1月にリキッドルームで9ヶ月ぶりに大森靖子を観て「やはりスルーすることは出来ない」と焼け木杭の激情が萌え上がったが、時既に遅し。ワンマンライヴのチケットはソールドアウト。諦めかけてしたところ、知り合いのりさ推しベーシスト氏から「インフルエンザで倒れたのでチケット譲ります」とのメッセージが。病床の彼の想いをSEIKOに伝える使命を胸の片隅に、赤坂BLITZの門を潜ることを許された。
大森靖子ワンマンライブ
「HELLO WORLD!MYNO. IS ZERO」
*公演タイトル読み:ハロー ワールド マイナンバー イズ ゼロ
バンドメンバー:
G. 直枝政広(カーネーション)
G. 畠山健嗣(H MOUNTAINS)
B. tatsu(LÄ-PPISCH)
Key. 奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)
Dr. ピエール中野(凛として時雨)
昨年の中野サンプラザもそうだったが、客層は若い女子がとても多い。男性目線では、女の情念を赤裸々な言葉で歌う風変わりなシンガー、しかもカワイイ、というイメージだが、10,20代の女性にとってはまさに「自分の歌」なのだろう。「励ましてくれる」「元気をもらえる」「大丈夫って言ってくれる」というのがJ-POPに求められる資質であるとしたら、数年前までは異端の存在だった大森靖子が、「J-POP」として通用する存在になった証かもしれない。曲者揃いでありつつも、各自がJ-POPの世界で活動してきたバンドメンバーに囲まれて、雑多な情念が衝突する赤坂BLITZの真ん中で愛を叫ぶ靖子は、今宵は歌姫・女王の魂を宿していた。
大森靖子「愛してる.com」MusicClip
大森靖子「愛してる.com / 劇的JOY!ビフォーアフター」
発売記念ミニライブ&握手会
HMV record shop Shibuya
ワンマンの熱狂に湧いた翌日、渋谷の人気レコードショップで開催されたレコ発イベントは、打って変わってアコギ一本でぼっち弾語り。やはり女子率の高い観客は、比較的静かに眺めるが、靖子の客イジリやコール&レスポンスにも笑顔で応え、親密な空間を演出し、以前の「激情系フォークシンガー」の神髄を味わうことが出来た。終演後の握手会では泣き出す女性客もいて、靖子信仰の萌芽をみた。
大森靖子「劇的JOY!ビフォーアフター」MusicClip/「Heavy Shabby Girl」Ver.
新作PVに登場する沢山の女子の姿に靖子の想いが注入されていることは間違いない。大森靖子は聴き手に何かを「与える」のではなく、聴き手の中に何かを「産み落とす」新たな形のJ-POPを創造している。
大森さん
コショージメグミ
ネクロ魔・瑳里ちゃん
握手会でオザケンの歌を求められて、知ってる筈の「強い気持ち・強い愛」をど忘れしてしまったことが悔やまれる。でんぱ組さんライヴで演ってくれないかなぁ?
でんぱ組.inc「強い気持ち・強い愛」Music Clip Short ver.