A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

勅使河原三郎×灰野敬ニ×MERZBOW@代官山・晴れたら空に豆まいて 2015.8.21(fri)

2015年08月24日 00時44分46秒 | 灰野敬二さんのこと


『晴れたら空に豆まいて九周年記念』
-特別企画- 勅使川原三郎×灰野敬二×MERZBOW

開場■19:00 開演■20:00
料金■6400円(+1ドリンク) 当日 6900円(+1ドリンク)
出演■勅使川原三郎・灰野敬二・MERZBOW

音楽の律動、身体の律動、身体の音楽・・・
生命は、音楽が与えてくれる波や流れや揺れ動きそのものだ
音楽は、体内をのたうちまわり、空間を変容させながら、あらゆる色彩を凌駕していく
「光」と「闇」の交感が咲き乱れる、八月の都会の夜



2013年8月2日に高円寺HIGHで開催された勅使河原三郎×灰野敬二の初共演パフォーマンスは、目を瞑れば目蓋の裏にいつでも光景が浮かぶ程の強烈な印象を残したが、記憶の中では何時のことだったか、自分が其処に居たのか定かではなく、もし誰かに「夢の中の出来事ではなかったのか?」と詰問されたなら、「否、寧ろ他人の夢の中で夢を見るという有り得ざる夢物語」の永遠無限回廊に迷い込むかも知れない。
勅使川原三郎×灰野敬二@高円寺HIGH 2013.8.2(fri)

その再演とも思われた今回の公演だが、天井の高いロック向けヴェニューだった前回から、和風の座敷のあるアコースティック系の会場に、ステージ3分の2を占拠するマーシャル2段積みが3台並ぶ異様なセッティングを目にしただけで、「再演」ではなく「差異縁」であることが伝わってくる。



二人の演奏者が発する「もの」と「もの」が互いの領域を主張して軋み合う摩擦熱は、耳を圧するのではなく、身体全体を包み込み皮膚の面積を10平方センチメートル減少させる。音は聴覚ではなく触覚で感じるものだと本能で理解した。

皮膚の戦(おのの)きと、腕足の斜角運動(ムーヴメント)と、顔面の歪(ひず)みと、体躯の歪(ゆが)みと、精神(頭脳)の波調変相で、音の表皮に軽く皹(ひび)を入れ、卵を割るようにツルツルと飲み込む勅使河原の四肢の滑舌は、ダンスとは視覚ではなく聴覚で感応すべきだと解き明かす。



結果的に二時間を超える濃厚なパフォーマンスを生き抜いた演者と観客は、晴れ晴れとした表情で談笑したり食事したり、思い思いに会場を後にした。パフォーマンスとは理解ではなく経験するべきと開眼したに違いない。

敬虔な
経験積んで
解脱する




コメント
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