グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

伊豆大島、ばんざい!

2013年09月01日 | 海の生物
ナイトツアーでウミガメの産卵に出会ったのは、今年の7月13日のことでした。 翌14日には、島でウミガメを研究しているグループが卵を確認し、踏み荒らされないように柵で囲ってくれました。

そして産卵から49日目の昨日、研究グループの成瀬氏から下記のようなメールが届きました。「本日夕方、ウミガメの巣穴調べをします。台風15号の影響で冠水や卵の流出が心配されますので、早めに行うことにしました。生きている子ガメは見られないかも知れません。」

案内のあった時間に少し遅れて浜に着くと、たくさんの人が集まっていました。

太陽がかなり傾いて、あと30分ほどで水平線に沈みそうでした。

調査は既に始まり、卵が堀り出されていました。

まだ卵の中に残っていた子ガメは、一度箱に集められます。
子ガメ達は箱の中で、海に向かって進もうとしているようでした。

記録をつけていた方に、調査票を見せてもらいました。

こうやって10年以上、データを積み重ねているんですね。
地道な活動、素晴らしいです。

メモも見せてもらいました。

この日の見学者、111名!
ウミガメの卵と同じぐらいの数です!(笑)

子ガメは巣穴から自力で歩いて海に到達する必要があるそうです。成瀬氏がウミガメを歩かせはじめたら、見学の人たちが両側に並び、あっという間に「海への道」ができました!

ウミガメ達は次々に海を目指して歩いて行きます。

ヨイショ、ヨイショ!
時々、ひっくりがえりながらもまた起き上がって海に向かいます。

体の割に、目とヒレが大きいです。

もうすぐ海です!

うまく波に乗って、海にでられるでしょうか?

波が来ました!

この時の波では陸に引き戻されてしまいましたが、また起き上がって海を目指し…
3回目の波で海へ旅立ちました。

そういえば、ちょうどこの場所で、産卵し終わった親ガメが海に帰っていくのを見送ったのでした。
あの時、親ガメが大変な思いをして産んだ卵から、こうして新たな命が生まれて旅だっていくなんて…

もう、感無量です。

この日集まっていた何人かの人と、話しをしました。
そこで聞いた話…。

「地元の消防団員に団長から『海岸の監視の時に、ウミガメの卵の無事を見守るように』という指示があった。」「卵が気になって毎日巡回して、暑いとネットをかけたりして様子を見ていた」

それぞれの人の思いを乗せて、ウミガメ達は海に向かったのですね!
ウミガメの卵をみんなで見守り、そして子ガメの旅立ちを皆で見送れる島って最高です!

保護柵をすると「ここに卵があるよ」と教えることにもなる訳ですが、卵がいたずらされることもなく、カメ達が巣立てるということも素敵だと思います。

そして10年以上、ウミガメの調査や保護活動を続けている人々の存在も…。
いつものことながら本当に、宝物がいっぱいの島だなぁって思います。

伊豆大島、ばんざい~!

(カナ)








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お知らせ2つと夜のツアー

2013年09月01日 | ツアー
連日、スノーケリング、三原山、ナイトツアーでフィールドへでています。

ナイトでたくさん観察できたキリギリスの仲間達の幼虫は、ほとんどが成虫になりました。
そしてここ数日は毎日、ショウリョウバッタが産卵を繰り返しています。

昨日もあちこちで産んでいました。

上にのっている小さいバッタは雄??

こんなに毎日産卵したら辺り一面ショウリョウバッタだらけになりそうですが、そうならないのはそれだけ色々な生き物達の餌になっているということなのでしょう。

子ども達は虫が大好き。

色々なものを見つけてくれます。

草むらでムカデが芋虫を食べているのも、教えてくれました。

こうやって夜獲物を捕まえているんですね。

毎晩のように歩いていると、夜でも季節の移り変わりを感じます。
海の中にも、空にも、夜の闇の中にも、四季があるのが楽しいです。

ところで、昨日個人のFacebookに載せたお知らせを2つ。

その1
観光庁事業のポ-タルサイト「タビカレ」に伊豆大島ジオパークの馬車事業の動画がアップされたそうです。興味のある方は以下のページをご覧ください。
http://youtu.be/1tyounnNzp0

また動画を見て「面白そう」と思った方は、以下ページの「行きたい!」ボタンの
クリックをお願いします。
http://tabicollege.jp/area/028/028_contents.html

その2 
8月25日付けの読売新聞日曜版の名言巡礼の裏面に伊豆大島の記事が載っています。映画のロケ地をまわるこのシリーズ、大島が舞台になったのはホラー映画の「リング」です。

先日の朝日新聞の記者さん同様、読売新聞の記者の方もツアーをリクエストして,実際に三原山を歩いて記事を書いてくれました。「ジオパーク」も紹介してくれました。「リング」と「ジオパーク」のコラボ?笑

記事の締めくくりの文章「噴火という『呪い』は同時に『恵み』でもあるに違いない。そう思ってホテルに戻ったらなぜか(でなかった)湯がでた」というくだりが面白かったです。

お知らせは以上です。

ところで昨日は、ウミガメの子どもの放流を見学させてもらいました。
とても素敵な瞬間だったので、今日はこのあともう一度ウミガメのことを投稿予定です。

(カナ)


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