「当直医に引継ぎしますんで、確認なんですけれども、心肺停止した時は特に処置しないということでよろしいですね」
夕方、ババの担当医から電話がありました。
以前、医者に話したことの確認でした。
余計な処置はしないでほしいと話しています。
どうやらその時が近づいて来たようです。
「この三連休はどうでしょうか?」とおぢ。
「そこまで急ではないと思いますが…」と医者。
退社後、あちこちのスーパーへ寄ってから、病院へ駆けつけました。
スイカが食べたいと言っておったので探したのです。
デパートで買えばよかったのにねぇ。
でも、売ってるもんですねぇ~真冬というのに。
沖縄産でした。
病室のババは、寝入っていて起きなかった。
看護師に聞くと熱が37度8分あるのだという。
台所を借りて、スイカを切り、8分の1ほどの塊と小さくしたもの8切れほどをラップに包んで冷蔵庫に入れた。
「喉が乾いたと言ったら、スイカが冷蔵庫にありますので看護師に引継ぎをお願いします」とお願いして辞した。
時の流れというのは残酷です。
余命半年宣告からすでに1年5ヵ月、ガンはどんどん増殖し宿主を追い詰めている。
悪性新生物とはよく言ったもんだ。
宿主と共生しない生き物ってなんだろ?