2月23日(火)表題の講習会が行われ、43名が参加しました。

この日は、農業と漁業の講演でした。
伊豆大島の農業
講師は中島農園の中嶋仁司氏。

中嶋さんは結婚後、約25年“ブバルディア”という花を作っていたそうです。
(ブバルディアは年に3~4回とれるという優位性をもつそうです)
中嶋さんは、病気その他の色々な経過を経て、50歳過ぎにブバルディアよりも手がかからない千両や野菜、フリージア等を作り始め、75歳を過ぎたころから“千両”を、本格的に作り始めたとのこと。
赤や黄色の実が、正月用の“目出たいもの”として広く利用される千両。
その利用は江戸時代までさかのぼるそうです。

中嶋さんは「千両は大島の元々の自生種ではないが、島の温暖な気候、弱酸性の火山灰土壌が適している。火山灰は水はけは良いが肥沃さに欠けるため、腐食に富んだ土作りが必要。月一回落葉を集め5000坪の農地に敷き詰めている」と語られていました。(写真は1年3カ月前のもの)
こうして、肥料を与えたり年に14回消毒をしたりしながら1年かけて育てた千両300ケースは、たった10分間で売れてしまうのだそうです。(ビックリ!)
何故千両を作るのかというと「千両は水揚げが良く日持ちするので、離島のハンディがあっても日本全国の市場に出荷することが可能」だからなのだそう。
大島の農業は、ただ物を作るだけでなく、離島というハンディを乗り越えて販路を広げていかなければならないのですね…。
中嶋さんは「一つのものを作ると深まる。集中すると良いものができる。3年前から“大島千両研究会”をつくり、7~8名のメンバーで年数回、会をもって交流している」そう。
生き生きとしたお元気なお姿からは、仕事に対する“誇り”が感じられ、とても素敵でした。
伊豆大島の漁業
講師は伊豆大島漁業協同組合代表理事組合長 川西光興氏。
川西氏は、消防本部を定年退職してから漁業に従事した方。
伊豆大島の漁業の様々な現状を、バランス良くしっかり教えてくれました。
お話によると…
「平成15年に元町以外の5地区の漁協が合併し『伊豆大島漁協』となった。
現在1050人の組合員がいる。(正会員は125人で、残りは準会員)
農業と違い、公海の物をとるので漁業権がいる。5年毎に更新し、それが組合におりる。
30隻が大きな1本釣り漁船、60隻がテングサなどで稼働している。

(写真は今日の岡田港)
大島の漁は、鮮魚、貝、海藻がある。
鮮魚は波浮でとれた物は島外へ。岡田のものは島内消費に回る。
売り上げは年間2億円。伊豆諸島全体では40億円。
今年北部は磯焼けでテングサがとれず、さらに売り上げが低下している。
テングサは水温が低いほど翌年の生育が良い。八丈島は昔取れていたが今は全くとれない。
キンメは水深450~500mにいる深海魚だが、減っている(神津島のキンメは10億の売り上げ)
逆にメダイは増えている。
カツオがここ2~3年回ってこない。(巻き網による乱獲が原因と言われている)
行政の力で魚礁を島のあちこちに置き、波浮の沖に定置網を置いている。
定置網には条件がある…それは後ろに高い山があること。(この理由を聞き漏らし、質問したかったのですが時間切れでした(^_^;)
定置網の漁期は4~9月。
30kg以下のマグロは捕らないことになっている。」
漁業に従事する方から、これほどしっかり仕事内容を聞いたのは初めてだったので、とても面白かったです。
神津、八丈、小笠原は、内地から漁業者を受け入れ後継者を育てて漁業人口が増やしているが、大島では後継者が育っていないそうで「後継者歓迎します」とのことでした。
ところで、伊豆大島漁協では、女性部も頑張っています。
「鯖は以前、海に捨てていたが、女性部を立ち上げ鯖を加工し、学校給食や都食堂、岡田売店などで販売している」そうで…

お店の前には、今日も美味しそうなメニューが並んでいました。

「魚離れを防ぐため学校に出向き、こどもたちに魚の裁き方を教えたりもしている」とのことで、先日も八王子の学校で八丈島の漁師のお母さんたちと出前授業を行った」とのこと。
…こういう話を聞くと、大島がますます好きになります。
「様々な仕事の様々な人がいて、みんな頑張っている」と思ったら、島を誇りに思う気持ちが生まれますよね。
「”知る”は“好きになる”の始まりだなぁ~」と、ますます感じた講習でした。
(カナ)

この日は、農業と漁業の講演でした。
伊豆大島の農業
講師は中島農園の中嶋仁司氏。

中嶋さんは結婚後、約25年“ブバルディア”という花を作っていたそうです。
(ブバルディアは年に3~4回とれるという優位性をもつそうです)
中嶋さんは、病気その他の色々な経過を経て、50歳過ぎにブバルディアよりも手がかからない千両や野菜、フリージア等を作り始め、75歳を過ぎたころから“千両”を、本格的に作り始めたとのこと。
赤や黄色の実が、正月用の“目出たいもの”として広く利用される千両。
その利用は江戸時代までさかのぼるそうです。

中嶋さんは「千両は大島の元々の自生種ではないが、島の温暖な気候、弱酸性の火山灰土壌が適している。火山灰は水はけは良いが肥沃さに欠けるため、腐食に富んだ土作りが必要。月一回落葉を集め5000坪の農地に敷き詰めている」と語られていました。(写真は1年3カ月前のもの)
こうして、肥料を与えたり年に14回消毒をしたりしながら1年かけて育てた千両300ケースは、たった10分間で売れてしまうのだそうです。(ビックリ!)
何故千両を作るのかというと「千両は水揚げが良く日持ちするので、離島のハンディがあっても日本全国の市場に出荷することが可能」だからなのだそう。
大島の農業は、ただ物を作るだけでなく、離島というハンディを乗り越えて販路を広げていかなければならないのですね…。
中嶋さんは「一つのものを作ると深まる。集中すると良いものができる。3年前から“大島千両研究会”をつくり、7~8名のメンバーで年数回、会をもって交流している」そう。
生き生きとしたお元気なお姿からは、仕事に対する“誇り”が感じられ、とても素敵でした。
伊豆大島の漁業
講師は伊豆大島漁業協同組合代表理事組合長 川西光興氏。
川西氏は、消防本部を定年退職してから漁業に従事した方。
伊豆大島の漁業の様々な現状を、バランス良くしっかり教えてくれました。
お話によると…
「平成15年に元町以外の5地区の漁協が合併し『伊豆大島漁協』となった。
現在1050人の組合員がいる。(正会員は125人で、残りは準会員)
農業と違い、公海の物をとるので漁業権がいる。5年毎に更新し、それが組合におりる。
30隻が大きな1本釣り漁船、60隻がテングサなどで稼働している。

(写真は今日の岡田港)
大島の漁は、鮮魚、貝、海藻がある。
鮮魚は波浮でとれた物は島外へ。岡田のものは島内消費に回る。
売り上げは年間2億円。伊豆諸島全体では40億円。
今年北部は磯焼けでテングサがとれず、さらに売り上げが低下している。
テングサは水温が低いほど翌年の生育が良い。八丈島は昔取れていたが今は全くとれない。
キンメは水深450~500mにいる深海魚だが、減っている(神津島のキンメは10億の売り上げ)
逆にメダイは増えている。
カツオがここ2~3年回ってこない。(巻き網による乱獲が原因と言われている)
行政の力で魚礁を島のあちこちに置き、波浮の沖に定置網を置いている。
定置網には条件がある…それは後ろに高い山があること。(この理由を聞き漏らし、質問したかったのですが時間切れでした(^_^;)
定置網の漁期は4~9月。
30kg以下のマグロは捕らないことになっている。」
漁業に従事する方から、これほどしっかり仕事内容を聞いたのは初めてだったので、とても面白かったです。
神津、八丈、小笠原は、内地から漁業者を受け入れ後継者を育てて漁業人口が増やしているが、大島では後継者が育っていないそうで「後継者歓迎します」とのことでした。
ところで、伊豆大島漁協では、女性部も頑張っています。
「鯖は以前、海に捨てていたが、女性部を立ち上げ鯖を加工し、学校給食や都食堂、岡田売店などで販売している」そうで…

お店の前には、今日も美味しそうなメニューが並んでいました。

「魚離れを防ぐため学校に出向き、こどもたちに魚の裁き方を教えたりもしている」とのことで、先日も八王子の学校で八丈島の漁師のお母さんたちと出前授業を行った」とのこと。
…こういう話を聞くと、大島がますます好きになります。
「様々な仕事の様々な人がいて、みんな頑張っている」と思ったら、島を誇りに思う気持ちが生まれますよね。
「”知る”は“好きになる”の始まりだなぁ~」と、ますます感じた講習でした。
(カナ)