「本田珠也 3DAYS」
道場+JAZZ非常階段
出演:本田珠也、八木美知依、JOJO広重、T.美川、JUNKO、坂田明
King of Noise非常階段がJazzの殿堂新宿Pit Innで開催する『JAZZ非常階段』に全通したからといって自慢にはならないが、アイドルヲタの参戦によりチケット争奪戦となり、Pit Innにヲタ臭が充満した直近2回も欠かさず出席した執念は、何処かで報われても可笑しくないと思わないでもない。一体お前はノイズかフリージャズかアイドルかどれを選ぶのか、と詰問口調で三者択一を迫られ頭を抱えることも無く、今日まで生き長らえることが出来たのは太陽のプルプル女神のご加護に違いない。
JAZZ非常階段 @磔磔
⇒「ジャズ非常階段」~非常階段 featuring 坂田明、豊住芳三郎@新宿ピットイン 2012.4.9 (mon)
⇒JAZZ非常階段@新宿ピットイン 2012.9.23 (sun)
⇒JAZZ非常階段 featuring 山本精一@新宿ピットイン 2013.4.6 (sat)
⇒JAZZ非常階段+JAZZBiS階段@新宿ピットイン 2014.4.22(tue)
⇒JAZZ非常階段+JAZZめるモ!階段@新宿Pit Inn 2015.3.28(sat)
とはいうものの、今回の主役はJAZZ非ではなく『道場』=本田珠也+八木美知依である。マル非のジャンルレスの合体ユニット『○○階段』と同じスタンスでコンスタントに活動するのがこの二人組。「道場破り」として外部メンバーを加えることで、切磋琢磨・叱咤激励・運動摩擦を起こしてきた。何でも飲み込むキング・オブ・ノイズ非常階段と、道場破りを返り討ちにする煽動体・道場のガチンコ勝負は、矛と盾のように矛盾を孕んだ核爆発を起こすかもしれない、と恐れ避難する者もいたに違いない(その証拠にソールドアウトしなかった)。あした地球がこなごなになっても不思議ではない危険なライヴに当ブログ取材班が足を運んだのは、命知らずのガチヲタであるばかりではなく、既に本田が非常禁!として広重と坂田を被験者にして検証済みであることを知っていたからでもある。
Michiyo Yagi & Tamaya Honda 01 @ Asahi Art Square
⇒本田珠也+坂田明+JOJO広重@新宿Pit Inn 2014.6.10(tue)*特別付録ピンナップ付き
1stセットは1)道場+JOJO広重 2)八木+JUNKO 3)道場+坂田明 4)本田+T.美川と一対一で小手調べ。最初の広重で最高に楽しんだという本田は勿論、極悪系ノイズに二台の箏で挑む八木の凶悪なプレイが炸裂する。特にJUNKOとの鬼畜女子二人旅は、JUNKOの喉を掻き切らんとの勢いでドラムスティックを激しく箏に擦り付ける八木の仕草と、断末魔の叫びを続けながら、涼しい顔を崩さないJUNKOの落ち着きぶりが、猛暑を一気に冷夏に変貌させる異常気象を呼び起こした。
Photo by Moto Uehara
全員ステージに上がっての2ndセットは、想像していた轟音腕力勝負に陥らず、緩急メリハリあるドラマチックな展開に。本田のドラムがハードロック的エイトビートを重たく刻み、その上にJUNKOと坂田と美川の区別の付かない高周波が暴れ回る。八木の箏の低音弦がボトムを支え、広重が音色や音の広がりに心配りしたノイズギターを鳴らす。音は違えど、山あり谷ありの展開がプログレッシヴ・ロック組曲を思わせた。先日の大友+山本もそうだったが、ノイズギターにプログレを感じるのは私だけだろうか。
Photo by Takeshi Goda @ Shinjuku Pit Inn 2014.6.10
中盤の坂田の絶叫詩吟詠唱は、感極まったイアン・ギランのシャウトを明らかに超越していた。2年半ぶりにアイドル枠抜きのJAZZ非現場には、ノイズ者とジャズ者と萌え残った地下ブロガーが集い、真剣勝負の創造道場が展開された。
この笑顔が交歓の歓びの証! Photo by Moto Uehara
お好きなら
お茶でもいかが
道場で