7月22日同時に全国CDショップ&ネットショップに並んだ2枚のアルバムがロックンガレージ愛好家の大きな話題になった。3週間経ってお盆を迎えた現在も心を揺さぶって止まない女子バンドの甘い余震を。
●Drop's『WINDOW』
札幌在住女子バンド五人組Drop'sの『DAWN SIGNAL』(2013)、「HELLO』(2014)に続く3rdアルバム。レッド・ツェッペリン『III』の向こうを張ってグルグル回転する特殊ジャケット。女子高生ブルースロックと呼ばれ話題になってから既に5年、ブルースに拘らない多彩なスタイルを展開する彼女たちだが、一貫しているのは「バンドでロック」する悦びである。中野ミホの堂々とした歌を前面に押し出したアレンジだが、サウンドは前作以上にガレージロック色が強まった印象がある。「(間違っても)全体のグルーヴが良ければOK」と語るDrop'sの神髄は生々しいライヴサウンドにある。
●GLIM SPANKY『SUNRISE JOURNEY』
長野県出身の男女二人組ユニットGLIM SPANKYのデビュー・アルバム。CMや映画に曲が抜擢されることも多く、ソングライターとしても注目される彼らの音楽性の幅広さを証明する「旅路」のサウンドトラックのようなアルバム。定評のある腰の据わったミッドテンポのロックは勿論、フォーキーな「さよなら僕の町」やカントリー&ウェスタンの「WONDER ALONE」など、目くるめく音楽旅行が楽しめる。「褒めろよ」「踊りに行こうぜ」といった印象的な歌詞もじわじわ心に滲みる。ジャニスよりもパティ・スミスに憧れる松尾レミのハスキーボイスが耳に眩しい。
⇒Drop’s・中野ミホ、GLIM SPANKY・松尾レミが語る理想の音楽「言葉とメロディがいっしょになったときに、すごい力を持つ」
シャボン玉
翔んでく先に
サイケな恋