 悪い習慣」という本は、英国の心理学者でブロガーの著者が書いた本で、ブログでは心理学の知見を現実の世界にどう活かすかを紹介し、毎月100万のアクセスがあり人気なようです。

本書では、特に以下について書かれています。
・習慣は何日あれば身につけられるか
・強い習慣と弱い習慣
・習慣は無意識と関係
・自らの習慣的行動に気づかないと習慣を変えることはできない
・ネガティブなループから抜け出すことが大事
・状況は習慣をコントロールする力を持っている
・ネット中毒(メール、ツィッター、フェイスブックチェックの癖)
・習慣をつくる
・習慣をなくす
・習慣の健康づくり
・創造性を伸ばす習慣
・幸福をもたらす習慣

 特に、幸福をもたらす習慣として、感謝の心を持つことが大切だなぁと改めて思いましたね。
また習慣は小さな変化をつけることが大切で、そして先のことではなく目の前の喜びを堪能することが人生を味わうこととなり大切なようです。

「良い習慣 悪い習慣」という本は、日本語訳されているので少し読みづらい点はありますが、人生をよりよくする習慣等のヒントが色々とあり、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・どんな習慣を目指すかによって、習慣化の所要時間には大きな差があった。朝食後に水を一杯飲むと決めた人たちは、20日程度で最大限の自動性を獲得することができたが、昼食時に果物を一つ摂ろうとした人たちは、それを習慣化するのに少なくとも倍の時間がかかった。運動の習慣が一番難しく、ある参加者は「朝のコーヒーを飲んだあとに腹筋50回」を84日経っても習慣できなかったが、「朝食後に10分歩く」を50日で習慣化した人もいる。

・新しい習慣をスタートさせたら、不満にどう対処するかを自問しよう。不満を感じたときに、あきらめるのか、それとも倍の努力をするのか?研究によれば、新しい習慣を始めるときと同じく、習慣を続けるうえでも実行意図は重要不可欠だという。これによって不満の原因に対応できれば理想的である。原因がそう簡単に見つかるとは限らないが、それでも大体の予想はつく。進歩しない、意欲がわかない、飽きた・・・。実行意図はその人の気持ちに照準を合わせ、その人を正しい軌道に引き戻すものでなければならない。たとえば、進歩がないと感じたら、「もうここまで来たじゃないか」と楽観的に考える(「まだこれだけ残っている」とは考えない)。同様に、飽き飽きしたとき、意欲がわかないときは音楽が有効かもしれない。アップビートな曲をかけながら運動してもいいし、落ち着いた曲を流しながら写真を整理してもいい。新しい習慣を始めるときに多くの人が自然とやるのは、進捗のモニタリングである。心理学者にとっは、進捗を図表に記録することだけでなく、その日の自分自身をモニターすることも意味する。つまり、新しい習慣の進み具合を知るのである。もっと別の時間帯にやったほうがよいか、あるいは別の方法でやったほうがよいか?どんな誘惑があってサボりたくなるか?問題点を知り改善策を知れば、習慣はもっと練習しやすくなり、もっと早く自動化される。だが、知るだけでは足りない。その情報をもとに行動しなければならない。

・この実験の被検者は、ネガティブな実行意図を回避すると、健康に良くない間食について考えなくてもすんだ。「~をしない」ではなく、別の何かをするというポジティブな意図のようが概して効果が高かった。つまり、「食事と食事の合いだにおなかがすいても、チョコレートを食べてはならない」ではなく、「食事と食事の間におなかがすいたら、リンゴを食べる」と考えるほうが効果的である。

・ウォーキングの促進を目指した研究では、被験者にまずウォーキングがなぜ有益なのかを考えさせ、次いで目標達成を拒む要因が何かを考えさせた。その後、被験者はいつ運動するかという具体的な計画を立て、達成すべき目標を設定した。ここで大事なのは、被験者に万歩計を持たせたことである。その歩数表示を見れば、どのくらい運動しているかがひと目でわかる。この実験からは、万歩計が結果を左右したと言い切ることはできないけれども、おそらくそれは重要な要素であった。。新しく運動を始めるときでも、古い運動習慣を新しいものに切り替えるときでも、運動の習慣に対する自己認識を高める方法が効果をあげやすい。

・健康的な食事にせよ、適度な運動にせよ、禁煙にせよ、健康的な習慣をつくるのはとても難しい。ひと握りの人しか成功しないという事実がそれを物語っている。裏を返せば、行動をうまく変えられない大多数の人は、習慣の力がいかに強いかを十分にわかっていない。環境的手がかりはともすれば見過ごしやすいし、人はもともと自分自身を完全にコントロールできないとは認めたがらないものだ。でも、心理学の研究で明らかになっているように、習慣の無意識的・自動的な性格を理解することが行動を変える助けになる。健康的な習慣づくりは、発見を求める旅のようなものだ。自分がいつも何をしているかをきちんと知り、どんな小さな変更が現実的かを知るのである。食習慣の変更とは、自分が何をいつ、なぜ食べているかを知り、持続可能な小さな修正を加えることにほかならない。運動習慣の変更とは、一日の中に決まった時間を見つけ、必ず直面する心理的な壁を乗り越えることを意味する。禁煙とはすなわち、ニコチン中毒の克服にとどまらず、なぜタバコに火をつけてしまうのか、代わりに何をすればよいかを科学的に分析することである。行動を変えるにはコミットメントが必要である。だから、心理的対比の手法が目標を明確化するうえで大変役に立つ。自分を変える本当の目的は、即効薬や特効薬に頼ろうとするのをやめ、長期的な戦略を導入することである。習慣の変更は短距離走ではなくマラソンである。正しい心の持ちようは、明日も明後日も前の日と同じように目を覚ますことー一つの小さな変化を除いては。その小さな変化を毎日繰り返し再現し、自分でもそれを意識しなくなったら、また一つ新しい小さな変化を計画するのである。

・基礎となる知識がなければ、創造的な飛躍を遂げることはまず不可能である。基礎知識があるからこそ、新しい問題を古い問題と比較し、その問題をもっと効果的に把握し、創造的な解決案を見出すことができる。さらに、専門家は問題を抽象的に捉える傾向が強い。これはなかなか都合の良い性癖である。どんな分野でも初心者へのアドバイスは同じである。知識を吸収し、必要なスキルや習慣を磨き続けよー。何かを書きたいと思ったら、まずはたくさん読むことだ。言うまでもなく、宇宙論について何も知らなければ創造的な宇宙科学者になるのは難しいし、一度も絵筆を持ったことがなければ木を写生するのは難しい。分野によっても違うだろうが、たいていは創造性うんぬんの前に獲得すべき習慣や知識がある。専門知識には盲点、行き止まり、そして未経験・未開拓の領域があることを認識しよう。専門知識の重要性は誰もがわかっている。あまり知られていないのは、専門知識とそれにともなう習慣が創造性のあしかけになりかねないということである。専門家にとってもっとも危険なのは、機能的固定性、すなわちいつの間にか決まった枠にとらわれてしまうことである。

・ジェイコブ・W・ゲッツェルスとミハイ・チクセントミハイは、創造には準備が欠かせないことを示す、優れた研究を行っている。彼らはアートスクールの学生たちにある静物画を描いてもらい、それを専門家に評価してもらった。すると、評価の高かった学生は準備に時間をかけていた。対象物そのものについて考え、それをどう描くかをよく検討していた。7年後と18年後に同じ学生たちを調べたところ、芸術の世界で長く活躍するカギは、この、問題そのものを識別・解釈する力だということがはっきりした。18年経っても、彼らは芸術家としてやはり成功をおさめていた。この研究をはじめとするいくつかの研究結果からわかるのは、制約が創造的プロセスに好影響をもたらすということだけでなく、問題を分析する時間を確保するのが重要だということである。選択肢がほぼ無限にあるときは、あらゆる可能性をじっくり考える時間が必要である。考える時間をとれば、より良い成果が得られるだろう。急いては事をしそんじる、である。

・相反する二つのものには不思議な力がある。心理学者のアルバート・ローゼンバーグは、相反する二つのものを生み出す能力と創造性とのつながりを初めて実証した。彼は自然科学系のノーベル賞受賞者22人に言語連想テストを受けてもらった。すると受賞者たちは、比較群の学生よりも、「明るい・暗い」「勇敢・小心」などの反対語をたくさん言うことができた。同様に、比較群の学生たちの中でも、創造性が高いと評された者のほうがたくさん反対語を示した。ローゼンバーグはここに創造性をめぐる真理が表れていると考えさらに研究を続けた。ローゼンバーグはおよそ2500時間をかけて、科学、文学および芸術分野の創造的な人物375人にインタビューし、創造的プロセスのカギを探ろうとした。1996年に結論を発表した際、彼はその主な研究成果をローマ神話の神にちなんで「ヤヌス的思考」と名付けた。ヤヌスには二つの顔を持ち、それぞれがまるで背中合わせのように反対方向を向いている。「良き創造的習慣」みたいなものがもしあるとすれば、ヤヌスはその象徴的存在である。ヤヌス的思考とは、まるで両方向を向く二つの顔のように、相反するアイデアを同時に思い描ける能力をいう。アインシュタインにあの一般相対性理論を思いつかせたのは、まさにこのヤヌス的思考である。

・ローゼンバーグは、この創造的習慣がさまざまな分野で何度も繰り返されていることに気づいた。イノベーションを起こす人は基本的に4つの段階を経由する。まず、何かを創造したいという強い意志。それがなければ新しいアイデアにこだわり続けるのは難しい。次に、月並みな思考法とおさらばするには、磁石のN極とS極のような、二つの相反するアイデアを思い描かなければならない。第三に、その両極が統合できるという気づき。そして第四に、最終的なアイデアの確立である。

・意欲や動機づけが十分あったとして、創造的な目標を達成するための最初の課題は、組み合わせるべきコンセプトをいかに見出すかである。心理学では、相反するコンセプトを見つけるには比喩や類推を用いるのがよいとされる。だがあいにく、よい比喩はなかなか思いつかない。比喩をイメージしやすい方法で問題に取り組むのが大切である。ある研究では、被験者に架空の人物や動物の行動について書いた文章を読ませ、それらの類似点を示してもらった。ただし、この文章は記述のしかたを変えて提示された。一般的な記述と、具体的な記述である。たとえばウマであれば、家畜化された奇蹄目のほ乳類(具体的)、または単に草食動物(一般的)と表現できる。その結果、縛りの少ない一般的な言葉で問題を記述するほうが、類推や比喩の自由度が高まることがわかった。そうすることで類推力が倍以上になったケースもあった。このように、類推的思考を促進する一つの方法は、問題をできるだけ一般的・抽象的な言葉で表現し直すことである。

・さまざまな習慣・行動を実験した結果、日々の幸福感を確実に高めるものがいくつか見つかっている。たとえば、プラス思考や社会的つながりを強化する、ストレスをコントロールする、この瞬間を精一杯生きる、目標にコミットする、感謝を実践する・・・。心理学者のソニア・リュボミアスキーは、「幸せがずっと続く12の行動習慣」という優れた著書で、これらを詳しく論じている。ここでは感謝の実践を例にとろう。それは幸福な習慣、そして楽しさの追求全般にかあわる問題を説明してくれる。

・実験の結果、感謝の心が驚くほどパワーを持つことがわかった。ここ1習慣に起こったありがたい出来事ばかりを考えた人たちは、他の二つのグループの人たちよりも幸せを感じており、友達にも幸せに見えた。また、将来についても楽観的で、人生に満足し、週1.5時間ほどたくさん運動をしていた。感謝の実践が効果的な理由はいろいろある。いくつか挙げると、社会的なつながりについて考えさせる、日々の暮らしを楽しむ助けになる、プラス思考を習慣化させる。など。リュボミアスキーは、自分にもっともふさわしい感謝の実践方法を探せとアドバイスする。感謝の日記をつけるのが合う人もいれば、感謝したいことについて考えるだけでよいという人もいる。

・幸福を増大させるための習慣をはじめとして、習慣に変化を取り入れるのは、習慣化の影響を和らげる効果がある。ある研究では被験者に依頼して、クラブやスポーツチームに入るなど、生活に小さな変化をつけてもらい、それがどの程度の多様性をもたらしたかを報告してもらった。追って彼らの幸福度を測ったところ、多様性と意識レベルが高い活動をした人ほど、幸福の増加幅が大きかった。

・幸福な習慣のもう一つの例は、自己の最大限の可能性を視覚化することである。そのためにはふつう、あらゆる可能性が花開いた将来の人生をイメージする必要がある。単なる空想ではなく、現実的でなければならない。自分自身に設定した現実的な目標を達成したところをイメージする。次いで視覚化を容易にするため、最大限可能な将来の自己像を文書化する。

・幸福感を高めることがわかっているもう一つの習慣は、「人生を味わう」ことである。私たちが陥りがちな悪い習慣は、人生の幸運は将来やってくると考えることだ。賢明、勤勉、誠実な成功者は、将来のために一生懸命働くのだと自分に言い聞かせる。ある意味、これは優れた習慣である。長期的な計画にコミットし、現在の危険な誘惑を避けるのに役立つからだ。しかし、人生のフォーカスを先々に当てすぎると、ありもしない未来のために現在の楽しみを犠牲にする可能性がある。悪くすれば、本当は実現している未来に気づかないことにもなかねない。人生を味わうとは、心の歩みを緩め、目の前の喜びを堪能することをいう。ことわざにも「立ち止まってバラの香りをかげ」と言うではないか。これは人間のごく自然な行為であるが、4つの方法で後押しできることが経験的にわかっている。すなわち、感情を表に出す、いまの瞬間を大切にする、ポジティブな出来事をみんなで喜ぶ、ポジティブな「心の時間旅行」を楽しむ。どれもプラスの感情を呼び起こしやすい思考に集中するための手段である。

・習慣をつくるにせよ、やめるにせよ、それは実はスタートにすぎない。本当の意味で充実した幸福な習慣を築くには、繰り返しやメンテナンスだけでは不十分である。習慣を絶えず調整・修正し、鮮度を保つようにしなければならない。こうしてルーティンを少し変えてやるだけで、大きな喜びが感じられるはずだ。毎日同じ生活は退屈になる。習慣を認識し、理解し、さらには超越することで、それをどう変革、改善または修正すればよいかを知らなければならない。

良かった本まとめ(2015年上半期)

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ふうすけ(東京 門前仲町)という居酒屋はとてもオススメ!

2015年07月15日 01時00分00秒 | 外食
東京の門前仲町で食べログ5位の「ふうすけ」に行ってみました!

食べログではTOP5000に入っていますね。
魚介がメインの居酒屋ですね。


↑店構え

お店はそんなに広くなく、カウンター席で10席のみです。
3人までの客しか入れないようです。
平日18時ごろ訪れて一番奥の席に滑り込むことができました^_^)

まず、ドリンクのメニューを見ますが、生ビールが400円とはリーズナブルですね。
地酒が飲みたくなり、特別純米の「住吉」550円を選びます。
いま気付いたのですが、一番左のスパークリング清酒「澪」というのもなんだか魅力的ですね。


↑ドリンクメニュー


↑地酒メニュー


↑焼酎メニュー

それから、料理メニューも見ます。
先頭で字が大きい「のどぐろ刺身」700円は特にオススメなのだろうと想像してそれを注文し、本日のおすすめからは「本日のおひたし」380円、それからポテトサラダ380円を注文します。
ポテサラを選んだのは、酒が旨いお店は、ポテサラも旨いという格言を思い出したためです^_^;)
まあポテサラが食べたかったからなんですけどね。


↑本日のお魚おすすめ


↑本日のおすすめ


↑メニュー


↑メニュー

まず、特別純米の「住吉」が注がれます。
グラスから酒が溢れ、そして下の升にもあふれんばかりで、あたふたと慌ててしまいました^_^;)
まずグラスに口をつけて少し酒を飲み、「あぁぁ旨い!」
そしてグラスを上に上げて、下にある升の酒の嵩が減ったところで、自分のテーブルへ移動させます。
空きっ腹なので、酔いが速いです^_^;)


↑特別純米「住吉」

そして、付き出しが運ばれます。
300円です。
マグロとイカに納豆と刻みネギ・海苔と結構ゴージャスです!
素晴らしい付き出しですね!
付き出しでこんなに嬉しいことは滅多にないですね!


↑付き出し

そして、先にポテサラが運ばれます。
「うちのポテサラはボリュームあるよ!ソースとチーズをかけるけどいいい?」と大将に言われ、「いいよ」と答えていたのですが、そのボリュームには驚きました!
ポテサラが山になってるよ!
で、味ももちろんGood!
空きっ腹で、酒にあまり強くないだけに、このボリュームは助かります。


↑ポテサラ

そして、喉が黒い魚である「のどぐろ刺身」が運ばれます!
おぉぉさすがおすすめなだけはあって、脂が乗ってこれは旨いっす!
これは特に日本酒に合いますね!
よく味わって頂きます。


↑のどぐろ刺身

そして「本日のおすすめ」の「本日のおひたし」が運ばれますが、小松菜など野菜たっぷりで、これも嬉しいです!


↑本日のおひたし

そして、再度メニューを見て、旬の「菜の花とタケノコのさつま揚げ」450円と「しじみ味噌汁」200円を注文します。

さつま揚げは温かく、肉厚でこれも旨いですね!
ボリュームたっぷりで嬉しいです。

そして、「しじみ味噌汁」はアツアツで、これが薄味ながらも小ねぎたっぷりで、いい出汁が効いています!
底のシジミもいい出汁で効いていましたね!
アツアツで旨いです!


↑菜の花とタケノコのさつま揚げ


↑しじみ味噌汁

「ふうすけ」はリーズナブルで、良いお酒と特に美味しい魚料理を堪能でき、とてもオススメですね!
せまい店なので2人以下で行くことをオススメします!

美味しかったものまとめ(2015年上半期)

<今日の独り言>
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ふうすけ魚介・海鮮料理 / 門前仲町駅越中島駅
夜総合点★★★☆☆ 3.9

 
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柳川市(福岡県)の川下りはとてもオススメ!

2015年07月13日 01時00分00秒 | イベント・外出
 一度は体験したいと思っていた福岡県の水郷である柳川市の川下りですが、想像以上に良かったので紹介したいと思います。

 この柳川の川下りですが、厳密に言うと川ではなく旧柳川城(昔は柳河城?)のお濠です。
 柳川城は1558年に完成し、天下に誇る水城として300年以上続きましたが、明治時代に天守閣は消失してしまったようです。
残念!
 現在は二の丸後に柳川高校(テニスの名門で松岡修三氏も在学)や柳城中学が建てられていますが、お濠は健在で、市内に今でも張り巡らされています。

 このお濠は、有明海につながっているようで、水門を開け閉めして水量を調節しているようです。
石垣の石1つ分(約30cm?)以内の水位で調整されているようです。

 その柳川の川下りですが、アクセスは西鉄柳川駅から歩いて5~10分のところに乗船場が5つあり、とても便利ですね。
私が利用した松月乗船場までは、柳川駅から無料の送迎バスもありました。
また駐車場は無料でしたね。


↑柳川観光案内図

 川下りの料金は1600円で、この松月乗船場(柳川観光開発(株))のホームページのWEB割引チケットをスマホから見せると、10%引きになりました^_^)
印刷して持参しても良いです。

他の会社の乗船料金も1500~1600円ですね。

 乗船時間は約70分で、川上りの場合は1000円で40分のコースもあるようです。

 どの会社で川下りをするか迷うと思いますが、私が利用した松月川下り乗船場は綺麗で、また川下りは奥にある御花やうなぎの若松屋の辺りまで長く乗れるのでオススメですね!
他の会社の川下りは、かなり前で下船もありました。

到着したのが11:30頃で、11:40に出発とのことでしたので、急いで支払いをし、トイレに行って、それから日除けの陣笠をかぶって乗船します。
陣笠があるのが風情があって、また女性の紫外線防止にもなり、良いサービスだと思いました。


↑乗船

 乗船したのは5月下旬で天気がよく、少し暑かったですが、心地よい風も途中吹き、木陰もあって、川下りはとても楽しめました!

 夏はもちろんもっと暑いようですが、暑さで閑散となるわけではなく、夏休みの観光客でにぎわうようです。
また、冬は掘りごたつなどで温かく体験できるようです。

 船は一人の船頭さんが、船の後ろで長い竹を持って、底を押しながら進めます。
川下りとはいえ、ほとんど水流がないので、風向きにすごく影響されるようです。


↑船頭さん

 船頭さんはかなりスマートで格好よく、ユーモアがあって面白い!
柳川弁で乗船客とも会話を楽しみまながら進みます!

 また途中橋の下を通る時は、柳川にまつわる歌をその美声で歌ってくれ、橋の下の反響がとてもよく、感動!

 最近テレビの取材もあって、今度出演するとのことでしたね。
良い船頭さんでラッキーでした。

そして、川下りが始まります!
快晴なので、気持ちよいし、5月の緑も美しく、水面も映えます!
最初は広く直線のお濠を前に進みます!


↑広く直線のお濠

実は水の深さはかなり浅く、底が見えます


↑水の底

また、かなり狭い水門も通ります。
それにしても、かなり広大なお濠で、きれいな石垣がずっと昔から整備されているのは素晴らしいですね!


↑狭い水門

途中で、鴨もいました^_^)


↑鴨

緑もあふれていて素晴らしいです!
途中で、「あんず」や「びわ」などの実もたわわに育っているし、紫陽花の花も美しかったですね。


↑緑あふれる


↑緑あふれる


↑緑あふれる


↑紫陽花

途中で売店にも寄り、ビールやかき氷、ソフトクリームなども楽しめます。
かき氷は300円でしたね。
冬は温かい飲み物も楽しめるようです。
まあ商売が巧いですが、良いサービスだと思いますね^_^)


↑途中の売店


↑かき氷

今はほとんど魚はいなくなったようですが、昔は網で魚を獲っていたようです。
その仕掛けが残っていました。


↑魚を獲する網

また、結構民家がこの壕と隣接していて、そこから魚が釣れるように作られていたり、船やカヌーを置いている家もありましたね。
そういう生活も面白いと思います^_^)

そのほか、いろいろな説明がジョークを交えながらあり、あっという間の70分でしたね。

下船した場所の近くには、うなぎで有名な若松家や松濤園という庭や食事も楽しめる御花、北原白秋の生家などあり、観光にも最適です!

 もちろん、下船場所からは無料のシャトルバスがあり、松月の駐車場や西鉄柳川駅まで運んでくれるのは、良いサービスだと思いましたね。
そのシャトルバスは平日は14:30、15:30、16:30が出発時間で、客が多い時や、土日祝日は14:10~16:40で20~30分間隔のピストン運行となるようです。

なお路線バスもあり、西鉄柳川駅まで料金は大人210円、タクシーの場合は1台1200円程度とのことです。

柳川の川下りは、美しい緑あふれる中をゆったりと楽しめ、想像以上に良かったです!
また下船場所で観光も楽しめ、とてもオススメです!

お勧めなお話(2015年上半期)
自動車保険を安く!

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「2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する」という本はとてもオススメ!

2015年07月10日 01時00分00秒 | 
「2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する」の購入はコチラ

 「2050年の世界 英「エコノミスト」誌は予測する」という本は、1843年に創刊されニュースをただ報道するものではなく大きなトレンドを深い洞察をもって伝える特集スタイルで知られ、発行部数約155万部を誇る「エコノミスト」誌が、2050年の世界を予測したものです。

主に以下の観点で2050年を予測しています
・人口 ・病気 ・女性の機会
・SNS ・言語と文化 ・宗教
・温暖化は本当か ・戦争 ・民主化
・高齢化 ・新興市場 ・グローバル化とアジア
・貧富の差 ・技術革新 ・バブルと景気循環
・科学 ・宇宙 ・情報技術 ・通信 ・予言

 特に興味を持ったのは、2050年に向けてアフリカの人口が世界での増加分の半分を占めてかなり増えるということで、2100年にはナイジェリアの人口が世界第三位、タンザニアの人口が世界第五位になるようです。
想像がつきませんね。

それに対して、日本は人口が減り始めていますが、中国は2025年に14億人でピークを迎え、2050年の時点で世界第一位のインドでさえ17億人でピークを迎えその後は減少に転じるようです。

なお、BRICs新興国では教育の男女平等により、女性が様々な分野で活躍し、経済成長をさらに促進するようです。

それから、人口の集積地には映画産業が立地していて現在ではアジアでは香港・インドが映画産業のメッカとなっていますが、今後アフリカの人口が増えるので、ナイジェリアの「ノリウッド」、ガーナの「ガリウッド」、リベリアの「ロリウッド」が興隆するようです。

そのほか、次なる科学のフロンティアは化学でも物理学でもなく生物学のようです。
生物学とナノ科学、情報科学、天文学などが結びつき、さまざまな発見と人類にとっての進歩をもたらすようです。

それから、宇宙では、銀河の動きを説明するために暗黒物質なるものが宇宙の5分の1を占めなければならないようで、その正体を知ることがポイントのようです。
また、宇宙の膨張が速度を増していることが近年観測されていますが、それを解明するための暗黒エネルギーの正体の解明が待たれるようです。

それから、第二次大戦以来、全世界のGDP成長率がゼロを下回ったのはたった1年だけで、それは2009年で、マイナス0.6%の成長率だったようです。
ということは、全世界のETFなどに投資した方が、長い目で見るとリスクが低いのかもしれませんね。

 「2050年の世界 英「エコノミスト」誌は予測する」という本は、35年後の将来について考えさせられて、とてもオススメです!

以下はこの本のその他のポイント等です。

・世界的趨勢として高齢化が進み、世界の平均年齢は、2010年から2050年までに9歳上がって38歳となる。富裕国では、100歳まで生きることが普通になる。

・人口増大にともなう、地域紛争の激化はない。

・出生率は世界的に低下し、2050年には2.1になると予測される。その結果、世界の人口増のスピードは減速し、やがて人口増加は止まる。

・これから人口の配当を受ける地域は、インドとアフリカと中東である。しかし、若年層の膨らみは政治的な不安定要因ともなる。

・これから人口の負の配当を受けるのは、日本と欧州、そして中国である。ほかとは比較にならないほど人口動態の負の配当を受けるのは中国だ。安い労働力による世界の製造工場の役割を中国は終える。日本は世界史上未踏の高齢社会になる。

・高齢化にともなう最も深刻な影響は、アルツハイマー病の増大である。痴呆老人の介護は、結果として各国政府に財政的圧力をかけるはずだ。そして、製薬業界には緩和薬や予防薬や治療薬を開発する強大なインセンティブが働くはずだ。

・ゲノム解析による出生前診断などがすすみ、新しい薬も開発されるようになる。

・SNSの興隆により、3つのトレンドが将来に予想される。一つ目は意志決定において友人の影響力が強まること。二つ目は、集団の英知を利用したウィキペディア型のサービスを利用する度合いがますます強まること。三つ目は、新聞やテレビなどの大マスコミに頼らずとも大規模な運動を起こすことができること。

・宗教性の高い国の出生率は高くなる。また同じ国内でも、信仰心に篤い人々のグループのほうが無宗教の人々のグループよりも多くの子供を産む。先進国の中の無宗教の人々のグループはもっとも低い出生率である。

・経済発展の遅れと宗教性の高さには、強い連関がある。貧困と宗教の強い結びつきは国内にも存在する。ポスト産業経済に属する各国を見ると、最も貧しい階層の宗教性は、最も豊かな階層より約2倍も高い。従って、現在出生率が高く人口の配当を受け経済成長を続ける新興国も、先進国化するにしたがって、宗教は相対化され、無宗教の割合は増えていくということになる。

・気候変動については現時点で正確に予想する方法は確立されていない。エネルギーのポートフォリオがどう変わるか、経済成長がどうなるのか、さらに気候の変化に対する人間の対策など、様々な不確定要因が多すぎるためである。

・無人飛行機などの戦争のロボット化は引き続き進む。

・先進国は、高齢化による財政悪化で、かつてほどは防衛費に国家予算を回せなくなる。

・先進国のみならず、インドを除いては新興国も、社会保障費の増大にともなう国家財政の悪化の懸念がある。しかし、そうした国家財政の悪化は、改革によって防ぐことができるものである。年金については、雇用期間の延長、あるいは富裕層には選択的に支払わないなどの措置がすでにとられつつある。

・健康医療費については、オランダのように、貧困層や弱者には、政府が援助をし、そうではない部分で、民間の医療保険に市場を開放するなどして、費用削減の効果をすでにあげている国もある。

・ある国の工業化の時期が遅れれば遅れるほど、その速度は速くなる。しかし、その速度は、他の要因にも左右される。そのなかでもっとも大きなファクターは、教育である。生産性を向上させるさまざまなお手法や技能は、教育程度の高い労働人口を持つ国で速く広まる。

・フィリピン、エジプト、メキシコ、インドネシア、バングラデシュ、パキスタン、ナイジェリアなどの新興国で、教育年数が2050年までに著しく延びて、生産性の高い労働力をその国に生み出し、経済成長をあと押しするだろう。

・一番蓋然性の高い最初のシナリオで考えると、世界経済において今後、最も重要な地位を占めてくるのはアジアの経済で、2050年には、世界の半分がアジア経済となる。

・日本は相対的に急速にプレゼンスを失っていく。2010年には、世界経済の5.8%を占めていた日本のGDPは、2030年には、3.4%になり、2050年には1.9%になる。経済成長のスピードも西ヨーロッパを下回り、今後40年を通して、ひとりあたりGDPは1.1%から1.2%で推移する。その結果、2010年にはアメリカの7割あった日本のGDPは、2050年には相対的に58.3%まで低下する。

・今後40年間に一人あたり実質GDPが最も大きく成長するのはアジアの発展途上国で、サハラ以南のアフリカ諸国、中東と北アフリカがこれに続く。ラテンアメリカと東ヨーロッパは新興市場地域の中で最も速く成長する国々に遅れを取る。

・2030年ごろまでには、私たちの知る生物のほとんどが遺伝子のサンプル化を終え、またサンプリング過程そのものが、多くの未知の生物の存在を明らかにする。その過程で、最近、生物の源初形態として、古細菌、真正細菌、真核生物以外に4つめのドメインがあるらしいことがわかったように、生命の歴史の未知の部分が解明されていく。

・政治体制が宣誓的な中国よりも、民主的なインドにおいて科学は発展するだろう。

・太陽系以外に生命の可能性のある惑星はいくつもあり、観測技術の発達によって地球以外の生命の発見が今後なされるかもしれない。

・先進国ではさまざまな形で実際に、森林面積が増えるなど環境は良化している。したがって、いまの新興国が先進国なみの経済水準になる2050年までには、これまで損なわれた環境が復興するようになるだろう。


良かった本まとめ(2015年上半期)

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魚三酒場(東京 門前仲町)は新鮮な魚をリーズナブルに楽しめとてもオススメ!

2015年07月08日 01時00分00秒 | 外食
 いろんな方から方から、東京の門前仲町にある魚三酒場という居酒屋は、築地で仕入れた新鮮な魚が驚くような安さで楽しめるということを聞き、さっそく行ってみました!


↑魚三酒場の店構え

休日の夕方17時ごろと早めの時間帯だったのですが、すでに長蛇の列ができていて驚きました!
16時開店とのことで、その頃から恐らく並んでいると思われます。
また、店内を覗いて見ると、メニューが所せましとたくさん壁に掲げられていて、これは何を注文するか迷います・・・^_^;)


↑壁のメニュー


↑壁のメニュー


↑壁のメニュー

列に並んでいる時に、前後の方にオススメなどを聞いてみました。
「あら煮」と「まぐろの中落ち」が早めになくなってしまうので先に注文したほうがよいとのことでした。
基本的に刺身と焼き、煮付けを注文することができるようです。
また、店員が少ないので、タイミングをみて注文しなければいけないようです。
また2階席もあるのですが、調理場から遠いからかサービスが悪くなるようで、その方はもっぱら1階席のみ利用とのことでした。

今回は一人で並んだのですが、一人の場合は先に案内される場合があるのでお得です。
約10人抜きで運良く席にありつけました。

さっそく、生ビールを注文します。生小で460円でした。
日本酒は190円でした・・・激安です。
金亀とのことでした。
周りでは、一升瓶の日本酒がコップになみなみとあふれさせて注がれていましたね。

 そしてどの刺身を注文するか迷います。
オーソドックスにアジ刺しにします。
410円と安いながらも、御頭付きの立派なアジです!
これで410円は安いです!
しかも新鮮で美味しい!


↑アジ刺しとあら煮

あら煮も注文したのですが、なんと50円!
信じられない安さです!
むろんこれも美味しい味つけです。
50円は信じられませんね。


そして、マグロの中落ちを注文しますが、これも凄く美味しかった!
こんなに美味しく感じた中落ちは初めてでしたね!
これで310円は安いです!


↑マグロの中落ち

そして、欲張ってイナダ(ブリの子ども)の刺身も注文します!
確かこれはサービス品で310円!
激安です!
これも脂が乗っていて非常に美味しい!
写真は実は一切れ食べてしまっているので、実際は一切れ多い状態で運ばれました。


↑イナダの刺身

それから、焼きを注文することにし、これもサービス品にあったカブト焼きを注文します。
アマダイしかないとのことで、アマダイを注文します。


↑アマダイのかぶと焼き

これも結構脂が乗っていて美味しかったですね!
非常に満足です!
これらを合わせてお値段は1800円ほどでしたね。


---------------
あまりにも魚三はリーズナブルで美味しいお店だったので、別の日にも行ってみました!
同じく激安50円の「あら煮」と、今回は「まぐろぶつぎり」240円、季節物の「いっさき刺し」、日本酒の「金亀」190円を冷やで、そして「鯛のカブト焼き」350円、「ぶりつゆ」100円を注文しました!


↑「金亀」「あら煮」「まぐろぶつぎり」「いっさき刺し」


↑「鯛のカブト焼き」「ぶりつゆ」

「金亀」はたっぷりと注がれるので、結構酔っ払ってしまいました!
冷やがなかなかいけます!
「あら煮」50円は信じられない安さだし、「まぐろぶつぎり」は量もあり美味しいです!
隣に座ったおじさんに訊くと、「まぐろぶつぎり」は必ず頼む人気メニューとのことでした^_^)
また、「ぶりつゆ」はアツアツでこれまた美味しかった!
「スペシャル」550円というのは、はまぐりのつゆのようです。
隣のおじさんに教えてもらいました^_^)

門前仲町の魚三酒場は新鮮な魚をリーズナブルに楽しめ、とてもオススメです!!

美味しかったものまとめ(2015年上半期)

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魚三酒場 富岡店居酒屋 / 門前仲町駅越中島駅木場駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7

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東海道五十三次 街道をゆく 川崎宿~神奈川宿編

2015年07月06日 01時00分00秒 | イベント・外出
 阪急交通社が企画する「東海道五十三次 街道をゆく」の第3回目の川崎宿~神奈川宿に参加したので、その紹介したいと思います。

まず、いつものようにみんなで準備運動をして、川崎市内の稲毛公園を9:30頃出発しました。

旧東海道の「いさご通り」を歩きます。


↑いさご通り

最初に、小土呂(こどろ)橋の親柱を見ます!
この辺りに昔は幅5mほどの川があったようです。
昔の写真もありますが、今ではすっかり変わってしまいましたね^_^;)


↑小土呂橋の親柱


↑小土呂橋の説明

そしてしばらく歩くと、川崎宿京入口の案内がありました。
当時は、江戸方面は江戸口、京都方面は京口と言っていたようですね。
この川崎宿は、江戸時代後期に770戸、3100人が住んでいたようです。


↑川崎宿京入口の説明

そしてこの京口には棒鼻があったようです。
切石を積んだ石垣があり、土居や見附などとも呼ばれていたようです。
この棒鼻は、石垣で入口を狭くしたり門を設けて、防衛的な意味合いが強かったようです。


↑京口棒鼻跡の説明

それからしばらく歩くと、芭蕉句碑がありました。
松尾芭蕉が晩年、江戸の深川から伊賀に帰郷途中に、この場所で同道した門弟と別れを惜しんだようで、その際に詠んだ句が書かれていました。
全国的に松尾芭蕉の句碑が残っているのは珍しいようです。


↑芭蕉句碑

それから、「市場一里塚」がありました!
日本橋から5番目なので、約20kmとのことです。
現在では、ほとんどの一里塚がなくなっていますが、ここにはお稲荷さんがあるので、取り壊すこともなく残ったようです。


↑市場一里塚

そして、鶴見川を渡ります。
当時は結構氾濫していたようです。
とにかく、この日は天気がよくて良かったです!
5月とはいえ、かなり暑かったですね!


↑鶴見川

そして、鶴見神社に到着して、室内で早めの昼食となります。
梅雨の時期になるので、雨が降っても大丈夫なように、この鶴見神社の部屋を借りているようです。
さすが、阪急交通社です!


↑鶴見神社

今回も上質なお弁当を頂きました!
9種類の料理を楽しめるのは嬉しいです!


↑弁当お品書き


↑弁当

それから、今回は特別に、添乗員さんから「よねまんじゅう」が配られました!
当時、東海道の鶴見橋を中心に、よねまんじゅうの店がたくさんあったようです。
この鶴見のよねまんじゅうは有名で、「初旅のまず鶴見から喰いはじめ」と東海道の名物一号とされていたようです。
しかし、鉄道開通で街道を歩く人もなくなり、よねまんじゅう屋は廃業となったようです。
しかし、昭和57年に復活したようです。
米粉を使っているとのことで、とても柔らかくて美味しかったですね!


↑よねまんじゅう

 それから、しばらく歩いてJR国道駅に到着しました!
アーチ型の建物の中を通ります。
JR鶴見線の駅です。
太平洋戦争の頃には、焼夷弾で爆撃を受けたとのことで、その跡もありました^_^;)


↑JR国道駅の入口

SUICAを使用した無人駅で、その古さには驚きましたね。
こんな世界があるとは驚きました^_^;)


↑JR国道駅


↑路線図

それから、しばらく歩いて生麦へ到着します。
あの生麦事件で有名な場所ですね。
薩摩藩の大名行列に、イギリス人4名が乗馬したまま横切ったことに起こった藩士が切りつけ、国際問題となり、翌年薩英戦争が起こって薩摩が負け、開国の発端となった重要な出来事です。
当時の写真を見ると、家は茅葺だし、道がかなり狭いですね。


↑生麦事件の写真

この近くで地元の方が詳しく簡潔に生麦事件について説明してくれました。
幕府は10万ポンド(40万ドル)支払い、薩摩藩は2.5万ポンド(10万ドル)支払えと言われて無視したことから、薩英戦争となったようです。


↑生麦事件の説明

それから、しばらく歩くと「浦島町」へ到着しました。
この「浦島」は昔は浜があり、あの「浦島太郎」はここでの出来事だったようです^_^;)


↑浦島町

そして、高札場を復元したものがありました。
昔はこれで幕府から周知があったようです。


↑高札場の復元

「神奈川宿」にとうとう到着したのですが、この辺りはまったく昔の面影がありませんね。
当時は、湊があり、全国の中継地としてかなり有名で繁栄した場所だったようです。
神奈川県の県名の由来の場所ですね。
当時は東海道有数の景勝地「袖ヶ浦」があり、最盛期には近隣宿の2倍の人口を抱えていたようです。
また、日米修好通商条約で開港地として定められ、日本初の領事館が置かれた場所でもあります。

神奈川宿の本陣跡の説明がありました。


↑神奈川宿の本陣跡説明

今回も、「東海道五十三次 街道をゆく」は、松尾芭蕉や生麦事件などの歴史の勉強にもなりましたし、JR国道駅には驚きました!
とても楽しめますのでオススメです!

次回の神奈川宿~保土ヶ谷宿~東戸塚も楽しみたいと思います!

お勧めなお話(2015年上半期)
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「金融が支える日本経済(櫻川昌哉 宿輪純一)」という本はとてもオススメ!

2015年07月03日 01時00分00秒 | 
「金融が支える日本経済」の購入はコチラ

 「金融が支える日本経済」という本は、慶應義塾大学教授の櫻川昌哉氏と帝京大学教授で慶應義塾大学非常勤講師の宿輪純一氏の共著で、現在の日本の経済政策が短期的で市場機能・競争原理・新陳代謝が低下する内容で問題であること、また長期的な経済成長のために何が必要かについて分かりやすく説明があります。

 そのほかドイツ・米国・北欧の事例、日本の政治制度の問題やAIIB、また日本の何が悪いのか、ROE向上、法人税の課題、円国際化などについても分かりやすく説明があり、日本や国際経済について理解を深める内容となっています。

 特にAIIBの問題など、最新の情報に触れられているのは素晴らしいと思いましたね。

 現状の日本経済や今後の日本のあるべき姿について考えさせられ、「金融が支える日本経済」という本は、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・日本の政府総債務残高(政府の累積赤字)約1200兆円の約4割はこの10年で増加したものである。もちろん年金や医療の社会保障の穴埋めもあるが、公共投資もその一因であり、それでも景気はよくならなかった。つまり、公共投資で経済に本当に効果があるのは、新興国・途上国の段階である。公共投資で新たにつくられたインフラが使われ、それによって経済がさらに発展する場合である。日本でも昭和30年代後半から40年代後半ぐらいまでの高度成長期は、オリンピックを契機として、新幹線や高速道路といったインフラが初めてつくられていった。新幹線は国内の資金では足らず、現在の新興国と同様世界銀行から資金を借りて1964年に開業した。日本ではインフラがほぼ整備されていることもあり、結果として中長期的な効果が低い。また効果が高ければ景気回復しているはずである。つまり、新興国と比べて、先進国の公共投資は短期間で効き目が少ないのである。オリンピックも新興国が行うべきではないか。2020年の東京オリンピックも日本国民とすると、お祭りであり、楽しみではあるが、その経済効果には不安を持つ。最近ではオリンピックを行った国の経済はよくならず借金が残る展開が多く、オリンピック開催希望に対する人気が落ちてきている。先進国とオリンピックとの関係では、株価でみると、オリンピック開催の半年前にピークを迎え、その後は下落するパターンがあるといわれている。これはサッカーのワールドカップでも一緒である。新興国のブラジルですら、2014年のワールドカップの後は、財政悪化と不景気に喘いでいる。2016年のリオデジャデネイロ・オリンピックに対しては、その反省を踏まえ波及効果の信憑性が疑われている。しかも、残ったインフラの問題がありさらに景気を悪化させる可能性がある。

・今回の量的金融緩和によって、米国ドルの量は約8000億ドルから約4兆ドルと、”5倍”に増えている。これは米国のGDPの約2割に当たる(日本円の量はGDPの7割にもなっている)。これだけ入れて、インフレ率が上がらない理由は、そもそも基軸通貨ドルが海外に流れていること、インフレ・ターゲットの目標は、実体経済の一部をなしているCPIで、そもそも実体経済は成熟しており資金を必要としていないことなどによる。さらにトマ・ピケティ教授もいっているように、実体経済ではなく、金融資産市場に資金が流れ込んで資産価格を上昇させている。つまり、先進国では実体経済は成熟しているため、そもそも物価(CPI)は上がりにくい傾向がある。

・米国は資産効果が効きやすい。それは株式等の資産を国民が広く保有しているからである。日本ではそもそも米国より消費性向が低い。さらに「貯蓄から投資へ」とのかけ声もあるように、資産の保有が富裕層に傾いており、たとえば株式の保有が少ない。そのため資産価格の上昇が消費の増加に結びつきにくいのである。

・アベノミクス前の日本銀行は長期金利のコントロールのため、市中から国債を買い取っておカネを供給する「国債買い取り(買いオペ)」を実施していた。その額の上限を定めたのが「日銀券(銀行券)」ルール」である。日銀(日本銀行)券とは、いわゆるお札のこと。日銀の内部ルールとして、保有する長期国債の額を市中に出回るお札の発行残高以下に抑えるよう定めていた。中央銀行が無尽蔵に国債を買い増すと、財政赤字の穴埋め、いわゆる「財政ファイナンス」となる。日本の量的金融緩和は、状況的にそう判断できる可能性が高い。中央銀行の信任が落ち、市場参加者が急激なインフレや財政破綻に対する警戒感を強めれば、長期金利は急上昇しかねない。そのため日銀は、保有する長期国債の残高は、世間に流通するお札の総額である日銀券発行残高を上限とする、という内部ルールを掲げていたのである。この規律もアベノミクスで一時適用停止された。これも過去の学習を断ち切ったわけである。

・実は、インフレになって嬉しいのは資産を保有している人だけではない。「負の資産」を保有している人も恩恵を受ける。インフレになると、いわゆる「借金」の価格は、物価に対して相対的に目減りすることになる。物価が上がるとお米の価格と同じで目減りしていく訳である。つまり「借金を保有する人」がインフレの利益を享受することができるのである。借金の額が大きい人ほどその利益は大きい。そして、日本で最も借金をしているのは、他ならぬ、日本どころか世界一の借金をしている「日本政府」なのである。経済問題の検討をするときに、過去の事例や歴史を解析することは非常に大事である。実際、財政赤字の問題も、歳出制限と増税は当然行わなければならないが、最も効果があったのはインフレ誘導なのである。たとえば、現在、日本のGDP対比の累積財政赤字(政府総債務残高)は200%を超え、約250%となっている。実はこのような高い比率になった国は過去にも結構あった。他ならぬ英国やフランスもそうであった。第二次世界大戦後の英国とフランスは200%以上の借金を抱えていたが、戦後の5%を超えるインフレによりみるみる目減りしていった。特にフランスは主たる戦場であったただけに、混乱の中のインフレ率は高かった。たとえば、5%で物価上昇をしていく場合、10年で借金は約6割に目減りする。これで借金返済は随分楽になる。今回の量的金融緩和の目標である2%でも10年で約8割に目減りする。それでも随分返済は楽になる。インフレで持たざる国民の生活が楽にならない以上、これがインフレ・ターゲットの主たる目的ではないかとも考えられる。

・現在、一番、中央銀行らしいのはECB(欧州中央銀行)である。ECBの金融政策に関する考え方や法律は、基本的にはドイツの中央銀行であるブンデスバンクのものを引き継いでいる。その中央銀行法に書いてあるECBの目的は唯一、物価の安定=物価上昇率を2%に保つことのみである。この2%という数字も中央銀行法に書いてある。そもそもは、欧州でも、他の先進国でもそうであるが、以前は発展途上で、インフレ率が高く、インフレを抑えるための目標だった。最近では、状況としてそもそものベースのインフレ率が下がってきており、逆にインフレを促進する目標となっている。ECBの目的は、物価安定だけなので、本来は景気には配慮することはない。しかし、現在は政治的な圧力で、景気に対する配慮として、”対応”せざるを得なくなっている。

・FRBはずいぶん違う。FRBとは正確には、米国の中央銀行制度であるFRSの最高意思決定機関のことである。ちなみに、FRBの下に位置するのが12の地区連邦準備銀行である。米国はそもそもは地区連邦準備銀行が設立され、その後、統合されていったのである。そのため、日本などと比べてそれぞれの地区連銀の力が強い。ちなみに金融政策(公開市場操作)を決定するのが「FMOC」である。さて、そのFRBであるが、その目的として、中央銀行の基本である「物価の安定」はもちろん、同格として「雇用の最大化」の二つがある。これは中央銀行としてはきわめて珍しい。FRBのトップである議長は現在、ジャネット・イエレン博士でニューヨーク・ブルックリン生まれの労働経済学の専門家である。博士論文は失業・賃金と景気の関係であった。FRBの金融政策は世界の金融市場への影響力がきわめて大きい、というか、その主体である。そのトップが金融の専門家ではなくて、労働経済学の専門家であるところがいかにもFRBというか、米国らしい。大恐慌のトラウマの影響もあり、それだけ景気指標である雇用を重視しているのである。雇用は、政治への影響も大きい指標である。

・日本銀行であるが、日本銀行法では、当然のことながら、目的に物価の安定がある。それに加え「政府の経済政策の基本方針と整合的なもの」であるという、半分だけ景気に配慮するような表現になっている。最近の阿倍政権の経済政策では、整合的というか、日銀の金融政策がメインの景気対策となっているような感もある。

・ECBであるが、出資は各国の中央銀行から募っている。それは人口とGDPのEU全体に占めるシェアを、半々に勘案して決められている。FRBは実は私企業であり、政府は”一切”出資していない。金融機関が出資者(株式の所有者)となっている。つまり、日本でいうと全国銀行協会のようなものであろうか。これはかなり特徴的である。日本銀行の資本金は55%が政府から、45%が民間からの出資となっている。また、日本銀行に対する出資の持ち分を表す有価証券のことを、「出資証券」といい、日本銀行の出資の権利は、議決権がないなど会社法の株式会社における株主の権利と異なっている。

・1932年の予算で、日本は初の赤字国債を、日銀引き受けにより発行した。第二次世界大戦後の46年まで継続し、戦後のハイパーインフレの原因となった。第二次世界大戦終戦を迎え、戦時公債の残高は現在の価値で約500兆円となった。46年に政府は預金を封鎖し、国債が紙くずとなり、旧円は使用禁止となって、引き出しを制限された。また、財産強制を申告させ、財産税を徴収し、国民財産を没収したのである。国家の累積債務の処理とすると、ハイパーインフレで吸収するか、増税するか、デフォルトで支払不能にするしかない。もちろん経済成長で税収が大幅に増加すれば話は別である。

・リスクが高まると、安全で信用度の高い金融商品に投資マネーは動くことになる。通貨の中では、新興国通貨から先進国通貨で、先進国通貨の中でも日本円となっている。金融商品では株式よりも国債で、また通貨かた金や商品(原油)などに流れる。

・ドイツにとっての一番の悲劇は、なんといっても国土も国民も荒廃した第二次世界大戦であり、その原因はナチスの台頭であった。ナチスの台頭の原因となったのは、1兆%ともいわれてたハイパーインフレによって社会が乱れたことであるので、インフレを起こさないことが、社会の安定をもたらす最も大事な経済政策であるとのことであった。インフレとは通貨の価値を落とすことであり、それを最も忌み嫌った。ドイツの経済政策には特徴がある。経済学でいうとフライブルク学派がベースになる。その特徴的な考え方は、通貨価値の維持(通貨の大量発行によるインフレと通貨安をしない)、国債を発行することにもなる財政政策は景気対策としてして使わない(景気対策は規制緩和によって企業中心に行う=構造改革)、”その場しのぎをせず”将来の成長を考える、というもの。この”その場しのぎをせず”というのが、最も大事ではないか。ドイツは連邦制国家であるせいもあるが、国土全般に工場を分散させて持っており、国内の生産体制を海外に安易に持っていくことなく堅持し、先進国の中でも珍しく製造業を主力産業としている。財政赤字も政府総債務残高(対GDP比)は約80%と先進国では低い。これは財政赤字、すなわち国債の安易な発行とそれとセットになった中央銀行の買い入れは、インフレをもたらすとの基本的な方針によるものである。2015年には財政黒字となる。産業にしても、ドイツの製品は以前より品質の良さで知られる。さらに当時のゲアハルト・シュレーダー首相が2003年に構造改革を実行した効果が出てきている。ドイツは90年に国家的事業として東西ドイツ統合を行った。結果的に財政赤字は莫大な額となり、景気の低迷が追い打ちをかけ、当時「欧州の病人」とまで呼ばれていた。彼は政治家としてのリスクを取って構造改革を進め、経済が欧州最強となる基盤をつくった。シュレーダー改革は痛みを伴う改革のため2005年の選挙で敗北、成果はアンゲラ・メルケル首相時代に花開き、強いドイツ企業が復活した。シュレーダー改革の柱は「アジェンダ2010」と名付けられた政策パッケージで雇用制度と社会保障改革、そして、職能訓練の拡充が中心だった。その後、ヨーロッパ域内で分業体制が進み、「製造業はドイツ」ということになった。さらに、最近では、「第4の産業革命」といわれる「インダストリー4.0」が進行中である。これはトヨタ方式の広域版ともいえる。「考える工場」といわれる工業のデジタル化を進めることにより、国家的に製造業を根本的に変え、製造コストを大幅に削減するプロジェクトである。これに成功すればさらに製造業は強くなる。

・米国は先進国でありながら、現在GDP(2014年)は、約2.4%増と高い。雇用の状況も失業率(2015年4月)が5.4%と改善が著しく、株価も好調であり、世界経済を引っ張っている。実は、先進国でありながら、人口が増加している。いわゆる白人の出生率は他の先進国と同じレベルであるが、ヒスパニック系出生率が高い。つまり、国内に新興国を持っているようなものである。さらに米国はヒスパニック系やアジア系の移民が毎年100万人もある。おカネの面でも、通貨ドルは基軸通貨であり、ニューヨークをはじめとした金融市場を保有している。つまり、世界から資金が集まる構造になっている。さらに、知識の面でも、以前でも、iPhoneなお、最近でも3Dプリンターやインターネット関係も含め、イノベーションの力は強い。経済的な特徴としては、そもそも消費性向が高い。GDPの構成は政府・法人・個人と分けて構成される。日本は政府:法人:個人が2:2:6であるが、米国はその個人が7割もある。さらに、米国民は株式のような運用型資産を保有している人が多く、それも関連して、資産価格が上昇すると消費等が活性化する資産効果も強い。米国にもトラウマがある。米国のFRBの政策担当者と話してみてわかったのは、米国の経済的なトラウマは「大恐慌」があった。大恐慌は株が大きく下落するバブル崩壊であった。そのため、米国は株価を落とさない=株価を上げる政策をベースとしている。株式は景気との関連が深く、FRBの使命(目標)に景気指標である雇用も入っている。

・北欧は、高福祉・高負担という印象が強いが、実際にはトータルでみた場合には、大学までの高等教育は無料であるし、年金制度がしっかりしているため、逆に預金は少なく(蓄える必要がない)、育児や福祉も進んでおり、国が使う教育費も上位で、国民の幸福度も上位を占める。産業政策のポイントは”市場原理”に基づいている。競争力のなくなった企業は淘汰され、政府は日本のように競争力を失った企業(ゾンビ企業)を救済し続けることはせず、「新産業」の育成に注力する。しかも、失業対策が充実しており、失業者も不安なく、新産業に移動できるのである。これは大変大事なことであり、実力ある人は安心し、また産業界も彼らを生かすことができるのである。

・構造改革を実行したとしよう。一般的に構造改革の成果が、たとえば実際に経済成長率が上がってくるのに、約3~4年かかる。しかも、構造改革を実行するときは、痛みを伴うものである。中央や地方でも政治は「政治家」によって行われる。彼らは「選挙」によって選抜される。政治家は落選した場合には、ただの人というか、無職になってしまう。これは避けたいのが、本音であろう。選挙の間隔(議員の任期)は、衆議院が4年(解散も結構ある)、参議院は6年、地方議員も4年である。とすると、構造改革を実施したとして、経済が強くなって、景気がよくなったとしても、辛い思いをする選挙人(住民)もいる。その場合、辛い目にあった人の方の声の方が社会的に大きい。とすると、頑張って構造改革を実施して経済構造が強くなり、景気がよくなったとしても、進めた議員は落選する確率も高くなる。しかも、その選挙までに、構造改革の効き目が出てこない場合には目も当てられない。ということならば、頑張って構造改革をする動機を失う可能性もある。それよりは、量的金融緩和政策のように、その場しのぎ・現状維持の政策を行う動機が強まる可能性がある。このような政策の特徴は、経済構造を変えずに”量的”に拡大させる。つまり、日本で構造改革が進まない要因は、このような政治的な”制度”の問題である可能性が高い。これは、個々の政治家の問題ではない。このような制度では、損失も考えてみると「行動経済学」的にも仕方ない、ということになる。制度設計の問題なのである。また、このような経済的に必要な原理を止める動きを「政治的配慮」という。つまり、現在の制度では、基本的に現状維持にならざるを得ないのである。ドイツのシュレーダー前首相が2003年から始めた構造改革「アジェンダ2010」は、「改革を断行することの方が、首相に再選されることよりも重要」とした。結果、彼は落選する。一般の政治家にこのようなことを求めるのは酷であろう。

・中国は世界第一位の貿易黒字国で、人民元の固定相場制の維持のために、大量に人民元売り・ドル買いの介入を継続し、外貨準備が約4兆ドルにもなっている。こちらも世界一位である(二位は日本で約2兆ドル)。米国はサブプライム危機、リーマン・ショックと立て続けに金融危機を起こし、量的金融緩和を始め、オバマ大統領の貿易倍増計画によって、ドル安への誘導政策を採用した。中国は自国の資産の防衛のために、米国にドル安政策の中止を求めたが却下された。世界経済の平均として使える通貨は、人工通貨であるがIMFのSDRしかない。SDRはドルとユーロとポンドと円から構成されるバスケット通貨というまさに象徴的な構成である。中国は人民元も入れるように求めたが、米国の強硬な反対(拒否権)で却下された。中国は中国人民銀行の周小川総裁の論文にもあったが、為替の安定を求めた。そのときに、中国は自分で組織をつくること、そして人民元を国際通貨・基軸通貨にすることを決心した模様である。基軸通貨になる時間を30年とした。AIIBは、「現代版マーシャルプラン」に当たる。アジアをはじめとして新興国ではインフラ資金は足りないのでニーズは強い。マーシャルプランでは米国主導の金融の仕組みと米ドルの基軸通貨をもたらした。中国はいままで弱かった国際金融の分野での発言権の拡大を求めている。中国は、親密国には、人民元の決済銀行としての中国の銀行(国営銀行)を置き、人民元の国際化も副次的に可能となる。

・日本銀行は、2013年以降、「デフレ克服」を目的に目標インフレ率を2%に定めて、量的緩和を実施している。前回(2001~2006年)に実施された量的緩和と異なり、短期国債だけでなく長期国債の購入に踏み切り、また規模も拡大していることから、「異次元緩和」あるいは「質的・量的緩和」と呼ばれている。ベースマネーは、緩和開始前の2013年の3月の段階の146兆円から、2015年2月には278兆円とほぼ倍増した。名目GDPは488兆円程度だから、GDP比で換算すれば、約57%にも達する。この値が尋常ではないことは、今回参考にしたとされるアメリカの経験と照らし合わせるとわかりやすい。アメリカでは、リーマン危機を受けて、2008年7月以降、大恐慌の再来を回避するために、3度にわたる大規模な量的緩和を実施している。ベースマネーは8000億ドルから3兆ドル強へと4倍弱に増加した。ベースマネーの大きさを4倍にしたといえば、大規模な量的緩和であったようにみえるが、元来がベースマネーの発行額が少ない国とあって、GDP比で換算すれば20%程度にすぎない。正常な経済における値はだいたい5~10%程度とされてきたから、50%を超える数字に、人々はいずれどこかでハイパーインフレが起きて、日本銀行券は紙くずになってしまうのではないかと恐れるのである。

・成長戦略の一環として、法人税減税が浮上している。国税と地方税を合算して計算された法人税率は、約35%で、アメリカと並んで世界で最も高い。欧州の各国は軒並み20%台に向けて法人税の現在を進めており、日本の企業は、これまで以上に、国際競争上不利な立場に立たされている。少なくとも20%台に引き下げるべきだという議論がもっと盛り上がってもいいものだが、残念なことに、伝え聞くところによると、現在、2年間で3.2%程度の規模の減税が議論されているらしい。たとえ35%が32%になったとしても、設備投資へのプラスの効果は微々たるものであろう。

・そもそも法人税とはいくつかの点で存在意義をみつけるのが難しい税である。まず、所得税、消費税、法人税の三大課税の中で、経済効率性の立場から最も望ましくないのが法人税である。特に、経済成長に対して大きな阻害要因となることが確認されている。法人税は資本所得への課税であり、企業の投資意欲を阻害するので、一国の資本蓄積と技術進歩を抑圧して、長期的な経済成長を阻害する。次に二重課税の問題がある。配当を支払う前の段階で法人税を課し、配当所得の段階でもう一度課税することになり、同じ所得に二度課税される。

・貿易の決済通貨として円が伸び悩んでいる以上、円の国際化は到底無理であると思うかもしれない。しかし、対外資産世界一という事実にも示されるように、海外に供給可能な資産は潤沢に保有している。昨今の国際取引では、1年間における世界の貿易総取引額は、1日の金融取引額にも満たないといわれる。つまり、貿易における決済比率の低さは、通貨の国際化を進めるうえではさして障害にならない。かつてのアメリカドルのような基軸通貨国を目指す必要はなく、為替リスクの軽減、金融業の生産性の向上、東京市場の国際金融センターとしての活性化を実現することを最終的なゴールとして、円の国際化を位置づければいい。そのためには、外国人にとって魅力的な円建て金融資産を供給できるかがカギを握っている。

・中国がアジア太平洋地域で経済の覇権を握るには、金融市場が脆弱であるという致命的な欠点をかかえているのである。中国は、脆弱な金融市場を抱えながらも、高貯蓄を牽引力として急速な成長を成し遂げた。言い換えれば、たとえGDPの高成長を実現したとしても、金融市場の弱さを克服しない限り、国際金融市場で主導的な立場になることは難しい。日本としては、中国の弱さを冷静に見極めることである。中国の急成長に恐れをなして、アジア太平洋地域は人民元の支配する日も遠くないと尻込みする意見もあるが、事態はそれほど単純ではないのである。日本は人民元を過度に恐れることなく、円の国際化を着実に進めていくべきなのである。近い将来、円と人民元の間で国際通貨競争を繰り広げる可能性は高いが、ガチンコの競争をすればいい。競争の結果、いずれの通貨が勝ち残るかもしれないし、円と元の間で共通通貨の話が持ち上がるかもしれない。中国は対外政策に慎重な態度をとる国であり、現実主義的な立場から長い時間をかけて勝負を挑んでくる。中国の外交方針は、「冷静に観察し」「足場を固めて」「沈着に対応し」「能力を隠して好機を待ち」「控えめさを保ち」「指導的地位を求めない」と述べられている。背景にはアヘン戦争に始まる2世紀にわたる屈辱の歴史を二度と繰り返したくないという強い思いがある。国際通貨の興亡は息の長い話である。アメリカのイギリスに対する経済的優位は、第一次世界大戦の直後にはすでに明らかであったが、アメリカが基軸通貨国の地位を確立するまでには、さらにもう一度の世界大戦を経る必要があった。中国との競争の中で、日本はゲームメーカーとしての真価が問われている。


良かった本まとめ(2015年上半期)

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カフェ リコプラス(cafe riko+)(東京 門前仲町)のランチはとてもオススメ

2015年07月01日 01時00分00秒 | 外食
東京の隅田川の永代橋を茅場町から門前仲町へ渡ると、お洒落で清潔そうなお店が目立っていたので入ってみました。


↑店構え

 カフェ リコプラス(cafe riko+)というお店で2014年12月にオープンしたばかりですが、食べログでは既にTOP5000に入っているとは凄いですね。

若い夫婦が経営しているお店のようで、旦那さんが調理をし、奥さんが案内などを優しくしてくれます。
「おかえりなさい」と迎えられるような空間にしたいとのことです。


↑カフェ リコプラスの挨拶

店内は明るく清潔感が漂い、女性が好みそうな空間です。
事実、私以外は全て女性客でしたね^_^;)
店の前を歩く人たちも気になるようで、みんな店内を見ていましたね・・・。

12時になると予約客が続々と入ってきました。
私は一人だったのでぎりぎり入れてラッキーでした。
予約なしの客は止む無く去っていましたね。
このお店は人気なのでランチとはいえ予約が必須ですね。

ランチは、グラタンプレートかオーブンプレートかで迷いましたが^_^;)、オーブンプレートにしました。
+300円でコーヒーか紅茶を追加できます。
コーヒーは軽井沢の丸山珈琲を使用しているようで、こだわりがあるようですね。
次回は是非頼んでみたいと思います。


↑ランチメニュー

この日のオーブンプレートは「うれうれ豚スネ肉のデミグラスソース煮込み」で、そのほかサラダやパン、デリとして5種類あります。

サラダがさっそく運ばれますが、彩り鮮やかで美しくしかもボリューム満点!
これは明るくて嬉しいですね!
もちろん美味しいです!


↑サラダ

そして、オーブンプレートが運ばれます。


↑オーブンプレート

さすが「うれうれ豚スネ肉のデミグラスソース煮込み」は、よく煮込まれたデミグラスソースが美味しく、そしてアツアツで、これは素晴らしいです!
「うれうれ豚」とは初めて聞きましたね。
高級ブランド豚のようで、「嬉嬉」と書くようです。

 それから5種類のデリも美味しく、季節感あふれる「春キャベツ」や「博多なすのキッシュ」も良かったですね。
5種類の味を楽しめるというのは嬉しいです!
またパンも2種類あって楽しめました。
さすが食べログTOP5000ですね!

カフェ リコプラスは、明るくゆったりとした清潔な店内で、優しい接客があり、そして色んな美味しい味をランチで楽しめ、とてもオススメです!
次回は丸山珈琲も楽しんでみたいと思います。


美味しかったものまとめ(2014年下半期)

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リコプラスカフェ / 門前仲町駅水天宮前駅越中島駅

昼総合点★★★★ 4.0

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