2月7日(日) に行われた、現地観察会2日目の報告です。
この日は、東京農工大学の石川芳治先生 (砂防工学)、筑波大学の上條隆志先生(生態学・森林工学)、首都大学東京の 谷口央先生(歴史考古学)、産業技術総合研究所の川邉禎久先生(火山地質学)に同行していただきました。

9:00~11:00 北の山地区(島の北西部)参加者19名
比較的平坦な土地が広がる“北の山地区”は、2000年~3000年前の側噴火(三原山の火口以外からの噴火)でできた土地なのだそうです。

「伊豆大島火山地質図」を元に、川辺先生からバス内で説明を受けました。
平らな土地を利用して、空港が作られています。

景色を眺めながら、赤色立体地図をもとに説明をうけます。

みんな自分たちが住んでいる場所のことなので真剣です!

愛宕神社のお社が、実は火口の中にあるということも教えてもらいました。
(お社が写っていなくてスミマセン~(^_^;)

以前から「火口じゃないかな?」と思っていたので、確認できてうれしかったです。
椿のトンネル
この地区は「平らで畑が多い」ということが、12月のワークショップで話題になりました。
その畑の周りに防風林として植えられた椿が、トンネルを作っている道を歩きました。

実はここ、ガイドをはじめる前は犬の散歩でよく歩いていた道なのですが…
当時は全然“椿のトンネル”とは意識していませんでした。
“見ているのに見えていない風景”って、本当に多いなぁと思います。
2本の椿の根が、まるで“手をつないでいる”ようになっている場所もありました。

(これ、早速ツアーに使わせてもらっています)
道沿いで井戸が残っている民家を見かけ、家の方がいらしたので声をかけたら、この地域での昔の暮らしを聞かせてくれました。

「いつかもう一度話を聞いて、きちんと残したい!」と思える内容でした。
12:00~14:00 泉津地区 (島の北東部) 参加者19名
私はこの日12時からツアーが入っていたため、午後の観察会は参加できず…ジオパーク推進委員の中林さんに写真と文章を送ってもらい、そこに私の感想も加えてまとめてみました。
車道沿いにあるスダジイ巨木
車道沿いで大きく根をはる大きな2本のスダジイが、まるで“門”のように見える人気スポット。

木の大きさから樹齢200年ぐらいかと思っていたのですが、スダジイは生育が早いので、この2本の巨木は樹齢100年に達していないそうです!(ビックリ)
上條先生からは“スダジイ林植生”の話もあったとのこと。
波治加麻神社
ここでは大島自然愛好会小川会長から大島、伊豆諸島の植生の話があったようです。(今回の観察会は専門家の先生からの解説だけでなく、地元参加者が知っていることを語り合い、学びあう形で進められました)

上條先生からは、樹木に着生しているウチワゴケの説明があったらしく…後で内容を確認したいと思います。
日忌様の祠
現在も泉津で受け継がれる日忌様の風習(儀式)も語り合われたようです。

地域のために働いた25人の若者を祀った祠の前での話し合い…現地で学ぶって大切ですよね。
大島海浜植物群落(国天然記念物)笠松周辺
上條先生からは、海浜植物の特性と固有種の説明があり…

川邉先生からは1552年(天文21年)の噴火で溶岩が海に流れこんでできた地形についての説明があったそうです。

山のてっぺんにある大きな凹地(カルデラ)内から溢れ出て海に注いだ溶岩が、冷え固まって大島に新たな地面を作り、それが桜株(国特別天然記念物)、石の反橋(都史跡)、都立大島公園一帯、笠松(都の天然記念物)などの景勝地となったのですよね。
15:00~17:00 岡田地区(島の北部)参加者16名
港が見える丘(写真はありません)
昭和8年に来島された林芙美子が風光明媚と称えた地。
岡田を愛する有志により、河津桜の公園が造られています。
仙寿椿
椿の巨樹銘木「仙寿椿」を、管理者されている白井松寿氏が案内。

「周辺を椿の公園として整備出来れば」との希望が出たようです。
龍王大明神
谷口先生の案内で…

「岡田港に面した断崖の急な狭い敷地に建立されており、神社、鳥居、石段等がコンパクトに造られており、全体のバランスが取れ大きく見せている」とのこと。(なるほど~、これで少し小さな鳥居の謎が解けました)
力士大嶌傅吉碑(写真はありません)
岡田地区出身の怪力の力士が、頭上に掲げたと言われる、海岸で波に転がされ丸くなった石「勇鑑石」。他にこの地区の若者が成人の儀式に使ったと言われる「智仁石」も話に出たようです。
八幡神社
八幡神社は源氏の氏神で、岡田八幡神社の祭神は源為朝。

東京都無形文化財「正月祭」では木遣天古舞が奉納される…天古とは梃子(てこ)の事で、源為朝は梃子を用いて溶岩を取り除き八幡神社を建てたと言われています。
ところで今回、中林さんから送ってもらった現地観察会の写真の中に、満開の椿の花の写真がありました。

綺麗ですね~!!
中林さんは「大島の自然、歴史、文化、地質、地形、植生、遷移、土木(防災)工学等のお話を4名の学者・研究者により現地観察で訊けるとは何と贅沢な勉強会で有ろうか、大島ジオパーク推進に生かしていかなければ」と感想を寄せてくれました。
同感です。
そして…写真&文章の提供をありがとうございました!
(カナ)
この日は、東京農工大学の石川芳治先生 (砂防工学)、筑波大学の上條隆志先生(生態学・森林工学)、首都大学東京の 谷口央先生(歴史考古学)、産業技術総合研究所の川邉禎久先生(火山地質学)に同行していただきました。

9:00~11:00 北の山地区(島の北西部)参加者19名
比較的平坦な土地が広がる“北の山地区”は、2000年~3000年前の側噴火(三原山の火口以外からの噴火)でできた土地なのだそうです。

「伊豆大島火山地質図」を元に、川辺先生からバス内で説明を受けました。
平らな土地を利用して、空港が作られています。

景色を眺めながら、赤色立体地図をもとに説明をうけます。

みんな自分たちが住んでいる場所のことなので真剣です!

愛宕神社のお社が、実は火口の中にあるということも教えてもらいました。
(お社が写っていなくてスミマセン~(^_^;)

以前から「火口じゃないかな?」と思っていたので、確認できてうれしかったです。
椿のトンネル
この地区は「平らで畑が多い」ということが、12月のワークショップで話題になりました。
その畑の周りに防風林として植えられた椿が、トンネルを作っている道を歩きました。

実はここ、ガイドをはじめる前は犬の散歩でよく歩いていた道なのですが…
当時は全然“椿のトンネル”とは意識していませんでした。
“見ているのに見えていない風景”って、本当に多いなぁと思います。
2本の椿の根が、まるで“手をつないでいる”ようになっている場所もありました。

(これ、早速ツアーに使わせてもらっています)
道沿いで井戸が残っている民家を見かけ、家の方がいらしたので声をかけたら、この地域での昔の暮らしを聞かせてくれました。

「いつかもう一度話を聞いて、きちんと残したい!」と思える内容でした。
12:00~14:00 泉津地区 (島の北東部) 参加者19名
私はこの日12時からツアーが入っていたため、午後の観察会は参加できず…ジオパーク推進委員の中林さんに写真と文章を送ってもらい、そこに私の感想も加えてまとめてみました。
車道沿いにあるスダジイ巨木
車道沿いで大きく根をはる大きな2本のスダジイが、まるで“門”のように見える人気スポット。

木の大きさから樹齢200年ぐらいかと思っていたのですが、スダジイは生育が早いので、この2本の巨木は樹齢100年に達していないそうです!(ビックリ)
上條先生からは“スダジイ林植生”の話もあったとのこと。
波治加麻神社
ここでは大島自然愛好会小川会長から大島、伊豆諸島の植生の話があったようです。(今回の観察会は専門家の先生からの解説だけでなく、地元参加者が知っていることを語り合い、学びあう形で進められました)

上條先生からは、樹木に着生しているウチワゴケの説明があったらしく…後で内容を確認したいと思います。
日忌様の祠
現在も泉津で受け継がれる日忌様の風習(儀式)も語り合われたようです。

地域のために働いた25人の若者を祀った祠の前での話し合い…現地で学ぶって大切ですよね。
大島海浜植物群落(国天然記念物)笠松周辺
上條先生からは、海浜植物の特性と固有種の説明があり…

川邉先生からは1552年(天文21年)の噴火で溶岩が海に流れこんでできた地形についての説明があったそうです。

山のてっぺんにある大きな凹地(カルデラ)内から溢れ出て海に注いだ溶岩が、冷え固まって大島に新たな地面を作り、それが桜株(国特別天然記念物)、石の反橋(都史跡)、都立大島公園一帯、笠松(都の天然記念物)などの景勝地となったのですよね。
15:00~17:00 岡田地区(島の北部)参加者16名
港が見える丘(写真はありません)
昭和8年に来島された林芙美子が風光明媚と称えた地。
岡田を愛する有志により、河津桜の公園が造られています。
仙寿椿
椿の巨樹銘木「仙寿椿」を、管理者されている白井松寿氏が案内。

「周辺を椿の公園として整備出来れば」との希望が出たようです。
龍王大明神
谷口先生の案内で…

「岡田港に面した断崖の急な狭い敷地に建立されており、神社、鳥居、石段等がコンパクトに造られており、全体のバランスが取れ大きく見せている」とのこと。(なるほど~、これで少し小さな鳥居の謎が解けました)
力士大嶌傅吉碑(写真はありません)
岡田地区出身の怪力の力士が、頭上に掲げたと言われる、海岸で波に転がされ丸くなった石「勇鑑石」。他にこの地区の若者が成人の儀式に使ったと言われる「智仁石」も話に出たようです。
八幡神社
八幡神社は源氏の氏神で、岡田八幡神社の祭神は源為朝。

東京都無形文化財「正月祭」では木遣天古舞が奉納される…天古とは梃子(てこ)の事で、源為朝は梃子を用いて溶岩を取り除き八幡神社を建てたと言われています。
ところで今回、中林さんから送ってもらった現地観察会の写真の中に、満開の椿の花の写真がありました。

綺麗ですね~!!
中林さんは「大島の自然、歴史、文化、地質、地形、植生、遷移、土木(防災)工学等のお話を4名の学者・研究者により現地観察で訊けるとは何と贅沢な勉強会で有ろうか、大島ジオパーク推進に生かしていかなければ」と感想を寄せてくれました。
同感です。
そして…写真&文章の提供をありがとうございました!
(カナ)